99%ありがとう (一般書)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591136812

感想・レビュー・書評

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  • iPS細胞による新しい薬の探索によって、ALSを治せるかもしれない、しかし何年かかるかわからないという状況のなか、研究支援に携わる自分は日々何をするべきなのか。何が阻害要因なのか。どれが最短距離なのか。誰を巻き込むべきなのか。自分の仕事の重責を痛いほど感じる。

  • [読んだ理由]==================
    ここで紹介されてて興味をもった。
    http://honz.jp/articles/-/37314


    [読んだ後の感想]==============

  • ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、手足が徐々に動かなくなっていき、最後は脳と顔の筋肉だけ正常なのに体が全く動かなくなるという、現代医学では治療方法の無い1万人に一人の難病。
     仲間内で人気者で、仕事も優秀だった30代の著者が、数年前ALSに発病。今の病状は、手足が動かず、しゃべれず、食べたり飲んだりも、自力での呼吸も出来ない状態。出来るのは、視線を動かすこと、脳で考えることだけ。栄養は腹に管を挿して流動食を入れることで、呼吸は喉に管を挿して人工呼吸器で酸素を送り込むことで、なんとか生き長らえている。にも関わらず、視線の動きをセンサーで捉えてパソコンで文字を打つ機械を使い、周りの人やインターネットの向こうの人とコミュニケーションすることで、広告プランナーの仕事を週一回出社でこなしたり、ALSの認知度向上のためにメディアに出たり、精力的な活動を続けている。
     この本は、彼の子供時代からの思い出や、ALSになって感じた周囲への感謝・怒りなど、素直な気持ちが書かれたエッセイ。

    ■気付かされたこと

    ・人工呼吸器を付ける選択について
     ALSにより呼吸が困難になっても、喉に穴を開ける気管切開をして人工呼吸器を付ければ生き続けられる。でも、一度人工呼吸器を付けたら、外した人が法律上殺人罪になるので、70%の患者が最初から人工呼吸器を付けないで窒息死を選ぶらしい。もし、付けた後に呼吸器を外す選択肢が法律で認められれば、気管切開して少しでも長生きすることを選ぶのではないか、人工呼吸器を外した人に罪を問う法律があるせいで、逆に早い段階で自死を選ぶ人を増やしているのではないか、という著者の主張。確かにそういう考え方もあると思う。
     でも、動けず、しゃべれず、食べれず、呼吸できず、という状態になってまで生きたいと思うくらいバイタリティや生き甲斐のある人は稀なのだろう。医療技術と情報通信技術の進歩により、体が動かない病気になっても、生き続けて世界中の人とコミュニケーションを取ることは出来るようになった。でも、人間の精神力が強くないととても耐えきれそうもない。

    ・多様な意見を聞くこと
     命を守るためと言って原発反対している人の家族がALS患者(安定的な電力供給が無いと命の危険がある)と診断されたら、意見がコロッと変わるんじゃないか、という著者の主張も目からウロコだった。事件やニュースに対しては、感情的になって目先のことだけ見るのではなく、冷静に多様な意見を聞いていろんな立場の人がいることを知り、自分の考えを持てるような人間になりたい。

    ・ALSの残酷さ
     ALSという病気の残酷なところは、動かないのは首から下の筋肉だけで脳は正常なため、痛みや意思疎通できないもどかしさは全部 頭で理解できたままというところ。そんな状態だから、一秒も「ほっ」とする瞬間が無く、毎日毎秒神経が張っているのだということ。とても想像できない。

  • ALS患者。藤田正裕さんのエッセイ。とても恵まれた環境で育ち、夢も希望もあふれていた30歳の時に発症。79年生まれということで同級生でもあり、よりリアルに病気の怖さを感じた。でも、意識があるのに、体が動かなくなるなんて想像を絶する。それでも人生の意味を失わずに生きることの大切さとしんどさを垣間見た。どんだけ読んでも、あくまでも他人事。自分がいかに幸せかということを比べることができるに過ぎない。実際にalsを発症しない限りは絶対に気持ちは分からない。それでも生きる力を失わない人がいるってことを知っただけでも読んだ価値はあった。

  • 闘病記の棚にあり
    ALS(筋萎縮性側索硬化症)
    2016年度 1年2組の準チャンプ本

  • 困難な中、葛藤しつつ前向きに進むその生き方に感動しました。

  • 筆者の生い立ちと 綺麗な写真集かな

  • 凄く幸運なことに今の会社でヒロさんとお仕事を一緒にできる機会を恵んでもらった。

    ぐちゃぐちゃ言わずに、全力だします。
    そして、僕にできる第一歩として手ブラ(手に何も持たないほう)から始めようかな(笑)

    でも、正直、この残りの1%の重さを考えずにいられない。

  • 気管切開(p.158)
    それは、鼻と口を使わずに呼吸できることに慣れ、パニックをおこさないこと(顔が水中でも呼吸できる)。
    それは、人がハンバーガーを食べて、コーラを飲んでいる姿を見て空腹を満たすこと。
    それは、世間話、冗談、口論などからは手を引くこと。
    それは、「生き続ける」と腹をくくること。(p.158)

    一秒も休んでいない(p.186)
     人に一番伝えにくい、わかってもらいにくいことは
     「毎秒」闘っているということ。
     
     休憩とか、リフレッシュとか、一服とか、
     「ほっ」とする瞬間がほぼない。
     
     映画を見たりとか、
     安定剤を飲んでどうにか現実逃避ができても、
     「ほっ」とは3年間してない。
     
     毎日神経が張っている。
     毎秒。

    僕は最高の「周り」に恵まれている。(p.196)
     周りに対してはメチャクチャありがたく思っている。
     けど一人の独房で、ずっと独り言が待っているのは間違いない……。

    僕は、「今、自分のいる世界」と十分な時間を過ごしているかどうかを自分に問いかけてみて欲しい、と友達に伝えました。思うがままに、風や芝生や太陽に身を任せているだろうか?すべての出来事は、この世からの贈り物・プレゼントなのです。一瞬立ち止まって、その素晴らしさを実感する時間をとるかどうかは、自分自身の選択です。僕は、もっと大事なやるべきことがあると思って、今まではこういった瞬間を足早に通り過ぎてきました。それを思うと心が痛みます。(p.202)

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