([あ]5-2)山越くんの貧乏叙事詩 (ポプラ文庫 あ 5-2)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 132
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591137048

作品紹介・あらすじ

お金がなくても、ぐうたらでも、恋人がいなくても、
こんなに楽しく生きていけます!

朋輩との切磋琢磨(麻雀)や日課(居酒屋通い、たまに庭の蛙観察)にいそしむ山越只明くん、二十歳。
妙なバイトに借り出され、偏屈な教授の弟子にされつつ、毎日はおおむね愉快に、時折切なく過ぎてゆく。
直木賞作家が贈る、昭和のぐうたら大学生のほんわかゆるゆる青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 学生運動があった時代のぐうたら大学生山越くんと友人達のゆるい日常を描いた作品。
    ほんとに怠け者でその日暮らしな主人公なんだけど、流れる空気はなんか優しい。

  • わーすごい好き。
    結構前に書かれた作品なんすね。
    芦原さん、読んでないのたくさんある。読む!

  • 自分の大学時代を彷彿させる(笑)

    確かにそんな時代に,あんな友達と,こんなことをやったなぁって懐かしく読みました。
    ノスタルジーに浸った一作です。

    軽く読めるけど,若い人には受けないのですかねぇ?
    「昭和」が好きな方にはオススメです。

  • 怠惰の権化、山越君の赤裸々な日常を綴った短編集。山越君にイラっとくるけどなんでか惹かれるそんな一冊。

  • 森見登美彦系自堕落大学生日記。早稲田大学文学部独文コース。主人公の混ぜっかえしが面白い

  • 最後の、指定席云々のくだりが印象深かった。
    早稲田が懐かしくなった。

  • 芦原作品らしい昭和主人公。学生闘争があった時代でほとんど大学にも行かず仕送りだけで何とか楽しく暮らしていようとする姿勢が凄い。仲間との掛け合いが楽しく、よくこれで友情が続くなぁと感心します。

  • 仕送りはだいた月のなかばで使い果たし、友人たちからはかえすあてのない金を借り、バイトすればと言われれば働くのは身体に悪いとこたえ、勉強は大嫌いだけど就職したくないから大学院に行きたい、腐ったイカで腹を壊してはまじめな勤労学生がああいうイカを食わねばならないような社会が悪い、彼女なんて不経済なものは作りませんとうそぶきつつ、友人のかわいくてしっかりものの妹には惚れられ、小説家になったらあたしが出版社につとめて出版してあげるなんてラブコールを送られる始末。いいかげんなようでいて、権威やみんないっしょにはやんわりと反発し、友人にもめぐまれ、友達甲斐もありなんだかにくめない。そんな60年代末大学生ラプソディー。あ、「青春デンデケデケデケ」の人だ、というのと、「なに?貧乏叙事詩?変わったタイトルだ。面白そう」というので買ったけど、なんのことはない、だいぶ前に買った「雨鶏」という連作短編集の改題、文庫化だった。読み始めて3話くらい読んでから気づきちょっとがっかりするも、読み進めるにつれてにくめなくなってきて、最後には文庫にだけ入ってる、前日譚もおさめられていたので、最終的には収穫、という心持ちに。さんざんな生活ぶりを語ったあとに、「ときどきひもじくなるけど、慣れるとどうってことないんだよ」「それなのにスサんでないのがすごい」という山越とあーちんの会話が好きでした。まわりの友人も、失恋があまりにも痛手すぎて大雨のなか研究室でしめた鶏を素手でもってやってくる安根、最後の最後に大盤振る舞いしておいて、わけも言わずに、じゃあな、といって故郷に帰ってしまった笹尾、などなど個性的で目がはなせなかった。

  • ぐうたら、という表現に尽きる、怠惰で享楽的な80年代の大学生を主人公にした、コメディタッチの青春小説。
    最近の青春小説といえば、同じ様に浮世離れしていても、執拗にクールで俗っぽくない登場人物が多い。それはそれで格好が良いが、本作は違う。
    信じがたいほどだらしのない主人公の言動や、仲間たちとのコントのようなやり取りが溢れる中に、ストレートな友情や青春を挟み込む。これが、非常に温かい印象を感じる。
    「いい話」を、最大限怠け者の思想と冗談で包み込んだ、良作だと思う。
    4+

  • 適当なことばかり言って、でもたまに友人のことを案じてみたりと気儘な山越くんに癒される。
    どうしようもない男なのに彼の周りにいつも誰かがいるのは放っとけないそういう魅力が彼にあるからなのかな。

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著者プロフィール

1949年香川県観音寺生まれ。早稲田大学大学院博士課程中退。1990年、『青春デンデケデケデケ』で第27回文藝賞、翌91年、第105回直木賞を受賞する。著書に『スサノオ自伝』などがある。

「2010年 『青春デンデケデケデケ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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