明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語 (1) (ポプラ文庫 日本文学)
- ポプラ社 (2015年1月2日発売)


- 本 ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591137109
感想・レビュー・書評
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人気作家さん達でこんぺいとう商店街のお店の様子を描いた本。
あずかりやさんはこれがきっかけだったのかな?
久しぶりに読んでこんな始まりだったなあと懐かしかった。
おにぎり屋さん美味しそうだったな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不思議な商店街での話。
人気作家さんたちが描くストーリー、どれも印象的でした。
招きうさぎ、いてくれたらいいなぁー -
大山さんの「あずかりやさん」で大好きになった明日町こんぺいとう商店街。
その商店街に七人の作家さんがお店を開店。
読んだことのない作家さんが3人。
彩瀬まるさん、千早茜さん、松村栄子さん。
どの方も気になっていた作家さんで、収録されていてうれしい。
アンソロジーの有難いところです。
収録作品を読む限りでは合うようなので、これまたうれしい。
好きなお話は……と考えて、どれも好きだ~♪と思う。
アンソロジーって、ひとつやふたつは「んー……」ってお話があるものなのに。
またまたうれしい。
元気なおばあちゃんたちの夢のカフェ、焼きおにぎりの香ばしい匂いがするお米屋さん、昔ながらのオムライスを出してくれる洋食屋さん……どのお店も居心地が良くて、何度も足を運びたくなる。
舞台が固定で別の作家さんの作品集なので「競作」と呼ぶのが正しいのかもしれないけれど、ゆるく繋がり、くるっと輪っかになるようなラストで「連作」と呼びたい一冊。
2弾目を読むのも楽しみ! -
明日町駅こんぺいとう商店街
入り口では招き猫ならぬ招きうさぎがお出迎え
こんぺいとうの角は24個
戦後の焼け跡に24件の商店が集まった
7人の作家が描く商店街物語
○大島真寿美さん
○大山淳子さん
○綾瀬まるさん
○千早茜さん
○松村栄子さん
○吉川トリコさん
○中島京子さん
図書館でタイトルと表紙の可愛さに手をとる
作家さん達が豪華
迷わず借りた
○綾瀬まるさん『伊藤米店』
甘い夢と現実
○千早茜さん『チンドン屋』
ぐっと引き寄せられる語り口と切なさ
○中島京子さん『砂糖屋綿貫』
意外なラスト
が好き
こちらはシリーズ1弾、
シリーズ4迄あるようなので
図書館で予約して読もうと思う -
大好きな作家ばかりのアンソロジーということで迷わず購入しました。東京スカイツリーが見える、架空の下町の商店街を舞台にした、連作短編集的アンソロジー。ひとつひとつ、作風は当然ながら違うのだけど、流れてる空気感が不思議と一緒で心地よかった。
トップバッターは大島さん「カフェスルス」。ゆったりした文章からにじみ出る、アラ60の登場人物らのこれまでの軌跡。その描写が秀逸だよなといつも思うよ大島さん。このカフェが今後も別の作品にちょいちょい登場。
大山さんの「あずかりやさん」はちょっと不思議でちょっと切なくて。この作品を収録した、一冊の本として「あずかりやさん」が出ているらしいので、是非読まなくちゃだ。もっとこのお店について知りたいと思うので。
彩瀬さんの「伊藤米店」は一番この本で好き。日々をキリキリと過ごす主婦が同級生との再会で、恋心未満のようなトキメキを感じる。その淡い感情の行方の描き方が見事。軽く泣き笑いするわ。
千早さん「チンドン屋」、松村さん「三波呉服店」は語り手がいかにも江戸っ子なおじさんで、過去に思いを馳せるシーンはじわっときますね。
「キッチン田中」は吉川さんらしく、下町をもてはやすガーリー亡者(笑)のおちょくり方が面白い。昔ながらのオムライスがおいしそうです。
そしてラストを飾るのは中島さん「砂糖屋綿貫」。中島さん的ホームドラマだね。ニクい演出してくれちゃってます、これは読んでみてのお楽しみ。
どの話も何度でも読み返したくなる、「人情」って言葉がぴったりの、心和む一冊。古いもの、新しいもの。その融合で、様々な表情を見せる商店街。この「明日町こんぺいとう商店街」が実在したら飛んでいきたいところだよ! -
これも大阪で買ってきた一冊。
以前から読みたいと思っていた本です。
スカイツリーを見上げる下町のかたすみに、
ひっそりと息づく商店街がありました。
それがー『明日町こんぺいとう商店街』。
明日町こんぺいとう商店街を舞台にした7つの物語。
七人の作家さんのアンソロジー。
大島真寿美 『カフェスルス』
大山敦子 『あずかりやさん』
彩瀬まる 『伊藤米店』
千早茜 『チンドン屋』
松村栄子 『三波呉服店ー2005-』
吉川トリコ 『キッチン田中』
中島京子 『砂糖屋綿貫』
読んだことのある作家さんは、彩瀬まるさん、中島京子さんの二人だけ。
どの物語も心がほんわかします。 -
スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街。
大山淳子氏の「あずかりやさん」がとても良かったので、"出身地"である、こんぺいとう商店街のことをもっと知りたくなりました。
個人商店が立ち並ぶ商店街は、現代では衰退の傾向にあるけれど、こんぺいとう商店街は、たたむ店あり、新しくできる店ありで細々と続いている。
家業を継いだ若者や、出て行ってまた戻ってきた者、新しい商売の形、幼なじみと小さな恋の話など、懐かしい雰囲気の中で語られる。
後に行くにしたがって、他の商店の名前が登場するようになって、箱庭世界が充実していくのが面白い。
一軒目『カフェ スルス』 大島真寿美
ほぼ還暦世代の演劇仲間が集まって、カフェを開くことになる。
バイトで食いつないで来た者ばかりなので、即戦力!
「スルス」はフランス語で「泉」
ちょっとお洒落なカフェができたと、なかなか繁盛。
二軒目『あずかりやさん』 大山淳子
一日100円で何でもあずかる、あずかりやさん。
開店のきっかけになった男が桐島透にあずけた物と、盲目の店主に本を点訳してくれる女性、少年に託された茶色いかばんの中身。
三件目『伊藤米店』 彩瀬まる
「米屋の息子がいい男になって戻ってきた!」と、桐子の周りで話題になる。
なんと、かつての同級生、「野球部の伊藤くん」だった!
おいしいおにぎりと、ひと時の幻想。
四軒目『チンドン屋』 千早茜
テレビが普及してCMがかかるようになるまでは、「チンドン屋」は貴重な宣伝手段だった。
今毘羅屋清治郎が語る、チンドン屋、今昔。
五軒目『三波呉服店――2005――』 松村栄子
着物を着る人が少なくなって、由緒ある呉服店も、卒中で後遺症が残る店主が帳場を守るばかり。
そこへ吹く新しい風と、人間国宝が染めた辻が花の着物の由来。
六軒目『キッチン田中』 吉川トリコ
「ヒナギク生花店」の娘・ひな菊が胸に秘める、「キッチン田中」のシェフ・修(おさむ)への思いのゆくえ。
七軒目『砂糖屋綿貫』 中島京子
砂糖屋の二階に下宿した、浅木耕太が見る、大家・綿貫徳次郎のシルバー・ライフと、耕太の後輩・キズナの謎の行動(耕太にとって) -
人と人のつながりが、ひとつの街の中であたたかく描かれている作品でした。
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スカイツリーが見える、東京の下町。
古くからのお店と新しいお店が混じり合う、明日町こんぺいとう商店街の、七軒のお店の物語を7人の作家が描くアンソロジー。
既読の作家さんは、大島真寿美さん、彩瀬まるさん、千早茜さん、中島京子さん。
それぞれの持ち味が出ていて、どれも面白かった。
大山淳子さんの『あずかりやさん』が、盲目の店主が一日百円で大切なものをあずかるというお店を舞台にしていて、にぎやかな商店街の中、しんとしずかな店という感じが良かった。
アンソロジーを手に取ると、こうして新しく好みに合いそうな作家さんが見つかるのが楽しみ。
こんぺいとう商店街シリーズとして続刊もあるらしいので、続きものんびり読みたい。
また違う作家さん、違うお店が登場するのか、それともまた同じお店も登場するのかな?
『カフェ スルス』がどんなお店になっていくのか、続きが読みたい。 -
前作(厳密にはシリーズ2冊目から読んでる)のが2015年。もう勘弁してください。
「こないだ読んだけど続きを読もうって思ったまま忘れてるな…」
が、10年近く前とか勘弁してください。
で、前回も図書館で借りて読んだんやけど
「なんでその2から読んでんのわたし?」
と、思ったまま放置。
もしかすると当時はこの本は図書館の蔵書になかったのかもしれない。ありうる。
なんで図書館は、シリーズをとびとびに蔵書しはるんか(しゃあないわな…)。
平日に読書するなら短編がほんまええなと思う。
まとまった時間で読めていた20代のころは短編とかアンソロジーって
「興に乗ってきたところで終わるな…」
って思ってたけど、今はこういった短いもののほうが、電車の中で読みきれたりするのでいいなと思う。
小説アンソロは、各章が終わると書き手さんが変わるので(それはそう)続けて読むよりそこで一旦置く方が味わい深いな…、って思うけど、ほんま面白い。
このシリーズは商店街を舞台にしているので、いろんな作家さんが商店街の中に店を構えているのね。
ほんで、違うお店のことも作中にちらっと書いてはるこのリンクさがたまらん。
「あ…、これ、あの店か…」
って思うんよね。それを違う作家さん同士でやるってところに…。(執筆中に)お互いの原稿も読んでるのかしら。すごいなあ。ポプラ文庫、こういうところあるよね(はあ?)。
今回は「あずかりやさん」が、はっとしたかも。
この方のこのシリーズも、読みたいなって思ってそのままにしてるのでは。
ちょっと今度調べてみないと。でも、著者の「猫弁」はちょっと読めなかったんよなあ、まわりくどくて…(笑)。
わたしは読んだ本は読了したら片っ端から忘れていくので、こうやってブクログに残していくのはほんま助かるんやけど(自分が)、忙しいときはさすがに残せてないのですべて網羅できてるわけではないねんな~…。
さてこのアンソロジーはポプラ文庫なんやけど、ポプラ文庫ってなんかこう、独特の風味があるよね…。
なんちゅうか、王道ではない(いい意味で)というか…。
王道を知り尽くした人がちょっと変化球を混ぜて来たというか…(いい意味で)。
そもそもポプラ社って児童文庫のイメージがあるのよね(個人的に)。
で、児童文庫から読んでる人ってほんまに本読みやし、読解力がすごいと思う。
ちなみにわたしは、あんまりそこまで児童文庫は読んでない。
なので、子どものころから読書をしつくしてる人がちょっと違う味付けを求める文庫、ちゅう印象があるというかなんというか…。
題材が
「そこ?」
やったり、ストーリーが動くきっかけが
「それ?」
やったりする意外性がある(わたしにとっては)(わたしはど真ん中王道なので…)。
今回は、彩瀬まる氏がちょっと気になったかな。
知らない作家さんやったけど、「女による女のためのR18文学賞」の読者賞をとったことがあるらしく
「ああ…」
って思った。なんか、こう、女性の心理の書き方がというか…(笑)。
こういうのを深入りするとしんどいんやけど、なんとなく興味を覚えたので引き続き読んでみようと思う。
アンソロジーの作品





