([ん]1-4)明日町こんぺいとう商店街 (ポプラ文庫)

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レビュー : 75
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591137109

感想・レビュー・書評

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  • 大山さんの「あずかりやさん」で大好きになった明日町こんぺいとう商店街。
    その商店街に七人の作家さんがお店を開店。

    読んだことのない作家さんが3人。
    彩瀬まるさん、千早茜さん、松村栄子さん。
    どの方も気になっていた作家さんで、収録されていてうれしい。
    アンソロジーの有難いところです。
    収録作品を読む限りでは合うようなので、これまたうれしい。

    好きなお話は……と考えて、どれも好きだ~♪と思う。
    アンソロジーって、ひとつやふたつは「んー……」ってお話があるものなのに。
    またまたうれしい。

    元気なおばあちゃんたちの夢のカフェ、焼きおにぎりの香ばしい匂いがするお米屋さん、昔ながらのオムライスを出してくれる洋食屋さん……どのお店も居心地が良くて、何度も足を運びたくなる。
    舞台が固定で別の作家さんの作品集なので「競作」と呼ぶのが正しいのかもしれないけれど、ゆるく繋がり、くるっと輪っかになるようなラストで「連作」と呼びたい一冊。
    2弾目を読むのも楽しみ!

  • 大好きな作家ばかりのアンソロジーということで迷わず購入しました。東京スカイツリーが見える、架空の下町の商店街を舞台にした、連作短編集的アンソロジー。ひとつひとつ、作風は当然ながら違うのだけど、流れてる空気感が不思議と一緒で心地よかった。
    トップバッターは大島さん「カフェスルス」。ゆったりした文章からにじみ出る、アラ60の登場人物らのこれまでの軌跡。その描写が秀逸だよなといつも思うよ大島さん。このカフェが今後も別の作品にちょいちょい登場。
    大山さんの「あずかりやさん」はちょっと不思議でちょっと切なくて。この作品を収録した、一冊の本として「あずかりやさん」が出ているらしいので、是非読まなくちゃだ。もっとこのお店について知りたいと思うので。
    彩瀬さんの「伊藤米店」は一番この本で好き。日々をキリキリと過ごす主婦が同級生との再会で、恋心未満のようなトキメキを感じる。その淡い感情の行方の描き方が見事。軽く泣き笑いするわ。
    千早さん「チンドン屋」、松村さん「三波呉服店」は語り手がいかにも江戸っ子なおじさんで、過去に思いを馳せるシーンはじわっときますね。
    「キッチン田中」は吉川さんらしく、下町をもてはやすガーリー亡者(笑)のおちょくり方が面白い。昔ながらのオムライスがおいしそうです。
    そしてラストを飾るのは中島さん「砂糖屋綿貫」。中島さん的ホームドラマだね。ニクい演出してくれちゃってます、これは読んでみてのお楽しみ。
    どの話も何度でも読み返したくなる、「人情」って言葉がぴったりの、心和む一冊。古いもの、新しいもの。その融合で、様々な表情を見せる商店街。この「明日町こんぺいとう商店街」が実在したら飛んでいきたいところだよ!

  • これも大阪で買ってきた一冊。
    以前から読みたいと思っていた本です。

    スカイツリーを見上げる下町のかたすみに、
    ひっそりと息づく商店街がありました。
    それがー『明日町こんぺいとう商店街』。

    明日町こんぺいとう商店街を舞台にした7つの物語。
    七人の作家さんのアンソロジー。

    大島真寿美 『カフェスルス』
    大山敦子  『あずかりやさん』
    彩瀬まる  『伊藤米店』
    千早茜   『チンドン屋』
    松村栄子  『三波呉服店ー2005-』
    吉川トリコ 『キッチン田中』
    中島京子  『砂糖屋綿貫』

    読んだことのある作家さんは、彩瀬まるさん、中島京子さんの二人だけ。

    どの物語も心がほんわかします。

  • スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街。
    大山淳子氏の「あずかりやさん」がとても良かったので、"出身地"である、こんぺいとう商店街のことをもっと知りたくなりました。

    個人商店が立ち並ぶ商店街は、現代では衰退の傾向にあるけれど、こんぺいとう商店街は、たたむ店あり、新しくできる店ありで細々と続いている。
    家業を継いだ若者や、出て行ってまた戻ってきた者、新しい商売の形、幼なじみと小さな恋の話など、懐かしい雰囲気の中で語られる。
    後に行くにしたがって、他の商店の名前が登場するようになって、箱庭世界が充実していくのが面白い。

    一軒目『カフェ スルス』 大島真寿美
    ほぼ還暦世代の演劇仲間が集まって、カフェを開くことになる。
    バイトで食いつないで来た者ばかりなので、即戦力!
    「スルス」はフランス語で「泉」
    ちょっとお洒落なカフェができたと、なかなか繁盛。

    二軒目『あずかりやさん』 大山淳子
    一日100円で何でもあずかる、あずかりやさん。
    開店のきっかけになった男が桐島透にあずけた物と、盲目の店主に本を点訳してくれる女性、少年に託された茶色いかばんの中身。

    三件目『伊藤米店』 彩瀬まる
    「米屋の息子がいい男になって戻ってきた!」と、桐子の周りで話題になる。
    なんと、かつての同級生、「野球部の伊藤くん」だった!
    おいしいおにぎりと、ひと時の幻想。

    四軒目『チンドン屋』 千早茜
    テレビが普及してCMがかかるようになるまでは、「チンドン屋」は貴重な宣伝手段だった。
    今毘羅屋清治郎が語る、チンドン屋、今昔。

    五軒目『三波呉服店――2005――』 松村栄子
    着物を着る人が少なくなって、由緒ある呉服店も、卒中で後遺症が残る店主が帳場を守るばかり。
    そこへ吹く新しい風と、人間国宝が染めた辻が花の着物の由来。

    六軒目『キッチン田中』 吉川トリコ
    「ヒナギク生花店」の娘・ひな菊が胸に秘める、「キッチン田中」のシェフ・修(おさむ)への思いのゆくえ。

    七軒目『砂糖屋綿貫』 中島京子
    砂糖屋の二階に下宿した、浅木耕太が見る、大家・綿貫徳次郎のシルバー・ライフと、耕太の後輩・キズナの謎の行動(耕太にとって)

  • 基本、アンソロジーを読んだ感想はかもなく不可もなくなことが多いのだけれど、これは今の心にピタリとはまったのか、初めから好きだと思い読み続け、最後まで好きのまま読み終えた一冊です。
    7人の作家が明日町こんぺいとう商店街という架空の商店街にお店を出します。定年後に仲間たちと始めるカフェ、何でも預かる盲目の店主が営むあずかりやさん、野球部の息子がイケメンになつて帰ってきた土鍋で炊くおにぎりが売りの米屋さん、ちょっぴり切ないチンドン屋、埃と誇りが入り混じる呉服屋の店主、長い長い実らない恋が漂うキッチン田中、そして量り売りの砂糖を売る店で悶々と下宿する大学生。

    個人的に初めて読んだ大山淳子さんのあずかりやさんと、大好きな彩瀬まるさんの伊藤米店が特に好きでした。なんかいつのまにか涙腺刺激されてたし。
    こういう元気になって愉しく読める夢みたいなアンソロジーをもっと読みたいな。

  • こんな商店街が近所にあったらいいのになぁ。

    大山淳子さんの『あずかりやさん』が、とてもよかった。静かで、でもドラマがあって、心に沁みるお話だった。
    一方、彩瀬まるさんの『伊藤米店』は、現実感があって、主人公のキリちゃんの想いや妄想に共感したり、反論したり、登場人物に、自分や自分の周りにいる人たちに映しながら、あっという間に読んでしまった。これも好きだった。
    『カフェ スルス』は、井上荒野さんの『キャベツ炒めに捧ぐ』に似た雰囲気を持つお話だった。

    明日町こんぺいとう商店街という、東京下町の架空の商店街を舞台にした、7人の作家によるアンソロジーだが、登場人物がお話の中でさりげなくつながっているところがあったりして、この商店街のあたたかく居心地がよい雰囲気が伝わってくるようだった。続編も読んでみたい。

  • 例えば、小学生の時にこういう商店街の中で育ったとしたら、きっと心に大きな財産を詰め込むことができただろうな、ってそう思う。
    オトナの童話、みたいなこのほのかに甘いやさしさが好きだ。

  • スカイツリーのお膝元、昭和の雰囲気漂う明日町こんぺいとう商店街。
    7軒のお店の物語を7人の作家が綴るアンソロジー。
    連作短編集のように少しづつ他の店の内容も織り込んでいるのがいい。
    彩瀬まるさんが目当てで購入したがやっぱり良かった『伊藤米店』。
    “深刻になり過ぎない薄い不幸と自慢になり過ぎない薄い幸福を上手く分かち合うのが女同士の付き合いのコツ”正しくその通り!
    何でもない日常を的を射た言葉に変換できてしまうのは流石。
    何と言っても焼きおにぎりがすごく美味しそう。
    他の7編も温かい気持ちになる。初作家さんは4名。

  • こんなアンソロジーは良いですね!

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    「ひとつの商店街を舞台に七軒のお店が本日開店!
    人気作家が紡ぐほっこりおいしい物語

    この路地を曲がれば、そこはもう、すこし不思議な世界の入口―――。
    ひとつの架空の商店街を舞台に、七人の人気作家がお店を開店し、短編を紡ぐほっこりおいしいアンソロジー。商店街のマスコット「招きうさぎ」がなつかしくあたたかな物語へと誘います。<<文庫オリジナル>>

    ○もくじ
    一軒目『カフェ スルス』 大島真寿美
    二軒目『あずかりやさん』 大山淳子
    三軒目『伊藤米店』 彩瀬まる
    四軒目『チンドン屋』 千早茜
    五軒目『三波呉服店―2005―』 松村栄子
    六軒目『キッチン田中』 吉川トリコ
    七軒目『砂糖屋綿貫』 中島京子」

  • 商店街にある7軒の店を舞台にしたアンソロジー。下町情緒溢れるほっこりとしたどこか懐かしさを感じて良かった。装丁からもその雰囲気が伝わって来る。小さい頃に地元の商店街に行った記憶があるが、今はあまり活用していないので、もっと活用したいなと思った。この本を読んでみて、地域や人の繋がり、そこに見える暖かさが感じられ商店街が素敵だと感じた。特に良かったのは「カフェスルス」の話で、希望に満ち溢れる感じで良かった。金平糖の角が24個あるのを知り、勉強になる。作中の商店街はお店が24軒あるが、どんな内容か楽しみである。

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著者プロフィール

1962年名古屋市生まれ。92年「春の手品師」で文学界新人賞を受賞し同年『宙の家』で単行本デビュー。『三人姉妹』は2009年上半期本の雑誌ベスト2、2011年10月より『ビターシュガー』がNHKにて連続ドラマ化、2012年『ピエタ』で本屋大賞第3位。主な著作に『水の繭』『チョコリエッタ』『やがて目覚めない朝が来る』『戦友の恋』『空に牡丹』『ツタよ、ツタ』など。

「2018年 『モモコとうさぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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