([く]4-1)卵町 (ポプラ文庫 く 4-1)

著者 :
  • ポプラ社
3.27
  • (8)
  • (24)
  • (41)
  • (14)
  • (1)
本棚登録 : 269
感想 : 49
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591137727

作品紹介・あらすじ

サナは、亡くなった母の願いを叶えるため、かつて彼女が過ごしたという卵町を訪れる。卵町は、とても静かで、とてもやさしい、特別な場所だった。サナは、そこで彫刻家のエイキ、妻を亡くしたクウさん、元看護師のタマキさん、そして母にとって特別な存在であったシイナと出会う。そして、想像もしなかった、母の秘密を知ることになり――。心温まる感動作が、いきなり文庫で登場です!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 卵町という住民ほとんどが医療関係者の町の設定といい、面白かった
    続き、ありそうな終わりだったので、出たら読みたい

  • 生前さして母と仲が良かったというわけでもない主人公が、母の遺言で「お父さんには言わずに卵町でシイナを探して。」という依頼を受ける。
    最期を迎える患者と患者を看取る家族が来る病院だけがメインの良くも悪くも卵の殻のような内に籠った街で名前しか知らないシイナをどうやって探そうかというお話。

    タイトルのかんじからゆるゆる系のお話かと期待しながら買ったけど「他人への干渉をしない」という卵町のルールが何度も出てきてぴりりとした。序盤の方の「卵」的な描写が本当にそれが多くてう〜ん…なかなか暗いですねと思った。
    後半になると「卵」と結びつけた描写が色々な方向性をもってくるのでいっぺんに読んでしまえばさほど前半の鬱屈としたかんじも気にならないかなあとおもう。

    細かい描写の良さがちらほらあって、一番好きなのは
    「ほかの町では、私はきっとだめだった。この町のひとたちは、みんな優しくて、みんな悲しい。」
    という部分。死が身近であるから発生したであろう町全体の慈しみムードみたいなものがある。いつかみんなこの卵の内側から羽化していけるといいよね、というお話でした。

  • 母の死、母かつて暮らした卵町、その町はホスピス町といった所。所が、何とも現実感のない町。ただ優しさだけは感じる。今ひとつ何を訴えたいのかわからないまま読み終えた。

  • 亡くなった母のルーツを探るため、病気の者が集まる街、卵町にやってきた主人公。最初は町のその静かさと奇妙さに慣れないが、だんだんと町の住民と関わるようになり、母のルーツもわかってくる。卵町、本当にあったらちょっと怖いかも。

  • 良い…静かに語られる物語、静かに変わっていく気持ち。
    母への想いに気付くとき、頭で考えることと、感じることは別の存在だと感じた。私が苦手なことを、サナがしてくれた。それでいいのだと。

    卵町という名前、単純だけどなかなか思いつかない。設定も、現実にありそうでなさそうな、不思議な町。
    卵の殻という表現が何度か出てきたと思うけど、サナの心が動き出してから、卵の薄い殻を破る瞬間がいくつもある。それは希望を与えてくれる。

  • サナは母に頼まれ、過去に母がいた卵町に人探しへ。
    人を探しながら卵町で過ごす様子が静かに描かれた物語。

    卵町で働く人の出勤帰宅時間以外は人もおらず、交通手段も静かなものだけ。
    音もしない静かで不思議な場所…なんだろう上手く言えないけど卵町の雰囲気に浸る感覚がすごく心地よかった。

  • 100殺!ビブリオバトル No.58 夜の部 サテライトゲーム(日帰り二次回チーム)

  • 図書館で。
    う~ん。なんというのか…軽い、そして薄い。文庫サイズだから、というわけでは無くて。
    全体的に良い話~という所で落ち着かせたんだろうけど…なんか色々とうう~んとなるというか。鳥がとまっていた場所にぬくもりが残るってのもなぁ…。ああ、うずくまってたって事なのか?あの棒のような足じゃぬくもりが伝わるってのはないもんなぁ。
    何でも子供にやらせる母だった割には料理はやってないとか兄は甘えん坊とか色々と設定に矛盾があり、母娘の確執というにはあまりに何もなかった感じで良くわかりませんでした。

    いくら娘とはいえ…いや、娘だからこそ自分が死んだという伝言を頼むものだろうか… ちょっと私にはピンときませんでした、ハイ。

  • こんな場所が必要かも知れないな、と思った。

  • 読み終えて思うのは
    人の存在感も 関わりも
    街の印象も 物語すらも
    半透明で印象が薄い。

    物語が終わったような気もせず
    まだ始まってすらいないようでもある。

    作り込まれていないことの希薄さは
    残念ながら 私の中には残りそうもない。

    もう…忘れかけている。
    縁が薄かった人を弔ったあとのように。

全49件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

直木賞を受賞した恋愛文学の旗手から、早熟の天才少女作家まで。いま、もっとも切実な恋を描く6人の女性。

「2008年 『コイノカオリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

栗田有起の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×