さようなら、僕のスウィニー (ポプラ文庫 日本文学 237)

  • ポプラ社 (2015年1月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (204ページ) / ISBN・EAN: 9784591139745

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの大崎ブルー。雰囲気のある文章はあいかわらずステキ…なのだが…何をいつまで過去引きずってるんだろ?な思いで読んでしまうのは女性目線だからかな。ふーん。なるほど、男性の方が過去を美しく残しているのね。そしていつでも引き出せる所に保管してんだな。

  • フランスの自由に、どのくらい僕らは、追いつけたのか、は大学をドロップ・アウトして、プロになれる年齢はとっくに過ぎたのに、365日のめりこむ主人公。タイトルは、よく対戦してたおじさんが、よく「フランスは自由の国!」と叫んでたことによる。飛び降りた人がいても気づかないほどの将棋へのめりこむ人々。/他に、若い頃には若いときに死にたい、死ぬと決めた同級生たちの話。重いポリタンクを持った同級生の女子を助けようと家を飛び出したのに決定的にすれちがってしまった思い出。普段一切甘やかしてくれない父に、唯一明日釧路につれてってほしいとねだって叶えてくれた思い出。妻が町内会のイベントで神様をさがしに行くストーリー。など。/表題作は、こんなご都合主義があっていいのかという展開。徹夜のバイト帰りに通った公園のすべり台に、家出姿の美しい少女が寝ていて、誘ったらうちについてきて、彼女がいるのにまずいなあと思いつつ、ともに一週間をすごし、お互いの気持ちを確かめ合い初めていっしょに寝た朝に、姿を消し、なぜか一週間行き来のなかった彼女に、黙ってるのは大人じゃないからと全部告白したら、泣かれたけど許してくれて、って。

  • 昔の記憶は甘く切ないものほど、いつまでも忘れられない。

  • 大崎善生の男の語りは綺麗だといつも思う。

    そして、その語りから透かして見る女だから、独特の美しさを持っているように感じる。

    「夏の雫」は病気がちの女の子、棚田美香が清楚な美で作品の空気を醸し出す。主人公と一緒にクラゲの成長を管理する中で、彼女の見せる儚さに女の私でもどきっとするのだ。

    「プラヌラ、スキフラ、ストロビラ、エフィラ」

     クラゲの成長過程を言葉で追うシーン。この、呪文のような響きが好き。おそらく美香の頭の中で様々に形態を変えながら、クラゲがふわふわ漂うさまを想像すると素敵。

    「さようなら、僕のスウィニー」では、拾ってきた女の子スウィニーが奔放で、無邪気で、かわいい。
    大崎善生が拾ってくる女の子は、本当にかわいいのだから、やっぱり拾ってしまうと思う。

    「神様捜索隊」は、どこかで読んだことがあるな、と思っていたら『一粒の宇宙』というアンソロジーに収録されていたものだった。
    この作品だけ、ちょっとテイストが違う。
    けれど、「それなりに必死」に神様を探す人々の姿が愛おしく思えて、じんわりくる。

    鉄道にまつわる短編集、ではない気がするけれど、大崎善生のエッセンス(と私が呼んでいいのか分からないが)が濃縮された作品たちだった。

  • 揺らめく記憶への旅.鉄道にまつわる記憶の欠片.青春時代の恋、家族の風景が、車窓のむこうに浮かんでは消える.もう戻れない時を想い、胸が切なくなる珠玉の短編集.ショートショートストーリ,物語というより詩に近い印象,儚いそれは理屈ではない自分だけの大切な大切な思い出.そして誰にも触れさせたくない真理なのだと思う.

  • 甘い悔恨と追憶に彩られた回想が多く登場するごくごく短い短編が収められている。
    どこかで読んだことがあるような気が・・・と思っていたら、2010年に刊行された「Railway Stories」が改題されて文庫化されたものらしい。読んでしばらくはぜんぜん気づかなかった自分もどうかと思うが、それにしても、単行本を読んだ当時とは違った印象を受けたことに驚いた。
    自分がすっかりすれてしまったのか、主人公の男(おおむね中年)に共感できる部分が少なく、そのセンチメンタルや邂逅を思い切り斜めから見てしまう。登場する女性も「都合がよすぎる」という気になるばかり・・・物語って本当にその時々の自分の環境や年齢によって印象が左右されるなぁということを改めて思い知った。

  • 再読。以前、単行本で読了。タイトルが変更されたのに気づかなかった。鉄道をテーマにした短編集だが儚さと切なさが混じり合う作品が多い。そこに喪失感もプラスされている。久々の大崎善生だが、やはりこの人の文章や世界観が好きだと改めて実感。

  • どの物語も優しく、静けさを感じる。

  • 昔の記憶に思いを馳せるように語られる短編集。言葉や情景を表す文章がきれい。日常的な出来事と会話主体の文章で読みやすかった。

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著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2019年 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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