- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591140383
感想・レビュー・書評
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京都はなかなか大変そう。東京はかなり荒っぽいところに映るんだな。小豆色と羊羹色の話はこの人ならでは。
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食べ物に関するエッセイは大好き❤
古き良き時代の季節を大切にする食文化、日本古来の色、など楽しく読めた。 -
京都出身で大宮暮らしの筆者。お料理やさんが実家という出自は、食文化その他諸々において私とは天と地の差がありますが、関西ご出身の食観察眼には共感することひとしきり。桜餅といえばつぶつぶ、雑煮は白味噌、いまだに切り餅に慣れない、人参は赤。そうそう!と何回うなづいたことか。
とはいえ、やはり当時の最高の食育?を受けてらっしゃるだけあり、子供の頃からの食に関する記憶はすごい。さらには食の歴史に関する造詣の深いこと。面白くて一気読みした。筆者のご実家では、台風で何もなかったとき、お客さんに出すコーラで空腹をしのいだ、との逸話を読み、私も誕生日に台風直撃を受けた折に食べたうどんの悲しい味を思い出した。食でつながる思いは深いなあ。 -
若い頃はエッセイって苦手だったんだが、最近面白いとおもうようになった。とくに食べ物についてのものや、旅行記。表現力に長けたプロたちが、私がおそらく死ぬまでに見たり食べたりすることができないものを脳内に想像させてくれるかんじが良き。ちょっと自分の人生見切ってくるぐらいになると、ひとの雑談も味濃く感じてくるのかもしれん。
食について丁寧に生きる土壌がありすぎるお育ちの松井さんならではの、出会ってきた味の思い出が楽しめた。ときどきラスト1文で落とすような洒落た話も多くて。
松井さんっていつか朝ドラのヒロイン素材として使われそうな半生だなあって。美味しゅうございました、という、読後感。 -
ユーモアたっぷりに、食のことが
語られる。
食に関する歴史(昔と今のちがい)
食に関する文化(関西と関東のちがい)
そうだったのか、と、感心したり
そうだった、そうだったと、思い出して笑ったり。
気軽に読めて、心愉しい。
色に関するエッセイは、
なるほどと教えられることもあり、
目で楽しみ、舌で味わうような一冊だった。 -
201608/甘味が多い気がするけど、さすが松井さんならではの舌と博識で楽しい一冊。
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ご実家が京都の料亭という松井さん。小さい頃から料理に関わってるだけあって、京都の食文化に詳しく、それ以外にも興味深いことばかりで楽しく読めた。装画の作家さんの「あとがきマンガ」も良い。
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松茸山もりエピソードが強烈すぎて
いいもん食べてますなあ…という読後感 -
美味しいもののエッセイ。
時代小説作家さんだからか、習わしの由来などの情報も豊富。
「日本は色彩の表現が大変に豊かな国」確かに。菜の花色、小豆色、辛子色…その言葉を聞いて色が連想できるのも日本ならではって感じがして素敵。
装画:川口澄子 -
一行目:「向島に友人夫婦がいて、春は決まってお誘いを受ける。」
時代小説家さんだと思っていたら、京料亭の娘さんでもあったとは。
日本の行事や話の食材を中心に、短編エッセイがまとまっている。時代小説家だけあって、伝来にも詳しく、江戸時代と現代の食べ方の違い、なんて粋な紹介も多い。季節のもの、時のものを食べたくなること間違いなし。