- 本 ・本 (166ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591142226
作品紹介・あらすじ
「原因不明、治療法なし」
そう言われても大丈夫!
乗り越える方法は必ずあります。
NHKの人気医療番組「総合診療医ドクターG」出演、
注目のドクターが不調とのつき合い方&役立つセルフケアを伝授!
めまい、耳鳴り、手足のしびれ、微熱……医師にもなかなか診断がつかず、病名もはっきりしない「からだの不調」に悩む人は多い。
聖路加国際病院、リウマチ膠原病センターの副医長を務める著者は、そうした患者と日々向き合っている臨床医。実際に診察した具体的な事例をあげながら、病名がわからない理由、病名がつかない「病気」に対する医療のアプローチ、患者へのアドバイスなどを紹介する。
原因不明の不調に悩む人々の心を軽くし、医療への向き合い方もわかる一冊。
【著者プロフィール】つだ・とくたろう。1976年、京都府生まれ。京都大学医学部卒業。北里大学東洋医学総合研究所医史学研究部客員研究員。聖路加国際病院リウマチ膠原病センター副医長。現代医学と漢方、両方を取り入れた診療を実践している。医学博士、日本リウマチ学会専門医、日本東洋医学会漢方専門医。NHK『総合診療医ドクターG』への出演、医事指導も務めている。
感想・レビュー・書評
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膠原病など免疫不全からなる病気の専門医で、現代医学と漢方の両方を取り入れた治療を行っている著者による、名前のつかない病との向き合い方や、現代医療の問題点を取り上げた本。
『ほの暗い永久から出でて』という上橋菜穂子さんとの往復書簡の本を読んで興味を持ち、手に取った。
著者はNHKで放送されていた「総合診療医ドクターG」の監修をつとめ、出演もされていた方だ。この番組はたまに見ていたが、さまざまな症状の中から病名を突き止めていく経過はまるで推理小説のようで、わくわくすると同時に、医者というのは大変な仕事だなあと思った記憶がある。
病名というのは、人体の複雑なネットワークの中で起こる不具合に便宜的につけるもので、ある意味人工的に線引きをする国境のようなものであるという。実際の病は、ここからこの病、とスパッと割り切れるものではなく、虹のように境界があいまいなのだ。
極所的なガンを取り除くことで完治する病もあるが、多くは一つの症状が他の様々な臓器や細胞に影響していて、その症状だけを見ていても治療することはできない。医師は体のシステム全体を俯瞰的に見て治療を組み立てていく必要がある。
つまり、ドラマの「ドクターX」のように、カリスマ医師が病を断定し、見事な手術を行って病を完治させる、というストーリーはわかりやすいけれど、実際のところそれで治せる病は限られている、ということだ。
この本は、基本的には病に対する医師の姿勢や治療の仕方について書かれたものだが、患者の立場からも、自分の体の症状を正確に医師に伝えられる「セルフモニタリング能力」の向上や、かかりつけ医を持つことの重要性について述べている。
私は本当に自分の体の状態に無頓着で、医者に行くのが苦手なタイプだが、この本を読んで大いに反省した。まずは、自分の体の状態を丁寧に感じ取る努力から始めてみよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
医師がどのように病気を診断しているかがよくわかっておもしろかったです。医師も神様ではないので、わからないことだらけで患者と向き合っている、というのは話を聞かなければわからないものです。
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医療に関するNHKの番組の監修や出演をされている膠原病の専門医の方が、現代医学、医療とはどういうものなのか、どう捉えてどう関わっていくべきなのかを医師の目線から論じています。専門用語も出て来ますがその都度例示を交え説明されており、文章自体も読みやすく1日で読み終えられました。
西洋医学と東洋医学では病の捉え方が異なること。病院での受診とセルフケアとの関係性。問診と検査それぞれの役割。などなど。自分が病、病院、薬、医師などをどのように位置付けるかを能動的に考えるきっかけをつくり、良い指針となってくれる本です。 -
p57
検査前確率が極端に低い場合は、検査後確率もほとんど上がらないので、検査が役に立たないということになる
検査をする前に、問診などの情報を精査して、検査前確率を高めておくことが大切なのです
p128 神田橋條治 患者さんにはよい患者さんと悪い患者さんがいて、ずっと医者をやっていると悪い患者さんばかりたまっていく
良い患者さんとは、医者のいうことを素直に聞くといういみではない。自分自身のことを正しく理解している患者
悪い患者さんとは、聞き分けがなく、わがままをいく患者という意味でなく、自分の体の状態を正確に感じ取れない患者
神田橋先生によると、セルフモニタリングを上手にできるようにしえんすることこそ、医療者の仕事である -
【由来】
・確か図書館の新書アラート
【期待したもの】
・「病名がつかないからだの不調」というのは確かにある。そんな自分の体の状態に関する知見が得られるのであれば。
【ノート】
・病名は、実はひとくくりに決められるものではない。あくまでも「状態」なのであり、したがって、完全に「病気」がない状態というのもない。
・西洋医学は、分断された局所的、戦術的な治療に有効で、東洋医学は人体のネットワークを視野に入れた戦略的な治療。
・上工は「未病」を治し中工は「己病」を治すと言うが、医者を盲信するのではなく、上手に活用しながら、未病を意識して付き合うのがよい。
タイトルに対する期待感からすると、何となく医者の言い訳が陳述されているという印象がないでもないが、実はその印象にこそ、我々、患者/受診者側の勘違いが潜んでいる。診断結果として病名が宣告され、それに合った薬がもらえればそれで安心するの?それでいいの?と問いかけられているように感じた。
西洋と東洋の治療の違いなども概説しつつ、「治療とはどのような行為か」に言及し、医療にできることとできないことや、今の治療の仕組み、プロセスを説明することによって、「病気かも?」「何の病気?」という自分の不安感や医者とうまくつき合うための考え方を提示してくれる本。これからどんどん増加していく「高齢化世代」に片足をつっこんでいる自分にとって、「困った患者」にならないための視点を提供してもらった印象です。
【目次】
第1章 なぜ病名がわからないのか
第2章 医師はどのようにして診断をつけているか
第3章 現代医療にできること、できないこと
第4章 よくわからない「不調」とのつき合い方
第5章 患者は医師とどうつき合えばいいのか -
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病院では病名がつかなくては治療が出来ないが、病名がつかない状態の身体の不調というのは存在する。
そんな未病の状態とどのようにつきあっていくかという内容です。
人生100年時代に突入していく今、自分の身体のとの付き合い方、病院との付き合い方というのをしっかり見直していくことが必要ですね。 -
不摂生の大魔王が読む本じゃない気もするが、、、
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めまい、耳鳴り、体のだるさ・・・病院に行っても「原因不明、治療法なし」と言われる不調とのつき合い方&役立つセルフケアを伝授!
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8201045.html -
読みにくい本であり、かつ、わかりにくい本でした。精読すればいいのかもしれませんが、さらっと一読で終えました。読後、何も残らなかっためずらしい本です・・・。タイトル自体が難解ですね。
著者プロフィール
津田篤太郎の作品





