([い]4-3)なでし子物語 (ポプラ文庫)

著者 :
  • ポプラ社
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レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591142462

感想・レビュー・書評

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  • 一時帰国の際、大阪で買ってきた本は8冊。
    これが最後の1冊(涙)

    伊吹有喜さんは大好きな作家さんの一人。
    この『なでし子物語』は読みたいと思っていた一冊。

    書店で「ポプラ文庫」の棚を探したけれど、見つからず。
    店内のパソコンで検索すると在庫は3冊ある。
    場所を確認すると、先ほど私が探した棚。

    カウンターで尋ねてみると、文庫担当の人に電話連絡してくれた。
    カウンター横で待つことに。
    が…
    かなり待っても書店員さんがやって来ない。
    その後、友人と待ち合わせだったので、カウンターの方に「また来ます」と伝え、売り場を離れた。
    ちょっと歩いたところで、「お客様~!」と後ろから大きな声が。
    私のこと?と思って振り返ると、女性の書店員さんが走って追いかけてきた。

    「お探しの本がありました!」

    書店員さんの手には一冊の文庫本。

    「フェアの最中で、違う場所に陳列していました」と。

    手渡された本を見ると…、フェア用のカバーがかけられていた。
    これは、わからないわ!
    書店員さんが追いかけてきてくれたおかげで、手に入れることができた『なでし子物語』

    書店では書店員さんたちは、本の陳列方法、フェア等々、様々な努力をされている。
    今回は、出版社主導のフェア。
    このカバーがかけられていたら、見逃してしまう。
    書店員さんも探すのに時間がかかったわけだ。
    それでも、私一人のために、探し回ってくれ、書店の外まで追いかけて来てくれた。
    感謝、感謝だ!

    父を亡くし、母の愛情を受けずに育った燿子を引き取ってくれたのは祖父だった。
    祖父と暮らし始めた燿子は、裕福な家庭に生まれながらも自分の居場所がみつけられない立海と出会う。
    幼い日、二人はお互いを思いやり、お互いを支えに生きていくのだが…

    伊吹さんの本と出合ったのは【風待ちのひと】だった。
    2011年、タイの洪水でバンコクに居ることができず、チョンブリのホテルに避難中に読んだだっけ…
    自然の前では無力で、自分では何もできない焦りの気持ちがあった頃。
    ただひたすら”風を待つ”
    そんな時があってもいいよね…
    そんなふうに勇気づけられた本だった。

    やっぱり伊吹さんの本は良い。
    『なでし子物語』の続編も読んでみよう。

  • 先に返却期限の迫った「地の星」を読み始めて、
    20ページほどで、
    これは順番に読まないと!と思って大急ぎで購入。
    アマゾンありがとう。

    凄い良かった。すんばらしくよかった。

    たった数ヶ月の出来事なのに、
    かの地で過ごす子ども達にとっても、
    周りの大人にとっても忘れられない日々であった
    ということがよく伝わっってきた。

    いろんな言葉に励まされ、
    勇気づけられた。「

    「自立(自分で立つこと)と自律(美しく生きること)」
    「どうしてをどうしたら」
    そして「やらまいか」
    いい言葉。

    大人の都合で子ども達が翻弄されるけれど、
    きちんと見てくれている大人もいる。

    大丈夫、リュウカイもヨウヨも
    青井先生も。きっと大丈夫。

    話の中に、時代のわかるテレビ番組(ドリフ)や音楽(オリビア)がでてきて、
    するりとその時代にいけた。

    男の子なのに女の子の格好をさせられている
    リュウカイの話し方が可愛かった。
    「俺」というのに「そうなのよ」なんて、時々出てしまうのが超可愛い。

  • 母のおすすめ本。優しく強い物語。
    常夏荘の独特な雰囲気に、すっかりのめり込んでしまいました。
    いじめや生い立ちに苦しむ耀子と立海。
    夫を亡くし、思い出の中にだけ生きる照子。
    耀子と立海が心を通わせ、元気になっていく様子がとても嬉しかったです。だからこそラストが切ないですが…。
    照子と夫・龍一郎の関係も素敵。
    青井先生も魅力的でした。
    “自立、かおをあげていきること。
    自律、うつくしくいきること。”
    大事にしていきたい言葉です。
    七夕が近いこの時期に読めたのも良かった。
    ぜひ、いつか、また読みたいです。

  • キラキラと優しく切なくとても素敵な本です。けっぱれ、がまだせ、やらまいか。自立と自律。心に残るキーワード。どんな小さな子でもみんな悩んで考えて。でもどんなに考えても誰からも何も応えてもらえなかったときは心を凍らすしかないと一人で抱えて。泣けてきました。

  • 子どもは愛されることで自立し自律するんですね!

  • 好きすぎて、単行本も含めて3冊も持っている
    うち1冊は伊吹さんのサイン本!

  • 味わい深かった。結構ページ数はあるけれど、一気に読んだ。
    主人公の一人である耀子は、私と同じ時代を生きている。だから余計に引き込まれるのかもしれない。ままならぬ時代と運命を懸命に生きる女性たちの姿が清々しい。
    青井先生が特に好き。2018.8.12

  • 読了。
    人は必ず誰かに愛されなければならない。
    人に受け入れられて初めて<自立>と<自律>に向かう。

    親の愛情をまっすぐに受ける機会がなかった2人の子供が、互いに思い、受け止めあい、そして各々自分の足で歩んでいく。
    静かで穏やかな自然の清々しさと、凛とした強さを感じる作品だった。

  • 日本版「秘密の花園」か、「風待ちのひと」の小学生版か。

    愛情に恵まれなかった小さな2人が、豊かな自然の中で出会い、よりそい、周りの大人たちをも変えていく。

    舞台は広大なお屋敷だけど、凋落の兆しが見え隠れして、これから大人になっていく御曹司の彼は、疾風怒濤に巻き込まれていくのだろう。老耄な印象もある専制君主の父親からも、どうか、周りの大人たちがうまく守ってあげてほしい、そして、どうか、健やかに育っていってほしい、と願いながら終盤を読んでいたら・・・続編があるのですね。

    日系人の乳母に育てられ、ちょっぴり不思議なかわいい言葉を話す彼が、どんなふうに育っていったのか、読みたいような読みたくないような。いい音をさせてソーセージを食べたとたん、戦闘モードに入り、全力で戦うところなど、思わずにんまりしてしまっただけに。

    ところどころに、ドリフのひげダンスやら、おしゃれなテレコやら、およげたいやきくんやら、時代背景が読み込まれていたのは、楽しかった。

    それから、素敵な服を着て、大好きな人と過ごした一瞬は、女性にとって一生の宝物ですよね。

  • 親に見放された燿子は「常夏荘」に引き取られることになった。昭子や立海との出会いによって、それぞれがそれぞれになっていく。
    燿子は内気で友達もおらず、いつも陰口を言われていた。
    立海も体が小さく弱いために輪から外れていた。
    昭子は未亡人で過去を思い出す日々が続いている・・・。

    立海を見ていた先生が燿子も見てくれることになって、病院へ連れて行き、耳垢をとってもらう。
    そこからマイナス思考的なものが治っていって、学校のガキ大将とかと仲良くなる。
    昭子も立海が嫌いだったけれど、だんだん肩を持つようになる。

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著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

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