歌う樹の星 (TEENS’ENTERTAINMENT 14)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 75
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591142639

感想・レビュー・書評

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  •  異星への植民が始まった時代。植物と意志疎通のできる水希は、植物の繁茂する惑星ランタナへ樹木医として赴任し、人跡未踏の森で不思議な子供・ジュリと出会う。ジュリは何者なのか、そして惑星開発の裏に潜むものは……?

     図書館本。
     ヤングアダルトレーベルのSF小説。
     ただ、SFとはいっても設定が甘く、未来が舞台のファンタジーといったところ。あまり意味のない設定や活かしきれていない設定もあり、ちょっと詰め込み過ぎという印象。
     読みごたえには欠けるが、読書慣れしていない小学校高学年~中学生にはちょうど良いかも。
     そのわりに用語の選び方が何と言うか昭和で、中古のエアカーを“セコハン”と表現していたりする。今時のティーンに通じるのか?親世代でも辛くないか?

  • 凄く好きな物語だった。ファンタジー好きで特殊能力好きな私には堪らない!あと人間は愚かだなあと思った。
    私も植物とお喋りしたみたい。
    きっとジュリも水希も植物と大好きな家族に囲まれて地球でも過ごすんだろうなぁと思うと温かくなった。
    表紙が最高!!

  • 一般人の星間飛行が可能になって百年余り、地球に似た星を日本人達が視察する。惑星森林保護区管理官の兄の元へ助手としてやって来た、植物と会話が出来る秘密を持つ十七歳の水希と、植物に育てられた少女のような外見の少年ジュリと歌の奇跡。危機を内包しても全体に穏やかな安定感があった。子供向けと感じずに楽しめた。

  • 植物と会話ができる樹木医の水希は赴任した未開発の惑星で植物に育てられた少年ジュリと出会う…

    なんだかラ○ュタを思い出しました
    しっかり者で面倒見のいい水希ちゃん、かわいくてかっこよかったです

  • ランタナ星とジュリの謎と、水希と生樹と涼風の謎。二つの謎は読み進めていくうちに解かれ、ついには全て明らかに....とすんなり読み進めることができました。ただ、SFというネタ的にもっと突っ込んで書いてもいいような?という部分が多々あったので、その辺が読みやすさのためにカットされたのかも?面白かったし、歌うシーンは見事でしたが、ちょっと物足りなかったです。

  • 植物と会話ができる少女・葉山水希。中学生にも見えるような童顔で、弱冠17歳ではあるが、小学生のうちから飛び級を繰り返して大学を卒業し、現在は植物学者で樹木医でIPPO(国際植物保護機構)の保護観察補佐の職についた。
    そして、地球を飛びたち、ランタナ星系の第三惑星に派遣されることとなった。
    そこには兄である葉山生樹(いぶき)が主任(上司)として派遣されている。生樹もまた、植物の声は聞こえるが、水希ほど鮮明でもなく、植物と会話などは出来ない。だが、この兄の教えで、幼い頃から、植物と話が出来ることは、ほかの人には内緒だと教えられる。


    ランタナIIIは、地球とよく似た惑星ではああるが、同じというわけではない。植物も未知のものだ。
    水希はそれでも、植物の声を聞くことが出来た。
    そして、植物だけでなく、森の中で一人きりで育った美少女・・・にも見える少年・ジュリとも心を通じ合わせることが出来る。


    ランタナIIIに地球人が降り立って以来、ランタナIIIの環境は大きく変わっていった。森の木も取られたり傷つけられたりしている。ジュリは、ハハノキと呼ばれる木を守りたい。言葉は話せないけど、植物と気持ちは通じ合わせられるし、植物は動いて答えてもくれる。


    しかし、そんなジュリを狙う組織がある。


    水希と生樹は、ジュリと森を守ろうとするのだが・・・



    近未来のファンタジーと言っていいのだろうか。
    植物と心を通じ合わせられて、美少年に、若くして学者であり植物のエキスパートとなった元気な少女に、・・・(その他、いろいろな人間関係)
    設定もだけど、めまぐるしく事件も起きて、ちょっと詰め込みすぎなかんじが。
    でも、読みやすいし、ファンタジー好きな中学生むけ。

  • タイトルに惹かれて借りました。
    植物と意思を通わせることができる少女が未開の星で不思議にあうお話。
    アクエルタルハというお話が途中なので、そちらも気にかかります。

  • 植物の声が聞こえる少女・水希が降り立ったのは、地球に余国や惑星ランタナ星Ⅲ。

    そこで出会った謎の少年は、声を出す代わりに植物たちと同じく心に直接語りかけてきて…。
    少年との出会いで、明かされる過去の事件の真相とは…。

  • 話の大筋はおもしろいんだけど、文章に「に」「が」「は」等重複が多くて読みにくい。

    一般人の星間飛行が可能になってから100年あまり…という出だしからSFかと思わせておいて、
    「女の子らしく〜」とか
    「旧姓」とか出てくるから、近未来というほど遠くない未来らしい。

    と思えばp203「夫婦別姓にしていたせいで、奥さんの事故のことはすぐには明るみに出なかった」
    って別姓どれだけ闇に葬られてるんだ…誰にも結婚報告しなかったのか…
    すぐにはって付けてるからギリギリセーフ?

    あとキャラクターとか会話劇のテンポはいいのに、拉致→逃げる→戦う→火事→消化のループなのがいろいろと詰め込みすぎというか、ちぐはぐな印象。

  • 植物に覆われた惑星、植物と交感できる少女、森の命の源である「ハハノキ」に育てられた少年。歌で森を癒やし雨を操る能力。「ぼくの地球を守って」に夢中になった世代にとっては、こういった舞台設定だけでご飯3杯はいける。
    ……のだが、筋立てが悪者に追いつ追われつのマッチョな展開なので、どうも歌や植物とはなじまない気がする。最後に明かされる主人公の「本当の両親」は、ストーリー上あまり必然性を感じず、むしろ「ハハノキ」に育てられた少年と兄弟ではないのかと期待したし、行きと帰りの船で同乗した愉快なアメリカ人同業者は、本筋中でヒーローのごとく登場してほしかった。そしたらもっとハードボイルドに振り切った方向で楽しめたのにと思ったり、設定が非常にツボにハマっているだけに残念な点が目についてしまった。

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著者プロフィール

風野潮
大阪府生まれ。第38回講談社児童文学新人賞を受賞した『ビート・キッズ』でデビュー。同作で、第36回野間児童文芸新人賞と第9回椋鳩十児童文学賞を受賞する。ほかの作品に『ビート・キッズⅡ』、「氷の上のプリンセス」シリーズ(ともに講談社)、『ゲンタ!』(ほるぷ出版)、『歌う樹の星』(ポプラ社)など多数ある。日本文藝家協会、日本児童文芸家協会会員。「プレアデス」同人。

「2023年 『ペンタとニック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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