百貨の魔法

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 1298
レビュー : 199
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591142721

作品紹介・あらすじ

時代の波に抗しきれず、「閉店が近いのでは?」と噂が飛び交う星野百貨店。エレベーターガール、新人コンシェルジュ、宝飾品売り場のフロアマネージャー、テナントのスタッフ、創業者の一族らが、それぞれの立場で街の人びとに愛されてきたデパートを守ろうと、今日も売り場に立ちつづける――。百貨店で働く人たちと館内に住むと噂される「白い猫」が織りなす、魔法のような物語!

感想・レビュー・書評

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  • なんて優しい本なんでしょう。
    登場人物がすべて優しい人たちばかり。
    こんな百貨店が本当にあったら素敵だろうな~
    地方の百貨店は本当に厳しい状況で、私の住んでる場所の百貨店も何年か前に閉店してしまった。

    でもこの本の星野百貨店はきっと大丈夫だと思う。
    新しい店長さんが素敵な人だもの。
    それに白い子猫も見守ってる。

    どのお話も心がジーンとくるものばかり。
    温かい気持ちになれる素敵なお話でした。
    素敵を何個並べたかしら(笑)

  • 閉店間際との百貨店で起こる奇跡の物語。
    大空襲で焼け野原になった風早の土地の復興を願って建てられた星野百貨店。創業者の星野誠一が築き上げた星野百貨店は地元で愛される百貨店であったが、世代交代と時代の流れでだんだんと経営が傾き始めていた
    そこへコンシェルジュとして現れた一人の女性をきっかけに、百貨店の従業員達に不思議な出来事が起こる

    魔法を叶えてくれる白い猫の存在や文章から読み取れる星野百貨店のステキな佇まいや内装、ドアマンがいるところ、全面ガラス貼の手動エレベーターなど、キラキラした雰囲気がすごい素敵だった

    従業員のそれぞれの短編集みたいな感じだけど、コンシェルジュを中心にそれぞれの過去が描かれたり、百貨店に昔通っていた子供がおじいさんになってまた百貨店に訪れたり、繋がってくる

    百貨店は一流のプロのサービスをする。けれどそこには心を持った従業員がいるから、よりサービスを受けたいならば、お客様もプロのお客様であるべき

    百貨店の特別な空間、人生の節目で大切な物をおくるところという場所だからこそ繋がってくる人と人が暖かった

    ストーリーは一見ヒューマン系かと思ったら願いを叶える猫が当時したり、タイムスリップしたり、急にファンタジー要素が入り、ちょっとびっくりした 笑

  • 優しくて優しくて優しくて、そして温かい。村山小説は真ん中に優しさのコアがあって、その周りをたくさんのいろんな優しさが包み込んでいる。だからどこからめくっても温かい優しさがあふれ出て来る。
    悲しいけれどこの世界には多くの嫌なことが転がっている。憎しみや悪意や敵意に振り回されているからこそ、この物語の優しさに救われる。
    誰かに裏切られたり傷つけられたり、あるいは逆に自分の中のある誰かへの黒い気持ちに気付いてしまったりするとき、そんな負の感情とのバランスをとるために私たちは村山小説を求めるのかもしれない。こんな嫌なことばかりある世界だけど、もう少しここにいてもいいかもしれない、とそんな気持ちにさせてくれる。自分の中にある優しさをもっと感じてみたい、って思える。
    今回の舞台は百貨店。デパートじゃなく百貨店。小さくて古い百貨店。古いからこそそこにはたくさんの人の思いがつまっている。誰かの誰かへの思いと優しいまなざしが、金目銀目の白猫になって奇跡を起こしてくれるんだろうね。魔法や奇跡は、結局誰かの思いが起こしている、そんな気がする。
    私も行ってみたいなぁ、星野百貨店。そして魔法を使う猫に会ってみたい。そして一つお願いをしよう。かなうかな。かなうといいな。

  • いかにも女性受けしそうなメルヘンチックな物語でした。とある老舗百貨店を舞台に、そこに携わる人々の優しく温かい群像が心地よいのでしょうかね。これを書く為に様々なアプローチをしたとあとがきにあるけれど、内部に詳しい私から見てもよく捉えてあります。内部暴露や経済的アプローチでは無いので、旧き良き時代の懐かしいデパート像が優しく描かれていてほんわかする小説でした♪

  • 昭和からある小さな星野百貨店は地元に愛されてきたが、時代の波に抗えずに閉店の噂が。ステンドグラスの中にいる白い猫に会えると願い事が叶うという言い伝えの中、奇跡を信じてエレベーターガール、テナントのスタッフらはデパートを守り続ける。
    暖かく、懐かしさを感じさせる作品。「桜風堂ものがたり」舞台と同じにすると姉妹作。

  • 子供の頃、週末になると家族や1人で遊びに行った、家の近くにあった町の百貨店を思い出しながら読んだ。
    地元に愛される、星野百貨店。願いを叶えてくれる子猫の伝説を題材にした不思議だがとても心温まる物語だった。リアリティのある小説ばかり読んでいたが、どこか絵本的で懐かしく描写的ですっと入り込めた。読み終えた後は優しい気持ちになった。

  • 子どもの頃のデパートは
    休みの日に、家族でおしゃれをして出かける場所だった。
    親の買い物につきあったあと、
    最上階のレストランでお子様ランチを食べて
    おもちゃ売り場でおもちゃをひとつだけ買ってもらう。
    私はそんな思い出を持つ最後の世代かもしれない。

    不思議なことが次々と起こる風早の街。
    この街にある老舗デパートにも
    やはり幸せな奇跡がたくさん起きていました。
    この作者の物語を読むと必ず、
    子どもの頃の幸福な読書体験を思い出すのですが
    今回も、デパートの思い出と共に
    そんな記憶がよみがえって来ました。
    毎回物語のどこかに、思い出の起爆剤のようなものでも仕込んであるのかしら。。。

  • 見たものの願いを一つ叶えてくれる猫がいる百貨店。内装も働いている人たちも、とても素敵な百貨店でした。
    願いを唱えながらも、前を向き、一歩を踏み出そうとする様子は、読み手の背中を押してくれる作品でした。
    伏線も見事に回収されていて、百貨店の再建もとても気になります。どのように再建されるのか…続きを読みたくなりました。


    この著者の方の作品はいつもあたたかさと優しさや愛情がたくさん詰めこまれていているなあと思います。
    今回も読み終わったあと、穏やかな気持ちになり、あたたかくなりました。

  • 表紙の感じ、デパート、魔法とすごく興味をそそられた。
    けど、閉店間際の百貨店というシビアな面と、魔法の猫、妖精というファンタジーなワードがアンバランスな気がした。
    それらの言葉が何度も出てきてどうも入り込めず、なかなかページが進まない。テンポも掴みにくく、あんまり相性が合わなかった。

  • すごく好みなんです。それなのに、なぜだか、のめり込めず…自分でも悔しい感じ。
    テンポ?リズム?
    なにかが、私の中で満たされず、残念でした。
    いつか機会があったら、もう一度読んでみたいかな。

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著者プロフィール

作家

「2019年 『桜風堂ものがたり(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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