あずかりやさん (ポプラ文庫 お 15-1)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591145272

感想・レビュー・書評

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  • 私としたことが!!またやってしまった
    さっき読み終わったの2巻目

    積読してたなーと思ってよく見たら、あれ?
    でも、2巻目を先に読んでいたので、違った面白さもありました

    今回は社長の出番が多いです!

  • 1日100円でなんでも預かります。
    というあずかり屋さん。店主が素敵な人でそれぞれの事情を抱えてあずけにやってくるお客さんの物語。

  • 色々な人の想いがたくさんあるあずかりもの。店主と猫の「社長」に癒され、ほっこりするお話。

  • 1 日百円で何でもお預かりします。 盲目の青年が営むあずかりやさん。何だか昭和の佇まいを感じる。
    物や猫視点の語り口で語りは柔らかだけどシビアな背景もあり。
    シリーズ制覇したい作品。

  • 寝る前に読んだのだが、優しいお話ばかりで、安らいだ気持ちで眠れた。

  • いい話…だけでは終わらない、しずかな余韻をくれる、いいお話。
    これをオススメ機能で表示してくるあたり、ブクログさんやるな…という感じです。
    吉田修一さんの「横道世之介」が好きな人には特に、こちらのお話は合うのではないかな?とおもいます。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    本書は2013年刊行の単行本を、2015年に文庫化したものです。
    そして注目すべきはその増刷回数。
    わたしが読んだ文庫は2018年増刷のものでしたが、なんと18刷でした!
    いやなんかうれしい…
    だってこのお話、本当に本当に本当に!!いいお話なんです!

    舞台は東京の下町商店街にある、「さとう」という暖簾のかかった「あずかりやさん」。
    店主はたたずまいの美しい盲目の男性です。
    このお店、何のお店なの??というと、1日100円でなんでも預かります、というふしぎなお店なのです。

    人はいろんな想い・事情を抱えて、そのお店に物を預けていきます。
    そのあずかりものが年を経て、他のお話や預けた人の未来につながったりもします。

    また語り部は人間ではなく、お店の暖簾だったり、ガラスケースだったり、自転車だったり、白猫だったりします。(「星と王子さま」だけはその話の主人公が語っています)
    そのため、店主の佇まいや言葉は知ることができますが、その内面は読者の想像に委ねられています。
    つまり、そこに置かれているのは「語られない気持ち」です。
    その「語られない気持ち」が、読み手には感じとれてしまうからこそ、せつなさという言葉だけでは言い表せない静かで熱いこんな気持ちになってしまうのかもしれませんね。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    主人公は店主ともいえるし、あずけてきたお客さんともいえるし、はたまたそのやりとりを傍目で見ている物たち…ともいえます。
    いちばんはじめに登場したお客さんは、赤いランドセルを背負った女の子。
    この子は最初のお話の主人公ではないものの、のちのお話で再登場し、最初のお話であずけものをしたことがすごく重要な意味をもってきます。
    また、後半の「星と王子さま」で登場した名作「星の王子様」は、店主がとても大事にしている本なのですが、なぜその本を大事にしているのかは、次の「店主の恋」というお話でわかります。

    物が語り部のときは、わりとまわりの状況が正確にわかります。
    しかし白猫が語り部のお話は、白猫自身の人生(猫生?)経験値がまだ足りないこともあり、状況のもつ意味を白猫がよくわかっていないことがあります。
    読み「人」であるからこそ、白猫にはとらえられていないことも想像してしまう、できてしまう。
    だからこそ「白猫ちゃん、多分それ、そういう意味じゃ、ない、かも…!!」というもどかしさ、せつなさが生まれてくるのでした。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    文庫裏表紙のあらすじには「ほっこり温かな人情物語」とありましたが、ほっこりやあたたかだけではあらわせない気持ちが、このお話には詰まっています。
    ほっこりして、せつなくなって、でもあったかくなって…いろんな気持ちが混ざり合い、最後にはしずかな余韻を残してお話が終わる…
    派手な展開はないけれど、人と人、そして年月がたしかにつながっているしずかであたたかなお話たちでした。

    ※既刊5冊あり!文庫では4巻まで、単行本では5巻まで出ています(2023/04/11時点)
    気になった方はぜひ次作を♪わたしも次へ進みます(^^)

  •  なんとも不思議で素朴、そして温かい物語でした。慈愛に満ちた本書は、小学校高学年くらいからでも十分に読みこなせると思いますし、更に大人も楽しめる深さをもっていると思いました。
     のれん、自転車などをを擬人化し、視点を変えながら語らせることで、読み手に感情移入させ、表現の幅の広がりと深まりを感じさせてくれるようです。
     加えて店主の「あずかりやさん」は感性豊かなのですが、盲目(それ故もあるでしょうが)で寡黙な分、周囲の物たちに〝目〟を与えることで、物語の中の「人生の機微」を浮き上がらせ、上手く伝えられていると思います。
     少し心が疲れている時などに、このシリーズの続編をまた手に取りたいと思いました。温かい気持ちでホッコリするために…。

  • ずっと読みたかった本。
    ようやく読めました。一日百円で何でも預かってくれるあずかりやさん。
    店主に癒やされました。

    のれんとか猫とか人じゃないものが語っていくのがまた楽しかったです。

    ちょっとホロッとくるところもあったりして、とても温かい気持ちになれる物語でした。

    こんなお店があるといいのに!!

  • ここは明日町こんぺいとう商店街…と読み始めた瞬間に、(ひねくれ者の私は)甘い…甘すぎるよ…と思ったけれど、読み進めていくうちに、楽しくなってきました。

    商店街の端でひっそりと営業するあずかりやさん。
    お客さんは様々な事情を抱えて、何かを預けにくる。
    短編集のように、それぞれのお客さんやあずかりものとの関わりが、小さな謎を秘めながら描かれるのだが、面白いのはそれぞれ異なる語り手。
    新しい章では、語り手が誰なのか想像しながら読み始めるのも楽しい。

    全体的に少し切なく、でもふんわり温かな話なのだが、猫が語る「店主の恋」だけは、猫の気持ちになってしまって苦しかった…

    シリーズ化されているようなので、続きも読んでみたいと思います。

  • 東京下町の商店街
    「明日町こんぺいとう商店街」の西のはじ
    和菓子屋だった店を「あずかりや」として営む
    盲目の男性店主
    1日100円でどんなものでも預かる

    前半は店の「のれん」
    後半は店の「猫」
    が語り手

    温かく心がほっこりする
    殺伐とした日々を送る私の心に
    やわらかい風が吹いた
    良い意味で力を緩めてくれた

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著者プロフィール

東京都出身。2006年、『三日月夜話』で城戸賞入選。2008年、『通夜女』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリ。2011年、『猫弁~死体の身代金~』にて第三回TBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞しデビュー、TBSでドラマ化もされた。著書に『赤い靴』、『通夜女』などがあり、「猫弁」「あずかりやさん」など発行部数が数十万部を超える人気シリーズを持つ。

「2022年 『犬小屋アットホーム!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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