(077)「専業主夫」になりたい男たち (ポプラ新書)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591147771

作品紹介・あらすじ

女性の管理職を3割増やすなら、
男性の家庭進出も3割増やすべし!
今や11万人ともいわれる「主夫」。キャリア女性たちの活躍の裏には、家事・育児を担う男性の姿があった。
圧倒的な年収差や健康上の理由、妻の転勤などで、労働戦線を離れざるを得ない人も多い。
主夫は個人の選択でなく、家族のサバイバル戦略として考えなければならない。
リアル主夫とその妻の取材をもとに描き出す現代夫婦の新しい肖像。

大黒柱妻・小島慶子さんと著者の対談のほか、主夫家庭の妻たちの座談会なども収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「専業主夫になりたい男たち」とインパクト強めなタイトルになっているが、『専業主夫』というある意味で極端な事例を取り上げることで、ポスト昭和・ポスト平成時代における『夫婦の有り方とは?』を考える切っ掛けを提供してくれる一冊。
    特にそーだよなーと思ったのは『夫に家庭(育児家事)への参画を求めるのであれば、妻も家計(家族が暮らす稼ぎ)への参画をコミットしなければならない』ってくだり。家庭と家計、どちらが偉いとか上下で捉えることなく、フラットで対等なものとして、夫婦で案分できるといいよなー。
    いずれにせよ、歴史の中で刻み込まれてしまっている『性差による役割の呪縛』から脱し、それぞれのスタイルを選択できる世の中にしていきたいと思います。

    ・女性管理職を3割に増やすなら主夫も3割

    ・秘密結社主夫の友

    ・イクメン?ちょっと変わったベビーシッターを雇ったと思えば我慢できる。

    ・主夫と聞くと、賛否両論が出てくるのは、自分が知らず知らずに持っている「男はこう、女はこうあらねば」という気持がざわざわするから。

    ・育児をする男をイクメンと言うのではなく父親と言うんです。

    ・家事ハラスメントとは、家事が不当に過小評価されること。

    ・家事育児を完璧にこなすより、家族が笑顔でいられることの方が大事。

    ・子育てで職場を離れることを、キャリアダウンだと思うのではなく、キャリアアップの期間だと捉えられたら良いのに。

    ・家の事は好き嫌いや得手不得手で考えるのではなく、責任として引き受ける。

    ・パパでないと出来ない子育てがたくさんある。

    ・家事はお互いの得手不得手でプロジェクト単位で分担し、任せたものについては、ギャーギャーが言わない。気になるのであれば、そっと後で手直しする。

    ・無限の選択肢のなかから選んだ道だからこそ、自分自身の道の正しさを証明し続けなければならない、という呪縛に苦しむ。

    ・男の魅力=社会的な能力(稼ぐ能力)という認識が女性側にこびりついている。

    ・家計のために働くと割り切れれば「働くための素敵な理由付け」がいらなくなる。

    ・夫はサイボーグのようにキチンとお金を稼いでくるものだとインプットされている。

    ・家庭への参画と家計への参画がフェアでない。夫に家庭に参画して欲しいのであれば、妻も稼ぐことにコミットするべき。

    ・妻の片働きになってはじめて、新橋のおじさんの気持ちが分かる。

    ・男性が私生活を犠牲にして働くのが基本形っていう世の中はおかしい。女性も男性もそれで苦労している。

    ・とんがった社員が欲しいと言いながらも、空気読んでトンガレが、多くの会社の本音では。

    ・良妻賢母飯の呪縛に囚われて、一生懸命に無理して作ったご飯だから、食べて貰えないと、一層腹が立つ。むしろ、手抜きで作ったものの方が、食べ残されたとしても気にならない。食卓に食べろ!!の怒声がない、平和な食事になる。

    ・家事のロールモデルを「手抜きOK、雑でOK、家族が幸せに暮らすための生活が出来ていればそれで良し」に改める。

    ・「家事育児は私に任せて、貴方は外でしっかり稼いできて!っと言われたらどう思いますか?」「うーん、家事はともかく、子育てには僕もかかわりたい。その権利を奪う変な人だと思うかな・・・」(フィンランド人)

    ・無職のハニーを愛せるか?問題。

    ・夫の地位≒自分の地位。ニアリーイコールの法則。

    ・アメリカでは、子供が小さいうちは、夫婦どちらのキャリアを優先するかを話し合う。

    ・一度無職になった女性が、正社員になれる確率は25%、年収300万以上を回復できるのは12%。生涯年収として1.5億~2.7億円の損失。なるべくなら、ぶらさがってでも、退職しない方が望ましい。

    ・合コンさしすせそ。

    ・子育ては楽しいか?アメリカ67%、日本47%。良妻賢母の呪縛もあって、子育てへの肯定感が低すぎる。

    ・主夫=家事や育児を「主」体的に担う夫

  • 国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→
    https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11341993

  • 50歳目前で無職になり、オーストラリアで言葉もわからずもがき苦しんだ夫
    自分がイメージしている自分像とのギャップに気付かずに生きてきたことに気づき、プライドずたずた。
    ぼくは、周囲が期待しているとおりのできる子という幻想は砕かれ、空っぽになった自己イメージを冴えない自分で埋める作業。でも、不完全な自分でも生きていかなきゃいけないなら自分にできることは何だろうと考え始める。それこそ、自由になることだ。そして、至らない自分を受け入れることは、自分へのいたわりの気持ちを持つことだ。
    理想と現実のギャップに苦しむだけの客観性があればまだいい。苦しむことさえ自分に許せず、自分を騙し続ける不自由さが男にはありがち。

  • 「「専業主夫」になりたい男たち 白河桃子」読了。前半は読むのがしんどかった。自分にとって専業主夫はなりたくてもなれないものだったから、羨ましいような腹立たしい気分が混じっていたからかもしれない。でも長い人生、そんな期間はあってもいいなと思えるようになると気持ちが楽になり読むのが楽しくなった。

  • 婚活ブームの火付け役の著者による、新しい家庭の形を考えた一冊。
    どこまで自分たちの価値観と背負ってるものを降ろして考えられるかという哲学的側面あり。

  • 男女共に働き、家事をすることが、常識としても意識としても普通になり、実際にも普通になると変わるのだろうなあと思いつつもその場合はふうふで降りるパターンのように、どちらがハードな残業するような働き方では成り立たないよなと思いつつ読了。

  • P173
     小島慶子:みんなの欲しがる男(笑)を落とす自信がなかったんです。だから、そういう男を落とせなかったとしても、男性と同等の年収と立場を手に入れればいいと思ったんです。そうすれば、男選びは、純粋に好みだけでいいじゃないかと思って。

    P232
    (無職のハニーを愛せるか問題) 
    「主夫のおかげで生活はすごく助かっているのに、女心が救われないんです。」
    「お金や仕事って、男性性に関しては性的な魅力にも繋がりますからね。」

     ダンナが専業主夫であり、私が大黒柱である逆転夫婦な我々。よく「専業主夫家庭がうまくいくにはどうしたらいいか?」ということを日々ディスカッションしているがこの一冊はその助けになった。
     私側(妻側の目線)としては「社会で活躍していなくても、プライドを傷つけず、居場所を確保することが重要」なんだろうとは薄々感じていたが、この本で「男性が『(世間一般で男性の領分とされている稼ぐことから)降りること』」と表現されていて、やっぱりなー、と感じた。
     
     私としては専業主夫家庭がうまくいくには、女性が主夫を受容すればことたれりと考えていたが、どうやら世間ではそうではないらしい。

     いちばん驚いたのは「妻が大黒柱になる決心がいる」ということ。

     えーーーーっ、そうだったんだ!!!いるんだ、決意!
     自然な成り行きで、結果的に「大黒柱」になった私には目からウロコ。

     さらには「稼がない男性には性的魅力を感じない」という本音も世間には色濃く残っているらしい(この本では「無職のハニーを愛せるか問題」とされている)。
     お金になんて性別ないよ!!!誰が稼いだってお金はお金ゃん!と思う私は、たぶん世間一般の常識がどこかで欠落しているのだろう(笑)ということがよくわかった一冊。
     
     それからこの本の後半で、「(うまくいっている)専業主夫家庭はマイノリティーである自覚があるがため、夫婦の意思疏通がよくなされ、結果的にカップルのクォリティーがあがる」という説にも納得。

  • 救いの書

  • 例が極端すぎんよ〜 女性の6割が非正規かつ300未満の収入なのだから、本人1000万稼いで旦那も主夫業の傍らに500万稼ぐとかなんじゃそらって、かんじ
    経済的余裕は精神的余裕もうむし、それが肉体的健康につながるんだが この本に出て来る人たちはとりあえずみーんなすごい健康(多少のガタはあっても)それが一番わかった

    でもねー男の人も女の人もほんとに、選べる社会にしたいよね〜
    やりたい仕事をする、ではなく こんな生活がしたい、からそれができそうな仕事に就くね、ほほー

  • 久米書店

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著者プロフィール

相模女子大学大学院特任教授、昭和女子大学客員教授、ジャーナリスト、作家。慶應義塾大学文学部社会学専攻卒。中央大学ビジネススクール戦略経営研究科専門職学位課程修了。住友商事、外資系金融などを経て著述業に。少子化、ダイバーシティ、働き方改革、ジェンダー、ライフキャリアなどをテーマに著作、講演活動を行う一方、「働き方改革実現会議」「男女共同参画会議 重点方針専門調査会」など多数の政府の委員を歴任。著書に『ハラスメントの境界線』(中公新書ラクレ)、『働かないおじさんが御社をダメにする』(PHP新書)など。

「2023年 『いいね! ボタンを押す前に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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