それでも、海へ 陸前高田に生きる (シリーズ・自然いのちひと)

著者 :
  • ポプラ社
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  • レビュー :9
  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591148112

作品紹介・あらすじ

陸前高田市広田半島の先端に位置する港町、根岬。この土地に暮らすある漁師と孫を追ったノンフィクション写真絵本です。
2011年3月11日に起きた津波によって一度は海に出るのをやめた漁師が、孫の言葉をきっかけに再び海に出る物語。
自然の脅威と恩恵の両面を受け入れて、震災から立ち上がろうとする人々の姿を生き生きと描きだします。
著者は、テレビ・ラジオでも活躍中の若手フォトジャーナリスト、安田菜津紀さん。本書が初の単独著書です。

感想・レビュー・書評

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  • あれだけ人の命を奪い、あれだけ街を破壊した海に、なぜ人はそれでも、向き合おうとするのか。自然と人間が同じ空間を分かち合うとは何か。この街で出会った漁師の菅野修一さんと、じいちゃんの背中を見つめて育ってきた孫のしゅっぺから学んできたこと。それを大人、子どもで分かち合える形にしたいと、写真絵本を作りました。ぜひ多くの方に、手にとって頂ければ幸いです。

  • https://www.youtube.com/results?search_query=%E9%99%B8%E5%85%A8%E9%AB%98%E7%94%B0
    あれからもうすぐ7年か。そんなに経ったんだ。
    読みながらちょっと泣いちゃった。

  • 写真絵本。ルポルタージュ。
    陸前高田市の64歳のベテラン漁師”じいちゃん”は、だれよりも早く漁に出る。漁が終わって帰るのを港で待っているのは孫の”しゅっぺ”。
    東日本大震災があったとき、じいちゃんは船を守るため沖に出た。津波を逃れ1日かけて帰ってきた港には何もかもが破壊尽くされた光景が広がっていた。じいちゃんはしばらく漁に出ることができず缶詰やレトルト食品ばかりを食べていたが、あるひしゅっぺのいった「じいちゃんの捕ってきた魚が食べたい」との言葉でようやく漁に出ることができるようになった。量で捕れた魚を近所に配るようになると、だんだん町に元気が戻ってきた。
    震災から2年半ほど過ぎた夏の日、気仙川で灯籠流しが行われ、さらに1年あまりすぎた10月、今度は梯子虎舞というお祭りが開かれた。日常はまだ戻っていない人びとが力を合わせて祭りを成功させた。
    そしてじいちゃんは今日も漁をしてしゅっぺの待っている港へ帰っていく。

  • 陸前高田の港町、根岬の漁師のじいちゃんと孫のしゅっぺ。3.11で一度は海を捨てようと思ったじいちゃんを、再び海に向かわせたのは、保存食ばかりの食事に厭きたしゅっぺの一言「じいちゃんの取った白いお魚が食べたい」でした。
    じいちゃんをとおして、陸前高田の海に生きる人々の復興への歩みを写真で語る絵本。しゅっぺの陰りのない笑顔が魅力的です。

  • 東日本大震災で大きな被害を受けた陸前高田。
    震災前から漁業を営んでいた菅野さん。陸前高田の被害の大きさを目の当たりにした菅野さんは一度は廃業を考えた。しかし孫をはじめ、同業者や町を元気にするために再び海へ出たのだった。

    うん、美談。
    しかし、だ。

    福島第一原発からは震災後も大量の放射性物質が海に排出されていることを皆さんはご存じだろうか。福島原発事故前にはドラム缶に入れて永久保管されていたレベルの汚染物を遥かに超えるレベルに汚染された水が海を汚し続けている。そこに生きている魚はもちろん汚染される可能性が高い。少し食べる分にはいいだろう。それを食べ続けたらどうなるだろうか?ここまで海洋を放射性物質で汚した事故はこれが初めてなので、その影響ははっきりとは分からない。しかしチェルノブイリの事故後の惨状を思えば悪くない訳がない。悪くないのならば事故前の放射性物質管理の基準は何だったのだ?となる。

    菅野さんたちは悪くない。国が汚染は大丈夫だと断言しているからだ。かといって美談として語って欲しくない。いまだその許容量がはっきりしない放射能による被ばく。避けるに越したことはないではないか。漁をしなければ汚染魚は市場に出回らず、汚染魚を食べてしまうリスクも減る訳だから。

    孫が貝を食べる場面もあるが、貝は底物。底には放射性物質が溜まりやすい。ということは…。何も知らず無邪気に食べる子供たちが不憫だ。

    子どもには読ませたくない本だった。

  • サンデーモーニングのコメンテーターとして出演しているフォトジャーナリストの安田さんが、2016年2月に出版した初めての写真絵本。どんな作品を撮られているのか、観てみたいという思いで手にしました。

    安田さんが出会った漁師の菅野修一さん、そして孫のしゅっぺこと修生くんと高田に暮らす人たちの姿がそこにありました。

    楽しく誇らしげな顔、心からの寂しさがにじみ出た横顔、再び海に向かう時の凛とした姿、そしていつまでも忘れないという思いを込めた表情などが、自分の中に飛び込んできました。この本を通じて、3・11によって多くの人の命が奪われ街や生活を壊した海に、それでも向き合おうとする人たちの気持ちに少しでも寄り添うことができたかなと思いました。

    震災後に岩手沿岸部に入り、陸前高田市も2度訪れた町です。来年2月に、再び訪問しようと思っています。これからも被災地を忘れず、暮らしていきたいと思います。

    みなさんにおすすめします。

  •  陸前高田市根崎。ベテラン漁師の管野さんと孫の「しゅっぺ」こと修生くん。

  • 震災後の漁師と孫を描く。小学校中学年以上向け。

  • ★★★★★
    じいちゃんは毎日船にのって漁に出る。
    港では、いつも孫のしゅっぺが待っている。

    2011・3・11、じいちゃんは海にいた。
    津波がくる!と船を沖に出し不安な時間を過ごしたが、船も家族も無事だった。
    けど、地震の前と後では何もかもが変わった。
    仲間の命を奪った海。ぺしゃんこになった町を見たくなくて、海に戻れなかった。
    避難生活の中で、しゅっぺが「じいちゃんの魚が食べたい」と言ったことで、じいちゃんはもう一度海に出ようと気持ちを奮いたたせる。

    日常が生きる力を取りもどすのだなあと。
    (まっきー)

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