みんなの少年探偵団2

  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591149416

作品紹介・あらすじ

江戸川乱歩生誕120年を記念して刊行され、テレビや新聞など様々な媒体にも紹介されて話題にもなったアンソロジー『みんなの少年探偵団』。
2015年は江戸川乱歩没後50年ということで、市場も盛り上がりを見せているが、その最後の締めくくりとしての『みんなの少年探偵団』第2弾企画。
第2弾も、子供時代に少年探偵団と怪人二十面相の息詰まる対決に胸を躍らせた過去を持つ作家陣が集結。
今作では、有栖川有栖、歌野晶午、大崎梢、坂木司、平山夢明という豪華5人が「少年探偵団」オマージュに挑む!

感想・レビュー・書評

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  • みんなの少年探偵団、第2弾。
    個人的に、何冊も読んだことのある作家の名前が並び、さすが人気ミステリー作家ばかり、面白い!面白い!
    と、大喜びで読み進んでいたのですが…
    最後の作品は、ちょっと駄目でした…
    バイオハザードっぽい感じで、作者の描写が優れているからだとは思いますが、グロい、ゲロい…
    ハッキリ言って、CGのゲーム画面を見るより、文章を読むほうがグロかったです。

    有栖川有栖 『未来人F』
    歌野晶午 『五十年後の物語』
    大崎梢 『闇からの予告状』
    坂木司 『うつろう宝石』
    平山夢明 『溶解人間』

    「未来人F」が一番楽しかったです。
    さすがこなれているというか。
    「五十年後…」は、懐かしい思い出、いい話。
    「闇からの…」と「うつろう宝石」は、オーソドックスなミステリで、なんだか雰囲気が似ているかも。
    ただ、「闇からの…」は、おばあちゃまと孫娘の雰囲気がかわいく、「うつろう…」は、男同士の粋な友情みたいなものが感じられ、お二人とも、作家の個性もにじませている感じ。
    両方とも面白かった。
    タイプの違う作品という意味では「溶解人間」がここに入るとまた違った趣向が楽しめますね。

  • ポプラ社『少年探偵団』シリーズのオマージュ・アンソロジー第2弾。前回も大変面白かったが、今回もとても良かった!

    第一話は有栖川有栖さんが担当「未来人F」怪人二十面相、明智小五郎、小林くんが繰り広げるオーソドックスな怪人譚。不敵な二十面相、明智の不在に奮闘する小林くん、と乱歩が書いた少年探偵団シリーズに匹敵するハラハラドキドキの連続でネタバレ抜きではそれを語れないのがもどかしい!

    第二話は歌野晶午さん「五十年後の物語」。少年探偵団に夢中になって読んだ子供の冒険譚。これもかなりハラハラしました。そして自分も子供の頃に少年探偵団を結成したことを思い出しました(笑) 草むらに段ボールで小屋を建ててアジトにしたり、体を鍛えるといって高いところによじ登ったり、そこから飛び降りたり、いろいろやりました。

    第三話は大崎梢さん「闇からの予告状」。二十面相の時代はかなり前なのに少女の祖母のもとに予告状が届く!なぜ?何を狙って?それはどこに隠されているのか?予告は本物の二十面相からのものなのか?謎がいっぱいの、女の子が活躍する物語。「みんなの少年探偵団(1)」では湊かなえさんが少女探偵を書いてらしたので、作家さんが書きたくなるテーマの1つなんですね。

    第四話は「うつろう宝石」坂木司さん担当なのですが変わった話です。ある意味とても不気味です。この作家さんはこんな風に少年探偵団シリーズを振り返るのかと、とても興味深い話です。

    第五話は平山夢明さん。ホラーの第一人者が描く「溶解人間」。溶解というのはどろどろに溶けてるイメージですが、もう正にそんなのが出てきます。怪奇大作戦とかヒーローの出てこない特撮もので気持ち悪さ満載の話が苦手な方は絶対に読んだら後悔します。しかしこれがまた正統な二十面相対明智小五郎になるのだからすごいというかなんというか。描写が強烈すぎることを除けば、五話中一番雰囲気が出ている話ではないかと自分は思いました。

    とにかく少年探偵団シリーズが好きな人には間違いない面白さ。またそうでなくても、それぞれの作家性がとても表れてるので作家買いしてその奥深さをぜひ味わっていただきたいです。そしてシリーズを知らないお子さんにも優しく書かれた文章なので、できれば臆せず挑戦してもらいたいなあ。自分が少年探偵団シリーズを読んだのは間違いなく小学生のときだったから。

  • 江戸川乱歩の怪人二十面相シリーズをオマージュしたアンソロジーだ。
    バラエティに富んだ豪華な執筆陣が連なっていて、元ネタのシリーズに詳しくなくても十分楽しめる。
    アットホームな雰囲気のもの、ややグロテスクなもの、作風もさまざま。
    作品のひとつで登場人物が言及している通り、スマートフォンが普及し、さまざまな利便性の高いテクノロジーを個人で気軽に使えるようになった現代では、江戸川乱歩が描いた世界というのはもはや成立しない。
    それでも、単に懐古趣味として楽しむのではない物語の力、古びない何かが、確かにこのシリーズにはあるんだろうなぁと、それぞれの作品を読んでいて面白く感じた。

  • 少年探偵団オマージュ・アンソロジー。第2弾が出るとは思わなかったので素直にうれしい。

    「未来人F」…有栖川作品らしくすっきり読みやすい。オマージュ作品としてはうまくできていると思ったけど、自分はこれがいちばん楽しみにしていたのでオチにはちょっと物足りなさも。

    「五十年後の物語」…そのまんま、ですね。小さいころ少年探偵団に夢中になった人たちのために、という作品。

    「闇からの予告状」…オーソドックスな展開ながら、なかなか引き込まれた。時代が変わって孫やひ孫、少女や少年なところが意外におもしろかった。

    「うつろう宝石」…これは好き嫌いが分かれそう? 自分はかなりときめいてしまったよ。笑

    「溶解人間」…正直、どろどろ描写がすばらしすぎていまいち話に集中できなかった…

    さすがに第3弾はないかな?

  • 江戸川乱歩生誕120年を記念して刊行され、テレビや新聞など様々な媒体にも紹介されて話題にもなったアンソロジー『みんなの少年探偵団』。
    2015年は江戸川乱歩没後50年ということで、市場も盛り上がりを見せているが、その最後の締めくくりとしての『みんなの少年探偵団』第2弾企画。
    第2弾も、子供時代に少年探偵団と怪人二十面相の息詰まる対決に胸を躍らせた過去を持つ作家陣が集結。
    今作では、有栖川有栖、歌野晶午、大崎梢、坂木司、平山夢明という豪華5人が「少年探偵団」オマージュに挑む!

    『未来人F』有栖川有栖
    『五十年後の物語』歌野晶午
    『闇からの予告状』大崎梢
    『うつろう宝石』坂木司
    『溶解人間』平山夢

  • シリーズ第2弾。前作以上に仕掛けを懲らした作品が集まっているという印象です。第3弾を担当する著者さん達は大変だぞ(笑

  • 小林少年の孫の話だったり、少し成長した小林少年の話だったりと作家さんごとの舞台や個性で読ませていただきました。
    『うつろう宝石』の怪人二十面相による明智観がちょっと怖かったです。『溶解人間』も別の意味で怖かったです。

  • 原作を 読んだことがないが 有名作家さんたちの 短編集、楽しく 読ませてもらいました♪

  • 今回も豪華な作家さん♪二十面相VS明智探偵と少年探偵団の新しい話が読めるなんて幸せ(^O^)しかし未来人はちょっと…(--;)

  • 子供のころに胸を躍らせた少年探偵団と怪人二十面相の対決をテーマにしたアンソロジー。第1弾は未読だが、この第2弾では有栖川有栖、歌野晶午、大崎梢、坂木司、平山夢明の作品が収録されている。
    それぞれ趣向を凝らしており、時代も色々、メタだったりドロドロだったり。
    個性を一番ぶちこんできたのは平山夢明だと思うが、みんな乱歩への愛が感じられた。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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