(085)自己愛モンスター (ポプラ新書 か 8-1)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 159
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591149461

作品紹介・あらすじ

ふくれあがった「自己愛」が暴走し、やがてモンスターに……。
現代社会では、誰もが自己愛にとりつかれる危険性がある!

自分の欲望をコントロールできずにトラブルを起こす人が増えている。拒否する相手を追い回すストーカー、店員に土下座を強要するクレーマー、医師や看護師に暴力を振るうモンスターペイシェント……その根底には「自分は特別な存在」という自己愛が潜んでいる。
三鷹ストーカー殺人事件、スマイリーキクチ中傷被害事件、PC遠隔操作事件、STAP細胞騒動など、広く知られた事件やトラブルを通して、自己愛がふくれあがって暴走する仕組みを、気鋭の精神科医が解き明かす!

感想・レビュー・書評

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  • 丁寧に説明されていた

  • 自己愛モンスターにならない為の対処や、対策などが書いてあると思い読んでみたが、期待外れだった。

    国内のニュースで話題になった殺人犯たちを取り上げ、これはこういう心理で、つまり自己愛が強すぎるから〜という論調でずっと進む。
    自分や周りに自己愛が強い人がいる場合の対処などは無く、ただの犯罪の批評?解説?本。

    1982年生まれの人の犯罪が多いとあったのが唯一ためになった情報。私も同じ1982年生まれなんで…

  • 自己愛に振り回されないためには、自分は特別なものと思い込まないこと、実力をつけること、自分の今の姿を受容すること(作者はあきらめと言っている)。

  • 978-4-591-14946-1
    C0295¥780E.

    ポプラ新書 085.

    自己愛モンスター 
    「認められたい」という病
    2016年3月1日第1刷発行

    発行所:株式会社ポプラ社
    著者:片田珠美(かただ たまみ)
    ※著作品はメモ欄に
    精神科医 京都大学非常勤講師 広島県生まれ。


    目次より
    はじめに
     1 自己愛が作り出す果てしない欲望
     2 時代と社会が自己愛を暴走させる
     3 他人を攻撃する自己愛モンスター
     4 正義を振りかざす自己愛モンスター
     5 特別な存在になりたい自己愛モンスター
     6 世間に認められたい自己愛モンスター
     7 自己愛モンスターにならないために
    終わりに
    参考文献

    裏表紙 より
    ふくらみすぎた「自己愛」で、周りが見えなくなっていませんか?
    自分の欲望をコントロールできずにトラブルを起こす人が増えている。拒否をする相手を追い回すストーカー、店員に土下座を強要するクレーマー、石や看護師に暴力を振るうモンスターペイシェント・・・その根底には「自分は特別な存在」という自己愛がある。自己愛がふくれあがる仕組みと背景を、気鋭の精神科医が解き明かす。

    ---------------------
    実際に有った事件を例に上げ この事件もあの事件も自己愛モンスターということが列挙されている。
    第7章に自己愛モンスターにならないために と1章設けられているが
    モンスター化する危険性は誰にもある
    欲求不満が溜まりやすい現代社会
    自己責任の重みが「他責」を生む
    「あきらめる」ことは必ずしもマイナスではない
    SNS依存からの脱却
    客観的な眼差しが自己愛に歯止めをかける
    怒りの原因、体調の変化を見逃さない
    復習願望を乗り越える最善の方法
    と小タイトルが並ぶ

    この章の中で「ルサンチマン」という言葉が出てくるが、ニーチェの言葉で「強者に対して、仕返しをしたいという鬱結した恨み」の事だそうだ。で、鬱血ではなく、鬱結でこれは気がふさいで晴れないこと。

    自分ではよくできたと思っても、現代のSNSではいとも簡単に自分より上手な、優秀な、素敵なものが見つかる。自分はまだまだと思い知ることになる。昔のように「村一番の~」的なお山の大将があっちにもこっちにも居る状態ではなくなった。SNSに距離を置くのも有効な方法だが、ギャンブル、アルコール、薬物、SNSも依存症状態の人も少なくない。
    自己愛に歯止めをかけるのは客観的に自分を見ることで具体的には自分は病気(病的、異常である、常軌を逸している)ということを認めることができないと、治療(回復)は難しい。

    怒りの原因には体調の変化を見逃さない
    心と体は密接に結びついているので、ストレスで蕁麻疹ができる等。理由もなく体調の変化が有ったときには自分で気がついていない心のトラブルがないか注意してみる。
    復習願望を乗り越える最善の方法
    「自分が不当に扱われた「不正」が行われたのだから正さなければならない」このことが復習へと駆り立てる。不正の有無は本人が「自分は不正に取り扱われた」と思い込んでしまっていて、本人の中でだけのこともある。
    半沢直樹の倍返しが受けた理由がここにある。
    具体的にはチャーチルも不遇だった、スペインのことわざで「幸福こそ最大の復習」この2つをサラッと述べて終わりw
    具体的にこうしてみたら良くなった事例があるとか、いくつかの中からできそうなことから着手してみる的な具体例は何一つ無い。

    延々と犯罪の実例を挙げ連ねて、対策は「幸せになれ」の一言で放り投げられた感が否めない。

    著者さんは精神科医なので
    自己愛モンスターってものを医者の立場で(研究者的興味の対象として見ているわけです)
    自己愛モンスターに苦しめられている人が、対応方法を知ろうとか思って、手にすると、かなりがっがりする。
    でも、Cコードでは0始まりなので、一般向けで、ルサンチマンとかクレプトマニアとかの言葉も一般常識な言葉として扱いがあるのなら、自分は一般常識的な知識を持ち合わせていなかったってことだ・・・。

    とりあえず 一通り字面は追えたが、楽しくもなく、得るものもなかった。

  • 〈他人を攻撃する自己愛モンスター〉
    〈正義を振りかざす自己愛モンスター〉
    〈特別な存在になりたい自己愛モンスター〉
    〈世間に認められたい自己愛モンスター〉

    少子化が進み、子供たちは家庭で過保護に育てられるようになった。うるさい親たちのクレームを回避するため学校の姿勢も変わり、子供が「身の程を知る」機会が減っている。矯正する機会のないまま自己愛が肥大化し続ける。
    中高年になっても美しさを維持する「美魔女」は、肥大化した自己愛の象徴と言えるかもしれない…等々、毒舌な筆致だけど頷ける内容が多い。

    「客観的なまなざしが自己愛に歯止めをかける」という。確かに、自分を客観視できない人は増えている。

    SNSに依存しているという「病識」を持つことが不可欠だというのも納得。自分を認めるのはまず自分自身でなければ、人としての基盤が脆いまま。知らない他者からのフォロー数や"いいね"で承認欲求を満たそうとする人々は哀れだなと改めて感じる。

  • 心理

  • 2018 12/26

  • 自己愛モンスター。片田珠美先生の著書。肥大化した過剰自己愛を持つ自己愛モンスター、自己愛性人格障害についてわかりやすく解説している良書。自己肯定感は大切だけれど、謙虚さを忘れて傲慢になって自己愛過剰になってしまうと、最終的には自己愛モンスター、自己愛性人格障害となって周囲に多大な迷惑をかける。誰でも自己愛モンスター、自己愛性人格障害になる危険がある。空想好きで見栄っ張りなところがある私も気を付けないと。

  • ここ数年であって凶悪犯罪をサラッとおさらい。こんな変な人がいた。あんな変わった人がいたという情報量は多いけども、じゃあどうやって治療したの?という病んだ人のその後の方が気になる。

  • 「怒りとは不正に対して復讐する事への欲望である」
    「憎しみと復讐は最も高価であり、その上無益で、自己破滅に導く贅沢だ」
    等々の教訓は心に響くのであるが、不当な扱いを受けて黙っている事はないわけで、弁護士や公的機関への相談を通じて、正々堂々復讐する事は問題ないと思う。個人的な思い込みや判断で暴走するのは避けた方がよいだろう。
    個々の事件の事例に関する検証は著者の主観的部分もあり、多少大雑把な所はあるように思うが、反面教師として考える分には有益であると思う。

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著者プロフィール

1961年生まれ。大阪大学医学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。専門は精神医学、精神分析。フランス政府給費留学生としてパリ第八大学でラカン派の精神分析を学びDEA(専門研究課程修了証書)取得。精神科医として臨床に携わりつつ、精神分析的視点から欲望の構造について研究。日生病院神経科医長、人間環境大学助教授を経て、現在、神戸親和女子大学教授。著書に『オレステス・コ
ンプレックス—青年の心の闇へ』『17歳のこころ—その闇と病理』(共にNHK出版)『分裂病の精神病理と治療7—経過と予後』(共著、星和書店)など、訳書に『フロイト&ラカン事典』(共訳、弘文堂)などがある。

「2005年 『攻撃と殺人の精神分析』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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