([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)

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レビュー : 214
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591150412

感想・レビュー・書評

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  • 素敵なお話だった
    活版印刷にますます興味がわいた

  • 活版印刷を題材に取り入れた、連作小説集。
    主人公というか、語り手は毎回変わる。
    一人称の語りによって導かれていく小説だ。

    舞台は川越。
    町の活版印刷所三月堂は、主が死んで閉ざされていた。
    そこに、主に育てられた孫娘、弓子さんが帰ってきて、町の人に助けを借りながら、印刷所を再興していく。

    活版印刷の字面からうける、独特の質感。
    私自身も、そこに惹かれるものは感じる。
    そのあれこれ、蘊蓄が物語にも盛り込まれるのだろうな、と期待して手にした。
    蘊蓄が物語を妨げるない、いい塩梅だった。
    活字店のことが特に興味深かった。

    ただ、ちょっと気になることが。
    特に冒頭の「世界は森」。
    最初のところで、慌ただしく人物が登場し、混乱しかけた。
    正直に言えば、それぞれのキャラがそれほど個性的でないからだ。
    (まあ、それがこの作品のよさでもある。どぎつくない、やさしい感じを求めている人にはお勧めだ。)
    ガラス店の店主、葛城さんは、いずれ何か大きな役割が与えられるのかもしれないが、この巻に入っているものではそれほど活躍もしていない。
    なのに、どうして最初のところで登場させねばならないのだろう?

  • 児童書も手がけているだけあって、優しい語り口。時にじーんとくる連作短編集。
    活版印刷の特徴と、魅力。その味わいを活かし、依頼にこたえていく。
    ただ古い技術を是とするのではなく、今ならではの使い方を考えるところが、面白かった。
    おだやかな日常の中で、どれも心あたたまるエピソード。

  • ぱっと見で購入。
    そこまで盛り上がらなかったけど、しんみりいい本でした。
    続きも読んでみよう、と思う程度に。

  • 図書館で。
    そう言えば少し前に、活版印刷が流行ってるみたいなテレビ放映を見たなぁ~なんて思いだしました。小型の家庭用活版印刷機も紹介されていて手紙に使ったり…とか紹介してましたが中々使い道を考えるのが大変そうだなぁなんておもいました。活版の魅力が手作り感とフォントにあるとしたら一つの書体じゃ物足りなくなりそうだし。
    作中ではレターセットとコースター、栞とワークショップ、招待状、とあまり大きなものではなく、でもちょっと洒落た感じが活かされるアイテムを上手に選んでいるなぁと思いました。

    ただ、最後の結婚の話はちょっとモニョっとしたり。そりゃ仕事はいつでも見つけられるとはいうものの、日本の社会だと結婚で退職した方が何年かのブランクの後、正社員で雇用されるって結構大変だぜぇ?みたいな。しかも司書なんて人気職種だしさらに難しそう。彼女が悩むのもワカルワーという感じだけど…まあそんな事言ってると結婚出来ないってのもあるかもしれないしな。

    とりあえずお年玉袋の件は男子だけじゃ無くて彼女の方にもフォロー入れとけよ、センセイと言いたい感じでした。

  • ほしおさなえさんの「活版印刷 三日月堂 星たちの栞」読了。文字一つ一つを繋ぎ合わせて印刷する活版印刷、そんな古びた印刷所の三日月堂を舞台にした心温まる作品。祖父の代で止めてしまった三日月堂に訳あって戻ってきた孫の弓子。運送業のハルがきっかけに動き始める活版印刷。祖父に教え込まれた職人としての教えを胸に弓子は戸惑いながらも川越の人々に「言葉」を届ける。。いやー、良かったです。読むまで全く知らなかった活版印刷。文字の濃淡、打ち付けの強さなど、奥が深い。全4話どれも言葉にまつわる素敵な物語。オススメです♪

  • 活字の持つパワーや温かみを感じて、文字がもっと好きになる。活字って拾うものなんだ。

    ハートフルなお話も心に染みる。

    一文字一文字に込められた思いを大切に感じるあんなアイテム達、私の手元にあったら絶対絶対、宝物にする!

    活版印刷、かっこよすぎる!!

  • 街の片隅にある古い活版印刷所。亡くなったお祖父さんが営んでいた印刷所を、おじいちゃんっ子だった弓子が再開する。

    街に住む暖かな人との繋がりから印刷所を再開し、そこからまた暖かい繋がりが広がっていく4つの物語。どの話も優しさに溢れていて、引き込まれるように読みました。

    そして、活字を拾って小さな印刷機で印刷をするところの記述にはワクワクしました。

    先日、トッパンの印刷博物館に行って、小さな印刷機でしおりを印刷する体験をしたことを思い出して(あの機械は「手キン」って言うんですねー)、またやってみたいなぁなどと思いました。もう一度行ったら、また違う感情を抱くことができるかもしれません。楽しみです。

    DTPの職人(笑)も楽しかったけれど、活版印刷の職人も経験してみたかったな。

    そうそう、最近は電子書籍ばかり読んでいたんですが、久々に、紙の「文庫本」で読みました。以前にいろいろ集めていたブックカバーのお気に入りのものを使って、手触りを確かめながらの読書も楽しかった。この本を、ちゃんと「紙の本」で読んだのは正解でした。

  • 2017.9.24読了 30

  • 装丁の美しい文庫本に引かれます。
    読んだことのない作家さんの作品に最初に触れるのは、その装丁。この本もその美しさに引かれました。

    小江戸と呼ばれる埼玉県の川越の古びた印刷所「三日月堂」に帰ってきた弓子。祖父が死んでから閉めていた印刷所を、ちょっとしたきっかけから再開することになります。
    息子の成長と巣立ちを嬉しさの中でさみしさを感じる母親、叔父から引き継いだ珈琲店で叔父の影を追い続ける店主、珈琲店で見つけた活版印刷に生徒と自分を重ねる学校司書、祖母の遺品の活字に導かれて三日月堂を訪れる結婚を控えた女性。

    今では珍しくなった活版印刷所を舞台に、4つの物語が紡がれますが、大きな謎や活劇が繰り広げられる訳ではありません。普通の生活の中で、普通に抱える悩みがちょっとしたきっかけでほんの少し幸せになるそんな穏やかな物語です。

    活版印刷による印刷物がそれぞれ素敵なアイテムとして登場しますが、押しつけがましくなく、物語にしか現れないそのアイテムがちょっとだけ「欲しい」と思ってしまうのが良い雰囲気です。

    素直に素敵な物語でした。続編も出ているようなので読んでみようかな。

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著者プロフィール

ほしお さなえ
1964年東京都生まれ。作家・詩人。父に翻訳家・評論家の小鷹信光、夫に作家・思想家の東浩紀。
東京学芸大学卒業後、理工系出版社、大学研究補佐員をへて、作家活動へ。
95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞して詩人としてデビュー。2002年には長編小説『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年に刊行された『活版印刷三日月堂 星たちの栞』が話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気シリーズとなる。

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