([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591150412

感想・レビュー・書評

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  • ブクログ談話室で知った本
    以前『「本をつくる」という仕事』という本を読んで、本を作るためのいろいろな側面を知り(とても面白かった♪)、
    その中で知った「活版印刷」という言葉に惹かれて手に取りました
    ほしおさなえさんも『三日月堂』もはじめて知り、2017年12月5日に新版のシリーズ3冊目が発売されてシリーズものなのだとも知り、3冊目は図書館予約済
    3冊目が発売されたからか2冊目の図書館予約数が結構あったので2冊目は古本で見つけたので購入しました^^*

    気のせいかな?
    こちらの文庫本、紙質がとてもしっかりしていて、字の感じもひとつひとつの字間(?)かな?
    何か他の本とは違う感じがしたのですが・・・
    思い込み過ぎ?(笑)

    4つのお話しがあって
    ひとつひとつのお話しのはじめの頁の活版印刷に関わる写真が凄いっ!!中でも活字の写真!!!
    活版印刷三日月堂のある街(町?)川越で生活する人たちと活版印刷
    活版印刷に関するいろいろな細やかな説明と人と人との関わり方、つながりに
    胸にじぃ~んとくるポロリと涙が出るお話しばかりでした
    2冊目、3冊目を読むのも楽しみです

  • 古びた印刷所「三日月堂」が営むのは、昔ながらの活版印刷。活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。そんな三日月堂にはいろんな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心を解きほぐされていくが、店主の弓子も何かを抱えているようで…。

  • 純粋に良いと思える本とは、内容も然ることながら、そこから伝わる世界観や、読後流れてくる静寂の時間に浸らせてくれる作品だと個人的には思っている。そしてわたしはこの本がそれだと思う。素敵なものはずっと変わらず残されればいいのに。手間がかかっても何でも、そこからしか生み出せないものは絶対あるのだから。何かを新たに作り出すのも素敵だけど、元々あったものを守って現代に生かすことはもっと素敵で無敵だと思う。

  • お話は川越の街の片隅に佇む印刷所・三日月堂 店主が亡くなり長らく空き家になっていた三日月堂だが店主の孫娘・弓子さんが川越に帰ってきて、ふとしたきっかけで営業を再開する。
    三日月堂が営むのは昔ながらの活版印刷、活字を拾い依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心が解きほぐされていきます。

    今はプリンターや製版印刷やCTP印刷が主流になっているので、活版のような1つ1つの文字を拾って組んで刷るというような手間の掛かる印刷方法をする所がほとんど無くなってますが、 (昔、活版を少しだけ組ませて頂いたことがある)やっぱり、あの1枚1枚の手作り感や文字に重みを感じる印刷はとても惹きつけられるものがあります。小学生の頃やったガリ版や趣味でやってたシルク印刷を思い出します。

    孫娘の弓子さんも、昔、祖父の手伝いをしていた時を思い出しながら、お客さんの思いや悩みを一緒に考え、それをどう言うカタチにすれば、依頼者も受け取った方も喜んでもらえ、思い出に残るのかをいつもまじめに真剣に考えてる所や、またお客さんと一緒に自分も成長して行く姿が素敵でした。

  • 現代は、パソコンとプリンターで印刷物が出来てしまう時代である。
    この作品は、活版印刷所を営む女性を主人公にした連作短編小説だ。

    川越の路地裏にたたずむ活版印刷所「三日月堂」。
    閉店したその印刷所が、
    最近になって先代の孫、28歳の弓子さんが受け継いだ。
    ひっそりと営業を再開し、
    「手キン」と呼ばれる手動式印刷機のみで活字を拾って印刷する。
    そんな印刷所に地元の人や活版印刷に思い入れのある人たちが、
    ショップカードや名前入りのレターセットなど、
    自分にとって必要な印刷物の注文に訪れるようになっていく。

    第1章 世界は森  
    主人公と川越の人々との出会いの章。
    ふるびた「三日月堂」がほそぼそと活動始める。

    第2章 八月のコースター 
    マスターである祖父のあとを継いだ若きコーヒーショップのマスター。
    そのコーヒーショップの良さが
    活版印刷で刷られる月替わりのコースターに込められることになる。

    第3章 星たちの栞 
    私立高校の文芸部が文化祭で
    宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と活版印刷をミックスさせたイベントを主催。
    そういえば、「銀河鉄道の夜」には「活版印刷」がでてくるのだった。

    第4章 ひとつだけの活字
    結婚を間近の女性が招待状の印刷を「三日月堂」に頼みたいと考慮中。
    セットになった活字を拾って作る活版印刷は、
    平仮名を1つずつしか使えない。この難問をどうクリアするのか。

    「活版印刷」の知識がないままに読み進んだが、
    活字版を拾って、刷り上げる印刷の作業に驚いた。
    活字の一つ一つに愛情がなければ出来ないことではないだろうか。
    「活版印刷」の文字が
    すごく温かみがあると書かれているのが分かるような気がする。
    文字は確かに生きている。
    読む人への感動も感銘も、
    ひとつずつの文字が織り成す効力かもしれない。

    川越という場所設定もなかなかいい。
    このシリーズまだ続くようだから続きが楽しみになってきた。

  • ただひとり、実家に帰ってきた弓子さんが、ハルさんがきっかけで、祖父の活版印刷所を再開することになる。ハルさんの繋がりで、または偶然に、いろいろな人が注文に訪れ、それぞれが活版印刷に魅力を見いだしていき、人生をすこしだけ前向きに修正していく・・・。
    印刷や活字のことなど、とても面白くて、読んでいる自分にも、活版印刷の面白さが充分伝わってきました。「ひとつだけの活字」では、弓子さんのことも明らかになっていきます。
    劇的に変わるわけではないけれど、活版印刷を注文してから、彼らがほんの少しずつ変わっていく様子に説得力があります。ハルさん曰く、弓子さんは「お客さんの作りたい形をいっしょにに探してくれる人」だから。あくまで職人として顧客と関わっている。そこがいいですね。それでも、他の人の人生にゆるやかに交わっていくところが。

  •  何と言っても活版印刷の魅力を存分に描き出している点が素晴らしい。一つ一つ活字を拾い、まさに言葉を作っていく作業に実は昔から憧れているので、三日月堂が実在したら是非とも訪ねていき、名前入りのレターセットを作ってもらうのに…!
     ストーリーは弓子(主人公)の性格を反映しているかのような静かさと拭えないもの悲しさ、それ以上の温もりを感じ、気持ちよく本を閉じることが出来ました。

     近場で活版印刷のワークショップがないものか探してみようかしら。
     

  • 川越のまち、人、印刷所の雰囲気、すごく魅力的で、活版印刷を見てみたい、体験してみたいと思い調べてしまったくらい。古いものに新鮮さを感じる心。それが、若者らしさなのかな。心にゆとりを持ち、そういうものを素敵と感じられたらいい。

  • 活版印刷。とっても興味がある。
    中に出てくるコースターや栞など実物を見てみたい!素敵なんだろうなぁ。
    出てくる人もいい人ばっかりだし、三日月堂の弓子さんもいい雰囲気。

  • 素敵な本でした。読み始めてすぐに、自分が活版印刷のことを何も知らなかったのでまず、動画を見ました。ものすごい手間をかけていたんだと驚き。そして、昭和の風情に憧れたりもしました。この作品は、レトロで優しくて素晴らしいなと感じます。いつかは無くなってしまうかもしれない技術ですが、それを改めて感じることができて本当に良い出会いでした。この本も活版印刷で出版したら素敵なのに、と思ったり。

著者プロフィール

ほしお さなえ
1964年東京都生まれ。作家・詩人。父に翻訳家・評論家の小鷹信光、夫に作家・思想家の東浩紀。
東京学芸大学卒業後、理工系出版社、大学研究補佐員をへて、作家活動へ。
95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞して詩人としてデビュー。2002年には長編小説『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年に刊行された『活版印刷三日月堂 星たちの栞』が話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気シリーズとなる。

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