([と]1-4)海の子 (ポプラ文庫)

  • ポプラ社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591152454

感想・レビュー・書評

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  • ドリアンさんは作品のレベルの高さに伴わない評価だと思わざるを得ないです。「あん」で相当知名度上がったはずなのに、その後の作品はあまり読まれていないように思われます。
    近年作の「新宿の猫」なんかも味わい深い佳作だと思っているのですが。

    そしてこちらは海釣りをテーマにした短編集で、じんわりと染みるヒューマンドラマが詰め込まれています。涙が流れるとかではなく、誰もが失敗したり、あっちにぶつかりこっちにぶつかりしながら生きています。そんな中で釣りというイベントを通じて大事な何かと繋がろうとする人たちに心打たれます。
    それほど釣り詳しくないのですが、臨場感が有って釣りに行きたくなる事間違いないし、桜鯛の鍋や、オニカサゴ料理等お腹が鳴る美味しそうな描写も山盛りです。
    みんなもっとドリアンさんを読もう。

  • 2017.7.5-55

  • 船釣りを舞台とした小編4つ。文字の密度の高い黒いページが少ないので、思った以上に読み進むのが早い。各小編の間に相互関係は無いが、それぞれの基本的な進行は変わらず概ねハッピーエンド。なので、不安を抱えずに読める。読後感も不快やモヤモヤは残りにくい。かと言って、各小編が軽過ぎるということも無く、起伏に富みつつ暖かな気持ちになれる。船酔いだけは全編で共通しているので、その点で生理的にどうしてもダメな人には勧めない。結構、詩的な表現も有って染みる。

著者プロフィール

ドリアン助川 訳
1962年東京生まれ。
明治学院大学国際学部教授。作家・歌手。
早稲田大学第一文学部東洋哲学科卒。
放送作家・海外取材記者を経て、1990年バンド「叫ぶ詩人の会」を結成。ラジオ深夜放送のパーソナリティとしても活躍。担当したニッポン放送系列『正義のラジオ・ジャンベルジャン』が放送文化基金賞を受賞。同バンド解散後、2000年からニューヨークに3年間滞在し、日米混成バンドでライブを繰り広げる。帰国後は明川哲也の第二筆名も交え、本格的に執筆を開始。著書多数。小説『あん』は河瀬直美監督により映画化され、2015年カンヌ国際映画祭のオープニングフィルムとなる。また小説そのものもフランス、イギリス、ドイツ、イタリアなど22言語に翻訳されている。2017年、小説『あん』がフランスの「DOMITYS文学賞」と「読者による文庫本大賞(Le Prix des Lecteurs du Livre du Poche)の二冠を得る。2019年、『線量計と奥の細道』が「日本エッセイスト・クラブ賞」を受賞。翻訳絵本に『みんなに やさしく』、『きみが いないと』(いずれもイマジネイション・プラス刊)がある。

「2023年 『こえていける』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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