i(アイ)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 3215
レビュー : 363
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591153093

感想・レビュー・書評

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  • 気に入ったセリフめも
    「渦中にいなくてもその人たちのことを思って苦しんでいいと思う」

    ニュースで誰かがつらいめにあったと聞いたとき、悲しくなったら思い出そうとおもう。アイの生き残ってしまった感覚はわかる気がする。ぼくは未だにふと存在がわからなくてつらい時がある。アイはさいごには自分の存在を認められてよかった。

  • 西加奈子のこれまでの小説は物語性が薄かったが、今作ははっきりした物語があり、メッセージ性があり一気に読んだ。アイデンティティは人それぞれで誰を愛しても愛さなくても良い。
    主人公と親友のテレビ電話で、主人公の葛藤を親友が読み解いていたシーンは、読者としては主人公の行動への疑問の答え合わせができてスッキリするが、ここまではっきり明かすと心に残らない作品になってしまう。そこが少し残念だった。

  • この主人公が美しいのは不幸な出来事に触れた時に、死者や弱者の立場に積極的に立ったりせずに、想像した悲しみを自分の存在の問題として置き換えられるところだ。すぐに弱者側に憑依して発言をするような現代に対して、想像力の本質を問うている。

  • 設定や背景が、バラエティに富んでいて、舞台がクルクル変わっていくが、アイという名の主人公の自分の存在の確かさを探す旅は、最後まで続く。一気に読めめて飽きさせない小説でした。

  • アイの悲しみや喜びに共感した。おもしろかった!

  • 【No.308】「孤独の代わりに訪れたのは、疎外感だった。あらゆる個性の中でひとりであることと、限りなく”同じ”人間たちの中で、自分が圧倒的に異質であることは違った」「何かに没頭出来る時間が、アイは好きだった。そこには”自分”などなく、ただ何かを学ぶという大いなる波があるだけだった。そしてその波に、身をゆだねればよかった」「人が”どうでもいい”と言うときは、”どうでもよくない”ときだと、経験から知っていた」「どれだけ一緒に時を過ごしても、友達以上の感情を持っていても、分かってもらえないことがある」「自分の存在が、中学や高校のときよりも淡くなっていることに気づいた。異質であることには違いがなかったが、その異質さの輪郭が柔らかくなっているような、そんな気がしたのだ」「人間は誰といたって、ひとりになる時間が1秒もなくたって、究極は、絶対にひとりなんだって、アイを見ていたら思った。分かる?アイは孤独を体現していた。今までずっと、ずっと自分の内面と向き合って生きてきた人なんだろうなって、すぐに分かった」

  • アイの言動理解できず、自分には合わなかった。とはいえ、流石に意欲は感じられた。

  • 人の一生と感性についてうまく表現されている。人の生い立ちの多様性、価値観の表現力が素晴らしい

  • シリアで生まれアメリカ人の父と日本人の母の養子として育ち、世界情勢の中の死に胸を痛め問い、恵まれた自身に羞恥心と罪悪感を抱くアイの半生。同性愛者の親友、太り、痩せ、不妊、妊娠、胎児の死。自分だったかもしれない悲劇や友人を許せない自身に震えるアイと一緒に胸が震えた。著者特有のふくよかな厚みが心地好い。

  • 一種のサバイバーズギルトのお話。設定がかなり特殊なので感情移入できなさそうでいて、何となく共感できてしまう不思議な設定でした。
    西加奈子さんの作品は初読でしたが、次はサラバ!を読んでみます。

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著者プロフィール

西加奈子(にし かなこ)
1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。2020年初夏、『さくら』が映画化決定。プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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