i(アイ)

著者 :
  • ポプラ社
3.64
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本棚登録 : 3265
レビュー : 368
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591153093

感想・レビュー・書評

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  • i。
    ほんっとにおもしろかった。アイのまっすぐさが切ない。死人の数をノートに書く。周りの人がみんな素敵。とくにアイのお母さん、綾子さんが素敵だと思った。

  • 血のつながりってすごいんやなぁ!
    でもそれ以外のつながりも絶対にある

  • 圧倒的だった。彼女の、引きずり込ませる力が。私はただただ、圧倒されながらひたすらに文章を追いかけていた。ドキドキが、止まらない。そして、この心が満たされた感覚は西加奈子の他に類を見ない。「この世界にアイは、」

  • 似たような境遇があって、共感しすぎちゃった所があったかもしれないけど、救われた気もする。
    .
    生き方って、感情って、物事の捉え方って様々。自分を肯定することも必要なんだろなと。読んでよかった。

  • 色々な問題と向き合う本でした。

    生と死と。
    誕生と出会いと
    沢山の奇跡から成り立つ人生を
    大切に生きようと思えた本でした。

    子ども達に読ませたい本

  • 主人公の傲慢さを理解できない。なんとなくするする読み進められたけど、なかなか面白くならない。サラバ!の方が100倍面白い。

  • 「この世界にアイは存在しません。」
    考えすぎるアイに少しだけ感情移入したけど、私はここまで真面目ではないな。虚数のi、アイ、愛。読了感が好き。世界中の人に自分だけの"ミナ"がいれば幸せだと思う。人間はどこまでも利己的であり、それでいいのだと、著者からのメッセージをもらったような気がする。

  • 本書の持つ力や影響というものを上手く理解して楽しめなかった自分を残念に思う、という不思議な感想。どこか感情移入できず、共感できないままに読了に至った。
    この優しくて美しい物語を素直に感動できる優しくて美しい人間でありたかった。やっぱり「想うこと」が苦手なんだろうなぁ。

  • ひとりの少女が自分のアイデンティティと向き合い、傷つき、それでも生きる力強さ。私の心に直撃しました。

  • 世界中で戦乱に巻き込まれる匿名の人たち、私がその人の立場にいなかったとどうして考えられるだろうか。出自から「恵まれている」ことに苦しめられ、「選ばれた」ことに苛まれた少女の話。リフレインされる言葉の意味、読む人によって異なるだろうな。限りない奇跡の上に生きていることに気づけて、自分で生きていることを許してあげられるのは、愛する人からの愛なんだろうけど、それよりもまず自分自身への愛が大切。大きな自然の中で小さな自分が生きている、そのことに気づけて良かった。世界で起こっている痛ましい事件は、あなたのせいではない。苦しみすぎないでほしい…

  • 境遇とか持って生まれた性格とかいろいろあるのはわかるけど、さすがに甘ったれすぎじゃないか?アイちゃん。
    もちろん生い立ちやミナとの間の出来事は筆舌に尽くしがたい想いがあることはわかるし、アイちゃんがいかに物事について深く考え抜いているかそれもよくわかる。
    そして、最後、すごく健やかな結論にたどり着いたこともわかる。
    でもさ、一度も自分の足でたってないよね。
    恵まれている自分へのうしろめたさはわかるし、すごくチャレンジングな環境なのはわかるけど、そればっかり言い訳にして、結局なにひとつ自分の力で成し遂げていないようにしか思えないな。
    最後、いい感じで終わってるけど、カリフォルニアまでの航空券は一体誰のお財布から払ったのかしら。
    家族だしお互いがよければそれでいいと思うけど、そこへの感謝もまったくなく、アイは存在していいって言われても、白けちゃうよね。
    ちょっと友達にはなれないタイプだなあ、ネガティブすぎるし、最後のほう、ちょっと悲劇のヒロインに酔ってるだけと思えてきてしまった。
    養子とか難民にいろいろあるんだなってことは理解できてよかったけど、アイちゃんのネガティブパワーがすごすぎてちょっと受け入れられなかった。
    でも、ひとりの女性の生い立ちを入り口に世界のことを深く語れる西加奈子さんはさすが!

  • うーーーーん
    こんな文章が書けるようになりたい。

    西加奈子さんに暫くハマりそう。

  • 自分が生きていることに対して罪悪感、背徳感を持つこと。
    悲しい出来事に対して、当事者として話すことができることへの憧れ
    そしてそれのタブー感、それを持つことへの罪悪感
    自分がいつ「そちら側」になるやもしれない恐怖
    こどものころ常に抱いた、自分の足場は親がいてこそという心の揺れと心配と不安
    薄れていく自身へのアンテナ、その不安とそれに比例してちらつく大人というもの

  • 自分の居場所を作るために色んな自分を演じる。
    そして自分自身が曖昧になる。
    だから自分がなりたい自分になる。

    作中で主人公のアイに親友のミナが綴ったメール。
    この言葉が印象的。

    この時自分だったらどんな言葉をかけるだろう。と思う場面がたくさんあり、読みながら自問自答する作品だった。
    ドラマチックで一気読みする作品が好きだけど、たまにはこういう作品もいい。

  • 「この世にアイは存在しません。」
    という印象的な言葉から始まり、このフレーズはたくさん出て主人公であるアイを葛藤させる。
    この本のテーマはiでありidentityであるのは、この本を読んだ皆がわかる事。
    日本とシリア人のハーフであるアイは、幼い頃から
    貧しい人達を見てきた。一方でアイの家は裕福であり、親も理解がある。そんな境遇で生きてきたアイにとって、自分は幸せであることとともに、幸せな世界で生きている私は許されるのか、いつも頭のどこかでそう思うようになる。
    「この世にアイは存在しません。」
    このフレーズの呪縛が解けずにいるアイの人生への葛藤と、
    アイにはないものを持つ親友ミナの存在が
    アイの思考を、行動を、世界を変えていく。
    西さんの本の凄さは、西さんにしか書けないであろう人物設定と変化だと思います。ぜひ味わって見てください。

  • 今生きていると言うことを実感させてくれる本。
    家族、両親への感謝を絶やさないようにしようと誓った。

  • 2019/04/10
    子どもの頃、遠い世界のことを想像して、日本で生まれたことに心底ホッとした。
    想像するということを、大人になっていつしか忘れてしまった。

    命を与えられたということ。
    私は生かされているということ。
    そんなことを改めて思った。

  • なかなか感情移入はできませんでしたが、こんな考え方もあるんだと思う事が多くありました。

    アイの繊細さに儚さも感じていましたが、最後はとても力強く、アイの存在がはっきりしていたように思います_φ(・_・

    ★3.4 2019/4/1

  • This book is written by Kanako Nishi, one of popular Japanese writers. The cover of this book was also done by herself. The story describes how Ai, the main character, grew up through various experiences, such as friendship, marriage. Ai is originally from Syria and became an adopted child for Daniel, American father, and Ayako, Japanese mother. She lives in comfort with the nice parents, though sometimes feels uncomfortable because she wonders what her roots are. She also feels a sense of guilt - “why I was chosen as an adopted child? Maybe another child might have been chosen instead of me”. Sensitive Ai continues to struggle in her thoughts, though she has the best friend called Mina, her nice and bright classmate. Ai is happy when she is with Mina. When the March 11 earthquake hit the nation, something changed her. She decides to take action. At a demonstration to protest nuclear power, Ai meets a photographer named Yu. They hit it off and later get married. The story goes on and Ai finds something important in the end. I enjoyed reading this story.
    (じんじんさん)

  • 「この世界にアイは存在しません」
    みんな自分とはなんなのか、自問すると思う。死者の人数を記録する主人公、アイ。他者を通して初めて、自分という人間がわかってくる気がする。

  • 2019.03.シリアで生まれたアイは,幼い頃にアメリカに住むダニエルと綾子の元に養子として迎えられた.日本の中学校に進み,ミナと出逢い親友となる.アイは,自分が裕福な家庭で育っているなかで,世の中には,多くの人が不幸な経験をして,なぜ自分でないのだろうかと心を痛めていた.ミナは,自分がレズビアンであることに気付きロサンゼルスでミラという女性と暮らすようになる.アイは,デモ参加に熱中して,ユウと出逢い結婚する.アイは,自分と血の繋がりがある子供がどうして欲しくなって不妊外来に通い体外受精で妊娠するも流産してしまう.一方,ミナが一度だけ男性と関係を持ち妊娠しているとアイは,聞かされる.アイは,それを聞き苦しむが,ロサンゼルスに行き,ミナと会いわだかまりが溶ける.なんだか,今一つでした.

  • 微妙な感情や現代独特の息苦しさみたいなものがすごくリアルに描かれていて心をえぐられました

  • 西加奈子さん、ほかの作家では味わえないくらいの迫力。
    心が痛くなるほど、心を揺さぶられた。
    「この世界にアイは存在しない」という数学教師の言葉で自分の中にくすぶっていた思いに気づかされる。
    親友や夫との出会い、不妊、退治の死、親友の予期せぬ妊娠を経て、自分の存在価値を見出してくる。私たちは知らないからという理由で、辛い現実から目を背けている。
    知ろうとしない感情も罪を犯しているのかもしれない。

  • アメリカ人のダニエルと日本人の綾子に引き取られた、シリア生まれのアイ。裕福な家庭にいることに引け目を持ち、常にグッドガールでいることを意識する彼女だったが、高校最初の数学の授業の中で「この世界にアイは存在しません」という言葉を聞き衝撃を受ける。アイはアイデンティティーを思うとき、常にこの言葉を思い出し苦しんでいた。

  • 自分は、あらゆる死から免れて生かされている。
    自分が、その死から免れたから、他の人達が死んでいく。
    自分がこの世に存在しているのは、あらゆる他人の死の上にある。
    ある面では、それが正しいのかもしれない。
    でも、正しくないのかもしれない。
    答えは、あるのだろうか。
    自分がここに存在している。
    あるいは、それが答えなのかもしれない。

  • ずるいことをして自分だけ幸せに生きている。
    そう思う人は少なくはないのかもしれない。
    けど、苦しいけどそれを見ながら自分のいる場所を確認しつつ懸命に生き続けていくことが、大切なのではないかと思う。
    しかし、幼少期から余りにフラットな教育すぎて物語の中に入ると彼女はもっと守られるべき存在で、一番近い他者からもiで居ていい事を告げられる機会があれば良かったのにと思う。

  • 「ワイルド曽田アイ」すごい名前だけれどけして女子プロレスラーのリングネームではなく、アメリカ人の父と日本人の母の養子として育ったシリア生まれの主人公の本名。裕福な家で理解ある立派な両親に愛されて育ったアイはしかし常に自分の幸運に劣等感を抱いており、血の繋がりによるファミリーツリーを持たない自分の存在に不安を感じている。

    アイの中で何度も象徴的に繰り返される、高校入学時にたまたま数学教師の言った「この世界にアイは存在しません」という言葉。この数学教師の言うアイは虚数「i」のことで、imaginary number の意味らしい。数学はちんぷんかんぷんな私だけれど、イマジナリーフレンド(imaginary friend)が実在しない空想の友達という意味であることと照らし合わせるとわりとすんなり理解できた。

    シリアという国については、いろいろなんか揉めてて大変そうだなあという印象はあるけれど、具体的な成り立ちについてはあまり知らず、アイの肌が白いというのも最初は意外なくらいだった。そういえば今ちょうど『千夜一夜』を読んでいるけれど、白人、黒人、褐色、さまざまな肌の色の人物が入り混じっていたっけ。アラブ系=褐色の肌というわけではないのだな。

    繊細で誰より臆病なアイは、高校で親友となるミナと出逢うも、大学では世界中の不幸な人々への罪悪感を覚えつつ過食して太るという矛盾に苦しみ、やがて東日本大震災を経て、原発反対運動参加で知り合った佐伯裕=ユウという40代カメラマンと結婚する。ユウとアイってわけですね。自分と血のつながった子供を切望するアイは妊活を始めるが・・・。

    養子という環境ゆえ、常に「ここにいてもいいですか」的不安を抱えるアイが同時に、世界中の恵まれない人々・悲劇の渦中にいる人々に感じる「自分だけが安全な場所にいる」ことへの申し訳なさ、引け目、罪悪感などは、理解できなくはない。海外ではセレブほど慈善活動に熱心なイメージだし、アイの両親も、つまりそういう人たちだ。ちょっとケンのある言い方になるかもしれないけれど「意識高い系」というやつ。

    最終的にアイが自分を肯定できるのは良かったし、彼女が裕福なのは彼女のせいでなく、それを申し訳なく思うのはアイが繊細なゆえの苦悩だったのだろうけど、正直庶民からみたら「贅沢な悩み」みたいな部分もある。もちろん庶民の私でも国内で大きな災害があれば多少の募金とかできることはするけれど、どんなに些細でも自分自身の悩みのほうが結局大きい。学校でいじめられているとか、職場をリストラされたとか、親の介護の心配だとか、子供がグレたとか、ストレートに貧乏だとか、みんな目の前の自分の問題の解決のほうが正直先決なわけで、どこか遠い国で飢えている子供たちのことをそれより優先することはできない。

    全く関係ない話だけれど、初期の頃のイエローモンキーが好きだったのですが、人気が出てからどうしても「JAM」という曲が好きになれずファンをやめたことがありました。「外国で飛行機が堕ちました/ニュースキャスターは嬉しそうに/乗客に日本人はいませんでした/いませんでした/いませんでした/僕は何を思えばいいんだろう/僕は何を言えばいいんだろう」この部分を褒める人が多かったように覚えてるけど私はこの部分が受け入れがたかった。もちろん、日本人以外の乗客には無事ではなかった人が大勢いたかもしれないわけで、その人々に想いを馳せる「想像力」は大切だと思う。けれど、たとえば肉親がその飛行機に乗っていて安否を案じている人に「乗客に日本人はいませんでした」というニュースを喜ぶなということもできないんじゃないか。いいこと言ってる風で片手落ちだし、そういうグローバルな視点をもてる自分に酔ってる、上から目線に思えて。

    本作にはちょっと、そのとき感じた苦味みたいなものが自分の中に残ってしまった。自分のことと、政治や世界のこと、どのくらいのバランスで悩むのがいいんだろうねえ。もちろんまわりまわって自分にも影響が出ることだから世界のことも考えなくちゃいけないのだろうけど、とりあえず私は自分の視力低下と四十肩のほうが深刻なんだわ・・・とか、そう思っちゃう自分にもっと引け目を感じたほうがいいものか、考えさせられてしまいました。

  • サラバを読んで、この人の本をまた読んでみたいと思って出会った作品。
    アイの自分探しとも言える過程が苦しかったり、共感できたり…
    とにかく凄かった。ぐいぐい惹き込まれた。

  • 読むのは2回目。
    テーマは“生きている”
    友情って美しい。
    一貫してもやがかかったような幻想的な小説。
    きれいな心をもった登場人物のきれいな言葉に、心が洗われる。
    ミナの手紙がぐっとくる。
    「私がアイに対して謝ることは何もない。」

  • すごかった。この人の書く話はどうしてこんなに引き込まれるんだろう。一緒に苦しくなって嬉しくなって泣いた。
    自分が世界に存在する意味。ミナの言葉に、ユウの言葉に、そしてアイの言葉に心を揺さぶられた。
    大事な言葉がいっぱい詰まってた。力をもらえる小説。

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著者プロフィール

西加奈子(にし かなこ)
1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。2020年初夏、『さくら』が映画化決定。プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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