i(アイ)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591153093

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  • アイという名前の主人公。

    両親は日本人とどこだかの国(忘れちゃった)の人。
    アイはシリアから養子として引き取られてきたので、両親との血の繋がりもないし、顔も全く違う。

    小さい時から、自分の生まれた国は不幸な人がたくさんいるのに、自分は幸福になっていいのだろうか?という疑問を持って生きています。

    テーマは、毎日のように世界には戦争もあり震災もあります。

    そして犠牲者も出るわけで。

    それに対し、祈ることしかできないとなげくより、祈ること、その人たちを思うことでもちゃんと救うことになっているよ(救うまで行かないけれど)ということなのかなと思います。(ちょっと上手く書けませんが……)

  • シリアに生まれ、アメリカ人の父と日本人の母の養子になった主人公のアイ。高校時代の数学教師に「この世界にアイは存在しません」と言われ、その言葉の反芻する。自分の存在意義は何なのか。アイデンティティは何なのか。世界で起こる災害や事件などの悲劇と自分の境遇を照らし合わせ、その答えを模索しながら成長する物語。

    特に心に響いたのは、アイが体外受精で身籠った子を流産してしまった場面。
    悲劇を免れた側の人間は、悲劇に目を背けることに罪悪を感じる。しかし、悲劇の本当の苦しみは知りたくない。誰だって悲劇を避けたいし、逃れたいし、選ばれたくない。悲劇に見舞われた人からすれば、そういう人たちに対して「この悲劇を、一度でも体験してみろ」と思うだろう。
    この考えは、アイが流産という悲劇の当事者になって初めて気づくのであるが、私も悲劇の本当の苦しみを知ったときに、同じように思うのかも知れないと感じた。「悲劇は同情すればいいってものじゃない」と言われているような気がして、耳が痛かった。

  • シリアに生まれ、アメリカ人の父と日本人の母のもとに来たアイ。彼女は自分のルーツと恵まれた環境に不安と罪悪感を抱えていた。
    いつしか世界で起きた事件や災害の死者数をノートに記録することが習慣となったアイが、成長するなかで自身を肯定できるようになる物語。

    今作では、世界で起きたことがニュースやノートの文章として時々登場した。そして中盤では、日本で起きた出来事もアイが経験したこととして描かれる。
    その箇所を読んだとき、何故だか日本で起きたことが描かれることを想定していなかった自分に気づいた。それは世界で起きたことに心を痛めながらも、自分の身に起きることを想定していなかったアイと近いものがあったのかもしれない。
    ラストシーンは、自分の存在を肯定できなかったアイがもう一度生まれ、自分の存在を再確認するかのようなシーンだった。とても素敵で印象的なシーンだったと感じた。
    アイの繊細さが周りの人には向けられず自分本意な言動に感じる場面もあったけれど、自分の中に傲慢さや矛盾はあっても、それでも自分自身は自分の存在を肯定しようというメッセージを感じた作品だった。

  • アメリカ人の父と日本人の母とに引き取られたシリア生まれの女の子、アイ。余りに繊細で考えすぎる彼女は、自分の恵まれた生活をそのまま享受することができず、「不当な幸せ」を手にしているとしか、思えなかった。恵まれていることが恥ずかしく、恥ずかしいと思うことがいけないことだとも分かっていた。
    ……どれだけ生きづらかったろう、と思う。
    そういうアイの゙想いを決定づけたのが、高校の数学教師の「この世界にアイは存在しません」という言葉だった。もちろんこれは、数学の虚数の話であって、彼女の存在を否定したものではないのだが、アイにはそう印象づけられた。
    天災、人災、戦争……世界のあらゆるところで、あらゆる理由で人は死んでいく。そのことに心を痛めた。なぜこの人たちが死んで、私は死なずにいられるのか。何が死者と生者を分けるのか……

    その時々に起こった世界的な事件を淡々と記しながら物語は進む。地震、内戦、テロ……

    高校時代に親友と、東日本大震災の後自分を支えてくれるパートナーと出会ってから、アイは少しずつ変わっていく。
    ...........
    誰かのことを思って苦しいのなら、どれだけ自分がひりきでも苦しむべきだと、私は思う。その苦しみを、大切にすべきだって。
    渦中の人しか苦しみを語ってはいけないなんてことはないと思う。(中略)でも、渦中にいなくても、その人たちのことを思って苦しんでいいと思う。その苦しみが広がって、知らなかった誰かが想像する余地になるんだと思う。渦中の苦しみを。それがどういうことなのか、想像でしかないけれど、それに実際の力はないかもしれないけれど、想像するってことは心を、想いを寄せることだと思う。
    .........
    様々な経験を通して、最後にアイは、自分を肯定することができた。生まれてきた全ての命に感謝することができた。良かった、ホントに。

    世界中で毎日起きている災害、争い、事故……その犠牲者を悼む気持ちは私にもある。絶えない内戦や戦争に心を痛めている。だからといって何もしていない自分を見ないふりして過ごしていることに後ろめたさもある。
    でも、その全てに心を痛めることを忘れてはいけないのだ、と。犠牲者を想うこと、終わらない争いに心を痛めること、何もしていない自分をちゃんと自覚すること。
    この話は、私にはとても重かった。

  • 秋田はまだ桜は咲いてませんw

    ってな事で、西加奈子の『 i 』 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡「この世界にアイは存在しません。」 この言葉に自分の存在意義とは何かと悩むイラン産まれだが、色んな事情がありアメリカ人の父と日本人の母の裕福な家庭に養子として引き取られて育ったアイ。

    何不自由無く育てられてきたが、逆に本当の両親と暮らしていたら自分は存在していたのだろうか?⁡

    自分じゃ無く他の子が何で選ばれてこの家に養子として来なかったのか?⁡

    選ばれなかった子は果たして生きているのだろうか……。⁡
    ⁡⁡
    ⁡ 豊かで裕福な生活ほど自分の存在意義に押しつぶされそうになっていくアイ。

    高校に入学してからミナに出会ってからアイの人生も変わって行くのだか……。 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡西さんのマイノリティな内面の表現は何とも堪らない物が有る!

    中盤からの感情や気持ちの変化等が胸を打つ。

    誰しも色々な悩みがあって生きている。
    その悩みにもがきながら死んでいく事もあれば、そのもがきも与えられる事無く奪われる命もある人生の不条理。

    生きていく事は大変じゃな。

    生かされてる人生に感謝しながら、良い死に方が出来る様にならんとな。

    2017年12冊目

  • アメリカ人の父、日本人の母のもとで養子として育ったシリア出身のアイ。自分の考えを持つことへの恐怖、世界各地で様々な被害に合う人々のことをかわいそうと思うのは傲慢なことなのか、悩みに悩むアイの葛藤。

  • 偽善と自己陶酔と歪んだ自己愛に塗れた理想主義者の気持ち悪さをとてもリアルに描いていると思う。

    世界には苦しんでいる人がたくさんいるのに、私だけが選ばれて幸せになってしまうのは申し訳ないという気持ちはわからないでもない。
    でも、それがいつしか「幸せになっちゃいけない私かわいそう」になっている。
    世界中の死者に胸を痛めているのも「繊細な心を持っている私って素敵」という考えが透けて見えている。
    世界で一番かわいそうな私を作り出して、なんちゃって自傷行為をして、自分をかわいがっているようにしか見えない。
    自分がかわいいだけだから、理想は語っても大した行動は起こさない。自分が本当に被害を受けると周りを憎む。

    「子どものことで、私がアイに謝ることはない。社会に対しても、不妊で苦しむ人に対しても、謝る必要はないと思ってる。私の決意と、みんなのからだのことは別のことだから。私のからだは、私のものだから。」

    残念だが、世界のどこかで苦しんでいる誰かの不幸は、私のものではない。だから私の生活を捻じ曲げてまで誰かを助ける義務はないし、それを恨まれても困る。理想的でないこの世界では理想は通用しないことが多いため、個人で理想を追い求めるのは立派なことだと思うが、他人を巻き込まないでほしい。

    理想を語って何もしない人、自分の理想のために他人を振り回す人は嫌いだ。
    それなら現実に屈したほうがマシ。
    でもラストのアイのように何かを求めず、ただ心の中で愛をもってこの残酷な世界を受け入れるというのであれば、個人の心のありようとしては美しいのかもしれない。

  • 星とかつけたくない。この表現が、とか、構成が、とかではなくこの本の存在自体がこれから私を、私の存在を肯定してくれるんだろうと思う。世界はノイズだらけで、私はよくその音にかき消されそうになる。そしてノイズを吹き飛ばせるほどの音量を持ち合わせていない。かつてのアイのように時々存在の価値を疑いたくなる。だけど私は私だけで存在していい。誰に愛されようと愛されなかろうとここに居ていいんだ。

  • わなわなと
    スルスルと
    読み進む。

    選ばれなかった理由は?
    選ばれた理由は?
    ガチャなんて簡単には言えないよ。

    選ばれたとしても選ばれなかったとしても、その国でその立場で生きてゆく。力強く。

  • 「i」アイが無色透明からだんだん色を帯びてくる感覚が、不思議で、その後のアイの人生が楽しみになる。

  • くもをさがすを読み、他の作品もまた読みたくなり本書を手に取った

    西さんの言葉は、グサっとささる
    サラバ!を読んだ時も同じ印象だった気がする

    私はわたしである、他の何者でもなく、此処にしっかりと存在する
    誰かの存在をとおして自分を認めたり認識するのではなく、自分の足でしっかり立っていたいと改めて思った

  • 西加奈子は、人と人は当たり前のように心から愛し合うということを教えてくれる。ダニエルと綾子がいくつになってもお互いを想い合っていることがとても嬉しかった。自分の年齢だと今まで恋愛のトピックスは、付き合えたとか別れたとか恋人の条件とかそういう表層的で替えがある関係性ばかりフューチャーされていた。でも、そういうのはもうたくさんだった。日中ひとりでいるときに心がぽかぽかするような「愛されている」という幸福感を、わざわざ他の人たちのあれやこれやで薄める必要なんてないのだと教えてくれる。

  • 自分って何なんだろう。私の存在って。
    シリア生まれで、本当の両親を知らず、養子として祖国を離れて暮らす「アイ」。
    聡明で繊細なアイは自分のアイデンティティに悩み続ける。
    「血のつながり」を求め続けることで、自分というものを確立したかったのか。
    私とはかけ離れた境遇なので、アイの心情を理解するのは難しかったけれど、なぜかどんどん引き込まれて、読み進めていた。

  • なんとなく気になって購入した。
    ストーリーもよく分からずに、ワイルド曽田アイって言う主人公の名前が気になって。
    そして一気に読みました。
    グラグラと揺さぶられる感じ。
    傑作なのかな。

  • 自分の存在意義を改めて感じさせる作品だった。
    正直最初は興味本位で手に取った作品で、事前情報もあまり得ず、あと1冊何か借りようと思った時になんとなく目に入ったくらいの感覚だった。
    前半はそこまで没頭する感じはなかったものの、するする読み進んでいて、気付いた時には自分と重ね合わせ始めてた。
    この巡り合わせの感覚はやめられない。

    アイが子どもを切望する気持ちが苦しかった。
    「どうして?」 ほんとだよね。想いが強ければ叶うわけじゃない、自分の存在意義をそこに見出していたとしても通じるとは限らない。そんな不平等さを感じずにはいられなかったけど、同時にやっぱりまだ諦めたくない、諦める必要もないと思った。

    余韻が大きい作品だった。

  • 一気読み。すごかった。
    全然違うけど「サラバ」を読んだ時の感じを思い出した。なぜか引き込まれてしまう。気付いたらどんどんページをめくっていている感じ。

    アイの複雑な矛盾するような繊細さ、私とは全然違うけど少しわかるような気がした。
    普段、新聞もニュースも見ない私だが、世界中にはこんなにたくさんの人が犠牲になる出来事が、こんなにもあるのか、、と思わせられる。
    ミナ、綾子、ダニエル、ユウ。アイは素敵な人に囲まれて幸せ者だと思う。

    「この世界にアイは存在しません。」に囚われ続けるアイがそれを越えていく話。

  • 西加奈子は、日本の作家の中で稀な、「安全で普通な日常」の枠外にあること(差別、戦争、貧困…)に正面から取り組む人だ。本書ではシリアからの養子である主人公に、戦争、難民、LGBT、不妊など難しいテーマを躊躇なく入れてくる。詰め込みすぎとは思うし、友人のいい人ぶりなどもやり過ぎだが、「この世界にアイは存在しません」と繰り返されるフレーズなど、言葉とプロットが巧みなので気にならない。ユウと出会って幸せになってもまだページ数が残っているからこれでは終わらないな、と思ったらやはり何かが待ち構えている。「書くこと」と「書かないこと」の線引きも興味深く、例えばアイとユウのセックスなど他の作家なら書きそうなものだが「書かないこと」に入っている。
    シリア問題が注目されていた頃でタイムリーに読んでほしい、というメッセージかはら外れるが、今のパレスチナイスラエルの戦闘がオーバーラップする。安全な日本にいても世界に悲劇は絶えない。その真実を引き受ける覚悟がある西さんを応援する。

  • 「渦中の人しか苦しみを語ってはいけないなんてことはないと思う。もちろん、興味本位や冷やかしで彼らの気持ちを踏みにじるべきではない。絶対に。でも、渦中にいなくても、その人たちのことを思って苦しんでいいと思う。その苦しみが広がって、知らなかった誰かが想像する余地になるんだと思う。渦中の苦しみを。それがどういうことなのか、想像でしかないけれど、それに実際の力はないかもしれないけれど、想像するってことは心を、想いを寄せることだと思う。」
    慈善行為の意義を提示したような小説だと思った。こんなに難しいテーマを取り上げて、小説に仕上げる作家さんは本当にすごい。この言葉も全て西さんが考えていると思うと、やっぱりすごいとしかいいようがない。

  • 自分を愛している誰かではない、ほとんど「世界」に等しい無関係の誰かに「それ」を言ってほしかった。そうすることでやっと、それが事実になるような気がした。

    分かる気がしました。
    必ず私の味方、ではない人に言って欲しい言葉ってあるなあ、と。

    「アイ」「i」「I」
    3つのアイがそれぞれ意味を持ちそれぞれ本の中繋がりあって絡んでいてとても考えながら読んだ本でした。

  • アイデンティティの話

  • 西さんの主人公は
    繊細で優しくて危なっかしくて
    ドキドキしちゃうけど
    読み終わると、
    未来が開けるような
    力強い、元気パワーをもらえます!

  • 想像はあくまで想像でしかあり得なくて、その事やその人のことがリアルにわかるわけではない。でも、だから想像することに意味がないわけではない。
    想像することで、事や人に寄り添うことで、想像による関係ができる。ズレていようが、思いが届かなかろうが、無視をされようが、その関係とともに自分がこの世界に存在している事を規定する。

    大切な人が、置かれている状況で選択するべきでない事を選択すると、その人は失ってほしくないものを失うことになる。
    その事はもちろん残念な事だけど、だからその人が大切な人でなくなるわけではない。大切だという事はそういうことをひっくるめて大切なのである。

    想像で繋がる事も、大切な人を大切と思うことも、自分の存在に関わるレベルの深さの、愛と呼ぶしかないものだと思う。

  • 直接的な表現をつかうというか、物語の中に、ひとつひとつ出来事が起こっている、その出来事を重要視している気がする。
    ザ・物語というか、次どうなるのかな…?が気になるので、読み込むと言うよりかはスーっと先に進むかんじ

  • 生、性について凄く考えさせられる。

    アイとミナの対象的な描写が絶妙。
    拗らせるとはまた違う、でもわかる部分もある。

    個人それぞれの思い、考えがベースになっていて
    欲や傲慢さを凄く感じるのに
    人は1人じゃ生きられないそんな儚さも感じる。

  • アイが考えること、暗くてどうしようもないけれどすごく分かる。こんな繊細な感性を持った人が小説の中で自分を表現しながら生きていこうとするエンディングに、すごく救われる。
    後書きの又吉さんとの対談形式の中でも出てきていたが、豊かな人は辛いと言ったらいけないかのような、人に言えないしんどさ、確かにあると思う。親友のミナの妊娠を巡って、アイはミナに会いたい気持ちと許せない気持ちで葛藤する。本当にそれは苦しい。でも、自分と人には全く別のしんどさがあることは区別しておかなければいけない。1番に出てくる負の感情は差し置いて、その時にしかできない何かがあると思う。物事を考え込むアイに、西加奈子さんの文章に、大事な気持ちを教えてもらえた。

  • あなたの悲しみはあなただけのもの

    自分は恵まれてるのにこんな風に感じたらいけない
    養子として迎えられたアイはその奇跡を十分わかってるから、テレビに流れる悲しい事件にあれは私だったかも知れないと胸を痛める。
    でもそれは、その立場だからこそ感じられるのだ、そう感じること自体おこがましいのだ。と感情の逃げ場所がなく内に内に篭ってしまう。

    ミナに出会って、感情は貴方だけのもの。
    他の誰のものでもない。ということを知って、
    ユウと出会って、自分の存在を認識して。
    でもまた自分を否定して。
    それでもアイは存在する。と導き出せて本当に良かった。


    不幸を誰かと比べても仕方がないし、
    その質量は本人にしかわからない。
    本人にとって辛いのなら、辛いと声にしていいのだと勇気をくれる本だと思った。

  • 全てを考えすぎる彼女…何事にも悲観的だし思考がいつも悪い方向へと傾きすぎてて、なかなか彼女の心境を理解するのが難しかった。最後まで理解できずに終わってしまったけど、この作品から学べたことは何事もなく平穏にすぎる日々はどこにでもあるわけじゃなくてすごく貴重なものだってこと。感謝の気持ちを忘れずに生きようと思った

  • 「誰かがどこかで死んでも、空が割れるわけでもなく、血の雨が降るわけでもない。世界はただただ平穏だ。」p.83

    考えること、向き合うこと、苦しむこと、知ること、どれかひとつでも私はできていただろうか。と思う。それは幸せだし傲慢だし浅はかだったな

  • アメリカ人の父、日本人の母の間に養子で迎えられたシリア難民の子、アイ。世界中の戦争や災害で苦しむ人達の情報に触れる度に、自身の恵まれた環境に引け目を感じてしまうという、聡明ながら考え過ぎてしまう少女の成長の物語。
    様々な苦しみや挫折を、親友のミナ、両親、夫のユウ、其々との間の深い思いやり、愛情によって乗り越え成長していく姿が、端的で鋭く的確な表現で描かれ、読み応えがあった。


  • 自分の生い立ちや生きてきた環境ゆえか、
    とてもとても深く生きていること、生かされて
    いることを考える主人公(アイ)の心の変化の
    成長の物語。

    考えることの尊さと複雑さを痛感しました。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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