([ほ]4-2)活版印刷三日月堂: 海からの手紙 (ポプラ文庫)

  • ポプラ社
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レビュー : 113
  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591153291

感想・レビュー・書評

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  • 2作目もよかった。

    どのお話も涙腺が刺激されます。

    朗読会に行ったお母さんが持っていたフライヤー、
    それを見た小学生が印刷所に行って「ファースト名刺」を作る。
    「ファースト名刺」を貰った銅版画を作る女性が印刷所に尋ねてきて
    店主と一緒に豆本を作る。最後は豆本を買った男性のお話。
    という、素敵なつながり方です。

    活版印刷の文字を組むように
    文字が大切に大切に集められて、
    大切な言葉になっていく、そういうお話の集まり。

    「あわゆきのあと」「海からの手紙」がお好みです。

    読後は、ちょっと余韻にひたりたくなります。

  • 豆本制作の話が特にすきでした。
    活版印刷三日月堂に関わった人々がさりげなく繋がっていて物語世界が広がってゆくのがたまらなく好きです。

  • シリーズ2作目。ほしおさんの文章は、何でもないシーンの描写でも胸に響くものがあり目頭が熱くなります。とても不思議です。文章の力を感じます。それでいて物語にも静かな感動が連発し、外で読んでいると涙腺との闘いです。活版印刷に見出す活字の価値。読み終わった後、こんなに多くの文字を持つ国に生まれて良かったと誇らしく思います。人の繋がり、家族の絆、若かりし頃自ら負った傷、そんなノスタルジックな感傷を大いに刺激してくれる作品です。大好きです。

  • 「ちょうちょうの朗読会」「あわゆきのあと」「海からの手紙」「我らの西部劇」の4編。あまんきみこさんの話の朗読会、素敵だろうなぁ。貝殻の銅版画と活版印刷で刷られた詩の豆本、見てみたいです。去年、個展で貝殻の形の銅版画を見て一目惚れし、ひとつ購入したのですが、もしかして、ほしおさなえさんも同じ作家さんの作品を見たのかなー、とわくわくしました。どの短編もほわほわと優しい気持ちになれます。

  • 今巻は、さまざまな死がテーマにあったようで。
    読んでいると自分の大切な人たちのことが次々と浮かんできて、涙があふれた。

    ちょうちょうの朗読会
    朗読に興味が湧いていたところにこれだもんな。
    こちらが落ち着いたら、やっぱり近所の図書館の読み聞かせのボランティアに応募してみようと思った。
    あまんきみこさんの「白いぼうし」
    すっかり忘れていたけれど「これはレモンのにおいですか?」の一文で、あぁこれは確かに国語の教科書で読んだことがあるという記憶の断片がちかちか瞬いた。


    続刊も希望します。

  • 本屋でたまたま見かけて購入。
    最初の話から、どんどん繋がっていく流れになっている。
    どの話もすごく心が温まって良かった。
    活版印刷の大変さも分かった。
    何気なく読んでたあの本、活版印刷のものだったんだなぁと今更気づいたり。
    興味本位で「活版印刷 就職」で調べたら、ほぼ美術系卒しか採用とっていなくて現実を思い知らされたり。

    でも楽しかった。素敵な本でした。

  • 前作に続き、活版印刷の世界に引き込まれた。

    幸運なことに本にかかわる仕事をさせていただいているおかげで、活版印刷や豆本等々にも興味を持たせてもらっている。

    それでも、こうした憧ればかりが強くなり、そろそろいろんなことを考えていこうかな。。

  • 去年8月に読んだ「活版印刷三日月堂」の続編。
    前作は佳いお話で、今回も似たようなテイストが並ぶなぁとは思いつつも、なかなかジンと来た。
    今回、特に心を動かされたのは、2話目と4話目。
    2話目は、生まれた直後に亡くなった姉のことから死について小学生のお話。
    死について考えることは反面生について考えることだな。
    この歳になると、本当に自分が死ぬときのことを考え、怖くて、悲しくなる時が、たまにある。
    悔いのないように生きるのはなかなか難しいことだけど、『みんなと楽しく過ごして』いきたいよね。
    4話目は、突然の病気が原因で会社を辞めた男を通じて語られる父と息子の関係性について。
    自分の身になって考えても、父と男の子の関係って、これまたなかなか難しいと思う。
    私の父に対する感情と父が私に抱いていた感情は、それぞれどのように近しくてどれほど離れていたのだろう。
    私と息子たちの場合はどうだろう。
    それぞれに問題を抱える彼らに対して、私がしてやれることは何だろう。
    してやれる、なんて、上から目線ではダメなのかな。
    色々なことを思わされた。

    4話目は、西部劇やスター・ウォーズを語った部分も楽しめたのだけど、あとがきを読んで驚いた。
    ほしおさなえさんって、小鷹信光さんの娘さんだったのか。
    小鷹さんと言えば、“ハードボイルド”という言葉が思い浮かび、私たちの世代からすると「マルタの鷹」の翻訳にとどめを刺す。
    とすれば、最後の話はもしかして、小鷹さんとほしおさん(娘だけど)の物語だったのかもしれないな。
    そう思うと、物語の味わいもまた一段と深みを増したよう。

  • 貝は内側から自分の貝がらのかたちをつくる。
    一生かかって自分のかたちを
    つくろあげる。
    でも
    貝自身は、自分のかたちを
    見ることはない。

  • 文字を拾う。
    変わらずこの表現に惹かれてしまう。
    空間を埋めることにも手をかける。それはきっと生きていくとにも似てるのかもしれない。空白を埋めることに手をかけて、ああでもないこうでもないと思考錯誤して、空白も含めて並んだ文字を愛おしむ。

    空白。

    今回はそこに妙に惹かれてしまった。

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著者プロフィール

ほしお さなえ
1964年東京都生まれ。作家・詩人。父に翻訳家・評論家の小鷹信光、夫に作家・思想家の東浩紀。
東京学芸大学卒業後、理工系出版社、大学研究補佐員をへて、作家活動へ。
95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞して詩人としてデビュー。2002年には長編小説『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年に刊行された『活版印刷三日月堂 星たちの栞』が話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気シリーズとなる。

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