かがみの孤城

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 8589
レビュー : 1098
  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591153321

感想・レビュー・書評

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  • 誰しもが通る人間関係のいざこざ...
    いろんなきっかけで学校という場所を失った7人の子供。
    頑張ってるのはわかってる。
    もう闘わなくていいよ。
    みんなと一緒じゃなくてもいい。
    普通じゃなくてもいい。
    選択肢は色々あるのだ。
    信用できる人がいるだけでこんなにも人は強く生きていけるのだ!
    本屋大賞受賞に納得でした。

  • 久しぶりにこんなに心が温かくなる本を読んだ。

    メインで感じたテーマは、人の言う”普通”という価値観はその人その人で変わっていくということ。自分が思うより意外なほど自分は普通でなくともそういう人がこの世の中には五万といる。皆が思っている価値観を疑うことも必要。そして一人として同じ悩みを持つものはいないのだから、焦らなくてもいいし、人に合わせなければいけないというプレッシャーも感じることなんてない。
    いろんなことをやることは中途半端ではなく、リスク分散もメンタルには大切でローリスクなことをやるのも必要ということ。
    同じ価値観の人、心が安らげるひとばかりが周りにいるわけではないし、そういう環境に身を置けるのは幸運なこと。闘うのが嫌ならば逃げればいい、人生一度きり。時間は止まってはくれない。嫌なことにはノーと言える自分でありたい。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    どこにも行けず部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然、鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が集められていた。9時から17時まで。時間厳守のその城で、胸に秘めた願いを叶えるため、7人は隠された鍵を探す―

    既に世の中的に大絶賛の嵐の本をさらに絶賛するのはとても心苦しい。今回本屋大賞を受賞されたことでさらにこの後絶賛の嵐に見舞われる事でありましょう。
    自分で感想と言えば「最高だった」としか言いようがない。自分は不登校ではなかったけれど、中高とほとんど友達が居なくて、なんでこんなに上手い事人間関係築く事が出来ないんだろうとほとほと自分に嫌気が差していました。
    特に高校2年~3年なんて超暗黒時代。絶対に学生時代に戻りたくないし、今でもその当時の同級生なんて絶対に会いたくない。何気なく同級生に話しかけてさりげなく冗談を飛ばす。同じような趣向の人物を見つけて放課後や休みを一緒に過ごす。それだけのことがなんでこんなに難しいんだろう、みんな特殊能力を貰っているのか、自分が何か欠落した人間なのかと大層思い悩みました。
    この本を読んで感動した人の中に、人間関係の構築で本当の本当に苦労した人ってどれくらい居るんだろう。普通にしているはずなのに、人を馬鹿にする事がデフォルトで備わっている人たちのセンサーに、毎回毎回引っ掛かってしまう恐怖。どこかのコミュニティーに入り込む事が出来ない自分のふがいなさへの怒り。自分を心配する大人達への謂れのない後ろめたさ。今になると、「なんだそんな事」と思わずにはいられない些細な躓きが、取り返しのつかない致命傷に思えていたあの頃。
    この物語の主人公達はそんな僕やあなたの性質を少しずつ持った少年少女たちです。現在進行形で学校に行くことが出来ない、もしくは自分の心を切り売りして卑屈に時間をやり過ごしている少年少女達の物語です。
    この中に出てくる彼らは決して過酷な状況に居るわけでは無いです。凄惨ないじめも無い、ぼんやりと居心地が悪い状態に耐えられず逃げ出してしまっている子もいます。もっと心の強い子であれば跳ね返せることなのかもしれない。でも、この世の中には、些細なトラブルも普通にやり過ごすことが困難な子供たちも沢山いるのです。
    それが為にこの本には、世の中にあふれる「そんなことぐらいで学校に行けないの?」と思われている子供の心を掬い上げる力が有ると思います。
    そしてこの本の秀逸な所は、ミステリー部分で感動させながらも納得させられる所です。若干の力技が有りますが、大きな感動の波のあとでは些細な事でした。

    • 杜のうさこさん
      初めまして。
      コメントありがとうございます。
      こちらにお返事させてください。

      私の感想がきっかけで、なんて、
      そう言っていただけ...
      初めまして。
      コメントありがとうございます。
      こちらにお返事させてください。

      私の感想がきっかけで、なんて、
      そう言っていただけて、こんなに嬉しいことはありません。本当にありがとうございます!

      今レビューを読ませていただいて、また改めて感動しています。
      >まだ子供だった頃どうしても人と馴染めなかった自分を抱きしめてやりたいような気持になりました。
      本当に心からそう思える、素晴らしい本でしたよね。
      ぜひ、抱きしめてあげて下さい!

      ありんこゆういちさんの本棚、私の好きな本がいっぱいあって、ワクワクします。
      お人柄のしのばれる真摯で温かな目線のレビューがとても好きです。

      先日の文房具の本、私も本の次に好きなのが文房具なのです。
      特に好きなノートのタイプがご一緒で、嬉しくなってしまいました。
      ツバメノートも大のお気に入りです♪

      では、またお邪魔させてくださいね。
      これからもどうぞよろしくお願いいたします。
      2018/04/16
    • ありんこゆういちさん
      うさこさんご訪問ありがとうございます!うすうすお気づきかもしれませんが、秋山善吉からはかなり読む本の参考にさせて頂いています(^_^;)読ん...
      うさこさんご訪問ありがとうございます!うすうすお気づきかもしれませんが、秋山善吉からはかなり読む本の参考にさせて頂いています(^_^;)読んでいる本が元々かなり被っている上に、うさこさんのレビューに本への愛情が迸っているのでついつい読みふけり、その本を読みたくなってしまうのでありました。完全にまねっこです。
      それにしてもこの本に出会えて本当に良かったです。辻村さんの視点は優しいけれど、現実の厳しさも見据えている気がしてとっても共感出来ました。素晴らしかったです。

      それにしてもノートお好きですか!僕は妻の影響で自分のノート好きに気が付きまして、用もないのにノート売場をうろうろしている事が有ります。ちなみに僕もツバメノート大好きで、読んだ書名を羅列した読書ノートを作っているんですが、ツバメノートを使っています。あのレトロ感がたまりません!
      また本を参考にさせて頂きますのでよろしくお願いします!!(#^.^#)
      2018/04/16
  • 本屋大賞を受賞しましたね!
    それも、過去最高得点で!!

    辻村深月さんも好きな作家さんのひとり。
    この本で14冊目になります。

    初めて読んだ辻村さんの本が【本日は大安なり】
    そして2冊目の【ツナグ】でファンになりました。

    【ツナグ】
    ファンタジー。
    ただ一度だけ、唯一ひとりだけ、死んだ人ととの再会をかなえてくれる使者(ツナグ)。
    ぐぐっときて切なくなる場面もあり、読んでよかったと思う一冊でした。

    【かがみの孤城】もとても優しい心に響くファンタジー。
    実は私、ファンタジーはあまり好きではないのですが、【ツナグ】同様、一気に引き込まれていきました。

    ある出来事をきっかけに学校に行けなくなった中学1年生のこころ。
    ただひとり、心を痛め、家に閉じこもっていたこころの前にある日突然、オオカミ面をかぶった少女が現れ、鏡の城に招待される。
    そこにはこころ以外に6人の中学生がいた。

    中学生の頃ってややこしい。
    大人になって振り返ってみると、そう思う。
    自分が中学生真っただ中だったころには感じなかったけれど…
    ”みんな一緒”はとても楽で居心地がいい。
    だけど、時に残酷なことになってしまう。

    こころの胸の痛みを思うと、胸が苦しく、鼻の奥がつーんとなる。
    かがみの城があって本当に良かった…

    エピローグにはちょっと泣けました。

  • 分厚い本だ…!と思いながら読み始めたけど、中盤から物語が一気に加速して、息切れせずに読み切った。
    で、全てがつながって、涙、涙、涙。
    終わってほしくなかった…!
    この先をもっと読みたくなる物語だった。

    はじめは、不登校になったこどもたちが強くなって立ち上がるまでのお話しかなと思ってたけど、それだけじゃなかった。
    母親の戸惑い、葛藤、決意も痛いほど伝わった。

    「大丈夫。大丈夫だから、大人になって。」

    今の目の前の状況が自分の世界の、自分の人生のすべてのように思えて。
    でも自分は今の状況を変える術を持っていなくて。
    うまく助けを求めることも出来なくて。
    誰もわかってくれないと、殻に閉じこもることを覚えて。

    でも、きっといる。
    あなたの話を聞いてくれる人が、あなたの言葉をわかってくれる人が、きっといる。

    もし、自分の大切な人が悩んでしまったときは、喜多嶋先生のような言葉をかけてあげられる人でありたい。

  • 学校での居場所がなくなり不登校になった主人公こころ。
    ある日自室の鏡が光出しその鏡を通ると異空間の城に繋がっていた。そしてそこには同じ様な境遇の7人の子供達。その城に通うようになり、時間を共に過ごして行くうちに、なぜ7人の子供達がこの場所に集められたのかが徐々に明らかにされていく。全てが分かった時に驚きと感動が訪れる。また、子供目線の生きづらさがよく描写されており、子供が読んでも良いし、子を持つ親が読むのも良い作品だと思う。

  • 中学生のあの頃、この本に出会っていたら、、と思わずにはいられない。帯の「あなたを助けたい」の一文に物語のすべてが詰まっている。どうか一人でも多くの子供の手にこの物語が届きますように。目の前の世界が唯一であると絶望を感じたあの頃。そんな時期を乗り越え大人になった私たちの心にもきっと温かく広がる物語。やっぱり私は辻村深月さんの物語が本当に好きだ。いやそれにしても、もっとじっくり読みたかったのに、一気に読んでしまった。後日ゆっくり丁寧に読み直したい。

  • 死と再生の物語だった。

    不登校は学校へ行くという選択しかしなかった人たちが理解する事は難しく、特に親の立場であったなら、自分の子供が学校に行きたくないと言ったら動揺し、登校を促進し、或いは失望するかもしれない。

    残念ながらこの2019 年はまだ学校に行くという事が「普通」であって、学校へ行かない事は「普通ではない」と考える人が多いのが実情だろう。

    実際には保健室登校や相談室登校、学区外転校も可能であるし、義務教育期間であれば、各自治体の教育委員会に設けられている「教育相談施設」で教育相談の他、母子並行面接などのカウンセリングもうける事ができるし、適応指導教室も存在する。

    「適応指導教室」って名前はまるで某国の「労働改造所」的ネーミングセンスだが実際はそんなおそろちい場所ではなく、学校的な空間に戻らない・戻れない・戻りたいけどまだムリ、という子どもたちの居場所として各自治体の教育委員会が運営しているフリースクール的空間である。

    もちろんNPO運営フリースクールだってあるだろう。ようするに、選択肢はたくさんある。

    この作品でも不登校がテーマであり、主人公たちは等しく学校(或いは家庭にも)居場所がなく、成長途中の人間に最も必要である「安心感」と「保護感」が損なわれている。

    そこで、幻想的空間である『かがみの孤城』が彼女・彼らの居場所となる。

    ジグムント・フロイトからはじまり脈々と発展してきた精神分析学の治療構造は、非日常空間を人工的に用意し、そこでの体験を通じて葛藤の解決を目指すことが共通の土台であって、『かがみの孤城』はまさに、治療空間として機能しているように感じられた。

    この孤城において子供達は、失った安心感と保護感を感じ、自分達の共通点と相違点を見出していく。やがて自分を理解し、他者を理解し、自他双方を赦すという体験をする。

    はじめのうち、この子たちはどこかぎこちなく、独りよがり。
    同じ空間に何人かいても独り言と独り遊びのようである。

    しかし、徐々にひとりごと(モノローグ)は対話(ダイアローグ)となり、ひとり遊びはごっこ遊びを経て共に遊べるように、関係が深まっていった。

    この変容が生じたのは言うまでもなく日常から外れた非日常空間だったからであり、非日常空間であるためには「ルール」が必要となる。

    関係が深まったところで重大なルール違反を犯した子どもがいた。ルール違反には相応の劫罰があるが、それは乗り越えられないものではない。

    ここまで来て、別れの段階へ至る。

    しかし、別れはもはや彼女・彼らの世界を壊してしまう恐ろしいものではなく、安心感と充足感に満ちた安全で未来へ進むための別れである。

    この子たちの心の中で安心感は恒常性を保った強いエネルギーになっただろう。

    この物語は死と再生の物語であり、死の床に臨む、即ち臨床的な物語だった。


  • ラストの伏線回収は圧巻。
    文章が稚拙などの批判もあるものの、基本的に綴られるのが中学生の心情を描写する内容なので違和感は全くない。
    心情の描写に関しても子供の葛藤を繊細に描き、大人の無神経さをも見事に描く。辻村作品は初だったが、大満足。
    人は「それぞれの現実」の中を生きている。随所に見られたワードだが、それこそ本書の全てではないかと思う。かがみの孤城。それぞれの現実は相手から見るとどう見えるのか、そこに事実はあっても真実は決して見えてこない。真実はそれぞれの主観を大いに含み、必ずしも一つに収束しないことは常に念頭にないといけない。重要なのは囚われないこと、自分だけの孤城に、自分だけの現実に。

  • やってくれました!辻村さんの作品は期待を裏切らない面白さ!
    現代風で読みやすく、ファンタジー要素がある事と
    人物がみんな個性ある設定なのでアニメ化に向いてるなと思います。

    出てくる7人の子どもたちの共通点は「何かしらの理由で学校に行ってない子」
    ※リオンは例外として学校に行ってますが
    ある日、そんな子どもたちの目の前に鏡が現れ…
    たどり着いたのは孤城。
    そこにオオカミさまが現れ、鍵を探すことができれば一つだけ願いを叶えるという。
    ただし鍵を見つけられなければ孤城もろとも、消える。チャンスを失う。
    7人の子どもたちは果たして鍵探しをするのか?
    それとも…
    そんな作品です。
    見事に最後に泣いてしまいました。そしてエピローグでも。
    大人が読んでも面白いですが、ぜひ悩み多き学生さんに読んでもらいたい本です。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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