かがみの孤城

著者 :
  • ポプラ社
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レビュー : 1099
  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591153321

感想・レビュー・書評

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  • 最初から涙が出る本は初めてでした。学校に行きたい気持ちも行きたくない気持ちも本物でした。この本はたくさんの人を救うと思います。書いてくれてありがとうございます。

  • 久々に読んだ辻村深月さんの作品。
    文庫待ちするつもりだったけど、我慢できずに購入…(。-∀-)

    この本最高です。
    最近読んだ本の中でも圧倒的。
    感動あり、友情あり、そして鮮やかな伏線回収+どんでん返し、すべてにおいて完成度が素晴らしいです。

    登場人物の時系列のズレまでは予想通りでしたが、オオカミさまの正体でジャブを打たれ…
    そこで終わりかと思いきや、喜多嶋先生のくだりでストレート…
    驚きと感動で読後はしばらく放心状態でした…(*´-`)
    こころとアキが過去と未来で互いに支え合うという関係性もすごく素敵だなと。
    久々に「読書」の純粋な楽しさを思い出させてもらったような気がしました。

    いじめに合い、学校に行けなくなっていく主人公の心理描写がとてもリアルでした。
    経験したことはないけれど、学校と親に挟まれ、きっとこんな気持ちになるんだろうなぁと。
    読んでいてとても辛かったです。

    親になったとき、子供に接する上で大切なのは何なのだろう…
    言葉にすると「子供の気持ち、考えをしっかり聞き、理解してあげること」とまとめられてしまう気がする。
    でも、それを日々実行することが本当に難しいんだろうなぁと、そんな風に思った。
    これから親になる立場として、しっかり肝に命じておきたいと思う。

    実際に、自分の子供がいじめに合ってしまったらどうすべきかとも考えた。
    個人的に思っているのは「いじめは被害者に原因が無くとも起きる」理不尽なものであるということ。
    ただ、一方で「どうしても無くならないもの」とも感じている。
    本作品中でも「ウレシノ」が城に集まった他のメンバーからバカにされるシーンがある。
    人間は、ヒエラルキー下層の集団の中でもさらに序列を決めてしまうような習性のある生き物なのだと思う。
    それがいじめまで発展するかどうかは別の話だが、少なからずそれくらい本質的に刷り込まれているものだと私は感じている。
    よって、私個人としては「より良い環境を探して逃げる」という方法が最善ではないかと感じている。

    この作品だけではなく、辻村さんは細かい心理描写が本当に巧いと思う。
    登場人物の気持ちの動きにリアリティーがあるからこそ、異世界を描いたファンタジー作品でありながらも読者が共感しながら読むことができる。

    同じような境遇にある子供も、そして大人にもとっても十分読むに値する一冊であるように思う。
    本屋大賞に選ばれるのも納得。

    <印象に残った言葉>
    ・こころには、叶えたい願いがあった。一真田美織が、この世から消えますように。(P67)

    ・だって、みんなバカにしてるじゃないか、僕のこと。いっつもそうだよ。いつもそうなんだよ、なんでかわかんないけど、みんな、僕のことは軽く見ていいと思ってるんだよ。自分たちの恋愛は隠して、裏でうまくやっていつの間にか両思いになったりしてても、僕の恋愛は、僕だからって理由だけでさらして、からかっていいと思ってる。誰も本気にしないし、他のことだってそうだよ!みんな、僕なら何してもいいと思ってるんだ。(P178、ウレシノ)

    ・だって、こころちゃんは毎日、闘っているでしょう?(P211、喜多嶋先生)

    ・ お母さんも、こころと来られてよかった。(P281、母)

    ・善処する。(P543、オオカミさま)

    ・喜多嶋晶子は、NPO『心の教室』のメンバーだ。(P547)

    <内容(「BOOK」データベースより)>
    あなたを、助けたい。

    学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
    なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
    生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

  • 「人の心の痛み」に鈍感な人がいる。
    悪意があるとかないとかは別にして…。
    そんな人たちによる言動に傷ついたココロがファンタジーの世界で寄り添った。
    自分だってつらいのに そのつらさを乗り越えて誰かを助けたいと思った。その勇気がみんなを一歩前進させた。

    中学生の悩み、痛みとして書かれているけれど、ホントにつらいことだけど敏感なココロを持った人は一生、この痛みと戦わなければならない。繰り返す。人の気持ちに鈍感な人は確実にそこそこにいるから…。

    こころちゃんの初めての戦い。
    痛々しすぎて 涙が出た…。
    大丈夫。温かな気持ちに支えられて こころちゃんは成長していく。
    ココロの痛みを知っている人は人のために戦える。

  • とても、よかった。
    辻村さんにしか書けない作品だと感じた。

    大体中学生の頃は憂鬱だった、
    楽しいこともあったけど、
    天気でいうといつも曇りだった。

    だから、なんていうんだろうか、
    この時期ってほんと大変だ。
    当人も親も。

    親になってからは
    どうにか無事にこの時期を過ごしてほしいと思っていた。

    多くの思春期の子に、
    喧嘩して腹を立てて、仲直りできる同年代の友達と
    進む道は一つではないと言ってくれる
    視界の広い大人と出会ってほしいと思う。

    切に願いまする。

  • 私の嫌いなジャンルのファンタジー。
    現実には起こり得ない物語。

    またまた会社の方に貸して頂いた。

    これがとても読みやすく面白い。
    本当に面白い。ファンタジー嫌いの私が★×5 の面白さ!

    全然自分とリンクする部分も無いのだけど心はすっかり主人公に乗り移る。

    それぞれの悩みを抱え、学校に行けなくなった不登校の中学生と、ハワイに住み彼らと同じ中学に行きたかった男の子。

    彼らはある時かがみの向こう側の世界へと繋がる。かがみの向こう側の世界では、、、

    難しい表現や難しい漢字は使われておらず、表現も易しい為小学生、中学生でも十分楽しめる作品ではないだろうか。

    悩みを抱えた各世代へ勇気を与える一冊だと思う。
    とても良かった(*^^*)

  • 発売日に購入したものの数ページしか読んでおらずそのまま放置していた。通勤電車の中で何気なく読むかという気持ちで読んでみるとあらヤダどハマり。
    毎日の通勤が楽しくなりました。

    前半partは主人公(こころ)が周りの環境はどうだ、とかそれを通じてどう強くなっていくか、とかという物語展開で主人公が苦痛や自身の葛藤を通じて成長する姿が描かれているのだが、正直、個人的にはストーリー展開としては漫然としているな、という印象だった。
    しかし一方で後半(全体の2/3くらい)では展開のスピードが一気に加速し、前半に散りばめられていた伏線が一気に回収され、読み終える頃には筆舌に尽くしがたい開放感を味わった。
    ここはこう繋がるのではないか、と考察しながら読み進めることが好きな方は気に入ること間違いなしの作品だろう。

    普段はビジネス書を読む機会が多く、この手の小説を読むのは数年ぶりだが、本当に良い本とと巡り会えたと大変満足している。

  • 読み終えて、 面白かった よりも 凄いなぁ という感想が勝る。

    孤城の①と②の意味が裏扉に記載されている理由
    (「帰りたくないよおおおお」ってセリフが突き刺さる。。)
    登場人物達のそれぞれのイラスト(確かに主人公は可愛いな、というのが第一印象だった)
    主人公の創造するストーリー
    名字を最初名乗らない理由と 名乗った後読み返しての

    と、伏線が伏線だと思わないままちりばめられていたのだなぁ、と。

    何より、終わったと思ってからの明らかになる真相と
    「善処する」に対してのいくつかの答え。
    残りの子はどうだったのか、どうなるのか、過去にも未来にも希望をもって期待してしまう。

    中学生という今思えば幼さ満載なのだが、本人らにとっては至極真面目に(自分は頭が良いと思って)の行動。

    主人公の理不尽さへの思い、親への想い。
    言い切れないけれど、察して欲しいと期待してしまう言い回し。
    先生に好かれる子と、 一見人気のある先生の 今思うと人間らしいが薄っぺらい行動

    あの時の学年1つ違うだけで生じる緊張感。

    そんな中学生時代をよく作者は書き上げられるなぁ、と。

    よく聞く「〇〇君の事は〇〇ちゃんが先に好きになったのに」がまかり通るとか、本当、あの時のルールや価値観は何だったのだろう。。。

    文章でなくとも 映像化しても イヤホンの先は鞄だったりと ネタばれは最後までバレなそうだから
    映画化はもったいないから1クールもので映像化して欲しい。

    凄く関係ないが、小さい子の熱くて、髪の柔らかい頭部、というのがすごく分かる、懐かしい。。

  • 主人公は同級生のイジメにより学校に通えなくなった女子中学生。
    人目を気にしながら家に引きこもる生活を送る彼女はある日、鏡の中に引き込まれる。
    そこには狼のお面をかぶった少女、そして主人公と同じように学校に通う事ができない中学生たちがいた。
    狼のお面をかぶった少女ーオオカミ様はこの城がどういう所なのか、ここにいる時のルールを説明する。
    城に集まった彼らが城でする事は、何でも願いが叶う鍵を探すこと。
    その鍵で叶う願いはひとつだけ。
    城が開城する期間は翌年の三月三十日まで。
    だけど、鍵が見つかった時点で城に来る事はできなくなる。
    さらに、城の開いている時間は日本時間の朝9時から夕方5時まで。
    その時間外に城にいると狼に食い殺される。
    その城に通う内に他の子たちと徐々に仲良くなる主人公。
    なるべく長くこの城に通うために、彼らは鍵が見つかっても期限ギリギリまで使わないようにしようと決める。
    だけど、この城にはもう一つのルールがあってー。

    読んでいてこんな避難場所が中学生の頃にあったら良かったな・・・と思った。
    主人公の女の子の場合は学校では一人の少女によりイジメられ居場所がなくなったけど、両親はかなり理解のある人たちだと思う。
    私の場合、家も学校も居場所がなかったから、これを読んでいて、あの頃の自分はすごく頑張ってたな・・・とつくづく思った。

    この物語の主人公は私とは世代も家庭環境も違うけど、読んでいて共感できた。
    彼女が考えることー例えば、ある日、素敵な転校生が登場して彼女だけの友達になる。
    なんて想像。
    いじめた人間に自分は時間を奪われたという思い。
    学校に行けない焦りや他の仲間たちが前に進みだそうとした時の思いー。
    とても繊細な感覚で、イジメにあっている子の心に寄り添っている本だと思った。

    また、じっくりゆっくりと相手に気遣いながら仲良くなっていく彼らの様子を見ていると、それが本来普通なのかもな・・・と思った。
    友達百人できたら・・・なんて歌があるけど、会ってすぐに誰とでも仲良くなれる、なんて、むしろその方が不自然かもしれない。
    そういう風に、人と関わり合おうとする彼らに好感がもてた。

    この本ではいくつものつながりがあって、「ああ、そうだったんだ・・・」という事がいくつもラストに用意されている。
    オオカミ様の正体も最後に明かされる。

    この城が魅力的なのは期間限定だったからだと思う。
    自分の生きる過酷な世界からちょっと逃避できる場所ー。
    だけど、そこは自分の本来生きるフィールドじゃない。
    それを彼らも分かっているから、ずっと焦りや不安を感じている。
    人生の中でこういう場所が一時期あるのは素敵だけど、私だったらその場所をなくした喪失感と現実の厳しさに却って折れていたかもしれない。

  • 本当にずっと読みたかった一冊!
    図書館で1年以上予約待ちしました。

    辻村さんはここ2年ほどでどハマりし、読み漁りました。
    (時には気分が重くなる作品もあるけれど)

    辻村さんと言えば、大のドラえもん好き。SF(少し不思議な)、「日常の地続き」であるファンタジーの入口が好きなんだと、インタビューで話していた。
    今回の作品は、まさにその少し不思議なファンタジー、と言える。そしてその入口が一枚の鏡。
    主人公のこころ始め、かがみの孤城で共に「鍵探し」をすることになる7人の中学生たち。彼らの共通点は、学校へ行っていないこと。
    次々と明らかになる彼らの真実と、孤城の秘密。鮮やかな展開に引き込まれていく。
    終盤は、涙しました…。
    これは間違いなく、傑作です。今年読んだ中で個人的ベスト10に入ります!
    個人的にも絵本や童話も好きだし、心地よく物語の空気感に浸ることができました。
    素晴らしかった!!

  • 様々な理由で学校に行けなくなった7人の子どもたち。鏡を通じてお城に集められた子どもたちは、ひとつだけなんでも願いが叶うという鍵があることを知らされ、それぞれの思いを胸に鍵探しを始める。徐々に明らかになっていく7人の辛い過去や厳しい環境。それぞれの悩みを持ち、それぞれの孤独を抱えた中学生の心情が、痛いほど伝わり心苦しくなったが、それでも仲間たちと共に現実世界を生きていこうとする姿には心を打たれた。
    読み進めていくうちに、物語の中でなんとなく違和感を感じていたことがすべて繋がっていく。7人である意味も、お城が空いている期間も、少しずつズレているそれぞれの現実世界も。辻村深月の作品は「ツナグ」に続いて2作目で、「ツナグ」でも最後の伏線の回収には驚かされたが、今回はそれを上回る内容だった。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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