かがみの孤城

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 7563
レビュー : 988
  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591153321

作品紹介・あらすじ

2018年本屋大賞受賞作!そして2019年6月19日発売の『ウルトラジャンプ』7月号から、武富智さん作画でコミック連載スタート!

不登校の少女が鏡の向こうの世界で出会ったのは――生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

あなたを、助けたい。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • すごく、すごく良かった。
    今まで読んだ辻村深月さんの作品の中で、一番好きです。

    こころ、アキ、フウカ、リオン、ウレシノ、マサムネ、スバル、
    そしてオオカミさま…
    みんな、みんな愛おしくてたまらない。

    この物語の主人公たちは中学生。
    教室という小さな箱の中…
    ひとりひとりはそうでもない。
    ところが、グループになると言葉が通じない。
    でも、たとえ大人になっても、いつの時代に生きていたとしてもそれは同じ。
    どこに行っても、いいことばかりが待っているわけではない。

    だけど今、自分が置かれているその場所だけが居場所ではなく、
    それも長い人生の中の、たった一年なんだということ…
    過ぎてしまえばわかることも、この時にはまだわからない。

    闘わなくてもいいんだよ。それは逃げではないんだから。
    そしてそれが容易くないことも、彼らはすでにわかっている。
    ”たかが学校”
    そう思うことで、それを心のよりどころにして頑張っていけるのかもしれない。

    もう十分頑張っている人に、軽々しく頑張ってと言ってはいけないらしい。
    でもね、やっぱり言いたい。
    自分をわかってくれるひとは、必ずどこかにいる。
    言葉の通じるひとはいる。
    だから頑張れ!
    記憶は消えても、それぞれの場所で、みんな頑張っているよ。
    きっとまた会えるよ!


    最後に明らかになる、かがみの部屋の謎…
    エラそうなオオカミさまが、どこかさみしそうで、ずっと気になっていた。
    ひとりぼっちになってしまうのかな?
    オオカミさまの正体が、そうだったらいいなと思っていた。
    願い、かなったね…良かった。本当に。

    読み終えた今、
    鏡の向こうから、ひょっこり顔を出している表紙のオオカミさまが、
    私にはにっこり笑っているように見える。

    • ありんこゆういちさん
      初めまして、うさこさんのレビューでこの本読みたいと思いました。読んでみたら大きな感動を得ることが出来ました。まだ子供だった頃どうしても人と馴...
      初めまして、うさこさんのレビューでこの本読みたいと思いました。読んでみたら大きな感動を得ることが出来ました。まだ子供だった頃どうしても人と馴染めなかった自分を抱きしめてやりたいような気持になりました。ありがとうございました。
      2018/04/15
    • ひとしさん
      こんばんは!杜のうさこさん!
      本当にいつも感心してしまうレビュー。そして好みがかなり近くて、これからも近くにいたいと思うのでフォローさせて...
      こんばんは!杜のうさこさん!
      本当にいつも感心してしまうレビュー。そして好みがかなり近くて、これからも近くにいたいと思うのでフォローさせてください!
      2018/06/06
    • 杜のうさこさん
      ひとしさん、こんばんは~♪

      フォロー、ありがとうございました!
      私の感情の抑えがきかないレビュー(笑)に、温かいお言葉をありがとうご...
      ひとしさん、こんばんは~♪

      フォロー、ありがとうございました!
      私の感情の抑えがきかないレビュー(笑)に、温かいお言葉をありがとうございます!
      木に登ってしまいます(#^^#)

      私も先日、初めましての時に本棚を拝見した時に、好みが似ていて嬉しくなりました♪

      これからもよろしくお願いいたします!
      2018/06/08
  • ある事が原因で学校に行けなくなったこころ。それは行かないのではなく、行けないのだ。母親とは気まずくなり、人目が気になり外にも出られなくなる。こころの居場所はどんどんなくなっていった。
    そんなある日部屋の鏡が光り、こころは中に吸い込まれていく。鏡の中には城があり、オオカミさまがこころを迎えてくれた。そこには、こころの他に6人の中学生がいた。共通点はみんな学校に行けていない事とそれと…。

    それぞれ色々な事情があって辛い思いをしている子供たちがいる。「あなたを、助けたい」帯の言葉が胸に響く。

    どうして鏡のお城ができたのかがわかった時涙が出た。全てが綺麗に繋がり読み終わった時には色んな想いが込み上げてきて胸がいっぱいに。
    あの子たちはこれからを空想する。もちろん幸せな未来を空想をする。

    悩んでいる人たちにも読んでもらいたい。我が子にはたくさんの選択肢があるということを伝えてほしい。自分が今どうしたいのか、それを聞いてあげる事が何より大事。選ぶ事は逃げではない。

    こころのウジウジが私に似ていてわかる、わかる〜と何度も思った。親の立場としてはお母さんの気持ちもよくわかって苦しい時もあった。

  • 中学生のこころは、ある出来事を機に学校に行けなくなり、
    いつも家で過ごしている。
    ある日一人で家にいると、部屋の鏡が突然輝き始め、
    潜りぬけてみると、そこはお城の中だった。
    集められたのはこころを含め、似た境遇にいるらしき中学生が七人。
    ジャージ姿のイケメンのリオン。
    ポニーテールのしっかり者のアキ。
    眼鏡をかけた声優声のフウカ。
    ゲーム大好きで、生意気そうなマサムネ。
    ロンみたいなそばかすの、物静かなスバル。
    小太りで気弱そうなウレシノ。
    9時から17時まで滞在が許されるその城で彼らにはひとつの課題が出される。
    猶予は一年。
    戸惑いながらも七人は、少しずつ心を通い合わせていくのだか…。

    最初、中学生になったばかりのこころが学校に行けなくなる…。
    部屋の鏡が光って異世界への出入りが自由になる…ファンタジーかぁ…。
    ちょっびり、切なくなりながらもがっかりしたヾ(;´Д`●)ノぁゎゎ
    虐められた事も不登校になった事もない私ですが、でも揺れ動くこころの
    硝子の様な心がとても繊細に描かれていて凄く共感した。
    そして周りの大人の気持ちも凄く理解できたし、どうなって行くんだろうって
    グイグイ引き込まれていった。
    舞台設定が学校だけど、ファンタジー要素があるからといって子供向けじゃない。
    帯の一気読み必至!通りに本当に一気読みしてしまいました。
    読んだ本の内容をすぐ忘れてしまう私が決して忘れてしまわない。
    辻村さんの事、大・大好きになった「冷たい校舎の時は止まる」を何度も思い出した。
    あの頃の繊細で、揺れ動く気持ち・葛藤・悩み・些細な事で傷ついたり消え去りたくなったり…。
    色んな感情を思い出したし、今も硝子のハートだなぁって痛感させられた(*T^T)
    辻村さん自身が繊細な心を持っていて、
    今も忘れていないんだなぁって感じさせられた。
    少しずつ少しずつ明らかになっていく皆の姿。
    皆、辛かったんだなぁって切なかったし、最後にすべてが明らかになった時、
    本当に驚いた(゚Д゚;) 涙が零れました。

    本当に素晴らしい作品でした。
    今、現在も学校に行けない…社会で居場所を見つけられなくて苦しんでいる多くの人に、
    いや、苦しんでいない人子供にも大人にも読んで頂きたいです。
    「たかが学校」・「たかが職場」ですね(*´ー`*)♡

  • 評判通り感動して泣けた。
    特に後半は一気読み。
    大人の誰もがかつて通ってきただろう切なくも厳しい道に、自分の過去と自分の娘の現実を照らし合わせて胸が痛くなる。

    中学生にとって大きな存在の「学校」に各々の理由で行けなくなってしまった7人。
    大切な居場所をなくした7人が出会った、鏡をくぐり抜けた先にあるお伽噺に出てくるような不思議な孤城で、願いの叶う部屋の鍵を探すことになる。
    「いじめ」とか「喧嘩」とか簡単な言葉で決めつけられない「何か」に怯える子供達は、自分のことを肯定し認めて貰える安心感を孤城の中でゆっくり育んでいく。

    「頑張ってるの分かってる」
    「もう闘わなくてもいいよ」
    そう優しく言って励まし、子供達が安心して選べる選択肢を沢山用意してあげることが私にもできるだろうか。
    大丈夫だから安心して大人になって、と辻村さんから温かいエールを貰えた。

  • "嫌なことは嫌っていうんだよ。
    それが言えないときは、みんながびっくりするくらい大きな声で泣くんだよ "
    私の子たちは、まだ幼い頃にそんなふうに教えられて、幸運だったかもしれない。

    ”思春期のこどもは、親の言うことや、ましてや教師のいうことなどきかない。 友達が強く影響を与える" 
    これは保護者として聞かされた言葉。
    本人たちはそんなことをわかりはしまいが、子供が苦しいときは親も苦しい。そんな時に何度もかみしめた。

    かがみの狐城
    主人公の こころ は、中学に進学してすぐに、 クラスメイトから激しいいじめと脅迫行為を受け、学校に行かれなくなってしまう。
    親しくなりかけた子も味方してくれず、何が起こったのか理解してもらえないのではないか....という躊躇いが大きく、親にも言えない。
    そんなとき、部屋の姿見が虹色に輝く。。。

    ミステリー&ファンタジー仕立ての いじめをテーマにした話か?と思ったが、それだけではない。
    行きたくないわけじゃないのに学校に行けなくなる子たち。
    それぞれの事情は異なるが、 ふしぎな城に招かれた7人は、願いを叶える鍵があること、1人しかそれを使えないこと、願いが叶えられた時点で全ての記憶はなくなること、叶えられなければ記憶は残ることを言い渡される。

    思いがけず人生につまづいてしまった その事情の解決が主題ではなく、本人たちがジタバタして出口を探していく、そういう話なのだ。
    自分の不快のでどころが ハッキリしない ハッキリさせたくない 10代のもやもやした時期。
    そこを通り抜ける、周りにはみえない時間が 描かれている。

    他人に対して恐怖感をもつ こころ が、次第に城の仲間と連帯感を持っていく。友達に なる。
    嫌だと意思表示することも、本当のことを話して助けを求めることも大事な力。
    じわじわとそういう力をつけていく。
    ”こころ”の成長。

    軽やかで読みやすくふんわりした感触を残しながら同時に濃い充実感も備える。
    教育学を学び、SFが好きな辻村さんらしい作品。

    2018年本屋大賞受賞作
    久しぶりに ブッチぎりトップだった。

  • この本に出会えてよかったと、本当に思いました。
    序盤で、「これは、いじめの話なのか」と
    思って読んでいた自分を殴りたいです。
    これは、「生きる」ための物語でした。
    後半の流れは読んでいてとても鳥肌がたちました。
    "オオカミ様"のこともそうだし、城のメンバーのことも
    知れば知るほど好きになりました。
    生きてれば、きっとなにかに出会えるし
    なにかを見つけることが出来るんだ。
    誰かに誇るような
    何か特別な「才能」がなくてもいい、
    誰かに急かされて
    「生きること」を焦る必要なんてない、
    だってこれは、「君」の人生なんだから_
    そう思えるような素敵なおはなしでした。
    私は辻村さんのオーダーメイド殺人クラブも読んだことがあるのですが、いじめの描写が上手いというか
    そういう心象とか心の情景とか感情とかがとても
    リアリティがあって辻村さんは、もしかしたらそういう
    体験をしたことがあるのかなと思います。
    単なる私の勝手な想像なのですが…
    学生の方にぜひとも読んでいただきたいお話です!



  • くぅ~~また心を持っていかれてしまったよ。
    辻村さんの文才には参ってしまう。
    最後の最後まで話がどう流れていくのかわからなかった。

    でも年代がきっと違うなっていうのは感じたけど。
    狼面の少女もそういう事かって思ったらウルっときました。

    大人もそうだけど、中高生に読んでもらいたい。

  • これは又いじめ克服のパターンの小説かな?と思いながら読み始めたら、見事にやられてしまいました!長編なのに一気に読み進めてしまい見事一本取られました。いやあこんな展開が待っているとは!大変面白うございました。オススメです。

  • 子どもからの過渡期を迷いながら悩みながら一歩づつ進んでゆく子ども達の1年に、ところどころで眼鏡が曇って読めなくなってしまって大変でした。

    安西こころちゃんという中1の平凡なひとりの普通の女の子が、真田美織ととりまきという中1なのに陰湿な圧力を平気でできる非凡な輩に不幸にも出会ってしまい、1学期の早々から不登校になり自宅からでられなくなってしまいます。

    ある日、お部屋の鏡が光って、それがお城へと続く扉に変わります。そこで出会った6人とこころは、オオカミ様に出会って、ルールに従いながら、お城のなかにあるという願いを叶えるカギを探すことになります。

    アキ、スバル、ウレシノ、マサムネ、リオン、フウカ、彼らもまた、自分でつくりあげたのではないそれぞれの環境のなかで、中学生の今を一生懸命生きています。

    オオカミさまがいう「会えないわけでもない。たすけあえないわけでもない。ただすべてそこに気付けばの話だ」っていう言葉が、読み終えた今もずっとこころに残っています。
    おなじ学校に行きたかったこの8人の繋がりと思い出は、私のこころにもずっと消えずに残ります。

    それから、パラレルワールドの話がでたときに、凍りのくじらを思い出しました。ドラえもんは、パラレルワールドの話だったなぁって。いつものび太君は、あったらよかったのにと自分のいるところから反対側の「パラレルワールド」を羨ましがるけど、ドラえもんの力を借りていざ行ってみると今の良さがわかったりその理由に気付くことも多かったことを思い出しました。ただ、そうだったなぁって思い出しただけで、この作品とは繋がらないのですが。
    柔らかなみずみずしい宝物と呼べる感性を持っていながら経験が浅いゆえに避けにくい、そんな危険から逃げる方法を示唆しているこの本を、この世代の子どもたちだけじゃなくて、大人世代の私も、成長途上の子どもたちを苦しめる側にならないためにも読んでおいてよかったなぁって思います。

  • 鏡をのぞき込む狼の面をつけた女の子と
    それを反対側から見つめる中学生の少女・・・
    そんな表紙を見ただけで、
    『なんだ女子向きのファンタジーか』と決めつけてしまうのはもったいない!

    学校が嫌で、そんな自分はもっと嫌で
    自分の本当の味方なんてこの世には誰もいないと思い込んでいた中学生の頃の自分を
    少しでも覚えているならば、ぜひこの本を読んで欲しいと思う。

    学校に行けなくなってしまった中一の少女が
    鏡の向こう側の世界に入り込む。
    学校だけがすべてではない、同じクラスの子だけが友達じゃない、
    本当に辛いなら逃げたっていい。
    大人になれば当たり前だと思えることを
    少女はひとつひとつ傷つきながら覚え
    どんどん強くなっていく。

    読み終わって今、自分にも遠い昔
    鏡の向こう側の記憶があったのかもしれないなと思えている。
    覚えていないだけで、気づかなかっただけで
    どこかで自分をわかってくれていた人たちがいたような温かい気持ちを感じているのだ。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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