なぜ、世界は“右傾化"するのか? (ポプラ新書 い 4-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591153406

作品紹介・あらすじ

単純ではない世界の”右傾化”とは?
日本も世界から右傾化と見られている?
先が読めない時代をニュースのプロはどう見るか――。

イギリスのEU離脱やトランプ政権の混乱が続く中、仏大統領選挙では極右政党の代表が選ばれなかった。
世界に「昔はよかった」という流れが生まれている一方で、くい止めようとする力も働いている。
「右傾化」をキーワードに世界を読み解く。

【目次】
序章 ニュースのプロは何を見ているか
第1章 トランプのアメリカはどうなる?
第2章 分断される世界で生きる人々
第3章 一国主義はここから始まった
第4章 移民たちの格差
第5章 ”右傾化”に揺れるヨーロッパとこれからの世界
第6章 世界の今後をうらなうフランス大統領選

「極右」とは何か/ニュースの現場が時代遅れ!?/トランプに対話を求めたイスラム教徒/マクロンが勝ち残った理由/政治の知ろうとでも生活者のプロを議会へ/

【プロフィール】
池上彰(いけがみ・あきら)
1950年、長野県生まれ。慶応義塾大学卒業後、NHKに記者として入局。事件、事故、災害、消費者問題、教育問題等を取材。1994年から2005年まで「週刊こどもニュース」に出演。2005年から独立。2012年から16年まで東京工業大学教授。現在は名城大学教授。海外を飛び回って取材・執筆を続けている。著書に『伝える力』(PHPビジネス新書)、『おとなの教養』(NHK出版新書)、など多数。増田ユリヤとの共著に『世界史で読み解く現代ニュース』、『世界史で読み解く現代ニュース<宗教編>』、『徹底解説!アメリカ』(ポプラ新書)などがある。

増田ユリヤ(ますだ・ゆりや)
1964年、神奈川県生まれ。國學院大學卒業。27年にわたり、高校で世界史・現代社会を教えながら、NHKラジオ・テレビのコメンテーターを務めた。日本テレビ「世界一受けたい授業」に歴史や地理の先生として出演のほか、現在コメンテーターとしてテレビ朝日系列「グッド!モーニング」などで活躍。日本と世界のさまざまな問題の現場を幅広く取材・執筆している。著書に『新しい「教育格差」』(講談社現代新書)、『移民社会フランスで生きる子どもたち』(岩波書店)、『揺れる移民大国フランス』(ポプラ新書)などがある。池上彰とテレビ朝日「ワイド!スクランブル」のニュース解説コーナーを担当している。

感想・レビュー・書評

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  • 右や左という概念がよくわからなかったし、世界の変化もなんとなく感じて読んで見た。
    ヨーロッパの現状が分かりやすく書いてある。
    日本にいると分からないことがたくさん。右傾化というより難民や移民の問題が印象に残る。何が正解なのか考えても分からない。そんな単純な事ではないという事だろう。日本のマスコミの報道、ネットでは見たいものだけが見えたり偏ったりしてしまう。
    分からなくとも、正解が見えなくとも自分で考えるために情報を取りに行かねば。

  • 先が読めない時代において複雑化する世界をどう見ていけばよいかを考える人におすすめ。

    【概要】
    ●「ウソニュース」の見分け方
    ●分断された世界、一国主義
    ●右翼と左翼
    ●ポピュリズム
    ●欧米情勢 など

    【感想】
    ●欧米における社会政治の流れ見るに当たって、その基盤となる考え方は何に基づいているのか真相を知っていると、また違った観点で捉えることができる。この本は、その手助けになると思った。

  • アメリカ、イギリス、フランスの政治についてよくわかる一冊ですが、肝心の「なぜ、世界は右傾化するのか?」についての回答が弱いように感じました。

  • 自分が知らなかったニュースの裏側を知ることができる一冊。池上彰に惹かれて読んだけど、増田ユリヤの現場取材もかなり面白くて、実際そこで何が起きてるかという臨場感が文章から伝わってきた。

  • アメリカ、ヨーロッパの国々で、市井の人たちへの取材をもとに政治がどのように動ているか解説。移民、難民に揺れる国々で「右傾化」ではなく、トランプ大統領、フランス国民戦線のマリーヌ・ルペン党首に代表されるように、大衆迎合的なポピュリズムが台頭しているのが分かる。

  • アメリカ、イギリス、EU・フランス。
    各国の動向の導入部分の執筆は池上さんが、
    現場リポートは増田さんが担当。

    右傾化の象徴に見えるトランプ大統領就任とEU離脱については、
    意外にトランプ大統領の思い通りにならないものだということ、
    そして抜けるにあたってイギリスは大変なリスクを背負うのだろう、
    本当に実現するのだろうかと思いました。

    増田ユリヤさんが取材してきた感触としては、日本のメディアが大騒ぎするほど、ことヨーロッパでは極端な右傾化が進んでいるとは思えないそうです。
    ドイツやフランスで、難民・移民のために支援活動を行っている人たちがいます。
    偉いなあと思いました。
    またヨーロッパが好きになりました。

  • なんだか最近、世の中ゴチャゴチャしてきやがったなぁと思ったので手に取った。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツが抱える「右傾化(=時代の逆行を望む動き)」と難民・移民の問題について、池上彰の解説と増田ユリヤの現場ルポを交互に配置して読み解いていく構成。マスコミが報じ切れていない部分までいろいろと突っ込んであり、今後ニュースを見るにしても視点が少しちがってきそうだ。

  • 右翼は自国の文化を高く評価し伝統を重んじる保守思想を持つ。自分たちが所属する国家や民族が他国や他民族より優越するという信条を持つ思想であり、民族主義、国粋主義ともいう。外国人や外国の文化・宗教を嫌悪し排除しようという排外主義に陥りがち。外国からの移民にも反発。同性愛者や有色人種など少数派への攻撃も。大衆の不安や恐れを煽り、既成の知識人を敵視する政治運動はポピュリズム(大衆迎合主義)。議会を軽視し、ツイッターなどを使い大衆に直接働きかけると一層拍車がかかる。

  • なぜ右傾化するのかあるいは本当に右傾化しているのかということははっきり考察されている訳では無いが、歴史や地理の違いからか大陸側のヨーロッパとアメリカ、イギリスは大分考え方が違うようだ。難民支援の実態を見ていると単純な一元化はとてもできないと思う。植民地の歴史もあるし、キリスト教が保守的な一面も博愛的一面もある。
    選挙も積極的賛成と消極的賛成は結果を見ても分からない。こうした個別のインタビューが意外に全体の傾向を掴むには適してるのかもしれないと思った。

  • 今世界で起こっていることの背景から、現地の人の声まで、わかりやすくまとまっていた。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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