江の島ねこもり食堂

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591154182

感想・レビュー・書評

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  • 舞台は江の島。
    そこで民宿を営む「半分亭」は、代々野良猫の世話をする「ねこもりさん」の仕事を任されていた───

    江の島の食堂と猫ちゃん、
    想像していたほっこりな世界とはだいぶ違っていました。

    一番印象に残ったのは筆の章。
    からだは弱くとも、心まではそうならない筆の淡い恋物語がせつなかった。
    置かれている時代、場所で、それぞれに精一杯生きた女性たちの友情と約束。
    100年かけて返すことができたもの。
    長い長い年月を経て、繋がった奇跡。
    色々な想いがじわ~っとこみあげてくる物語でした。

    猫好きとしては、もっと猫ちゃんがでてきてほしいと思ったりもしましたが、
    逆に急所をついて現れる猫ちゃんたちの存在感がすごい。
    もうね、ベビーカーの回りに島の猫達が集まってきたシーンには胸がいっぱいで…
    守っていたつもりが、守られていたのだなぁと…
    約束、はたされました。

    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      初めて聞く作家さんです。まだまだ勉強不足。
      淡い恋物語いいね〜
      私は恋愛小説は読まないけど淡いものは好き...
      こんばんは(^-^)/

      初めて聞く作家さんです。まだまだ勉強不足。
      淡い恋物語いいね〜
      私は恋愛小説は読まないけど淡いものは好きだな。
      猫ちゃんも可愛いしね(⁎˃ᴗ˂⁎)
      でも評価星3という事はうさちゃんにとって普通だったのかな?

      次は何読もうか、迷っているところ。
      積んでいるのどんどん読んでいかなきゃね(^-^)/
      こてこてのミステリーもいいけど、最近の作品ってどうなんだろう。

      それでは、おやすみ。
      2018/01/25
    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪
      今日も寒いね~(>_<)

      この本、良かったよ~♪
      恋愛ものというより、三代にわたる女性の生き様が書かれ...
      けいちゃん、こんばんは~♪
      今日も寒いね~(>_<)

      この本、良かったよ~♪
      恋愛ものというより、三代にわたる女性の生き様が書かれていてしみじみしました。

      ☆3と4迷ったんだけど、タイトルが食堂と猫ちゃんでしょう?
      だからさぞかし大好物の美味しいモノと、可愛い猫ちゃんがたくさんでてきて~なんて、
      勝手に想像しちゃったせいなのよ。
      名取佐和子さん大好きなのに、申し訳ないわ。
      この作家さん、きっとけいちゃんも好きだと思う。
      『ペンギン鉄道なくしもの係 』オススメだよ♪

      積読…心がちくっとするわ(笑)
      去年は本格を読みたい!って思ってたんだけどね。
      けいちゃんのほうが、ミステリーたくさん読んでるから教えて欲しい(*^-^*)

      では、おやすみ~^^
      2018/01/25
  • 内容(「BOOK」データベースより)
    江の島に「ねこもりさん」と呼ばれる女たちがいた。それは島の猫の世話をするという、とある食堂の隠れた仕事。1915年のすみゑ、1963年の筆、1988年の溶子、そして2017年の麻布。一家の女たちが、ねこもりとして生きたそれぞれの人生は、新しい命を結び、未来を繋いでいく。

    江の島はデートで何度か行きましたが住むには小さな場所ですね。高尾山中腹のお土産街もそうですけど人間関係が濃厚そうです。昔はそういうのしんどかったけど、今となっては結構憧れますね。4代に渡る食堂の物語で、縛られていると思うか守られていると思うかはその人次第でしょうが、僕なら絶対に飛び出しているでしょう。そして懐かしくて寂しくて泣くんでしょう。彼女達は葛藤は有りながらも島を人を猫を愛して、いつまでもこの島での歴史をつないでいきたいと願っています。図らずも島を出なければならなかった溶子と麻布の3代目4代目はさみしいです。ほんわか温かな話になるのかと思っていたら、結構シビアな展開で胸がしくしくしました。いい話だと思います。

  • 代々繋がれてきた
    江の島の猫のお世話をする“ねこもりさん“の物語

    それぞれの時代にそれぞれの思いがあって、
    “つなぐ“という言葉の重さを感じました。
    自分たちがいま生きているのもこれまでつながれてきたからなのだと改めて思いました。
    もしだれかが欠けたら、出会わなければ
    もしかしたらここにいないかもしれない。
    そう思うと一つひとつの出会いを大切にしていきたいなと思いました。

  • Kindleで読んだ。
    江の島に「ねこもりさん」と呼ばれる女たちがいた。それは島の猫の世話をするという、とある食堂の隠れた仕事。1915年のすみゑから2017年の麻布まで、ねこもりとして生きた女たちの人生を描く。
    初読みの作家さん。

    命と命のつながり。
    いろんなことが凝縮されたラストでした。

    麻布(まゆ)をどうしても(あざぶ)と読んでしまって…ささいなことかもしれないけど物語に入り込めない名前はちょっと嫌だったな。

  • 表紙の絵と題名からは想像もできないような大河ドラマだった。全く予備知識なしで手に取った本でこんなに一気に読んでしまったのは久々かも。100年以上の時を同じ血筋の女性の生き方を通して書いてる本。きっと江ノ島を知ってる人なら風景が目に浮かぶように読めるんだろうな。

  • sg

  • 猫の種類がわからなかったけど、猫の個体を表現する種類が多いんですね。
    100年、4世代のねこもりさんのお話。
    巡り巡って因果応報。猫だけは死なないで100年生きてずっと見守っていたのかな?

  • そんなに壮大なお話だとは・・・
    最後がハッピーエンドでよかった
    猫・・・そこまで出てこないけど

  • 江の島で、食堂と島の猫たちの世話を先祖代々やっていた佐宗家。

    猫とお客さんに助けられてつづけてこられた店、だった半分亭は
    祖父の庄一郎が常連客の借金を肩代わりしたことで、夜逃げという形で店は終わった。

    1915年、島に来ていた遊女だった鶴子と出会ったすみゑ。
    1963年、すみゑの娘の、体の弱い筆と当時駐在さんだった庄一郎との馴れ初め。

    1988年、筆の娘の、気の強い容子が抱いていた江の島の鬱屈と故郷愛。
    2002年、容子の娘の、麻布と夜逃げしたこと。
    2017年になって、母となった麻布が再び娘と江の島を訪れたこと。

    なんか時代感のあるやつだった。
    猫いいよね猫。

  • 歴代のねこもりさんが描かれているので、人の想いや行為が繋がっているのが良く分かる。
    その時代の主人公が分からないと嘆くことも、外側から追ってる読者には理解出来てもどかしい。
    猫と人との繋がりが暖かくて素敵な物語。

著者プロフィール

名取 佐和子(なとり・さわこ):兵庫県生まれ、明治大学卒業。ゲーム会社勤務の後に独立し、2010年『交番の夜』で小説家デビュー。著書に『ペンギン鉄道 なくしもの係』(第5回エキナカ書店大賞受賞)シリーズ、『金曜日の本屋さん』シリーズ、『シェアハウスかざみどり』『江の島ねこもり食堂』『逃がし屋トナカイ』『寄席わらしの晩ごはん』『七里ヶ浜の姉妹』『ひねもすなむなむ』『図書室のはこぶね』(京都府私立学校図書館協議会司書部会「中高生におすすめする司書のイチオシ本2022年度版」第6位、「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2022」第8位、うつのみや大賞2023第4位)ほか多数。

「2023年 『文庫旅館で待つ本は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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