([て]3-1)ビオレタ (ポプラ文庫)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 159
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591154359

感想・レビュー・書評

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  • 寺地はるなさん。
    ブクログのお友達のレビューを読んで、気になっていた作家さんのひとり。

    実は寺地さん、デビューされたのが2014年。
    ご自身のツイッターで

    今から読み始めたら近い将来「あ、寺地?私はブレイクする前から読んでたけどね、フッ」と言えるよ!まだ間に合うよ!でも、今年がラストチャンスだよ!言い切ってるけど、根拠はないよ!!

    と、つぶやかれています。
    私も滑り込みセーフかな(笑)

    まずはこの本から読もうと思っていました
    寺地さんのデビュー作【ビオレタ】

    本の紹介に書かれていたのは

    婚約者から突然別れを告げられた田中妙は、ひょんなことから雑貨屋「ビオレタ」で働くことになる。
    そこは「棺桶」なる美しい箱を売る、少々風変わりな店だった…。
    人生を自分の足で歩くことの豊かさをユーモラスに描き出す、心にしみる物語。

    棺桶?
    このフレーズが読みたい気持ちを一瞬ためらわせたのですが、”心にしみる物語”らしいし。
    何より、ブクログのお友達のレビューが素敵だったので、読んでみました。

    良い本でした!
    心にしみました。

    タイトルの「ビオレタ」って何だろうと思っていたら、スペイン語で「すみれ」のことでした。
    読み始めるとタイトルの意味がわかります。
    素敵なタイトル。

    そして、本の装丁が可愛いんです。
    文庫も素敵ですが、単行本の装丁がとても素敵です。

    私は文庫本を購入しましたが…
    紀伊国屋さんに単行本があれば、そちらを購入したかも…

    寺地はるなさん、ご本人がまだブレイク前とおっしゃっているので~
    今のうちにたくさん読んでおきたいです(笑)

    実はもう2冊目も読了~!

  • 他人と比べて自分はどうとか、そういった比較で得られるものって何だろう。優れている、恵まれている、安心感。だけどそこに本当に求めているものはない。自分の価値観、揺るぎないものを持った人には勝てない。必要とされる人になるためにその人をしっかり想う。その人の特別になるためにまずは自分が特別に想うこと。当たり前のようで難しい。強い弱いじゃなく深い心を持ちたい。ユーモアのある作品で優しさがあるけれどそれだけではない目線もある。これから注目していきたい作家さん。

  • 棺桶に入れて埋めたいのは
    忘れたい、だけど失いたくないもの。
    妙は自分に自信が無くて卑屈で自分でいっぱいいっぱいで、
    自分自身では自分の必要性を見出せないから
    必要性を相手に求めてしまっている。
    それは溢れる自己顕示欲と表裏一体のように感じた。
    だからこそ悲しいは受け入れずに「苛立ち」と「寂しさ」で思いを昇華させようとする。
    一方、千歳さんは幼い頃から諦めと共に生きてて、
    常に寂しいを実感として持っていたからこそ
    人との繋がりを大切にしている。
    それは人の痛みに敏感で自分の痛みに鈍感で、
    みんなに優しくする姿に繋がっているように感じる。
    だけどそんな千歳さんでも本当に求めている人はいて、特別な人はいて、誰かに優しく支えて欲しいと思っている。
    それに気付いてくれている蓮太郎くんの存在はとても重要だと思う。

  • 菫の花が今日も咲くから私も笑う。貴方も私も、寂しいことなどあるものか。誠実に、愛を持って、小さくてもささやかな幸せを大切に生きている。そんな、可憐でも強き花。
    何事も詰め込み過ぎ頑張り過ぎてしまう風潮が現代人の当たり前。まるで都会の駅の中、改札口、飲み込まれていく人混みに目眩を覚える様に。だから「余白は大切」。ほどほどに。ぼちぼちで。いつでも胸に閉まっておきたい。閉まっておいて欲しい。そんなおまじない。
    その美しい棺桶に、貴方は何を入れて埋めるのでしょう。悲しみ、思い出、病気、艱苦、忘れたいことは沢山あった。逃れたいことは入り切らないほどある。しかし、それを背負っていくのも人間なのだと思います。その苦しみを考えると涙が止まらないこともあります。家族、元恋人、なんでもない人。ずっと言いたかったこと、あの日言ってしまったこと。
    まだ埋められないもの、それが、生きている証。
    私という人間が、生きている証。
    私がいつかそれを埋めた時、そこに一輪の菫の花を植えて下さい。

  • ただ無責任に癒すだけではなくてしっかり背中を押してくれる。
    なんて優しくて力強い物語なんだろう。

  • 前回読んだ「夜が暗いとはかぎらない」の文章から漂う感じが好きで
    同じ作家 寺地はるなの初作品を読んでみた。

    突然婚約破棄された主人公「田中 妙」
    泣きじゃくる妙を強引に自分の店に引っ張って来て 
    泣いている理由を尋ねていく ビオレタの店主 菫
    その雑貨店は可愛い商品だが それぞれの客の想いを入れる棺桶も売っている

    店を訪れる人それぞれが 葬りたい 終わりにしたい 想いを埋めたい
    そんな自分だけの棺桶を買いに来て 店の庭に埋めていく

    前回も思ったのだが この作家の描く登場人物は
    一見 普通に生きているのだが 様々な事情で抱えている想いがある、
    そして
    みんな 優しい。

    生きていると ホント いろいろあるよね。
    心が疲れて 街はキラキラしてるのに 
    なんか置いてけぼりの気がする方におすすめ。
    ちょっと 心を優しく包んでくれる作品です。

  • 婚約者から突然別れを告げられた田中妙は、ひょんなことから雑貨屋「ビオレタ」で働くことになる。そこは「棺桶」なる美しい箱を売る、少々風変わりな店だった…。人生を自分の足で歩くことの豊かさをユーモラスに描き出す、心にしみる物語。

    独身、派遣雇用、恋人はいるけど何だか不安…な27歳。
    姉と弟は結婚し、子どももいて、幸せそうに見える。
    焦りを感じるけど、どうすればいいのか分からない。
    そんな妙が、決して優しくはないけど雇ってくれた菫(すみれ)さんとその周りの人と関わることで、少しずつ自分の求めていたことに気づいていく。
    「誰かに必要とされること」、これが何よりの自信になり、一歩を踏み出す力になる。

  • 今読んでよかった。

  • ポプラ社小説新人賞第4回受賞作品

    なんでもない日常(というより突然襲う不運のあとさき)のように見せて、
    人生の小さな、でも確かな、生きる上での芯みたいなものを描いていると思った
    いろいろうまくいかない人生の中で、人と比べたら自慢できないかもしれないけど、自分の中で確かなものをつかんだヒロイン
    ブログが面白いので時々読んでいた、作者はとても心の温かい人だと思う。
    ちょっと泣けた

  • 出会いのところが唐突でどうしても腑に落ちない
    最後まで気になってスッとしなかった。

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著者プロフィール

寺地 はるな(てらち はるな)
1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第四回ポプラ社小説新人賞を受賞。
著書に『ミナトホテルの裏庭には』『月のぶどう』『今日のハチミツ、あしたの私』『みちづれはいても、ひとり』『架空の犬と嘘をつく猫』『大人は泣かないと思っていた』『正しい愛と理想の息子』がある。

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