毎日新聞・校閲グループのミスがなくなるすごい文章術

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591154397

作品紹介・あらすじ

Q.この3つの文、どこが誤りかわかりますか?

「前倒すことはやむ得ない。」
「自信なさげに例を上げる。」
「高齢な人がすごい多い。」

答えは本書で、文法的にわかりやすく解説しています!


◆文字を大切にしないと、文字に報復される――。

【突然ですが、私は校閲記者として、毎日新聞社の採用試験で作文の採点を何度か受け持ったことがあります。マスコミ志望者は、作文の練習を重ねているのでしょう。(中略)内容も大概、優劣のつけにくいものになっています。(中略)内容に優劣が見いだせないとき、判定の決め手になるのは何でしょう。校閲記者としての判断基準は、誤字脱字など、不適切な言葉遣いがあるかないかです。内容がいかによくても、誤字が一つでもあれば確実に減点対象になります。つまり、誤字のあるなしが、その人の将来を左右すると言っても過言ではありません。 「文字を大切にしないと、文字に報復される――序に代えて」より】

企画書、メール、履歴書、ブログ、ツイッター、試験などで致命的な文章の間違いを起こさないために! これで「正しく、伝わりやすい文章」が書けるようになります!

■本書の章立て
文字を大切にしないと、文字に報復される――序に代えて
第1章 つながりの悪い文章
第2章 たまには文法的に考えよう!
第3章 細かい決まりも通じやすさのため
第4章 文化庁「国語に関する世論調査」の慣用句にみる誤解
第5章 固有名詞の誤りはこうして防ぐ

■本書の見出し(一部)
・繰り返される「たり」のミス
・分かりにくい「テン」
・丁寧な形容詞は難しいですよ
・あえて文末を不統一にすることも
・広がる「ら抜き」と広がらない「ら抜き」
・「さ入れ言葉」を「知らなさすぎる」

著者略歴

岩佐義樹(いわさ・よしき)
毎日新聞社 用語委員会用語幹事。1963年、広島県呉市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、1987年、毎日新聞社に校閲記者として入社。2008年から毎日新聞月曜朝刊に「週刊漢字 読めますか?」を連載するとともに、毎日新聞・校閲グループが運営するウェブサイト「毎日ことば」でも漢字の読みを問うクイズを出題中。同サイトや毎日新聞で言葉に関するコラムを随時掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 筆者が言うように、本書は「文章を書くためのテクニックを述べたものではなく、書くときに気を付けてほしい点を挙げたもの」であった。
    分かりにくい文を、シンプルかつ読みやすく直すのが流石だなと思った。面白かった。勉強になった。
    後半は集中力がなくなり、パラパラ読み。

    【特に勉強になったところ】
    ・シンプル・イズ・ベスト。これが伝わりやすい文章の極意。
    ・つながりの悪い文は2つに分けるとすっきり。
    ・「〜いなく、」は不安定。「おらず」「ず」でつなぐと安定。
    ・列挙の場合、「〜たり」の繰り返しは必須。
    ・テンは多すぎても少なすぎても読みにくい。( )など活用する。
    ・漢字は意味をよく考えて選び、言葉を構成すること。
    ・ら抜き言葉に注意。さ入れ言葉もある。
    ・書き手としてはOKと思う文も、読み手が誤読する可能性はある。
    他にもまだたくさんあった。

    • ダイちゃんさん
      なおなおさん、おはようございます。ダイです。いつも、“いいね”を頂き、有難うございます。励みになります。文章を書くことは大変難しいです。私は...
      なおなおさん、おはようございます。ダイです。いつも、“いいね”を頂き、有難うございます。励みになります。文章を書くことは大変難しいです。私は、他人に伝えるのは大切と思い、文章本を時々読みます。「シンプル・イズ・ベストが極意」との言葉、勉強になります。今後も、レビューを始め書き続けたいと思います。これからも、よろしくお願いします。
      2022/09/13
    • なおなおさん
      ダイちゃんさん、こんばんは。
      コメントをありがとうございます。

      こちらこそいつも“いいね”をありがとうございます。嬉しく励みになります。
      ...
      ダイちゃんさん、こんばんは。
      コメントをありがとうございます。

      こちらこそいつも“いいね”をありがとうございます。嬉しく励みになります。
      本書は市の電子図書館の物で、いつも空いているので借り、スマホで気軽に読みました。パラパラ読みの部分もあるのに、ダイちゃんさんからコメントをいただき、恐縮です。
      文章術関連の本を読もうと思ったのは、ダイちゃんさんのブックリストに影響されたからです!!分かりやすい文章・表現・説明の本を紹介されており、興味がわきました。でも未読なのです…すみません^^;
      特に仕事の場で、シンプルかつ要点を押さえた伝え方をしたいなといつも思っております。
      こちらこそ、これからもよろしくお願いします(^^)
      2022/09/13
    • ダイちゃんさん
      今晩は。丁寧な返信コメントを頂き、恐縮です。有難うございました。
      今晩は。丁寧な返信コメントを頂き、恐縮です。有難うございました。
      2022/09/13
  • 改訂されタイトルも変更された「失礼な日本語」の元本ということで図書検索してみたら、運よくいつも利用している図書館にあったので借りました。
    3分の2くらい同じ内容ですが、こちらの方が字が大きく、わかってもらいたい部分が青字になっているので読みやすいですね。

    そんなわけで、レビューは「失礼な日本語」の方にまとめました。

  • 「ミスがなくなるすごい文章術」(ポプラ社)で取り上げた問題のある言葉遣い | 毎日ことば
    https://mainichi-kotoba.jp/blog-20170325

    毎日新聞・校閲グループのミスがなくなるすごい文章術|一般書|実用|本を探す|ポプラ社
    https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008127.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん

      nejidonさん
      皆さんのレヴューを拝見すると、まぁまぁかな?と言う印象ですが、子ども向けですから、大人は書いてある以上のコトを読み取ら...

      nejidonさん
      皆さんのレヴューを拝見すると、まぁまぁかな?と言う印象ですが、子ども向けですから、大人は書いてある以上のコトを読み取らなきゃ、、、と思って登録しました。
      nejidonさんにレヴューさせようと企む悪猫でした。。。
      2020/09/21
    • nejidonさん
      悪猫丸さん・笑
      子供向けって、その意味で難しいんですよね。
      よく理解できませんでした、なんて絶対書けませんもの。
      ではでは、受けて立ち...
      悪猫丸さん・笑
      子供向けって、その意味で難しいんですよね。
      よく理解できませんでした、なんて絶対書けませんもの。
      ではでは、受けて立ちましょう(*'▽')
      2020/09/21
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      nejidonさん
      Good!
      nejidonさん
      Good!
      2020/09/21
  •  著者は『毎日新聞』のベテラン校閲記者で、同社の「用語委員会用語幹事」も務める人物。
     本書は、著者の豊富な校閲経験をふまえ、ありがちな言葉の間違いを紹介し、正しい日本語を指南していくもの。

     したがって、文章読本を連想させる「すごい文章術」というタイトルには、やや違和感を覚える。
     もっとも、よい文章を書くために必要な知識が多数紹介されているという意味では、文章術の本と言えなくもない。

     私はもう30年もライターをやっているので、日本語についての知識は人並み以上にはあると思う。
     それでも、書いた原稿の言葉の誤りを校閲に指摘されるなどして、「えっ? これって間違いなんだ」と気付いた経験は、けっこうある。それくらい、日本語は難しいのだ。

     本書に紹介されている言葉の誤用、不備についても、初めて知ったものがいくつかあった。

     たとえば、「居並ぶ」という言葉の「居」には「座る」という意味があるから、立って並んでいる人について「居並ぶ」と表現してしまったら、誤用になるのだという。うーむ、知らなかった。

     また、「姑息」は「卑怯」という意味に誤用されがちだが、本来は「一時しのぎ」という意味なのだとか。
     これも知らなかった。卑怯という意味で「姑息」を用いてしまったことも、たぶん何度もあると思う。

     これらの知識を得ることができただけでも、本書を読んだ価値があった。
     ライターや編集者なら、一読の価値はある本。著者の文章も平明で柔らかいタッチで、好感がもてる。

  • 『感想』
    〇ある意味国語の文法の教科書だから、隅から隅までじっくり読む気にはなれなかった。さらっと気になるところを読んだ。

    〇言葉やその解釈って、何となくで覚えているものも多い。そこで間違えているものは、間違えているという感覚がないから間違えていることに気づかない。

    〇自分が気づかないうちに、周りの誰かを怒らせたり傷つけたりしているかもしれない。それが怖い。

    〇パソコンで入力するとき、変換が間違いの方でしかできない場合がある。使われている言葉をOSに学習させているのだから、そうなることもある。変換できないからこれは正しくないんだと思ってしまわないよう注意。

    〇言葉は生ものだから、時代が経てば変わっていくもの。それは仕方のないことなんじゃない。意味が伝わることが大事なんだから。

    『覚えておきたいこと』
    ・お求めやすい → お求めになりやすい
    ・ご利用できます → ご利用になれます
    ・新年が明ける → ×
    ・貯金を切り崩す → 貯金を取り崩す
    ・知らなさすぎる → 知らなすぎる
    ・読まさせていただく → 読ませていただく
    ・自信なさげ → 自信なげ
    ・所在なさげ → 所在なげ
    ・知ってか知らずか → 知ってか知らでか
    ・押しも押されぬ → 押しも押されもせぬ
    ・願わくば → 願わくは
    ・「すべからく」は「ぜひとも」ということ
    ・ドキっと → ドキッと
    ・「ほど」など助詞は平仮名が適切
    ・「失笑する」は思わず笑ってしまうこと

  • 読み物として、サクッと読める。
    自身の書いている文章に大きな間違いがあったり、うっかり書いてしまいがちな例が紹介されており、楽しく読むことができた。

  • ことばに対する感度を上げる必要を実感。辞書はやっぱり頼りになる、が、ことばは時代とともに変化する生物のようである。

  • 誤字のあるなしがその人の将来を左右する!

    正確で伝わりやすい文章を書く参考になるよう
    校閲部門に蓄積された不適切な表記・表現を開示する

      「新年あけまして」
      「違かった」
      「知らなさすぎる」
      「自信なさげ」
      「こんにちわ」
      「つまづく」
      「ご存知」

    どれも誤用、できれば使わないほうがよい表現ばかり
    その理由は本書で

    (タイトルは“文章術”だが“用語術”が近いか)

    著者は毎日新聞の用語委員会用語幹事
    毎日新聞・校閲グループのtwitterも人気

  • 慣用句の代表的な例である、他山の石とする、という例から、前倒し、高齢な人など、間違えやすい単語まで、校正の仕事を通じた経験値から言葉の大切さと変わりゆく姿を語る。きっと、授業を組み立てたらとても面白いだろうなと。
    文章を生業にする方なら誰しも、興味のあるところ。
    貯金を切り崩すは、衝撃ながらそりゃそうだよねと。貯金は取り崩すもので、城の守りの一角を切り崩すとは違う語彙。ふむふむと思うことが沢山ある。祇園は氏の下に棒線はない。安倍晋三の晋の字は自民党でも間違えるとか。新聞社は言葉を売る仕事、間違えれば批判とクレディビリティの低下を招くだけに、緊張感ある仕事だ。

  • いや〜、間違って使っていた言葉が沢山あって恥ずかしい。そして「あんばい君」も重々しく見せようとして間違った言葉を沢山使ってること、著者に柔らかく指摘されてるね!恥ずかしいね〜!笑

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