午前三時のサヨナラ・ゲーム

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 100
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591154557

作品紹介・あらすじ

<内容紹介>
人生の中でふと湧き上がる、「野球」の記憶から切り出した9つの物語は、「人間」の人生そのもの。「何かに夢中になる」というのは人の性であり、業であり。それらを鋭くエンタメにまとめこんだ、感動、爆笑、号泣必至の万華鏡のような球情小説! 本格ミステリの名手・深水黎一郎の新境地をご堪能あれ。
作品それぞれに仕掛けられた深水マジックも必読の傑作連作短編集。

<もくじ>
1 午前三時のサヨナラ・ゲーム
2 野球嫌い
3 ゆく河の流れは絶えずして、しかも
4 もうひとつの10・8 
5 もうひとつの10・19
6 生涯徒爾一野球観戦居士
7 言い訳だらけのスタジアム
8 ジェイムス・ジョイスを読んだ元中継ぎエース
9回裏 地球連邦大学紀要 №一二八三八


<著者プロフィール>
1963年山形県生まれ。慶應義塾大学文学研究科後期博士課程終了。2007年『ウルチモ・トルッコ』でメフィスト賞を受賞しデビュー。同作は『最後のトリック』と改題文庫化され、ベストセラーとなる。10年『花窗玻璃』で本格ミステリ大賞候補、11年「人間の尊厳と八〇〇メートル」で日本推理作家協会賞受賞。14年『大?見警部の事件簿』で再び本格ミステリ大賞候補、15年『ミステリー・アリーナ』で本格ミステリ・ベスト10第1位を獲得。他の著作に『世界で一つだけの殺し方』『美人薄命』『倒叙の四季 破られたトリック』などがある。

感想・レビュー・書評

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  • 野球バカとは…をあらゆる方面から教えこまれます笑。私的には 6 「生涯徒爾」オススメ!
    結婚したんだー!と思ったけれど、落ちが良き。短編で読みやすかったです。

  • 野球好きでない人にはこの作品の野球ファンあるあるは伝わらないかも。
    でもさすがに「生涯徒爾一野球観戦居士」はこんな人いるのかよって感じ。

  • 「野球が好きならどうぞ」とオススメされた一冊。野球モノというと、熱く・爽やかなストーリーと勝手に想像していたが、いい意味で裏切られた。ハッキリ言って野球バカ揃いの9短編集。そしてラストが思いのほかぶっ飛んでいる作品揃い。ちょっと世代が合わなくて理解しづらい話や、相当に意味不明で読み辛い話もあったが、『午前3時のサヨナラゲーム』『野球嫌い』『ゆく河の流れは絶えずして、しかも』『生涯徒爾一野球観戦居士』の4編は面白かった。いっぷう変わった野球小説として楽しめた。

  • 野球にまつわる短編。

    昔の彼女との真夜中のドライブ。
    ロッテ対近鉄の10.19
    野球マニアの結婚と離婚。等…

    野球好きだな詳しくはないけど野球派。

    結婚するまではたまにマリンスタジアムに見に行ってたけど、今はマリン、もはやマリンスタジアムって名前じゃないけど遠くなっちゃったし、行ってない。

    子供が2人とも男だし、どっちか野球少年になっていつか一緒に観戦しに行きたいもので。
    そのときはもちろんロッテ!

  • セパ交流戦記念  「野球とは、人生の縮図そのものなんだ。  野球が残酷なんじゃない。  もし残酷に見えるとしたら、  それは人生が残酷なんだ・・・・」  3回「ゆく河の流れは絶えずして、しかも」、4回「もうひとつの10・8」が好み

  • 野球好きの人でなきゃちっとも楽しめない本かな。マニアックすぎて何を言ってるのかわからない話が多すぎ。
    阿倍黎史が登場してきたけれど、ラジオの人と同じかな。びっくりしたが、イマイチの内容。

  • 野球を題材とした9つの短編集。
    野球選手自体がメインの作品はむしろ少なく、野球ファンが主人公のものが多いのが新鮮でその中に野球ファンがクスッと来るような小ネタが取り入れられていておもしろかった。
    個人的には「もうひとつの10.8」と「地球連邦大学学紀要No.一二八三八」がオススメ。

  • 「野球」をテーマにした短編集。馬鹿馬鹿しいのありちょっとブラックなのもあり、そして文量も結構まちまちなので飽きずに最後まで読めました。
    たしかに野球好きってある種独特の価値観を持ってるような気がします。自分は野球にほとんど興味ないんですが、そういう人たちの奇妙で滑稽な生態が読んでいて楽しい。まあ実際にそばにいたらいらつくことも多いのかもしれませんが。こういったお話のなかで面白おかしく読むくらいがちょうどいいのかもしれませんね。

  • Numberの本特集の欄で紹介されていて、おもしろうそうだったので


    ネットオフで購入。

    元々はミステリー作家の方のようですが、今作は恋愛中心。


    短編すべてが野球が関わっていて、それがスパイスになっていておもしろい。



    恋愛としてはタイトルにもなっている午前3時のサヨナラゲームが最高。

    人生物語としては、「もう一つの10・8」が郷愁を誘います。

    あの巨人対中日、国民的行事とも呼ばれたあの一戦。

    あなたはどこで観ていましたか、そんな心が誘われる内容です。



    1つ1つの短編がそれぞれよい輝きを持っていて、一気に読んでしまう作品ばかりでした。

  • う~ん。

  • プロ野球を題材にした短編集。どれも今一つわかりずらい。 2017.5.30

  • 野球観戦というか野球ファンとは、どういう生き物なのかというのを面白く書いた本。

    実際、何度か吹き出してしまう。

    ちなみに、僕は子どもの頃から野球に興味がなくて観戦もしたことはないし、これからもしないと思うけど、それでも野球ファンというのは、どういう心持ちなのか、というのを面白おかしく理解できた。

    或る意味、他人が球を投げたり、棒でうったり、拾ったり、走ったりすることをここまで熱狂的に応援したりやじったり悔しがったりできる野球ファンという人たちがうらやましくなってきた、気がする。

    真似はできないけど。

  •  一言で言えば、野球ファンの人間模様を描いた作品集である。ミステリ性は皆無。一深水ファンとしては、戸惑ったけれど楽しめた、とでも言うべきか。

     日本のスポーツ報道は、プロ野球を中心に回っている。一面の多くをプロ野球が占める。毎日一喜一憂しているファンは多いだろう。自分はサッカーファンであり、野球については特定球団のファンではないが、プロ野球を生観戦したことはあるので、サッカーと違う野球の楽しみ方や、ファン心理は、一応わかっているつもりである。

     「午前三時のサヨナラ・ゲーム」。別れた男女が再会し、雨の中、未明の球場で何をやっとんねん。今季のマリーンズは、貧打に喘いでいるが…。「野球嫌い」。これはサッカーファンでもよくわかる。夫婦のどちらかはまったく興味がなく、夢中になっている相方を冷ややかに見ているのは、よく聞く話だよね。

     「ゆく河の流れは絶えずして、しかも」。大洋ホエールズ時代のファンとは筋金入りだが、その設定は必要なのだろうか。愛しい人の影を追い続けた結末とは。……。「もうひとつの10・8」。この試合は自分も覚えている。そのもう一つの結末とは? 負け試合ほどいつまでも語り継がれるのは、サッカーも同じかな。

     「もうひとつの10・19」。これまた有名試合だが、何だこのオチは…。「生涯徒爾一野球観戦居士」。サッカーも何試合も観るファンは多いが、毎日のように試合があるプロ野球で、ここまでの環境を整えるのはすごいな…で、何だこのオチは…。彼の人生が本望だったのか、知る由もない。

     「ジェイムス・ジョイスを読んだ元中継ぎエース」。分業化が進み、中継ぎという役割も重要になった現代野球。どこか拾ってくれるといいね…。「9回裏 地球連邦大学紀要 No.一二八三八」。これもサッカーにも当てはまる。勝てないからって簡単に応援をやめられたら、どんなに楽だろう。

     薀蓄シリーズのファンは、どう感じるか。茶化している面もあるが、根底には野球への、野球ファンへの愛がある。本作を刊行したポプラ社の、心意気に拍手。

  • 2017/04/18読了

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著者プロフィール

1963年、山形県生まれ。2007年に『ウルチモ・トルッコ』で第36回メフィスト賞を受賞してデビュー。2011年に短篇「人間の尊厳と八〇〇メートル」で、第64回日本推理作家協会賞を受賞。2014年、『最後のトリック』(『ウルチモ・トルッコ』を改題)がベストセラーとなる。2015年刊『ミステリー・アリーナ』で同年の「本格ミステリ・ベスト10」第1位、「このミステリーがすごい!」6位、「週刊文春ミステリーベスト10」4位となる。

「2021年 『虚像のアラベスク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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