- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591156353
作品紹介・あらすじ
<内容紹介>
時は江戸。
火事で姉と離れ離れになった少女・梅乃が身を寄せることになったのは、お宿・如月庵。
如月庵は上野広小路から湯島天神に至る坂の途中にあり、知る人ぞ知る小さな宿だが、もてなしは最高。かゆいところに手の届くような気働きのある部屋係がいて、板前の料理に舌鼓を打って風呂に入れば、旅の疲れも浮世の憂さもきれいに消えてしまうと噂だ……。
梅乃は部屋係として働き始めるが、訪れるお客は、何かを抱えたワケアリの人ばかり。
おまけに奉公人達もワケアリばかり。美人で男好きな部屋係に、いつもパリッとしているがやたらと強い中居頭。強面で無口だが心は優しい板前、宿に来るお客を全て覚えている下足番。そしてそれらを束ねる女将。
個性豊かな面々に囲まれながら、梅乃のもてなしはお客の心に届くのか?
そして、行方不明の姉と再会は叶うのか?
心温かくなるお江戸人情シリーズ第一弾!
<プロフィール>
中島久枝
東京都生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業。フードライターとして活躍中。『日乃出が走る』で第3回ポプラ社小説新人賞の特別賞を受賞しデビュー。同作で歴史時代作家クラブ賞新人賞ノミネート。著作に『金メダルのケーキ』『いつかの花』など。
感想・レビュー・書評
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お宿如月庵へようこそ ー 湯島天神坂シリーズの1作目
2017.10発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
悪戦苦闘の部屋係、雪に涙の花嫁御寮、和算楽しいか苦しいか、一人寂しい河童の子の4話。
火事で姉とはぐれた梅乃が、噂の隠れ宿・如月庵(きさらぎあん)で新米部屋係として奮闘する物語です。
梅乃は、どうしてもお客の事情に首を突っ込んでしまう、そして女将から「部屋係に大切なのはお客をよく見て、自分が何をすべきか、何ができるか考えることだ」と言われるが、親身になり過ぎて、つい、つい……、それを如月庵の皆が助けていい方向へ持って行きます。
【読後】
第3話の「和算楽しいか、苦しいか」では、とうとう最後に涙が出てしまいました(涙)。
字が小さすぎて読むのが、本当に大変でした。
しかし、次作も読むのが楽しみです。
2020.11.20読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
黒船来航間もない時代を舞台にしたお江戸人情譚は他人に優しい市井の人々の息づかいが聞こえてくるようで、日々の人間関係に疲れてやさぐれた気分をじんわりとほぐしてくれました。お宿の奉公人たちの連携の鮮やかさも胸のすく思いでした。
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大火事で唯一の肉親である姉が行方不明になってしまった梅乃。
15歳だけど、江戸時代の15歳ってもう立派な大人なんだなぁ、と感心しきり。でも親が亡くなって、15歳で、いくら姉がしっかりものとはいえ、自分が奉公に出ていなかったのはなぜかな、とか無粋なことを考えてはいけません。
なにしろポプラピュアフル文庫なのですから。
多少の甘さは見ないふりをいたしましょう。
そこを差し引いても、なかなか面白かったです。
だからこそ、といえなくもないのですが、ひとまずめでたしのエンディング。
そも如月庵とはなんぞや、隠された秘密はまったくもって解明されていません。続刊のつもり満々ですね。
でもいいのです。
ポプラピュアフル文庫なのですから。
今まで時代小説に触れてきたことのない子どもたちでも気軽に読めて、ひとまずのハッピーエンドは、入門書にもぴったりだと思います。
ティーンではありませんが、続刊も引き続き読みます。 -
生家を火事で失くした梅乃は生き別れとなった姉、園を探すため、湯島天満宮の近くにある宿「如月庵」で女中として働くことに。そこで出会う人々や、初めての仕事で成長していく姿を描く。
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目立たない仕事でも
責任持ってやろうとすると大変なんだと
しみじみ。
シリーズあるみたいなので
続きを読みたい♩ -
火事で焼きだされ、姉・お園と離れ離れになってしまった梅乃。
お園を探しながら、お宿・如月庵で訳ありっぽい従業員達に囲まれ、奮闘する梅乃の姿が健気で、応援したくなります。
続きはあるのでしょうか・・。 -
プロローグ/第一夜 悪戦苦闘の部屋係/第二夜 雪に涙の花嫁御寮/第三夜 和算楽しいか、苦しいか/第四夜 一人寂しい、河童の子/エピローグ
江戸の火事で姉とはぐれた十五歳の梅乃。お宿・如月庵で働くことになる。女将を始め奉公人たちやお客様達のおかげで少しずつ育っていく。がんばれー -
可愛らしく読みやすい時代小説。
わりと最初の方からラストを予測出来るのだけど、それでも充分に楽しめた。
如月旅館で働いてる人々みんなに秘密があるとのことだったけど、はて?
それは続編で明かされるのだろうか。 -
時代小説なんだけどもポプラ文庫であるからお察しいただけると思いますが、読みやすい!
時代小説を読みなれてない、読んだことがない方でも読めると思います。
時代小説ってこう、日常生活でいまでは使わない小道具だとかが出てきたりするから読みなれないひとは「??」ってなりそう。
唯一難点があるとしたら、当時の強盗の手段だろうけどそこはあまり重要じゃない。
これ一作で終わりでもいいけれど、宿にはまだ秘密がありそうなのでそちらも気になる。
あと、算学好きなあのお侍さんとの関係も。
算学好きなお侍さんとかもう、どこの宮部みゆきの話だと思いつつ気になるんだよ!
(あれの漫画版はぜひとも原作と同じではなくお兄ちゃんとくっついてほしかった、という私見をあえて書かせていただきたい)
時代小説気になるけど読んだことない、と言う方はぜひこれを足掛かりにしてほしい。
時代小説も面白い話いっぱいあるので!剣豪小説ばかりじゃないですし! -
舞台設定に惹かれて呼んだ。
神客万来!という作品が好きなのですが、それに似た雰囲気を持っていて読みやすかった。
癒しと希望を貰える作品。
ただ、時代モノオタクとしては少し物足りなさを感じたので、誰でも読みやすい時代小説というような立ち位置かな?