100年の木の下で (teens’ best selections 45)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 79
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591156384

作品紹介・あらすじ

友人関係に悩んでいた6年生の千尋。自由奔放に見えて、苦手だった祖母と過ごした数日間で、先祖たちの息づかいを感じ、彼女自身が変わっていく――。

続けて息子を亡くし、お地蔵さんをつくったヨシ。農家をでたいハル。すてきな恋にあこがれる律。家出した母をたずねるさつき。祖父の死を受け入れようともがく桐子。本音で付き合える友だちがほしい千尋。立山連峰と栗の木に見守られて続く家の、10代の少女を主人公にしたファミリーヒストリー。

もくじ
1 千尋(2015)うちのパワースポット 7

2 ハル(1922)お地蔵さんがやってくる 39

3 ハル(1926)レンゲのなかの歌の先生 63

4 千尋(2016)パワー、つかった? 77

5 律(1954)栗とロマンス 101

6 千尋(2016) 屋根うらの探検 127

7 さつき(1981)おとなたちの秘密 151

8 桐子(1982)じいちゃんの肖像画 177

9 千尋(2016)お地蔵さんの声がきこえた 197

感想・レビュー・書評

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  • 最初に示された家系図に載っている、女性たちの視点で書かれている。

    千尋や、千尋の叔母、叔母の母など。さまざまな時代風景がうかがえて、そんな点でも面白かった。一人一人の苦難や、楽しかったことや、なんでも綴ってあり、日記のようだった。

  • なんだか懐かしさを感じる100年ストーリー。いつの時代も少女は変わらない。家族を思う気持ちはあったかい。立山連峰が変わらず見守っている、安心感。

  • いつの時代も、女の子は(大人になった女の子も含む)迷いながら生きている。

    自分の中を100年遡る、不思議な体験。

    わたしの母も祖母も曽祖母も、夢見る少女から
    覚悟を決めて道を選び、その中で苦しんで、さらに強く優しくなってきたのかな。

    わたしも、大人の葛藤の中に生きている。

  • 大きな栗の木の下にある祖母の家の歴史。

    年末年始に祖母の家に遊びに来た孫の千尋、12歳。

    立て続けに亡くなった曽祖母ハルの兄弟のために作られたお地蔵さま。

    祖母律が子供の頃に出会った祖父との思い出と栗の木。

    家出した律の行方を叔母と探した母さつき。

    祖父が入院していることへの不安と肖像画を書いた叔母の桐子。

    長い年月を家族の成長と共に過ごしてきた家と栗の木とお地蔵さまに想いを馳せる千尋。

    歴史を感じる話。時代が変わるから、読み慣れない子にはちょっと難易度高いのかな。
    でも家系図もあるし、女子が読んだら面白いと思うのかな。
    高学年向けだね。

  • 表紙の絵が広々と余白のある素敵な立山の風景で、それでいてよく見ると過去と現在が混ざり合った映し絵になっていて、一磁石みたいに手が本に引き寄せられた。
    富山のある農家の100年に渡る変遷。家族の物語である。お地蔵さんと栗の木。この農家にまつわる二つの大切な宝物を縦糸に、それぞれの時代に生きた森家の女性の目線で静かに語られている。

  • 第30回読書感想画中央コンクール
    中学校・高等学校指定図書

    とても静かだけど大きな物語
    立山連峰を望む大きな栗の木とお地蔵様
    現代へつなぐ家族の歴史

    心にしっとりと沁みました

    ≪ 仰ぎ見て 大地に根差す 木のように ≫

  • 大きな物語だと思う
    女の子たちのつぶやきのような物語だけど
    流れる時間が大きな感じ
    会ったことがないような人もいるけど、勇気をもらって頑張って行こうとする主人公がいいね

    栗の木の魔法とか、お地蔵さんが現れて…なんていう話じゃない(笑)
    このごろファンタジーを読んでいたのでつい(笑)

    ずっと前に仲良くしていた友達の富山弁をリアルに思い出したよ
    アルトの声だったなぁ

  • 富山の女系家族の女たちにまつわる年代記。題材は良いけれど、時代が行ったり来たりでとっちらかった感がある。

  • 家族の物語が紡がれていく、大きな栗の木とお地蔵さんのある家。時代が変わっても、変わらないものがあることに気づかせてくれるお話でした。

  • 立山連峰が見える農家に生ま育った、森家三代に渡る女たち(ハル、ハルの娘の律、律の娘の桐子・さつき)森家から嫁いだ生まれたさつきの娘の千尋の物語。
    それぞれの子ども時代が短編として所収されている連作短編集。
    12歳の千尋は、家族で年末年始を律ばあちゃん家で過ごすことになる。律ばあちゃん家には樹齢百年ほどの大きな栗も木と、それを背にした小さなお地蔵さんがあった。読み進めいくうちに、お地蔵さんがあるわけ、屋根裏部屋で見つけたうさぎのガラスのブローチ、律ばあちゃんの個性的な服装の謎が、明らかになっていく。そこには、悲しくも力強い物語があった。美しい話です。
    文章は易しくその上短編なので読みやすい。

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