君の嘘と、やさしい死神 (ポプラ文庫ピュアフル あ 8-4)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591156599

作品紹介・あらすじ

読書メーター第1位!(読みたい本「日間」ランキング)

きっと奇跡は起こらない。
――最期の思い出を、ください。

その恋は、サヨナラと一緒に降ってきた――。
通り雨が過ぎて虹が出た昼休み、高二の百瀬太郎は同学年の美園玲と運命的に出会う。美少女なのにクラスメイトとどこか距離を置いているクールな玲に、何故か百瀬はなつかれる。幼少期のトラウマで「嫌だ」と言えない性格もあって、百瀬は強引に文化祭の準備を手伝わされる羽目になり、「ある作戦」を実行するため奔走するうち、二人の気持ちは近づいていく。
そんな時、逃れられない過酷な出来事が二人を襲う。感動、切なさ、悲哀、そして愛しさ……温かな涙が溢れる、究極の青春ラブストーリー。

著者
青谷 真未(あおや・まみ)
「鹿乃江さんの左手」で第二回ポプラ社小説新人賞・特別賞を受賞し、同作デビュー。

感想・レビュー・書評

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  • 「次郎兵衛さん、死んじゃ嫌だ、返しておくれ、返して、嫌だ、あたいは嫌だ」
    落語なのに泣かせるという志ん生の佃祭のフレーズ。読んでるだけでジンとした。一回聞いてみたいと思わせられた。

    でもこのフレーズが後に意味を持つとは思わなかったけれど。 

    ヒロイン玲のパワーと明るさが余計に辛さを増した本でした。

  • 結構好きなジャンルの物語だった。どうして落語に佃祭を選んだのかという理由を最後に知ってすごく感動した。

  • 現在の自分と重なってしまって、辛い本でした。
    元気な時に手にしたい本なのかも。

  • 序盤からなんとなくざっくりとした展開は予想できたのだけれど、主人公の気の弱いところ、女の子のまっすぐなところ、それぞれの素直な気持ちがとても愛おしく感じて、だからこそ、ラストは何度も胸が苦しくなった。
    必死で、純粋な彼らに、幸せになってもらいたかった。でも、きっと、わたしの望む形でなくても、彼女は幸せだったのかもしれないし、彼は幸せを見つけていけるだろう。

    タイトルのやさしい死神、その意味がとても好きだなぁ

  • 旬の食材が有るように、旬の読書も存在する。 優柔不断だが優しい主人公。そんな主人公の欠点を補うような即断即決の美人の異性。この時点で布陣は完璧。 エンタメを接種してきた人間なら読んで数ページで展開、結末は読めてしまう。それでも良い。そういう読書があっても良い。 うだるような暑さ、思春期特有の先の知れない不安感。それらを吹き飛ばす、二人の恋の行方がきになる冒険感。甘酸っぱい青春。 こういうのでいい。こういうのが良いんだ。

  • 終盤まで隠されてはいるが、死別で終る難病もの。露骨に伏線が張られているので、よほど鈍くない限り、かなり早い段階で気付くとは思うが。とはいえ無理矢理泣かせにくるような話ではなく、トーンも明るくて乾いているので、その手は苦手という向きも敬遠しなくてもいいように思う。少なくとも迂生は大丈夫だった。
    物語の構造がミステリ的で、ヒロインの不可解な行動の理由が、細かく張られた伏線によって、終盤、一気に腑に落ちる感じが心地いい。

  • 話の流れも結末も他の恋愛小説と大差ないのに、何故かすごく読むのが楽しかった。友達がオススメして貸してくれたのもあるが、2人の会話が目の奥に浮かんでいて自分までその場にいる感覚に陥った。
    女の子の美園玲が口にした「人間いつ死ぬか分からない、明日死ぬかもしれないのに他人の機嫌をとるのはおかしい」って言う言葉が痛いほど胸に刺さった。また、落語は今まで全く興味がなかったが機会があれば見に行ってみたいと思った。死ぬ時に手紙で今までの気持ちを伝えんのもいいなと思った。

  • 泣きたい、恋愛小説。というと、病気の主人公の話が紹介されました。個人的には冒頭の参加型推理ゲームを通して主人公とヒロインが出会うところが、高校生のみなさんならやってみるのかな~と思いながら読みましたが。「記憶に残るのならいいの。でも携帯とかで記録してると、皆安心してよそ見するでしょ。後でちゃんと見返せばいいや、なんて言いながら、結局見もしないでデータだけたまってくでしょ?それが嫌なの。私はいつも、目の前にいる私のことをみてほしのに」主人公とヒロインの花火をみる場面「肉眼で見る以上に迫力のある映像なんてないのに。掌に収まるくらいの映像を残すたまに、視界いっぱいの花火を見逃してどうするの」
    スマホで写真撮って、あとでまた見返していないなあ。と改めて思いました。彼女が主人公に遺したかったもの。10代のみなさんも感じ取ってくれるといいなあと思います。個人的には落語が紹介されていたので、小説を通じて落語に関心を持ってくれる人がいるといいなあと思いました。

  • 素敵な考えをしている人が出てきます。
    別れもあって悲しく、切ない雰囲気がありました。
    心に残るシーンが多々ありました。
    家とかで読んだほうがいいと思います。
    電車など人の多いところであまり読まないようにするといいと思います。

  • 彼女のような真っ直ぐな人になりたい

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著者プロフィール

青谷真未(あおや まみ)
『鹿乃江さんの左手』で第二回ポプラ社小説新人賞・特別賞を受賞し、同作でデビュー。
著作に『恋する弟子の節約術』『水野瀬高校放送部の四つの声』などがある。

「2022年 『今日からお店始めます! ~昭和の小さな雑貨屋さん~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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