天の花 なでし子物語

著者 :
  • ポプラ社
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レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591156667

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅と親しまれた常夏荘。
    幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は淋しい境遇にあっても、
    周囲の人々の優しさに支えられて子供時代を生き抜いてきた。
    18歳になった耀子は、誰にも告げず常夏荘を後にした。
    バスの中、4年前のあの夏を思い出す。
    久し振りに常夏荘を訪れた立海と過ごした日々ーーー。

    ★4つと悩んだ~(´⌒`。)
    「なでし子物語」の第三弾

  • 大好きなシリーズ第3弾。
    第2弾を読んでふつふつと沸きあがる数々の疑問の、答え合わせのように読み進めた。
    前回度々出てきた「耀子中学2年生夏の出来事」。そんなことがあったのか…としみじみ思う。
    あの夏は耀子と立海にとって子供でいられた最後の時間だった。
    思春期の、他より大人びた女子にとっては大人の男性は憧れの対象。龍治の大人のフェロモンにときめくのも仕方がない。
    それに比べて立海の子供っぽさは…立海には悪いが勝負にならない。
    「龍治、おじさんがお友だちを見つけてきてあげたからね」ってそもそも立海が耀子を龍治に紹介したんじゃないか!
    早く大人になりたい、と口癖のように言っていた立海。大人になんてならなきゃ良かったね…。
    あの夏の約束、耀子はもちろん忘れた訳ではないのだけれどね…。

    次回第4弾、耀子と立海の微妙な関係にますます目が離せない。

  • 前作で出てきた「あの夏の出来事」が描かれた本作。

    リュウカの中学生にしては幼い、純粋さが切ない。
    少しだけ、少しだけ先に大人になるヨウヨ。
    「あの夏の出来事」がずーっと続けばいいのにと思わずにはいられない。

    おかしなもので最初の「なでしこ物語」を読んで
    龍治ってもっと嫌な人だと思っていた。
    なので、二作目は「なんでぇ」と思ったのだけれど。
    彼には彼の物語があるのだ。
    当たり前だけど、見えているところだけが人の全てではない。
    「何もかも承知で好きなんだ」なんて言われちゃうとね。

    携帯もパソコンも一般的でないこの時代。
    時代背景は昭和の後半なんだけど、
    峰生という場所はもっともっと昔のような気がしてしまう。
    って言っても、若い人には生まれる前の話だもんなぁ。
    充分昔の話かぁ。


    次作が楽しみ、だけれど、読むと終わっちゃう(多分)・・・もどかしい。

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  • このシリーズは登場人物がみんな優しい.気持ちが空回りしたり届かなかったりするもあるが,相手のことを大切に思う愛が強く心に響く.リュウカ君とヨウヨの幼かった思いが花開くことを願ってたのに,(前作でそうはならなかったことが悲しかったが),この本を読んで耀子の危機に颯爽と現れ助け出してくれる龍治に惹かれるのも仕方ないかな.そして,龍治の孤独の深さを知ると,彼にも守りたいものがあることが嬉しかった..

  • なんて切ない。

    時系列では、こちらが先との事でしたが、敢えて出版された順に読みました。
    確かに、なぜ龍治だったのかと思っていましたが、天の花の隆治なら、耀子を任せられると思ってしまう。
    リュウカくんはまだ子供過ぎる…

    耀子と立海と隆治が3人で過ごした時間がかけがえのないものに思え、先が分かっているだけに胸が苦しくなるほどの切なさに身悶えました。

    耀子はこの先強く逞しいおあんさんになります。
    それがわかっていなければ読めなかったかも。

    もう一度地の星を読み直したいと思います。

  • 峰生の美しい山間の屋敷で暮らす燿子の物語だ。
    三作目にあたるけれども、一作目の「なでしこ物語」と二作目の「地の星」の間の時期の事柄が描かれている。

    「地の星」を読んだ時にいきなり耀子が成人して人妻になっていて驚いたけれど、どういう経緯でそうなったのかが本作を読むとわかるようになっている。

    複雑な血縁関係と大きな富があるゆえにままならない生き方をしている、優しく傷つきやすい人達。彼らを取り巻く時代は移り変わっていく。

    変わりゆく流れの中で、ヨウヨとリュウカと呼び合う幼いふたりの姿が、なんとも切ない。

    巻末を読んで、この物語はさらなる続編が出るのだと知った。
    どんなふうに耀子が、彼女を愛する人たちが生きていくのか、続きが楽しみだ。

  • 少女が女性にいたる途中。一人で生きなければ、頼ってダメだった場合はどうしたら良いの?ヨウヨの優しさと強さと寂しさと。それに惹かれる彼らと。彼女は先に大人になり、少年は彼女に追いつけない。その切なさ。

  • 1弾→2弾→3弾と発行順に読了。どれもみんな違うテーマで、それぞれで読み応えがある。個人的には2弾が好きだけれど、3弾もまたこれはこれでドラマがある。

  • 耀子がどうして立海じゃなく龍治と結婚したかが描かれている。
    遠藤家から自立するためにあの母親を頼って横浜は行くがまた裏切られ…売られたと言った方が適切かな。幸薄い内容だけどギリギリで龍治に助けられて浮上。だけど本当の幸せかわからない。ちょっとモヤモヤが残った。続きが楽しみ

  • シリーズ3作目。時系列でいくと真ん中にくる話だ。女性2人の生き様を中心にそれを取り巻く人々の大河ドラマ的小説。2人の心の描写が細やかで、本の世界に没入してしまう。
    この巻では主人公の一人、耀子が人生の岐路に立ち、大きな決断をする。
    前巻の方が時系列では後の話で、そこに行き着く前振りが何も無かったので、この巻を読むと、なるほどね、そうなっちゃうよね…とそこそこ年齢を重ねた人なら腑に落ちてしまうかも。
    大金持ちの男性と恵まれない生い立ちの女性の設定が韓流ドラマ風?な空気を醸し出している気がする。2018.10.20

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著者プロフィール

伊吹有喜(いぶき・ゆき)
1969年三重県生まれ。三重県立四日市高等学校、中央大学法学部法律学科卒業。四日市市観光大使。1991年に出版社に入社。雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部、ファッション誌編集部を経て、フリーライターになる。2008年に永島順子(ながしま・じゅんこ)名義で応募した『風待ちのひと』(応募時のタイトルは「夏の終わりのトラヴィアータ」)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2009年に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビュー。2014年『ミッドナイト・バス』で第27回山本周五郎賞候補、第151回直木賞候補。2017年『彼方の友へ』(実業之日本社)本作で第158回直木賞候補。

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