([ほ]4-3)活版印刷三日月堂 庭のアルバム (ポプラ文庫)
- ポプラ社 (2017年12月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591156865
感想・レビュー・書評
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シリーズ第3弾
どんどん 面白くなってくる。
「紫陽花のひとつひとつの花びらがもう会えないと言っているよう」
「ここにいるどの人にもその人の暮らしがあり、たくさんの過去といまを抱かえて生きている。少しずついろいろなものを失っていくけれど、世界は続いていく。だから、できることをしなくてはいけない。ひとつひとつ、自分の仕事を。」
これまではこれからの物語の展開があまり見えてこなかったけれど、この巻は次への展開が待ち遠しく感じさせるものになっていました。
八木重吉さんの詩集が欲しくなりました。
さて、第4弾が楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「あれ?活版印刷のお話だったっけ?」と一瞬忘れるほど、各々の話がとってもよい。
シリーズが進んでも、自然な形で前シリーズの人達と繋がりつつ、未来に展開していく。
ほろ苦くて、でも温かく人間味の溢れるお話。
涙がじんわり浮かぶ。
そして併走するように活版印刷が時々出てきて、最後綺麗にお話をまとめる。お見事!!
またしばらく経ってから再読したい!と思うシリーズに出会えました。 -
読み終わってしまうのが勿体なくて楽しみに残しておいたシリーズ第3弾と第4弾だったが、番外編として第5弾と第6弾が刊行されたので急遽読むことに。
「カムパネルラ、僕たちいっしょに行こうねえ。」と活版印刷で作られた栞も取り出してきて読書開始。
このシリーズは心地よく安心して読める。今回もとても良かった。
いろんな人の想いを丁寧な作業で形にしていく弓子さん。
今回は弓子さん本人の母への想いも形になった。
感動が醒めないうちに、完結編である第4弾も引き続き読むことにします。 -
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おはようございます。
シリーズが進むにつれ、面白くなっていきますよね。
思いを形にする仕事。
本当に素敵ですよね。
番外編の...おはようございます。
シリーズが進むにつれ、面白くなっていきますよね。
思いを形にする仕事。
本当に素敵ですよね。
番外編の第5弾、第6弾も是非。2020/03/10 -
dolphin43さん、おはようございます。
このシリーズは読み進める度に、深く濃くなっていきますね。
ますます面白くて止まりません。
弓...dolphin43さん、おはようございます。
このシリーズは読み進める度に、深く濃くなっていきますね。
ますます面白くて止まりません。
弓子さんをこれからも応援しなくちゃ(*^^*)
第5、第6弾の番外編もとても楽しみです(^-^)
コメントをありがとうございました!2020/03/10
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シリーズも3作目となった
静かで穏やかな雰囲気が大好きだが、初めからどこか淋しい悲しげな空気を感じていた。弓子さんが三歳の頃に母を亡くし、父や祖父母も亡くなって身寄りがないということからくる淋しさであろうか
顔も覚えていない母カナコの大学時代の親友が現れ、弓子に母の青春時代を語る
母が作った短歌を辿りながら母の故郷盛岡も訪ね、生きていく意味や三日月堂を続けていく意義を見出していく
「死」を覚悟した母カナコの短歌や詩人八木重吉の詩を読みながら、幼い子を遺して死んでいく親の胸を掻きむしられるような深い悲しみや怒りを感じ、生きる意味を考えさせられた
夏が来るまぼろしみたいななにもかも
生きてることも生きてたことも
やわらかな弓子を抱いていたいよ
ずっと星になっても闇になっても
ねえ弓子泣いちゃダメだよいまここに
あるものみんななくならないよ
踊 八木重吉
冬になって
こんな静かな日はめったにない
桃子をつれて出たらば
櫟林のはずれで
子供はひとりでに踊りはじめた
両手をくくれた顎のあたりでまわしながら
毛糸の深紅の頭巾をかぶって首をかしげ
しきりにひょこんひょこんやっている
ふくらんで着こんだ着物に染めてある
鳳凰の赤い模様があかるい
きつく死をみつめた私のこころは
桃子がおどるのを見てうれしかった
工場の片隅に眠っていた平台を動かす決意を固めた弓子さん
シリーズ最後の4巻に、すばらしいラストが待っている予感!
ここで知った八木重吉の詩も改めてじっくり読んでみたい
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シリーズ3作目。このシリーズは本当に、前勤めていた印刷会社の人たちにお勧めしたい本だなぁ。今印刷業界は、斜陽産業とか結局は捨てられてしまう物を作っているとか酷い言われようだけど、この本を読むと「思いを文字にして世に出す」ことの特別さが自然と感じられてスッとする。
今回は「カナコの歌」「川の合流する場所で」が好きだった。弓子さんの母親についても本作で知ることができた。何だか弓子さんと一緒に働いている気分になってきたな。自分も活版印刷で何か作ってみたくなった。今年の年賀状は活版印刷で作ろうかな。 -
シリーズ第三弾。
今回も各話、ええ話でじんわりと心に染み入ってきます。
第二話「カナコの歌」の扉が、活版で印刷された短歌の写真なのですが、その味わい深さにやっぱり“紙に印刷”っていいよねー・・と、このペーパーレスといわれているご時世に逆行の思いを抱いた次第です。
その短歌がこちら(作中に出てきます)
<あの夏は愛するものもまだなくてひこうき雲に憧れていた>
BGMにユーミンの「ひこうき雲」を流すと、歌詞の“あの子の命はひこうき雲・・・”と、第二話の話の内容とリンクしてジワるを通り越して泣けてきます。
人の想いの温かさや切なさ。それを表現する言葉(ことの葉)の美しさを活字を通して実感できるって素敵だなぁ、としみじみ。
そして話は、三日月堂に置かれているものの、動かすことができなかった“平台”と呼ばれる機械が、盛岡の老舗印刷会社の方の協力を得て、いよいよ動くかも・・という展開になってきています。
三日月堂の今後の経営がどういう方向にいくのか、次巻が楽しみです。 -
シリーズ3作目。今回もどの話も、とても良かった。
特に「カナコの歌」は、泣ける。弓子さんの亡くなった母の友人たちの話。
どっちの立場もわかる気がして、せつない。
「庭のアルバム」は、楓さんが作った萩のカードの実物が見てみたい。
活版印刷で、カラー刷りができるなんて、知らなかった。きっとすごくきれいなんだろうなぁ。
「川の合流する場所で」は、弓子さんの今後に影響を及ぼす出会い⁈あり。このあとどんな展開になっていくのか、気になります。 -
活版印刷三日月堂シリーズ第3弾。
チケットと昆布巻き
カナコの歌
庭のアルバム
川の合流する場所で
弓子さんの気持ちの揺らぎが切ない。
でも…
前を向いて行こう!という、勇気をもらえる一冊。
良いシリーズです。