([ほ]4-3)活版印刷三日月堂 庭のアルバム (ポプラ文庫)

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レビュー : 81
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591156865

感想・レビュー・書評

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  • 活版印刷三日月堂シリーズ第3弾。

    チケットと昆布巻き
    カナコの歌
    庭のアルバム
    川の合流する場所で

    弓子さんの気持ちの揺らぎが切ない。
    でも…
    前を向いて行こう!という、勇気をもらえる一冊。
    良いシリーズです。

  • 丁寧に、少しずつ確かに進んで行くストーリィが、
    まるで組版をしているようだな、なんて。

    こうして、丁寧に丁寧に言葉を組み上げられた物語は本当に、読ませるなぁ、と素直に感じました。

  • 主人公がますます前へと進んでいた一冊だった。本作では人々の姿に泣かされた。「庭のアルバム」では故人の祖父の不器用な優しさとこれまた不器用で頑固者の祖母に、「川の合流する場所で」は不思議なめぐり合わせで弓子の背中を押す社長と、盛岡の地で叫ぶ弓子の姿に。2,3と一気に読んでよかった。またこの作者は情景描写が巧みだなぁとあらためて感じた。活字に囲まれた三日月堂の事務所の中、川越や盛岡の風景が目に浮かぶよう。そして活版印刷で作られた作品も目に浮かぶよう。また今回は一話ごとの扉の写真がとても印象的でよかった。いい本の作り方だなぁ。本作品自体が活版印刷でないのは残念だが(難しいよね)。

  • これは圧巻、のシリーズ第三弾。

    自分と大学の同期たちとの格差に悶々とする「チケットと昆布巻き」、弓子の母の友人がでてくる「カナコの歌」、学校にうまく馴染めない高校生が植物の写生画を通して人と向き合う「庭のアルバム」、最後に大きく物語が動きそうな「川の合流する場所で」。

    面白かったです。
    前巻までのテイストは引き継ぎつつ、うまく乗せた感じで。

    どれも胸にくるお話でしたが、身につまされたのは「カナコの歌」かな。
    大学の時、自分がこんな風になるなんて、思ってもいなかったなぁ、としみじみとおもいました。
    結婚して子供を持つ人、そして独身のまま変わらないようで変わってしまう家族を抱える人。
    すごく沁みました。

  • 小さな活版印刷所「三日月堂」には、今日も悩みを抱えたお客がやってくる。店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった想い。しかし三日月堂を続けていく中で、弓子自身も考えるところがあり…。転機を迎える、大好評シリーズ第三弾!

  • 図書館より。

    やばい、じんわり沁みる。新しい出会いもあり。続きが気になる。

  • 今回も第二弾からお話し繋がってるかなあ〜?
    (*・ω・*)wkwk
    「チケットと昆布巻き」
     月刊めぐりん、川越でシアター川越の取材
     シアター川越、西部劇上映会
     「我らの西部劇」v(^o^)/繋がった
    「カナコの歌」
     月刊めぐりんの川越取材で三日月堂も取材され、その取材記事をみつけた弓子のお母さんの大学時代のサークル仲間の親友のお話し
    「庭のアルバム」
     サークル仲間の娘さんのお話し
    「川の合流する場所で」
     庭のアルバムの楓ちゃんと参加した活版印刷イベントで盛岡の印刷会社の人と知り合う!

    今回は弓子のお母さんの詳しいお話しと
    いよいよ、平台が!!!
    キタ━━━━(゚∀゚)━━━━↑↑↑↑↑(笑)
    最後に少し弓子の恋愛話もはじまる予感が♡

    いろいろ心に刺さるものが。
    今回は“生きる”とはどういうことなのかということを強く感じた
    「チケットと昆布巻き」 主人公の竹野の自分の現状を不満に思う気持ちに共感するところがあって、竹野と一緒に考え方のアップデート体験
    話してみないと人のことはわからない
    守りに入っていない人は、考え戦っている
    私も戦っている!!
    「カナコの歌」 私は聡子側の人間、裕美側にはなれない・・・(ーー。持てないという悔しさ、悲しさ・・・
    「庭のアルバム」 楓のやさしい、ほんわかしたおばあちゃんになりたいけど、つい余計なことを言ってしまうおばあちゃんのことば
    “まあ、仕方ないね。わたしは、わたし。楓もそうだよ。一生楓として生きていくしかない。だれも代わりはいないんだから、それを放棄したら、無責任だろう?”
    無責任だろうということばに 絶句レベルに はっ?!!っとした・・・わたしはわたしに責任を持ってわたしとして生きているのか・・・?
    「川の合流する場所」 身近な人の死を経験した弓子と悠生の会話 “わたし、ずっと心のどこかで、生きているのは、明るい、素晴らしいことだって思ってたんです(略)”
    わたしもずっとそう思っていた・・・
    弓子“生まれてしまったから生きてるだけ。(略)”
    悠生“人生はきっとただの苦しい道なんだろう(略)”
    のことばに現実をつきつけられた。

  • 今回は、弓子さんのお母さんに関連するお話が根底にあって、今までのシリーズを通して、弓子さんご家族に関するお話がすべて語られた気がします。
    弓子さんが家族のことに触れるたびに、三日月堂を訪れた人たちや弓子さん自身も少しずつ成長している。
    そんな弓子さんに、三日月堂での決意だったり、大きな印刷機械のことだったり、偶然が必然になり、新しい門出を迎えた巻でした。
    弓子さんの考え方や決断は読んでいても心地よくて応援したくなるし励まされます。軽い小休止を迎えた気もしますが、これから三日月堂がどうなっていくのか、とても気になります。

  • いくら活版が流行りとは言え、
    このモチーフでは
    シリーズも長くは続かないだろうと
    決めつけていました。

    弓子が手探りで印刷所を再開したのと
    同じように 頼りなく細々と繋がり始めていた
    人の縁が ここに来て網の目のように広がって

    弓子を生み 弓子を育んだすべてのものが
    目の詰まった手編みのセーターのように
    あったかい形を整え始めましたね。

    そうしてまだ この物語は終わらない。
    新しく始まろうとしているのを感じます。

    ことのはを組み 人の思いを誰かに伝える…

    なにげないことで 意味のあることは
    私の日常にも必ずあるのだと思えてきました。

  • 弓子さんが地域の情報誌に掲載されたことがきっかけに、弓子さんのお母さんと同級生だった人が三日月堂を訪れる。
    今回は、弓子さんの子供の頃や家族の想いが印象的だった。

  • 様々な人のひそやかな思いを綴る第三弾。

    思いを運んでいく文字があり、それを生み出す活版印刷の物語。

  • 弓子ママのお話は切なかった。でも残された短歌のノートでその時々の思いや気持ちが表現されて大人になった弓子が母親の記憶の少なさを補ってくれているようだと感じた。
    弓子が行動的な人になってきた。次も楽しみ。

  • 「庭のアルバム」が良かった。
    万葉集に出ている草木を、無口なおじいさんは、おばあさんには黙って育てていた。おじいさんが亡くなってから、孫を通してその事を知る事になる。おじいさん、やる事が素敵!
    そのおばあさんは、やりたい事が見つからずに悩んでいる孫の気持ちを理解して、親戚の前で毅然と孫のフォローをしてくれる。おばあさんもカッコいい‼︎
    活版印刷で活字だけではなく、絵も印刷できるなんて知らなかった。きっと素敵なんだろうな…

    最後に、いよいよ大型機械が動き出しそうで、次作は新しい展開かな?

  • 楓ちゃんのお話が好き。
    大人びているけど、心の芯は、みんな何かちゃんと持っているのかもしれない。
    高校生のとき、こんな風にゆっくりとした時間をもって、もっといろんなことをしたかったな。

    歌も、もっと自由に詠んでいいかなーと、八木重吉の詩を読んで思った。

    「紫陽花の ひとつひとつの 花びらが
    もう会えないと 言っているよう」
    「少しずついろんなものを失っていくけれど、世界は続いていく。」

  • 三日月堂シリーズ第三弾。
    相変わらず心に沁みる物語と文章です。ほろりと涙が零れます。
    一つ一つの物語には主人公がいて独立しているのに、舞台である三日月堂の主人弓子が少しずつ前進していく俯瞰の展開も素晴らしい。
    寂しい境遇もあり物静かで筋の通った強さも持つ弓子だからこそ、活版印刷という作業や制作物としっくりと馴染みます。
    これがキャンキャンしたドジっ子とかが主人だと「あーあ…」という感じに成り兼ねない。
    素朴だけどまっすぐな弓子を、周りが放っておくわけがありません。
    三日月堂に人が増えそうで楽しみです。

  • 活版印刷が多くの人の心を捉える感じ、引き込まれる。印刷方法の特徴はもちろん、やはり、そこに言葉があることが大きいらしい。字に引き込まれ、言葉に引き込まれていく。活版印刷のワークショップが面白そうで、機会があればまたやってみたいが、自由に言葉を紡げるなら、何を表現したいだろう。今ふと思ったのは、本の魅力を自分なりに表現してみたいということ。いろんな本に触れながら、考えてみよう。

  • 今回もとっても素敵なお話でした。
    三日月堂に引き寄せられる人たちの輪が広がって、繋がっていき、彼らの考え方や生き方まで変化していく。
    じんわり温かくて気持ちのいい作品。
    どんどんパワーアップしてる気がします。
    次も楽しみです。

  • 弓子さんのお母さんのことが描かれていて泣けました。余裕や自信がないと、何でもないことも卑屈に捉えてしまったり、嫌味に聞こえてしまったりするの、分かります。わだかまりが溶けて良かった。友達も親子も甘えちゃうとこじれるけど、甘えられる関係は素敵だと思う。次巻で完結らしい。寂しいけどどんな終わりを迎えるのか楽しみです。

  • 今回も活版印刷と三日月堂にまつわる4つの話が入っているのだけれど、色々なところに接点があって物語がつながっていて、着実に時間が流れていて、印刷の幅も広がっている。特に今回は、どうして活版印刷なのかという問いが、裏のテーマとして流れていることを感じた。

  • 人と人を活版印刷が繋ぎ、三日月堂は少しずつ大きくなる。弓子の母の話を中心に次々ひろがる人間関係のその優しさに温かい気持ちになった。

  • 活版印刷三日月堂シリーズの第三作。
    今まで謎めいた存在だった三日月堂の主、
    弓子さんの背景が見えてきた。
    短歌や詩が効果的に使われていて、読後感はしみじみ。

  • 三日月堂シリーズ第3弾。

    活版印刷にまつわるハートフルなお話たち。
    今回どのお話も心に沁みた。

    一番は弓子さんのお母さんのお話、「カナコの歌」。

    お母さんの友達が、お母さんの短歌をポストカードにするお話なんだけど、お母さんの、生に向かう短歌や弓子さんを思う気持ちや、ユーミンの「ひこうき雲」も重なって心がぎゅっとなった。

    人と関わるのが苦手な女子高生が、活版印刷を通して人に向かい合う事を知る「庭のアルバム」も、素敵だった。活版印刷って色も乗せられるのね!って色々勉強になったり。


    そしていよいよ物語が大きく動き出しそうな予感をはらんだ、「川の合流する場所で」。三日月堂以外の活版印刷にまつわる工場が出てきたり、ついに弓子さんが動かせなかった大量印刷用の平台なる機械が出てきて、三日月堂の平台が動き出しそうな予感!
    次巻が楽しみ!

    弓子さんの魅力に惹き込まれる人がここでも続出。
    弓子さんのシンとした静かな美しい佇まいは本当に魅力的。

    三日月堂の幸せバトン絶好調です!

  • 三日月堂の第4巻
    これが最終巻。当たりのシリーズでした。

  • 2018 12/27

  • やっぱりいいなぁ。
    活版印刷を軸につながっていく人と人。
    「美しくて、ただ澄んでいて、しんと明るかった」
    なぜか心惹かれる活版印刷。
    言葉が、活字が、生きているように。
    あぁ、活版印刷、やってみたいなぁ。

  • ほしおさなえさん「活版印刷 三日月堂 庭のアルバム」読了。シリーズ三作目。とっても良かった。最初は止まっていた活版印刷が弓子さんによって動き出し、形の無い言葉が命を吹き込まれ輝き出す。今回収録されている四編も、良い物語でした。中でも弓子の母親の学生時代が描かれた「カナコの歌」と活版イベントと盛岡での出来事が書かれた「川の合流する場所で」が、ジーンときて胸に響きました。ラストに弓子さんが語るシーンは、忘れたくない。三日月堂のこれからを作り上げる頼もしい味方も現れ、希望を持てるところで終了。次の巻が楽しみ♪

  • シリーズ3作目。
    シリーズものって、話が進むにつれて薄くなっていくことが多いのだけれど、これは違う。
    少しずつの繋がりで、ゆっくりだけど、確かに前進していく。
    人の成長は、周りの人にも、少なからず影響を与えていくのかもなと、じんわり思った。

  • いい話。人と人とが繋がっていく。

  • 活版印刷三日月堂3作目。
    今号は今まで使用出来なかった平台(大型印刷機)の調整をしてもらえる人々との出会いがあり今後の弓子に新たな展開が期待できそうなエンディングでした。

    “庭のアルバム”は家族三世代それぞれの視点が上手く描かれていると感じました。
    また、心に残ったのは孫の言葉から祖母が亡くなった夫の気持ちに気付く場面。自分の心の視野が狭いと感じている今だから響いたのかもしれません。

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著者プロフィール

ほしお さなえ
1964年東京都生まれ。作家・詩人。父に翻訳家・評論家の小鷹信光、夫に作家・思想家の東浩紀。
東京学芸大学卒業後、理工系出版社、大学研究補佐員をへて、作家活動へ。
95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞して詩人としてデビュー。2002年には長編小説『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年に刊行された『活版印刷三日月堂 星たちの栞』が話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気シリーズとなる。

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