([て]3-2)ミナトホテルの裏庭には (ポプラ文庫)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 95
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591158258

作品紹介・あらすじ

笑えなくなったら、泊まりに来てください。

「おすすめ文庫王国2018」エンターテインメント部門第1位
(選者・藤田香織氏)
『ビオレタ』の著者が贈る感動作!


祖父から大正末期に建てられた宿泊施設「ミナトホテル」の裏庭の鍵捜しを頼まれた芯輔。金一封のお礼につられて赴いた先は、「わけあり」のお客だけを泊める、いっぷう変わったところだった。さらには失踪したホテルの猫も捜す羽目になり……。 温かな涙に包まれる感動作。


★おすすめコメント★

文章も、主人公も、 ぴりっとキュート!
ハートウォーミングな映画を 見ているかのようでした。
――宮下奈都(作家)

この作家が好きだ! と、 大きな声で叫びたい!
――藤田香織(書評家)

感想・レビュー・書評

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  • 君は痛みを知っているか。

    最初の一文で、すでにノックアウトをくらった気分。
    えーと、知っている、つもり、です、はい。と先細りの声がつい出てきそうになる。誰かに言い訳をするような声。そんな必要もないのに。

    寺地はるなさんの作品を読むといつもなんだか安心してしまう。
    どの登場人物も、どこか何かが欠けていて、とても人間くさい。
    だからリアルな嫌悪感も感じたりすることもあるし恐ろしいほど同調してしまいそうにもなる。
    日常の延長にあるような読書体験ができる。
    近すぎず、遠すぎない場所に、寺地さんの世界はある。

    ミナトホテルもきっとそうで、いつもより少しだけがんばって歩いたら見つけられそうな場所にあるような気がした。
    看板はないけれど、部屋には綺麗な花が飾ってあってきっとよく眠れる。
    (もしかしたら平田カラメルに遭遇できるかも)
    こういう場所があったら救われる人はいるんだよね。見過ごされそうな人を寺地はるなさんはきっと見過ごさない。

    芯のことを「適当に扱ってはいけない人」と月子が言うのもわかる気がした。
    みんなが不完全でそれがすごく好きだなぁ。

    特にラストの言葉がすごく素敵。

    “魔法なんてここにはないのだと、あの時湊さんは言った。ここだけではなく、どこにもないのだ、そんなものは。でも私たちには、自分の足がある。手もある。目が耳が、言葉がある。花岡も、かし子も、それを知っている。それしか知らないけれども、それだけ知っていればじゅうぶんだと知っている。”

    きっと寺地はるなさんも、それだけを知っていて、それだけ知っていればじゅうぶんだと知っているから、こんな魅力的な人間を描けるのでしょう。

  • ブレイク前(?)の寺地さんの本、2冊目です(笑)

    祖父から「ミナトホテル」の裏庭にあるはずの”鍵”を探すように頼まれた芯輔。
    謝礼につられて引き受けるのだが、「ミナトホテル」に集まる人は訳ありな人ばかりで…

    がんばりすぎなくていいよ!
    時には人に頼ることも大切だよ!

    そんな風に語りかけてくる本でした。

    でも…
    『ビオレタ』の方が好みかな。

  • 疲れる前に休める場所、疲れた時に逃げ込める場所は
    家族や友達がいる場所でもなく人には言えない空間も必要なのかもしれない。
    だけどそこには程よい距離感の優しい空気が必要。
    湊と陽子さんは本当の親子ではないけれど人のためが自分のためと重なる根本の優しさが似ている。
    裏庭にはそんな二人の思い出が詰まっているし、
    陽子さんの一周忌には湊への愛情が詰まっている。
    湊も芯も不器用でその不器用な優しさが心地よい。
    誰かを喜ばせたいという最大の我儘という最大級の優しさがにじみ出ている。

  • Tぬオススメ本。泣けますよと言ってオススメされました。
    確かに泣きそうになるところはいくつもあったのだけど、あいにく電車で読んでいたため、ぐっとこらえて読みました。
    三篇のお話が入っており、どの話もとても良かった。
    いろいろな人間関係の問題があるのだけど、主要な登場人物同士がずぶずぶな関わり方ではない感じが良い。
    とてもほっこりしたり、じんわりきたり、読後感も良く、良い本だと思いました。
    Tぬに感謝。

  • 感動!ってわけではなく、
    少しづつ、じんわり来る良い話。

  • 大家族の主婦として毎日忙しくしている身としては、ミナトホテルに一泊でもいいから泊まりに行きたい。眠れない訳でも幸せじゃない訳でもないけどね^_−☆
    芯のじいちゃんに会ってみたいと思った。
    文庫本の表紙も単行本と同じだったら良かったのになぁ。

  • ★3.0
    全3編が収録された連作中短編集。生きていくということは、心身ともにストレスがかかる。そんなストレスから解放し、息抜きの場所を与えるのが、ミナトホテルの経営方針。誰にだって心を休める場所が必要だけれど、そういった場所を見付けられないまま身体を壊してしまう人もいるのが現実。そんな人たちに、頑張るだけでは駄目だとどうか気付いてほしい。湊さんと桐子さん、芯くんと花岡さんのその後が気になるものの、逆にはっきりとは描かないのが本書らしい。軽い説教調で始まる全編の冒頭、「君は●●を知っているか」が結構好き。

  • 税務その他のコンサルタントや代行をしている小さな会社にアルバイト感覚で勤めてる25歳の木山芯輔が主人公。祖父から頼まれて祖父の亡くなった友人、湊陽子が残したホテル「ミナトホテル」の裏庭の鍵探しをすることになる。陽子の息子の湊篤彦37歳(実は養子)や祖父と陽子の友人達、芯輔の会社の人達が絡んで感動の話になっていくはずが、私の感性が未熟なのか、ワクワクもせず、感動せず、中途半端感が残った。私には合わなかった。

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著者プロフィール

寺地 はるな(てらち はるな)
1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第四回ポプラ社小説新人賞を受賞。
著書に『ミナトホテルの裏庭には』『月のぶどう』『今日のハチミツ、あしたの私』『みちづれはいても、ひとり』『架空の犬と嘘をつく猫』『大人は泣かないと思っていた』『正しい愛と理想の息子』がある。

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