学校に行きたくない君へ

制作 : 全国不登校新聞社 
  • ポプラ社
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591159668

感想・レビュー・書評

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  • 月2回発行される「不登校新聞」なるものがあると言う。
    中でも特に読まれるのがインタビュー記事であるらしい。
    20周年記念で、そのインタビュー記事から抜き取った20名の記事を本にしたもの。
    聞き手は、不登校・ひきこもりの当事者・経験者である「子ども・若者編集部」の面々。
    不登校・フリースクール育ちだという編集長のコラムもある。

    期待が大きかった分、落胆も大きいというのが本音。
    「学校なんか行かなくて良い」「あんなところに行っても何の役にも立たない」などと、軽々しく言ってほしくない。お名前を挙げるのはひかえるが、心底失望した。
    ひとは「易きに流れる」というあまり好ましくない性質を持っている。
    易しい=優しいと勘違いした子どもが「あの有名なひとが言っているのだから」と安易に不登校という道を選択しないか、心から憂えている。
    もうそれ以外ないというほど苦しい状況でも、「学校なんか」などと言ってはいけない。
    何故なら、学校に行っている子たちだって、それぞれに悩みを抱えているし、日々迷い焦り様々に逡巡しながら登校してるからだ。

    事故で両親を亡くし、祖母とふたりで暮らしていた14歳の子を知っている。
    足の悪い祖母にとってかなりの負担だったのだろう。殆どネグレストに近かった。
    それでも、一日も早く祖母を介護できるようになりたいからと、必死で勉強していた。
    口には出さないが、そういう子だっているのだ。
    この本に登場するひとたちは、功成り名を遂げたという実績があり、その上での発言だ。
    不登校の子を「本人の甘えだ」と非難するひとを嫌悪するのに、なぜ自分は同じことをするのか。比較したり競い合ったりするために双方があるわけではない。
    責任転嫁も、自己憐憫も、ついでに依存心も禁物だ。
    「学校に行かない」という選択をしたのなら、次なる場所で何か学び取ってほしい。
    「私って何も出来ない人間だった」と気が付くのも学び。
    「僕はこんなことが出来たんだ」と気が付くのも学び。
    くれぐれも家の中で電子機器に依存するのだけはやめてね。
    そして、不登校の間、あなたの身の回りの世話をするのはあなたの親。
    その親の命だって無限ではないのだよ。

    あれこれ言ってきたが、樹木希林さんと萩尾望都さんのインタビュー、臨済宗の住職さんである玄侑宗久さん、荒木飛呂彦さんの言葉が、具体的で大変良かった。
    (ここでやっとレビューらしくなった・・)
    親御さんたち、大変だなぁ。どれほど自分を責めたことだろう。
    どうかひとりで悩まずに、色々なひとに相談してほしい。
    分かってくれる人が、きっといると思うから。
    そして、何か新しいことを始めると良いと思う。自分がしたかったことを何かひとつ。
    それが、いずれ自分を支えてくれるだろうから。

  • 私は元不登校児で、今は高校で教員をしている身です。

    過去の自分の経験から見ても、今、学校で懸命に日々の勉強から何か得ようとしている子供を見る立場から見ても、ちょっと学校を悪く言いすぎじゃないかな、という印象が残った。

    学校なんてなんで行っているの?
    行かなくていいよ、学校なんか学ぶことはろくなことじゃないよ、等々…。
    もちろん、学校という画一的システムから外れる子どもがいて普通だと思う。
    40人がぎゅうぎゅうに詰め込まれ、机に座って、知識を学ぶ。
    今は少しずつ変わりつつあるとはいえ、長い年月をかけるには、あまりに不自由な世界だと思うし、生徒たちはそんな中でよくやっていると思う。

    インタビューの内容が素晴らしい著名人もいました。樹木希林や荒木飛呂彦みたいに、自分がちゃんとある人の話はよかったし、「かがみの孤城」で不登校の子どもたちを描いた辻村深月の話もとても興味深かった。
    保護者の方へのメッセージや、不登校経験者の話も、励みになると思う。

    が、やはり、経験もないのに、無責任に不登校の人は自分があるんだよ、なんて、言って欲しくはない。
    今学校にいる子どもたちがどれだけ頑張っているか…。
    毎日自分を律して、親の期待に応えようとしている子もいるし、やりたいことが決まっている子もいる。
    そして、過去に学校に行けなかった自分は、決して自分の意思で行かなかったわけじゃないと、読みながらもやもやとしたのでした。

    これだけたくさんの著名人から話を聞いているんだから、内容がバラバラで、インタビューの趣旨も一貫性がないのは仕方がない。
    バラバラだからこそ、自分に合う話とも出会えるのかもしれない。

    それとは別に、不登校新聞は興味を惹かれました。

  • 総勢20名の著名人に全国不登校新聞社の記者やその親がインタビューした内容が掲載されている。
    20名と多い分、掻い摘んでその人達の考え方を知ることができる良さがあるが、少し物足りなさも感じた。掲載者数をもう少し減らして、ひとりひとりの話をもっと長く載せてもほしかった。

  • 不登校児がインタビューに行って大丈夫だよと言ってもらう話。成功者ばかりなので再現性は低い

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