ライオンのおやつ

著者 :
  • ポプラ社
4.21
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本棚登録 : 1144
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591160022

作品紹介・あらすじ

人生の最後に食べたいおやつは何ですか――
若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。
ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。
――食べて、生きて、この世から旅立つ。
すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。

感想・レビュー・書評

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  • いつか人は死ぬ。
    その日まで生きていかなければならない。

    余命宣告をされた雫。
    不安や恐怖、病気になったことへの悔しさ。
    瀬戸内にあるマドンナの家。
    様々な気持ちを抱えながらも、マドンナさんやスタッフ、ボランティアさんたちに助けられ、そんな気持ちをふっきり、自由に平穏に生活を送ろうとする。

    『死』はやはり怖い。
    でも、こんな素敵な場所で死ねるなら、死ぬことへの恐怖が薄れるような気がする。
    死の直前は…どうなんだろう。書かれていたことを確認したくなった。

    余命宣告されていても、生きている限り、人は変わることができる。自由に生きることができる。
    丁寧に糸を紡ぐように、残された時間を生きていく物語。

    おやつもおかゆもどれもおいしそう。
    死ぬまでに食べたいおやつはなんですか?
    食べたかのような描写に、実は食べていなかった…など、朦朧としはじめている様子などが文章の展開からもひしひしと伝わってきた。

  • 定期的には読み返したくなる一冊。
    「いつかは死ぬ」ってことが自分の中で怖いものではなく、大切なものになった気がする。
    こんな素敵なところを終の住処にできるように、今をしっかりと生きていこうと思う。

  • おやつは人生のご褒美

  • ある意味重ーい主題のわりに、読後感がさわやかでよい。
    二粒ほど涙しました。

    小川糸さんの作品は、なんだか少女趣味っていうか、現実にあり得ないというか。。私はそういうのが、嫌いではないのだが。きれいすぎるというか、毒毛がないというか。そういうの、嫌いじゃないですよ、私は。でもね、今まで読んだ中で、そういった部分が、ちょっとしらける作品もあった中で、この作品は、完成度高い気がします。後半の、周りの人物が語るところは、いらない気もしましたけれど。

  • 読み始めて2ページめで知った主人公の状況にまずは絶句。これは辛く悲しい物語じゃないか、そんな心の準備してないぞ、やばいやばい、と思いつつ読む。
    身近な人を見送った経験のある人にとって、これは読むのが辛い物語ではあるけれど、読み終わった後、きっと「読んでよかった」と思えるはず。
    私も読みながら、見送った人たちとのあれこれを思い出し、涙が止まらなかったけれど、今、ものすごくさわやかな気分だ。
    後悔はある。もし、ライオンの家のようなところがあったなら、そこで最期の日々を送ってもらえたなら、と…
    でも、誰にでもやってくる最期の日々はそれぞれが自分で作るものであり、他の誰かに用意してもらうものではないのだ。まだまだ先だと思っているけれど、自分にとってのその日が来る前に、ちゃんと準備しておきたい、とそう思った。
    マドンナや六花に見守られた雫の最期の時間を、私も、私の大事な人も過ごせますように、と。

    あぁ、そうだ。私なら、どんなおやつをリクエストするかな。どんなエピソードを書くかな。
    いま、とても優しい気持ちでそれを考えている。

  • この著者には毎回涙腺を崩壊させられる。「つるかめ助産院」では生命の誕生を、本作では人の終焉を見せられた。私ごとになるが以前勤めていた、とある市立病院で医療点数を稼げる事もありホスピスの計画を立ち上げ、この話のようにどういう食事を出そうかと病院中で検討したことがあった、結局この計画は医療知識も全くないアホ市長により頓挫させられたのだが、がん治療薬による治療は苦しいだけでほとんど効果がなく、オプジーボのような特効薬以外は患者には酷なだけだから止めてあげてほしい。しかし看護師にとってはホスピスは死亡退院ばかりなのでかなり辛い仕事になるのは確かのようで若い看護師には耐えられないようである。

  • 生と死という重いテーマを扱う物語であるが、瀬戸内のレモンの香りが漂ってくるような清々しい読後感。
    幸せとは何か。何のために生きるのか。そんなことばかり考えてしまう私に、日常の中の幸せを教えてくれた。

  • テレビで特集されていたので購入。
    読んでいて最初に思ったことは、余程多くの取材を行なったのかなと印象でした。その人だけにしかわからない心境が丁寧で多く語られていて、第三者から見ると、複雑であることを知りました。

    全体的にポワッとした暖かい雰囲気が漂っている一方で、主人公の死に対する恐怖感・受け取り方は、キリッと締まっていて、胸を締め付ける思いがありました。読むのがちょっと辛かったです。
    ただ、おやつを含め食べ物の描写は、美味しそうに書かれていて、お腹が空いた状態で読んでいたので、何度も唾を飲み込んでいました。何か食べたくなってしまいます。
    主に主人公の視点で物語は進むのですが、最後の方は、3人の視点で終わりを迎えます。それが誰なのかは、一部ネタバレもありますので、省略しときます。

    結末はだいたい予想はつくのですが、終盤は涙を誘いました。死に関することは間接的な表現が多かったのですが、字面だけでも辛かったです。でも変に暗い感じではなく、優しい光が差したような表現ばかりで、前向きに捉えることができました。それだけ小川さんの表現力は素晴らしかったです。

    最近では、自殺する人が報道で多く見受けられます。病気で亡くなる人など様々な死に方があります。「生きること」とは?、「死ぬこと」とは?など本を通して、深く考えさせられました。
    必ず、死は訪れるものですが、改めて過去の自分を振り返ってみたり、この先の決心や覚悟などをちょっと考えてみようかなと思わせてくれた作品でした。

    多分、本屋大賞の候補作に挙がるのではと思うくらい、辛いけれども人に薦めたくなる作品でした。

  • ライオンのおやつ
    著作者:小川糸
    ポプラ社
    人生の最後に食べたいおやつは何ですか?
    若くして余命を告げられた主人公は瀬戸内の島ホスピタルで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色の中で本当にしたかったことを考える。
    タイムライン
    https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

  • 若くして余命を告げられた雫は、残りの日々を
    瀬戸内の島のホスピスで過ごすことを決めた。
    穏やかな景色の中、本当にしたかったことを
    考える雫。ホスピスでは毎週日曜日、入居者が
    リクエストできる「おやつの時間」があって…。

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著者プロフィール

小川 糸(おがわ いと)
1973年生まれ、山形県出身の小説家であり、作詞家・翻訳家でもある。作詞家の際の名義は、春嵐(しゅんらん)を使用。
2007年に初の絵本を上梓し、さらに翌2008年に小説『食堂かたつむり』を発表。同作は第1回ポプラ社小説大賞に応募し、最終選考にも残らなかった作品だったが、目に留めた編集者によって刊行され、ベストセラーとなり映画化された。同作は、2011年7月、イタリアの文学賞である、バンカレッラ賞料理部門賞も受賞している。
2017年、『ツバキ文具店』が「本屋大賞2017」で第4位にノミネート。ドラマ化もされた。続編『キラキラ共和国』も発行、代表的シリーズかつヒット作となっている。
その他代表作として、テレビドラマ化された『つるかめ助産院~南の島から~』。

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