- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591161319
作品紹介・あらすじ
羽山健太は、就職先が決まらないまま大学を卒業してしまった。どうしたものかと思案していたところ、ふとした偶然で入った店の店主の南雲から「うちで働いてみないか」と誘いを受ける。「よろず美術探偵」という風変わりな看板を掲げたその店には、ガラクタといってもいいような品物がところ狭しと置かれている。健太はよくわからないまま、「業務中に就活してもOK」という店主の言葉に乗っかり、働き始めることに……。
そんなある日、店をスーツ姿の美女が訪れる。美術館に勤めているという女性は、奇妙な依頼を南雲にする。それは「村山光雄という画家が、生前『ショパンの心臓』と称した絵を探してほしい」というものだった--。
感想・レビュー・書評
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正直中盤(なんなら後半?)までは、主人公が情けなさすぎてとてつもなくイライラしながら読み進めた。ただ途中で主人公がきちんと字を読まなくなった理由が明かされたり、ポンコツだけど貴和子からの指導を素直に受け入れたりするのを見て、さすがにここまで酷くはないけど自分も若い頃はこうだったな〜と憎めない気持ちに。
真相が明かされてからはさまざまな感情が入り乱れ、終盤は終始泣きながら読み進めた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めて読む作家さん
面白かったし読みやすい -
個人的に青谷さんの作品は、「読書嫌いのための図書室案内」についで2作品目。2つ読んで感じたことは、伏線を張って回収していることと、こうなるだろうとは違う変化球を投げてくる物語の構成をしていることが挙げられるかなと思いました。
この作品では美術ミステリーということですが、美術を楽しむよりかは、主人公の成長記と謎解きを楽しめた印象でした。ただ、全体的に周りくどかったかもしれません。
例えるなら、A→Bへ行くのに徒歩10分かかるところを遠回りして徒歩30分歩いた感覚でした。
店主の南雲が、謎を解けば良かったのに・・・と何回思ったことか。ただ、主人公の調査する一生懸命さ・ひたむきさが伝わり、段々と成長していく姿には、応援したくなります。
「ショパンの心臓」の謎を解くだけでなく、主人公の過去も知れ、さらに伏線を張り巡らせて、最後に回収するので、色々楽しむことができました。