夜が暗いとはかぎらない

著者 :
  • ポプラ社
3.91
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本棚登録 : 373
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591162743

作品紹介・あらすじ

奇跡が起きなくても、人生は続いていくから。
『大人は泣かないと思っていた』で話題沸騰の著者が贈る感動作!

大阪市近郊にある暁町。閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきんが突然失踪した。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。いったいなぜ――? さまざまな葛藤を抱えながら今日も頑張る人たちに寄りそう、心にやさしい明かりをともす13の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 悪気のない言葉に傷つき、何気ない言葉に優しさを感じて泣きそうになる。
    そう思えた13の物語。

    朝が明るいとは限らない。ままならぬ思いや不安を抱えて迎える朝はたくさんある。
    それでも私たちは…。

    なんとたくさんの登場人物、なんとたくさんの不安や悩み。
    どんな人だって心のバランスを崩す時がある。

    色んな大人がいる、色んな子供がいる、色んな赤ちゃんがいる、色んな好きもある。
    当たり前の事なのにホッとする。

    わが子が、夫が、何を考えているかわからない。それはきっとみんな同じ。
    自分じゃない人の考えていること全てはわからない。でも、でも、そばにいることはできる。
    そっと見守ってあげたり、美味しいものを食べたり、そうやって生きていければいいんじゃないのかな。

    来人の過去が気になる。

    • くるたんさん
      けいたん♪
      もう読了とはうれしい♡

      登場人物多くて…って声もあったけど、私は何気に繋がりを見つけるのが楽しかった♪

      そばにいることはでき...
      けいたん♪
      もう読了とはうれしい♡

      登場人物多くて…って声もあったけど、私は何気に繋がりを見つけるのが楽しかった♪

      そばにいることはできる…そう!私もここに思いっきり反応したよ、一番ジンときたかな♡
      旦那さまに寄り添う奥様も、子育てに一生懸命なママも、声をかけるお姑さんも良かったなぁ…♡
      あと、自転車屋のおじいちゃんも良い言葉言ってた気がする〜(*´ェ`*)
      2019/06/10
    • けいたんさん
      くるたん♪

      くるたんのおかげで早く予約できたのがよかったよ、ありがとう(⁎˃ᴗ˂⁎)
      登場人物の書き分けができてるから、多くてもそれ...
      くるたん♪

      くるたんのおかげで早く予約できたのがよかったよ、ありがとう(⁎˃ᴗ˂⁎)
      登場人物の書き分けができてるから、多くてもそれが楽しかったよね。
      うん、後から出てきたりとか、その後が知れたりよかった。
      旦那さんが出向の人大変だよね。
      どうしてあげるのがいちばんいいのか…
      おじいちゃん、大好き!
      フレーズに残してあるのでおじいちゃんの言葉一緒だったら嬉しいな♪
      2019/06/10
  • 言葉は魔法だ。

    寺地さんはどうして人の心の細部の細部までを掬い出し、それを言葉にのせて響かせるのが上手いのだろう。

    誰もが悩み苦しみもがきながらも必死に生きている。
    そんな日々の中で時に誰かの言葉に傷ついたり縛り付けられたり。でも言葉によってグンと救われたり背中を押されたり、包んでもらえたり。

    読みながら所々自分に重ね合わせ何度も共感し涙し、肯定され認められた気分にもなった。
    ふわっと優しく自分も包まれたような気分になった。
    ずっと心のどこかで感じていた言葉、欲しかった言葉があふれていた。

    まさに寺地さんの言葉の魔法を感じた。

    • けいたんさん
      こんにちは(^-^)/

      寺地さんはミナトホテル…のみだなぁ。
      ミナトホテルも悪くなかったけど、心に残るまではなくて。
      これ心に響...
      こんにちは(^-^)/

      寺地さんはミナトホテル…のみだなぁ。
      ミナトホテルも悪くなかったけど、心に残るまではなくて。
      これ心に響きそうだね。
      表紙もいいし、暗い自分に合ってる気がする(*≧艸≦)
      新刊?結構チェックしてるんだけど気がつかなかったなぁ。
      2019/05/31
    • けいたんさん
      もう図書館にあったわ!予約入れました(*≧∀≦)ゞ
      もう図書館にあったわ!予約入れました(*≧∀≦)ゞ
      2019/05/31
    • くるたんさん
      けいたん♪(●'∇')ハロー♪

      おー、予約完了(⸝⸝⸝˃̵◡˂̵ノノ"☆パチパチパチ

      うん、私もミナトホテル、ハチミツ…大人は泣か...
      けいたん♪(●'∇')ハロー♪

      おー、予約完了(⸝⸝⸝˃̵◡˂̵ノノ"☆パチパチパチ

      うん、私もミナトホテル、ハチミツ…大人は泣かない…を読んできたけどこれが一番かな。

      新刊出るたびにパワーアップしてる気がする♡(って、何様だろ)

      あ、今ごろパフェ、実は私も立ち読みしたことあるよ(*≧∀≦)ゞ
      手にした娘さんの気持ち、すごくわかる(o^^o)
      2019/05/31
  • ★4.5

    奇跡が起きなくても、人生は続いていくから。

    大阪市近郊にある暁町。
    閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきんが突然失踪した。
    かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。
    いったいなぜ――?


    「あかつきマーケット」を中心にマスコットの「あかさきくん」や
    マーケットで働く人々やその周りにいる家族・恋人・友人…の、
    13篇からなる連作短編集。

    あかつきマーケットの周辺で暮らす普通の人々、
    子供から老人までの何気ない日常を切り取って、
    一人一人の哀しみや悩みや葛藤・怒り・喜び…色んな感情を
    丁寧に丁寧に描かれていた。
    色んな感情が溢れていた。
    寺地さんはどうしてこんなに人の思い…悩みや苦しみを抱えた人々の
    繊細な心理を描くのが上手いんだろう。
    優しいんだろう…。温かいんだろう…。
    色んな思い出が甦り、想いが溢れ
    何度も何度も涙が零れて仕方がなかった。
    文中にあるのですが、子供に悩みがないなんて言う人は、
    子供の頃を忘れている人だ。という一文。
    私も忘れていた人だった。
    子供の頃、些細な事だか色んな事に悩んだり傷ついたりしてた。
    祖母の事も思い出した…あんなにも愛されていたんだ…。

    登場人物達は、過去の私であったり現在の私だった。
    これから私かもしれない。
    どのお話を読んでも、心に刺さったし、
    心に染入る言葉の数々がありました。

    多くの人が見えない着ぐるみを着て生きているのかもしれない。
    弱さやあさましい気持ちや泣き言や嫉妬を内側に隠して、
    他人には笑顔を見せてる。
    心のバランスが崩れた事がない人なんている?

    沢山泣きましたが、心がじんわり温かくなり
    元気を貰えました。
    明るい日もあれば暗い日もある。
    奇跡は起きなくても一日一日を大切に生きていこう。
    頑張ろうって思えました。

  • 「朝が明るいとは限らない。どんなことがあっても、時間がめぐれば朝はかならずやって来てしまう。ままならぬ思いや不安を抱えて迎える朝はたくさんある。生きていれば、いくたびも」
    やることなすこと何故か空回りしてしまう、ままならない日常を送る人達は世の中にごまんといる。
    そんな、朝が来ることを恐れて夜を安らかに過ごせない人達の背中を、そっと優しく押してくれる言葉が沢山綴られている連作短編集。

    一般的には朝は明るく夜は暗い、と言われる。
    けれど朝が明るいとは限らない、とその日その日をなんとか乗り切ろうと奮闘する人達よ。
    そんなに思い詰めないで。
    肩の力を抜いて。
    大丈夫、頑張り過ぎないで。

    明るい暗いは関係ない。
    朝が来て夜が来る、ただそれだけのことなのだから。
    不安に駆られた人達の気持ちを受け止めそっと励ましてくれる、そんな優しさの連鎖が読んでいて心地好かった。

    困っている人を助けてくれる、しっぽを掴むと幸せになれる、と噂の「あかつきマーケット」のゆるキャラ「あかつきん」。
    私も「あかつきん」のしっぽを掴みに行きたい。

  • 寺地はるなという作家が好きだな。
    デビュー作であるビオレタを初めて読んだときではなく、今、強くそう思う。

    私は本を読むのが好きだ。それはもういつからとかどうしてとか理由とかはじまりを覚えていないくらい本は私の生活の一部だった。
    (今は活字の日に生を受けたからだと後づけでかっこいい理由をつけている)

    今の私は本を読むことの何に楽しさを見出しているのだろうと考えてみて、寺地作品を読んでいてようやくすっきりする答えを見つけられたように思う。
    私は物語に気味の悪い美しさとか理想は求めていなくて、安心したいのだろう。(自分の捻くれた性根からして間違いない。)
    奇跡も美しさも垣間見られない退屈で窮屈な現実世界と続いているところで物語を読みたい。
    こんな毎日を生きてるのは自分だけでないと安心したい。
    余裕がなくなって簡単に誰かを傷つけてしまったり、周りが見えなくなったり、誰かの理想を押し付けられて息苦しくなったり、家族とうまく話せなくなったり、『夜が暗いとはかぎらない』のそこかしらに「私」がいた。
    そして、ぐさりと胸を抉られるような痛みと同じくらい安堵も覚える。

    そうか、私だけではないのだな、と。


    作中に、多くのお気に入りの表現を見つけたのでいくつかご紹介したい。

    “だけど、朝が明るいとは限らない。どんなことがあっても、時間がめぐれば朝は必ずやってきてしまう。”

    これすごいなぁ。朝がやってきてしまう。確かに私にもそんな後ろ向きな気持ちで迎える朝はある。(たとえば毎週月曜日とか)
    それを小説の中で言ってしまえるその潔さがかっこいい。そうだ、朝がいいものだなんて、誰が決めたの?


    “その人の好きは、その人だけのものです。わたしたちの『好き』はわたしたちのものです。世間にすでに存在するパターンに当てはまらないからって、ほんとうに人を好きになったことがないなんて決めつけられたくない。”


    もうここ太字でマーカー引いて、「はい、ここテストでるからね!」と声高に言いたい。昨今の私たちはどうにもいろんな気持ちを既存のパターンに嵌めたがる。そんなものくそくらえだ!と、首がもげるくらい頷いてしまった。


    “ひとりでも楽しそう、というのが柳田を好きになった理由だ、と言ったら、弟は納得してくれるだろうか。もし明日私が姿を消しても、柳田は平気で私と知り合う前の日常に戻っていくのだろうという気がするから安心してつきあえる。君なしじゃ生きていけない、などと言い出す人はあぶなっかしくてこわい”

    これには本当にノックアウトされた。まさに自分がそうだからだ。わかる。わかるよ、瑛子!弟くんが納得してくれなくても私はわかる。瑛子ちゃんとビール飲みたいよ。そんな危うい男など好きになれないよな!!(うるさい)


    挙げたらキリがないほどに私の琴線に触れる表現に溢れている。どのエピソードにも自分が見え隠れしていて、時に読むのが辛くなる。それもまた、本を読む楽しみではないか。しみじみ。

    『夜が暗いとは限らない』に奇跡は起こらない。誰の目にも見えるような大きな変化も、全米を泣かすほどの感動もない。しかしながら、多くではなく少数の人間のハートを深く強く揺さぶる。

    そしてそういう物語は必ず誰かの本棚の10年選手になるだろう。
    BOOKOFFの棚ではなく、私のようなごく一部の人間の本棚の大事な場所にずっとずっと居座ってくれるのだ。
    寺地はるなという作家はきっとそういう作品をずっと書き続けてくれる。そう期待してしまう。


    最後は作中のとあるキャラの台詞でしめようかな。

    『心のバランスが崩れたことがない人なんているの?』

    そんな人なんていないから。誰もがそうだから。
    だから、『私も』、今日を、明日を、生きていく。

  • 『夜が暗いとはかぎらない』うーん、深い!『明けない夜はない』とか『やまない雨はない』とかは言いますが、『夜が暗いとはかぎらない』ですよ。

    この物語を読むとそのタイトルの意味することがよくわかります。ここでその解説を述べるのはちょっと違うと思うので、そこはスルーしておきますが。

    さて、私ごとですが、かなり久しぶりに小説を読みました。久しぶりに読むと、この連作短編集にちょっとビックリしたりします。この人がこうで、えっ!?この人はなんの人だっけ?っていう風に頭がこんがらがったりします。
    でも、新しい発見がありました。連作短編集って、今までは当たり前のように読んでましたが、これって、物語のリレーみたいですね。各章でそれぞれ違う登場人物がいて、それぞれの登場人物がその章では主役になって頑張っています。そして、この寺地さんが描く登場人物はみんなが魅力的で、その各章が終わるたびに凄く寂しい気持ちになります。
    いやぁ、本当にどの章も面白かったし、優しかった。寺地さんが描く物語で共通しているのは、優しさでしょうか。嫌な奴だなと思っていた人も、他の章でその人のいい部分が見えたりします。

    どの章も面白かったんですが、最後は誰が主役になるのかなぁ?と思って読んでいくと、やっぱりこの人ですよね!そして、各章で活躍した人たちもみんな出てきて凄い贅沢な最終章。

    『夜が暗いとはかぎらない』。どの章にもその意味が隠されていると思います。久しぶりに読んだ本がこれで良かった。

  • 読み終わったばかりだが、もう一度読みたいと思った。(若干出てくる人が多くて混乱したし…汗)
    あかつきマーケットを舞台に、丁寧な描写でどんどん繋がっていく人達。(そもそも住んでいる場所が近いから、どこかでは繋がっているのだろうけど。)
    どの人も訳ありな事情を抱えていて、でもそれが直接的ではなくても、いろんな場所でほころびが縫い直されていくような、心が温まる内容だった。
    特にこの人が、というわけではなく、みんなが愛おしくなるような作品。
    良い作品と出会えた。
    生きていくって本当に大変。
    自分もどこかの誰かの心に散りばめられたいなぁ…。

  • 閉店してしまう暁月マーケットとそのマスコット、あかつきん。
    マーケットにゆかりのある人たちの連作短編集。

    出てくる人たちはみんな、仕事や子育てなど、頑張っているのに上手くいかなかったり、家族や友人などの関係に悩んでいたり。みんな誰もが悩みを抱えて生きている。周りの人との細やかな繋がりの中で、「頑張っているんだよ」と励まされ、自分を肯定していく様子は、読んでいて、私自身も励まされている気持ちになる。

    行方不明になり、街に出没し、人助けをするあかつきん。あかつきんの秘密にも励まされる。

    自己肯定感が低くなったり、気持ちが塞がったり凹んだときに何度も読み直したい。

  • 夜が堪らなく怖くて泣いていた。そんな時、人はよくこう言った。「明けない夜はない」。
    朝日が、昼間が怖くてカーテンを塞ぎ震えていた。何をしてもしていなくても、日は沈む。
    『朝が明るいとはかぎらない。』『夜が暗いとはかぎらない。』
    だから私は今日もこの本を抱きしめる。
    同じ人間なんていない。誰もが何かを抱え、朝と夜を繰り返している。貴方と私は違うけれど、どうしてだろう、幸せになって欲しいと願わずにいられない。
    明るくたって泣いても構わないよ。暗くたって無理に笑わなくていいんだよ。
    本当は皆、わかっているはず。
    とめどなく流れ落ち止まらない涙を、決して弱いからだと責めたりしないで。
    死が怖いと想像し、眠れなかったまだ幼き心を忘れないで。色々なことを知り、大きくなるだけで生きている自分を恥じたりしないで。
    貴方は貴方、私は私で良いのだから。
    何処へ行き、何に触れれば幸せになれるのか、それは紛れも無く自分自身だけが知っている。

  • すごく好き。
    出てくる人みんなが生きていた。劇的ななにかがあるわけではない。日常での不満や不安や心残り。それでも生きていく。そんな日々の積み重ね。些細なことやふとしたことで、すこしだけ心を軽くして、でも同じような悩みにまだぶつかって。
    読み終えたら、とりあえずやんなきゃな、というすこしだけ前向きな気持ちになれた。
    多分、少しでいいんじゃないかな、て。

    ただそこにある、いる、だけ。
    覚えていても忘れていても、それは変わらない。知らず知らずに、だれかに溶け込んでいる。思い出さなくても。そういう考え方がとても好き。

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著者プロフィール

寺地 はるな(てらち はるな)
1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第四回ポプラ社小説新人賞を受賞。
著書に『ミナトホテルの裏庭には』『月のぶどう』『今日のハチミツ、あしたの私』『みちづれはいても、ひとり』『架空の犬と嘘をつく猫』『大人は泣かないと思っていた』『正しい愛と理想の息子』がある。

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