9月1日 母からのバトン

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本棚登録 : 413
感想 : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591163603

作品紹介・あらすじ

TBS系『ビビット』や日テレ系『newszero』など各所で話題。

どうか、生きて。

■内容
「死なないで、死なないで……。今日は、大勢の子どもが自殺してしまう日なの」

2018年9月1日、病室の窓の外に向かって、言葉を詰まらせながらつぶやいた母。遺された娘は考える。彼女はいったい何を伝えたかったのだろうか。


本書は樹木希林さんが遺した言葉と、それを受けて内田也哉子さんが考え、対話し、その末に紡ぎだした言葉をまとめた一冊だ。この「ままならない人生を生きる意味」とは何なのか。今、生きづらさを感じるすべての人に贈りたい「命」の物語。

感想・レビュー・書評

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  • どうか、生きて。『9月1日 母からのバトン』 | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]
    https://www.asahi.com/and/article/20191111/401035347/

    内田也哉子 母・樹木希林から受け継ぐ「9月1日」への思い|NEWSポストセブン
    https://www.news-postseven.com/archives/20190829_1441140.html?DETAIL

    9月1日 母からのバトン|一般書|エッセイ|本を探す|ポプラ社
    https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008250.html

  • 「9月1日が来るその前に読まなければ」
    そんな思いに駆られて、読みかけの本を一旦閉じ一気に読みました。

    自分も中学時代に不登校を経験しましたが、その時はいじめなどの明確な理由があったわけでもなく、在籍していた野球部のハードな練習についていけず、しかも自分の下手さも嫌という程痛感していたため、ふと
    「こんなに頑張ることの意味って何だろう?人間なんていずれ絶対死ぬのに。自分の様な能無しは努力したところでたかが知れてるんじゃないのか?」
    そんな風な気持ちになり、野球だけでなく何に対しても無気力になり、家にこもってしまいました。
    一見何の問題もなさそうに見える子が、ある日突然身動きが取れなくなる可能性はある、と本当に思います。

    その後学校に戻れたのも、今振り返ると笑い話の様ですが「家にこもり続けるのもつらくなってきた」からでした。
    このあたり本書にある内田裕也さんの「グレ続けていくっていうのも苦しいんだ」という言葉は身にしみてよく分かります。

    9月1日をただのありふれた1日に戻すには、社会全体の理解が必要だと思います。時間もかかるでしょう。
    そのためのきっかけとして本書を少しでもたくさんの人が手に取ることを願います。

  • 心が疲弊した状態だった大人である私にも深く刺さる1冊でした。
    目の前に出口があるのに、闇の中にいる人には見えなくなってしまっている状態。という最後のロバート・キャンベルさんとの話はとても腑に落ちました。

  • てっきり樹木希林さんと内田也哉子さんの親子エッセイかと思って読みはじめたところ、不登校の子どもについての本だとわかりました。
    タイトルの「9月1日」は子どもの自殺が一年で最も多い日だということも。

    樹木希林さんの女優としての歩みについても語られています。余った衣装を着たり、仕事も「これでい」というスタンスでやってこられて、結果、女優として大成功。
    今の人たちがあまりにも失敗をおそれたり、周りからどう見られるかを意識しすぎて、子どもに「外れないこと」を求めるあまり、子どもを苦しめてしまうパターンもあるのだとわかりました。
    「色々あっても、自分みたくなんとかなるものよ」と樹木さんは伝えたかったんだろうなと感じました。

    内田也哉子さんと識者の方々との対談も読みごたえがあります。

    良書です。

  • 以前樹木希林の葬儀の弔辞か何かを聞いてから、ずっと内田也哉子の何かを読みたいと思っていて、とりあえず手にとった本。
    対談形式だったので、内田也哉子の訥々としたしゃべり方が頭の中でそのまま再生されていた。あの話し方だから余計に入ってくるものがあり、受け止めやすかったように思う。

  • 9月1日を、特別な1日と意識せずに学生時代を過ごせた自分は幸せなのかもしれない。

    学生の「不登校」や「自殺」をテーマにした対談を軸とした一冊だけれども、人間関係がある以上、どの世代にも大切な学び、気づきのある一冊。

    樹木希林さんの想い、そして、それをより多くの人につなげたいのバトンを受け取った内田也哉子さん。母娘の「人」、「命」への「愛」、「慈しみ」、「敬意」の詰まった本でした。

    出会えてよかった一冊。

  • 『感想』
    〇学校は無理してでも行かなければならないところなのだろうか。無理して、自分が自分でなくなってしまうのならば、行かなくてよい。

    〇そうは思っているが、自分の経験として、つらくとも踏ん張って行き続けたことで今があるのは事実。

    〇この手の問題は、他人に言えることと自分に近い人に言えることとが違うところ。

    〇それが相手を苦しませている。だから外部に頼らなきゃダメ。

    『フレーズ』
    【樹木希林】
    ・人間は自分の不自由さに仕えていくの。不自由さに仕えて成熟して、人生を終えていく。(p.13)
    ・これからの世の中は、目に見えるものしか信じないか、目に見えないものを受け入れるかで、ずいぶん歩いていく道が違ってくると思うんですね。(p.47)

    【関川省吾】
    ・許すということは自由になることだって、僕は知ったよ。(p.190)

  • ─印象に残った言葉─

    「自分をよく見せようとか 世間におもねるとかしなければ楽になる」

    「方向を変えればいい もっと楽な方に行けばいい」

    「同じ痛みを抱えた人が寄り添ってくれるのはすごく力になる」

    「人の苦しみは自分がその場に立ったときにはじめてわかる わかってもらえなくて当たり前と思ったときにもっと楽になれる」


  • 最後まで読んで、タイトルの意味がストンと落ちます。

    9/1は、いじめが苦で自殺してしまう子がいちばん多い日。子育てをしているのに、知りませんでした。ごめんなさい。
    だから昨年の夏、「9/1までに読み終わらなきゃ」と自分を急かしたことを思い出しました。

    樹木希林さんは、いろんな出演依頼を断っていたけれど、いじめに関することお話の回などは、ノーギャラでも出ていたと。
    病床でも「どうか、死なないで」と空を仰ぎながらつぶやいていたそうで、そのことから遺された娘である内田也哉子さんが、「生きることがままならない」いろんな方と対話し、まとめ上げられた一冊です。

    ここ2,3年、わたしも「生きるって、なんて難しいんだろう」と思って過ごしているので、食い入るように読みました。

    「許す、ってなんだろな」っていう問いも禅問答のように、わたしにつきまとってるけれど、それが解けたのが、今回の収穫です。

    「許して、はじめて生きられる」も正解だし、「許せないこと」も「許される」。

    他に学んだことはこちら↓
    ○本人が傷ついているという、その気持ちを肯定しないと、本人が苦しい

    ○学校に行けない人が何に苦しんでいて、どうして命をかけてまでそこに行かないのかという現実をひっくり返したときに、そこには学校を良くするヒントがいっぱいあるはずなんです。

    あと、ロバートキャンベルさんが引用された、井上陽水さんの「海へ来なさい」の歌詞の繊細な達観が素晴らしかったので、貼っておきます。

    太陽に敗けない肌を持ちなさい
    潮風にとけあう髪を持ちなさい
    どこまでも泳げる力と
    いつまでも唄える心と
    魚にさわれるような しなやかな指を持ちなさい

    海へ来なさい 海へ来なさい
    そして心からしあわせになりなさい

    風上へ向かえる足を持ちなさい
    貝殻と話せる耳を持ちなさい
    暗闇をさえぎるまぶたと
    星屑を数える瞳と
    涙をぬぐえるような しなやかな指を持ちなさい





  • 番外編:「あの人だって、本を書く」樹木希林,内田也哉子/著
    樹木希林
    https://fuksi-kagk-u.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=872361

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著者プロフィール

1943年東京都生まれ。女優活動当初の名義は悠木千帆、後に樹木希林と改名。文学座附属演劇研究所に入所後、テレビドラマ『七人の孫』で森繁久彌に才能を見出される。ドラマ『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『ムー』などの演技で話題をさらう。出演映画はきわめて多数だが、代表作に『半落ち』『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』『歩いても 歩いても』『悪人』『わが母の記』『あん』『万引き家族』などがある。61歳で乳がんにかかり、70歳の時に全身がんであることを公表した。夫はロックミュージシャンの内田裕也、長女にエッセイストの内田也哉子、娘婿に俳優の本木雅弘がいる。2018年9月15日に逝去、享年75。

「2019年 『心底惚れた 樹木希林の異性懇談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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