活版印刷三日月堂 空色の冊子 (ポプラ文庫)

  • ポプラ社
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本棚登録 : 198
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591164808

作品紹介・あらすじ

<内容紹介>
小さな活版印刷所「三日月堂」。
店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉――。
弓子が幼いころ、初めて活版印刷に触れた思い出。祖父が三日月堂を閉めるときの話……。
本編で描かれなかった、三日月堂の「過去」が詰まった番外編。

<プロフィール>
ほしおさなえ
1964年東京都生まれ。小説家。1995年『影をめくるとき』が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』にて、第12回鮎川哲也賞最終候補。『銀塩写真探偵』『金継ぎの家 あたたかなしずくたち』「菓子屋横丁月光荘」「活版印刷三日月堂」シリーズなど著作多数。

感想・レビュー・書評

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  • 2020/1/18(土曜日)

  • よかった。
    いろんな時代の「三日月堂」の周りの話。

    弓子のお母さんのカナコさんの友達の話が胸にささった。

    こう見てみると、弓子がいろんなものを失って天涯孤独と言ってもいい身の上から、一つ一つ川越で積み上げていった道のりへの本編への繋がりがわかっていい。

  • ここに載せられたひとつ一つのストーリーは
    完結したシリーズから生まれたスピンオフ。

    …などとは決して言わせない。絶対に違う。

    あの素敵なシリーズの厚みは
    こんなにもたくさんの時間と
    優しくて弱い人々の人生があったからなんだと
    素直にそう思った。

    初めて読むのに…すべて知っていた。
    全部、弓子の物語の中に溶け込んでいた。

    何もかもあってこその弓子。そして三日月堂。

  • 地方で暮らす中で、いろんな意味で得るものがあるお気に入りのシリーズだから、この番外編も楽しみに読む。昨年は川越市に泊し、烏山稲荷神社まで訪ねちまった。閑静な神社脇のこのあたりが三日月堂の舞台かなと、マニアックな旅の喜びに浸る。活版印刷っていえば、映画寅さんでタコ社長が経営する朝日印刷を思うんだけど、三日月堂は弓子さんのホームだし、もっとこぢんまりと小綺麗なイメージだ。我がまちにはもうないな。酒屋も自転車屋も本屋も、まさかなくなんないだろうと思っていた店がどんどん畳まれた。

  • シリーズ0というポジションな1冊だった。
    これまでのシリーズの登場人物がそれぞれの
    主人公になってその人目線で話しが描かれている。
    私的には、やはり主人公の弓子が川越に来る直前の話しが一番印に残った。
    家族がみんな居なくなって、決意した引っ越しの時に大学の友達がそばにいたことにホッとした。
    次回は今の弓子の話しが読みたい。

  • 活版印刷三日月堂のスピンオフ小説、かな。弓子や三日月堂の原点や優しいエピソードたち。温かい。弱い人もいるが、この小説の登場人物に救われる気持ちになる。川越に行ってみたいなあ。

  • やっぱりいいです。
    気持ちがシーンとして、良い気持ちになる。
    そして活字の壁を見てみたい❗️

  •  なにかにならなきゃ、いけないの?
     なにものでもなく生きていく、ことって、そんなにいけないことですか?

     なんでさ、誰もが皆、何かになろうとして夢破れてなきゃいけねぇんだよ。挫折してるひとのほうが偉いの? 格好良いの? それとも挫折しているひとがあまりに多すぎて、その層に受け入れられる物語じゃなきゃ売れないの? 相憐れんでろよ、って某黒魔術士の台詞が、20年くらい目に焼き付いたままでいる。
     乗り越えりゃいいってもんじゃ、ないだろう。乗り越えられるほうの身にもなってみろ。菱田さん何処行ってん。


     な、なんかとんがってますね今晩和!
     しばらく天帝のよりまし生活してたら荒んでしまったようです。
     いま「すさんで」って打ったら第一候補が「遊んで」だったんだけどなんて脳天気な子なのかしらこの子…将来が心配ですね。

     活版印刷三日月堂、シリーズ番外編、というか前日譚、というか。
     本編で主人公となったひとたちの、そのひとたちが主人公となり得た源流、というか。過去、が詰まった、という謳い文句だけれどちょっと詰め込みすぎかなぁ、という感じ…それぞれの掌編で示したい図式があまりにも明確で、それを示す言葉も明確すぎて、ちょっと物語が素直で綺麗すぎるかな、という感じがしました。優等生タイプ。

     図式が明確なぶん、腹立つひとには明確に腹立つしね…また出ましたね、こう、ステレオタイプなステレオタイプ、みたいな…もういっそ名前付けちゃおうかな。
     それともこういう男って本当に居るの? もしかしてわたしそういうのに出会わずにやってこられた幸せ者?


     単純なことなんだけれど面白いな、と思ったのは本編主人公の弓子さんのキャラクタが、急にとても幼く見えていて。
     勿論前日譚なのでそれは当然なんだけれど、それだけじゃなくて、大きな原因は本編では既に天涯孤独になっていた弓子さんが、この一冊の中では最後の一編を除いて常に家族、の中に居たということなのかなぁ、と。
     そういう、弓子さんの人間味、みたいのを感じられるのはシリーズファンにとって良いのではないでしょうか。
     ちなみにオレはフレーズで引用してるシーンの弓子さん、いや弓子ちゃんが凄く好き。この台詞回し完璧だと思います。


     オレの栞との相性はばっちり、だったので☆2.8といったところ。
     あああの白いそらの帯がみんな星だというぞ。

  • 完全にシリーズを読んでる人向けだと思う。
    弓子の周りの人たちのサイドストーリー。
    それぞれの章で完結しているので、短編集として構成されている。
    独特の悲しみの世界に久々に触れた気がする。

  • 小さな活版印刷所「三日月堂」。店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉―。弓子が幼いころ、初めて活版印刷に触れた思い出。祖父が三日月堂を閉めるときの話…。本編で描かれなかった、三日月堂の「過去」が詰まった番外編。

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著者プロフィール

ほしお さなえ
1964年東京都生まれ。作家・詩人。父に翻訳家・評論家の小鷹信光、夫に作家・思想家の東浩紀。
東京学芸大学卒業後、理工系出版社、大学研究補佐員をへて、作家活動へ。
95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞して詩人としてデビュー。2002年には長編小説『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年に刊行された『活版印刷三日月堂 星たちの栞』が話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気シリーズとなる。

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