- Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591167120
作品紹介・あらすじ
ぼくの仕事は野生の生き物たちを写真におさめることだ。毎年のように、南のあたたかな海ぞいにある、たくさんの生き物たちにであえる森をおとずれている……
そして、夜。「ここはオレたちの森だ」と、ぼくの目の前にあらわれたのは、真っ赤な顔をしたギョロ目のおばけ? 魔物? 妖怪? 怪物? 「これからおまえに森を案内しよう」という声に、ぼくはおびえながらも、いっしょに森に入っていった。
そこでぼくがであったのは、みずからを「もののけ」となのる、さまざまな生き物たち。怪しい声で叫ぶもののけたちの話を聞いていると、みな、人間のことをきらっているよう。
そして、ぼくは、ひとはこれまで自然のありさまにおそれと感謝の念を抱き、いのりをささげ、ともに生きてきたことを思い出す。しかし、いまひとはおそれを忘れ、とりかえしのつかない破壊をくりかえしている……。
世界中の森で生き物たちに出会い、森林破壊のようすに心をいためてきた環境ジャーナリストの藤原幸一が、インパクトある写真と構成で、森とひとがともにくらすための心のありようをわかりやすく語る、新しい切り口の写真絵本。
感想・レビュー・書評
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表紙の写真が印象的ですよね。
中身も、人の住む世界とは違う世界のような森の写真が出ています。
もののけに案内されて夜の森に入ったカメラマンの著者の前に現れたもののけたち。
人間は来るな。
森の命は自分達が守る。
著者は森の主である巨木の前に出る。
むかし人間は豊かな自然の恵みをもたらす森に精霊や神の存在を感じて大切にしていた。
森は死んだ生物、倒れた植物を土に還す。その土から新たな生命が芽生える。
だが今は人間は森の仲間ではない。
人々が森に神やもののけを感じ畏れ敬っていた。
人間も生と死のサイクルの一員として、自然の森と共生してきた。
今では人間は精霊信仰をなくし、自然は人間のための道具だとみなすようになっている。
人間も自然の一部として、”違うもの”を敬う気持ちを持っていたいですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示
著者プロフィール
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