ほたるいしマジカルランド (一般書 326)

  • ポプラ社 (2021年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (283ページ) / ISBN・EAN: 9784591169032

作品紹介・あらすじ

大阪の北部に位置する蛍石市にある老舗遊園地「ほたるいしマジカルランド」。「うちはテーマパークではなく遊園地」と言い切る名物社長を筆頭に、たくさんの人々が働いている。アトラクションやインフォメーションの担当者、清掃スタッフ、花や植物の管理……。お客様に笑顔になってもらうため、従業員は日々奮闘中。自分たちの悩みを裡に押し隠しながら……。そんなある日社長が入院したという知らせが入り、従業員に動揺が走る。

感想・レビュー・書評

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  • 『遊園地ってなんのためにあるんやと思う?』

    かつては日本全国のそこかしこに点在した遊園地。その数は、ここ二十年ほどで三分の二へと激減しているようです。鉄道の駅名にその痕跡をとどめるだけのものなど、私たちが非日常を求める場所の栄枯盛衰を感じるのは悲しいことでもあります。そういう私自身、そんな場所へと足を運んだのがいつのことかすぐに思い出すことができません。自ら足を運ばないにも関わらず、そんな場所が減って行くことを嘆く資格はないのかもしれません。

    さて、そんな非日常の場を提供してくれる遊園地のことを思い浮かべるとそこにはどんなイメージが思い浮かぶでしょうか?カラフルに彩られた園内、思わず顔が綻ぶキャラクター、そして私たちに非日常を感じさせてくれる数々のアトラクション。それらが一体となって、私たちは、辛い日常を忘れて『ひとときの夢』をそこに見ることができます。しかし、よく考えてみてください。そんな夢の世界は自然に出来上がるものではありません。興奮に満ち溢れたゲートで私たちを優しく出迎えてくれる人、チリ一つない美しい園内を維持してくれる清掃員、そして私たちに決して姿を見せずその裏側で様々な問題を管理しているスタッフたち。そう、私たちが非日常の舞台に心躍らすその舞台裏には実に多くのスタッフの存在があるのです。しかし、そんなスタッフもそれぞれは一人の人間です。夢の舞台を提供する一方で、私たちと同じように、悩み、苦しみ、そして喜びを感じる、そんな人としての生活を営んでいます。

    この作品は、そんな遊園地のスタッフに光を当てる物語。そんな遊園地のスタッフの喜怒哀楽を感じる物語。そして、それはそんなスタッフが作り上げて行く夢の舞台の裏側を見る物語です。

    『「ほたるいしマジカルランドまであと529歩」という巨大な看板を横目に、改札を通り抜けた』のはこの短編の主人公・萩原紗英(はぎわら さえ)。『大阪北部に位置するこの蛍石市』にある『ほたるいしマジカルランド』のインフォメーションで働く紗英は、『迷子の預かり、落としものの受付、その他諸々』を担当しています。『大学に入った年に』アルバイトを始めた紗英は、『そろそろ就職活動をはじめなければというタイミング』で『社員登用試験』を受け社員になって五年の歳月が流れました。『制服に着替え、髪をひとつにまとめ』、毎日行われる朝礼に臨む紗英。そんな朝礼に『出張などの例外を除いて』欠席したことのない社長のことを思う紗英は、『トレードマークである白いフリルつきのワンピースとつばの広い帽子』を思い出して『むりやり詰めこんできた朝食が胃の中でずしりと重く』なるのを感じます。社長のことを『胃もたれをおこさせるにじゅうぶんなあくの強さをもつおばさん』と感じている紗英。しかし、そのあくの強さが『地方都市の、よくある地味な遊園地』に注目を浴びさせるきっかけとなりました。『テレビコマーシャルに自ら出演し』、『名物社長と呼』ばれる社長の国村市子。しかし、『最近、気になる噂』を耳にした紗英。それは、『蛍石市』出身の女優・木村幹が『ほたるいしマジカルランドの広告』に起用されるというものでした。そんな木村のことを『特別な存在』と考えている紗英。そんな時、朝礼が始まり、『社長の姿が、今日は見えない』ことに疑問を抱く紗英。それ以外はいつも通りの流れで進んだ朝礼で『最後に報告があります』と主任が語り出しました。『本日よりしばらく、社長が休養に入られます』というその内容に『顔を見合わせる』スタッフたち。『入院中なんです』と続ける主任は『たいした病気ではありませんので、皆さんはいつもどおり業務に集中してください』と話を終えました。『社長はたぶんもっと重い病気やと思う』と噂話の中に『社長交代かもしれへんね』という声も聞こえるその場。そして始まった遊園地の一日。そんな時、狼狽した一人の『白髪の男性』が入ってきました。『ゆうに八十歳』を超えているその男性は『孫となあ、はぐれてしもてなあ』と写真を取り出して話し出しました。『お名前は?』『年齢は?』と訊いても『芳しい回答が得られない』状況の中、『日本語が話せない』数名の男女が入ってきてその対応に気を取られた紗英。気づくと先程の老人は姿を消していました。『やってしまった』と思い、外に飛び出した紗英。そんな紗英の働く姿とともに『ほたるいしマジカルランド』の一日が描かれていきます…という最初の短編〈月曜日 萩原紗英〉。作品全体の導入パートも担う短編として、『ほたるいしマジカルランド』の全体像が自然と頭の中に浮かび上がってくる好編でした。

    『大阪北部に位置する』蛍石市にある『ほたるいしマジカルランド』。大阪に実在する”ひらかたパーク”をモデルにしたという、そんな夢の遊園地を舞台に六人の人物を各短編に主人公として登場させながら、彼らが働く遊園地の日常が連作短編の形式をとって描かれていきます。まず舞台となる遊園地です。作品にもある通り『地方都市の、よくある地味な遊園地』だという『ほたるいしマジカルランド』。昨今、少子高齢化も相まって、日本各地にあった遊園地が次々と閉鎖されているのはよく報道されるところです。この作品で取り上げられる『ほたるいしマジカルランド』は、そんな中で『マジカルおばさん』、『名物社長』と呼ばれる社長の国村市子の強烈なキャラクターによって注目を浴びている、そんな設定がなされています。『ただのパートタイマーから社長にまでのぼりつめた』というエピソード付きで人々の関心を集める社長の市子。埋没しないためには何かしら、世の人々を振り向かせるきっかけが必要です。そんな遊園地は、『石好き』な『社長の趣味』もあって、その『アトラクションの多くは、石の名前がつけられてい』ます。私は石に特に興味はありませんが、一方で石といっても例えば美しい宝石を見て無関心というわけではありません。そんな宝石の名前がアトラクションと合体すると、何故か気持ちが掻き立てられるから不思議です。そんなアトラクションを幾つかご紹介しましょう。

    ・『オパールのマジカル鉱山』: 『鉱山を模した建物内の数カ所に設置されたクイズを解』いて『クリアすると景品として宝石(樹脂製)がもらえる』という『謎解き型アトラクション』

    ・『サファイアドリーム』: 『高台にあって、首をひねると下方の広場が見渡せ』、園に来る人々を迎え、見送るという『観覧車』

    ・『フローライト・スターダスト』: 天井部分に『ヴェネチア』の街並みが描かれ、『あざやかな緋色の鞍は白馬』を映えさせるという『二階建てのメリーゴーラウンド』

    という感じで絶妙なネーミングをもってアトラクションの数々が紹介されていきます。そこに浮かび上がるのは、キラキラとした美しい宝石のような、『ひとときの夢』を来場者に見せてくれる、そんな遊園地の魅力溢れる光景です。こんな遊園地があるのであれば是非行ってみたい!、一貫した雰囲気感に包まれる遊園地の描写の数々にとても魅せられました。

    そんなこの作品は、六人のスタッフが一人づつ登場する〈月曜日 萩原紗英〉から〈土曜日 三沢星哉〉までの六つの短編と、物語を締めるかのように位置づけられる〈日曜日 すべての働くひと〉の合計七つの短編から構成されています。私たちは遊園地を訪れて、そこにスタッフの存在を感じるでしょうか。『遊園地を訪れる多くの人にとって、そこで働く人間は風景の一部にしか見えない』というのが実際ではないでしょうか?受付、遊具の係員、清掃員、植栽の管理員、そして管理業務にあたるスタッフ…と遊園地を運営していくためには数多くのスタッフが必要です。この作品ではそんなスタッフの視点から、自分たちにも『彼らと似た、けれども同じではない日常と生活があり、その積み重ねてきた人生がある』という側面でスタッフたちの人生が描かれていきます。そんな物語は、一方で一人の人間でもあるスタッフが主人公となる物語でもあります。『清掃スタッフとしてこのほたるいしマジカルランドに通うようになって、もう一年以上経つ』という清掃員の篠塚八重子は、『自分と世間とのあいだには、いつもすこしだけずれがある』と感じながら生きています。『母親失格や』と言われ、夫と離婚し、息子を手放し、つつましい生活を一人送る八重子。そんな八重子は『目の前のことをやるしかない』と仕事に誇りを持って取り組んでいきます。そんな八重子がささやかな幸せを見る物語は、頬に温かいものが流れる瞬間を感じさせる物語です。また、『ほたるいしマジカルランドの植物を管理するようになって、もう二十年近くになる』というガーデナーの山田勝頼は、一方で『玲香の父親としてしっかりせねば』という家庭での役割に悩んでいました。そんな勝頼が『日曜日に、山田は四十二年勤めたほたるいし園芸を退職する』という人生の一区切りを迎える瞬間を見る物語は、普段私たちの意識の外にあるスタッフにも自分たちと同じような人生の営みがあることを感じさせてくれました。そして、それらスタッフたちのその後を描く最後の短編〈日曜日 すべての働くひと〉が物語を締めくくります。物語の大団円としてスタッフ全員が登場するその物語には、『ひとときの夢を見るため、人びとは遊園地にやってくる』という私たちのために、それぞれの持ち場で遊園地を支えていくスタッフの頼もしさと、優しさを感じさせる物語が描かれていました。

    『たいていの人生は、ドラマチックではない』という私たちの人生。そんな私たちに『ひとときの夢』を見せてくれる遊園地。この作品では、そんな遊園地の舞台裏で今日も働き続けるスタッフの人生を見ることができました。『遊園地ってなんのためにあるんやと思う?』という問いの答えを求めながら今日も私たちを笑顔で迎え入れてくれる遊園地のスタッフ。そんな問いには『正解など』ありません。それは、私たちの人生のあり方に決して正解などないことと同じなのだと思います。

    夢に遊ぶかのような遊園地を舞台に、その舞台を地道に作り上げていく人たちの生き様を丁寧に描いたこの作品。美しく彩られた遊園地の世界観の中に、人々のささやかな人生の営みを感じた、そんな素晴らしい作品でした。

  • じんわりと心があったか〜くなる。
    この本がとても好きになった。
    登場人物みんなそれぞれいい。
    張り切りすぎず、やるべきことをやる。
    仕事ってこのくらいのモチベーションでやるのがちょうどいいと思う。

    ありのままの自分を受け止めてくれる存在は心の支えになる。
    私も市子さんや照代さんのように懐の深い人でありたいな。

  • お目当ての本が見つからなくってタイトルに抱かれてジャケ借りしてしまった初読みの寺地はるなさんの本。
    若い頃は遊園地大好きでしたww まずは観覧車に乗って高いところから園内のアトラクションの位置を確認把握して絶叫系の乗物やら目指して乗りまくって疲れたら食事して、最後に乗るのはメリーゴーラウンドでしたww 
    大阪の北部にある「ほたるいしマジカルランド」老舗の遊園地で働く人達のお話、名物女社長の入院中1週間が各章になって綴られてました。
    仕事に対して、悩みや不満、コンプレックス、ぼんやり過ごしたり、必死に働いたりと人それぞれ。
    仕事にどう向き合うか人生の大半を仕事に費やすなか、その人の生きざまが映る。仕事が辛いってゆうことは人生が辛いってことだしやりきれない。
    何の役に立たないことが存在を許される豊かさにほんのり暖かいものを感じました。
    清掃員のおばさんと、定年間際のガーデナーのおじさんの話がじーんときました。長いこと働いてると深みが違いますね。

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      しじみさん、かなさん、こんばんは〜♪
      私、ひらかたパークって一度も行ったことないし遠くて行けそうもないからしじみさんのようにストリートビュー...
      しじみさん、かなさん、こんばんは〜♪
      私、ひらかたパークって一度も行ったことないし遠くて行けそうもないからしじみさんのようにストリートビューの園内散歩してみましたよ(笑)
      観覧車がとても印象的で素敵なところでしたね(*^_^*)♡〜
      2023/09/03
    • かなさん
      しじみさん、
      チーニャさん、こんばんは♪
      私も、ひらかたパークには遠くて行けそうもないので
      ストリートレビュー園内散歩してみました(^...
      しじみさん、
      チーニャさん、こんばんは♪
      私も、ひらかたパークには遠くて行けそうもないので
      ストリートレビュー園内散歩してみました(^O^)/
      すごくいいところですよね!!
      しじみさん、寺地はるなさんの作品は
      どれも結構いい感じにハマれますよ(*^^)v
      2023/09/03
    • つくねさん
      おはようございますw
      チーニャさんもかなさんも、バーチャルツアーですか(*≧∀≦*)
      楽しいですよねっw
      そんな遊園地好きのお二人にと...
      おはようございますw
      チーニャさんもかなさんも、バーチャルツアーですか(*≧∀≦*)
      楽しいですよねっw
      そんな遊園地好きのお二人にとびきりの情報ですっw
      豊島園は無くなってハリーポッターのスタジオツアーになったんだけど
      ストリートビューではまだ更新されてないので
      豊島園に遊びに行けるんですよ。タイムスリップしたみたいでなんかいいでしょ(*≧∀≦*)
      日本一古いメリーゴーラウンドも見れますので是非是非遊んできてー

      寺地はるなさんもたくさん読みたーいっw

      2023/09/04
  • 遊園地で働く人たちのお話。
    とりあえず働いている、お金のために働いている‥‥好きなことじゃないけど、楽しくなんかないけど‥‥
    そんな、ちょっと自己肯定感の低い感じの登場人物たち。
    だけど、大事なのは『お仕事だから(仕方がない)』と思いつつも、目の前のことをやり続けること。
    そして、「がんばってるやん、て自分に言うたげる」こと。
    「他人からの評価や肯定をあてにすれば、どこかで行き詰まる」から。

    〜自分を幸せにできるのは自分だけ〜

    誰かに幸せにしてもらおうとか、誰かを幸せにできるか、なんてそんなのナンセンスですね。
    登場人物みんなが、ちょっとしたきっかけで前向きにお仕事ができるようになってほんわかしたラストで良かったです。

    相談された人が相手に向かって
    「知らん!自分で考えろ!」
    って何回か出てきた‥‥その度に吹き出しました。
    ですよね〜自分で考えて出した答えが正解なんですよね。

  • ほたるいしマジカルランドはひらパー、社長はアパホテルの社長のイメージを頭に浮かべながら読んだ。
    1週間日替わりで、主人公となる従業員が変わっていく。寺地さん、ちょっと影がある普通の人を書くのがやっぱり上手いなと思う。
    楽しい遊園地が舞台だけど、読んでいる間は遊園地自体に気を取られることなく、「人」に意識が向いていた。働く人の目線で描かれ、あくまでそこは職場という風に映っていたからかな。
    こういうバックヤード側からの見せ方が面白いなと思った。
    登場人物それぞれの日常や心の内を、ちょっと覗き見したような気分。
    そこで働く人のタイプはバラバラなんだけど、気がついたらみんな一生懸命仕事をしているし、同じ方向を見ているところが、やっぱり社長の手腕なんだろうな。

  • じんわりと染み込むような
    心地のいい作品でした


    個人的にお仕事の話は好きなので
    遊園地で働く人はなしと聞いて
    手に取りました

    想像してた感じとは違ったけど
    とてもよかったです


     
    何か特別なことが起こるわけではないけど
    些細なことがきっかけで
    見方や考え方が変わっていく

    そんな姿が
    自分の心も少しシャキッと
    改めさせてもらいました



    作中に出てくる

    『たいていの人生は
    ドラマチックではない
    でも小さく変化する瞬間は
    きっといくつもあるのだ』

    というのが
    まさにこの作品のことを言ってるなと思いました




    あとはちょっと自分も
    心がけていきたいなってことが
    いくつか出てきました


    元気がなくなりそうな時は
    温かいものを飲む

    空腹時に込み入った話をしてはいけない

    他人に認めてもらえるのを待つのではなく
    自分で自分を肯定してあげる



    少しずつ自分が取り入れていけたら
    ちょっとずつ良くなっていきそうです(^^)

  • 柔らかく包まれる一冊。

    遊園地を舞台にそこで働く従業員達が抱える様々な思いを描いていく物語。
    序盤から、あ…好きだなと感じる世界。

    自分は今、金銭を得る仕事はしていない。
    そんな自分に劣等感を時々罪悪感さえも感じていた。

    でも寺地さんはそれを覆す言葉をくれた。

    自分のくすんでいた心もちょっと光を取り戻す感覚。

    どんなことだって巡り巡って誰かの喜びに繋がればそれは立派な仕事。
    誇りを持って良いよね。

    寺地さんの紡ぐ言葉はいつでも誰もを肯定し、包み込んでくれる優しさの宝庫。

    言葉を拾い集めるたび柔らかく包まれる、その瞬間が好き。

  • 多くの読友さんが読む寺地はるなさん、初読み。若干暗く、でも透明感がある独特な雰囲気だったが、それぞれの人生を回想するには正にその雰囲気を醸し出した。ほたるいしマジカルランドの社長・国村市子の手術前後の1週間は職員の人間関係が一気に動く。人生は宝石のようにイビツで尖り、でも丸かったり、人生の紆余曲折を示して様だった。自分で一生懸命に磨けば自分にには光輝いて見えるのだろう。遊園地とは普段の生活から離れて「夢」を見るための場所。職員が輝いていないと相手に夢を見せられない。でも職員、客、家族、色んな夢が見えた。

  • 遊園地で働く人たちの群像劇。

    自分に対する評価って必ず正しいとは限らない。
    だいたい低すぎるか高すぎるかだ。
    他人からの評価の方が案外マトを得ているときがある。
    自分では気づけない良さや悪さが、たぶん誰しもにある。
    そして、自分のことを人知れず見てくれてる人がきっといる。社長のように。

    二階建てのメリーゴーラウンドは私は一度も見たことがないのだけれど、本当に存在するものなのだろうか。私も2階の馬に乗ってみたいと思った。
    遊園地やミニ動物園、ガーデンと、それから色とりどりの宝石の名前を冠したアトラクション。
    ほたるいしマジカルランドの地図が載っていればよかったと思うほど、どんなところなのか見たくなった。

    ふんわりとした終わり方だった。
    結局社長etcはどうなったんだろう…

    • 衣瀬*海外育児中さん
      こっとんさんこんにちは!
      私もびっくりしました。今回は1日差でしたね…!笑
      今後はより、こっとんさんの本棚に注目します(ΦωΦ)笑

      寺地は...
      こっとんさんこんにちは!
      私もびっくりしました。今回は1日差でしたね…!笑
      今後はより、こっとんさんの本棚に注目します(ΦωΦ)笑

      寺地はるなさんはふんわりとして、あえてはっきりとした結末を描かないのが良さなのかもしれないですね。
      2021/06/04
    • しずくさん
      フォローして下さってありがとうございます。
      今、本作の3分の2ぐらい辺りまで読み進んでいます。昨日も頷ける文章が次々に書かれていて、生き方...
      フォローして下さってありがとうございます。
      今、本作の3分の2ぐらい辺りまで読み進んでいます。昨日も頷ける文章が次々に書かれていて、生き方のバイブルになりそうです(*^-^*)
      2021/07/02
    • 衣瀬*海外育児中さん
      しずくさん、こちらこそフォローありがとうございます♪
      なんと、今まさに読んでいる本なのですね!
      誰も傷つけない、あったかくて、気力が出る作品...
      しずくさん、こちらこそフォローありがとうございます♪
      なんと、今まさに読んでいる本なのですね!
      誰も傷つけない、あったかくて、気力が出る作品だと思います(*^^*)
      2021/07/02
  • 大阪の蛍石市の遊園地、「ほたるいしマジカルランド」で働く人達の物語…。社長を筆頭にインフォメーションやアトラクションのスタッフ、清掃作業員やガーデンの植物や花の管理を行うガーデナーなど…様々な立場の登場人物達が描かれている…。

    心に残ったのは、清掃作業員の篠塚八重子さん…おにぎりのサイン!あとは、ガーデナーの山田勝頼さん…奥様が素晴らしいっ!!泣けちゃいました!!

    『なんのためにもならないものが、ごく当たり前に存在する。存在することが許されている。それこそ豊かさだ。』国村市子社長のモットーのもと、その信念は引き継がれる…。どんなに過去の人生が苦しいものだったとしても、『…それは今日や明日を投げ出す理由にはならない…目の前のことをやるしかない…そうすることでしか自信はつかない…。』
    読んで、前向きな気持ちで私も頑張ろうって素直に思えました。

    • かなさん
      チーニャさん、今日もお疲れ様です!
      明日からはもっと寒くなって、大雪かもしれないと
      ドキドキしています…。

      この作品はチーニャさん...
      チーニャさん、今日もお疲れ様です!
      明日からはもっと寒くなって、大雪かもしれないと
      ドキドキしています…。

      この作品はチーニャさんの本棚にあったから
      読んでみたいと思って手にしました(^^)
      読めてよかったです!
      今まで読んだ寺地はるな先生の作品の中でも
      一番好きかもしれないです。
      読んでいて、つい涙してしまう作品でした。
      チーニャさん、ありがとうございます。
      2023/01/23
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさん、こんばんは(^^)
      寒いですね…大雪になってますか??こちらは、寒いだけで、今まだ、降ってないです。
      あったかくしてお過ごしくださ...
      かなさん、こんばんは(^^)
      寒いですね…大雪になってますか??こちらは、寒いだけで、今まだ、降ってないです。
      あったかくしてお過ごしくださいね!!

      この本を読んでいただいて、同じように好きな気持ちを共有できてとても嬉しく思います~

      こちらこそ、ありがとうございます\(^_^)/
      2023/01/24
    • かなさん
      チーニャさん、こんばんは!
      こちらは雪も降っているけど風が強くて…
      そしてめっちゃ寒いです(>_<)
      チーニャさんのところはまだ雪は降...
      チーニャさん、こんばんは!
      こちらは雪も降っているけど風が強くて…
      そしてめっちゃ寒いです(>_<)
      チーニャさんのところはまだ雪は降っていないとのことですが
      これから降るかもしれないので、
      気をつけてお過ごしくださいね!
      私も、もこもこ着込んで過ごします(^^;)

      私もこの作品を読めて
      チーニャさんと共感できてすごく嬉しいですよ♪
      これからも、読書を通じて
      楽しくお話できたらって思います!
      これからも、よろしくお願いします(^^)/
      2023/01/24
  • ほたるいしマジカルランドで働く人達それぞれの、小さな物語が連なった連作短編集

    清掃員として働く篠塚八重子さんの物語が一番刺さった。
    おにぎりのサインに泣いた( ;∀;)

    語られなかった『のがみ」の野上さんの話もいつか読めたらいいな

  • 遊園地は、すべての人を笑顔にさせる不思議なテーマパークである。

    これは、遊園地で働く者たちの日々葛藤している悩みなどを外部からの見守り⁇によって前向きな方向にと導いていく物語。
    けっして誰かが助ける…というわけではなくほんのちょっとしたきっかけで気づかせてくれるという、
    遊園地という設定ならでは…だと感じた。

    月曜日からひとりずつ繋げて1週間で完結する。

    特に水曜日の清掃スタッフの篠塚八重子さんの話は胸にくるものがあった。
    日曜日の完結で、息子さんの「おにぎりのサイン」には泣いた。

    とても温かな気持ちになった。
    自分自身を否定するのではなく、これが私なんだと言えるようになりたいと思った。
    今さらこの歳で性格を変えようなんて、できるはずもないのだから…。
    まずは、前向きな気持ちで。

  • 皆大好き(関西限定?)“ひらパー”こと〈ひらかたパーク〉。
    昨今は岡田(准一)園長でお馴染みですが、個人的には数年前のブラマヨ小杉さん扮する“ひらパー兄さん”が好きでした。
    と、いうことで、本書はそんな〈ひらかたパーク〉をモデルにしたとされる、大坂北部にある遊園地〈ほたるいしマジカルランド〉を舞台にした群像劇でございます。

    遊園地というと、基本的には楽しい場所ではあるのですが、そこで働くスタッフの方々の心の内は必ずしも明るいものではないようで、彼らの抱える鬱々とした心模様を月曜日から日曜日までの連作で綴られる構成です。
    個人的には、拗らせ男子・村瀬君のパートが好きでしたね。
    ちょっと面倒くさいヤツだけど、色々不憫な彼を応援したくなりました。
    対して、そんな村瀬君が愛してやまないメリーゴーラウンドを担当する三沢(呼び捨て)のパートは、彼の薄っぺらい人間性に「な ん や コ イ ツ(怒)」と、最初は嫌悪感を抱きながら読んでいたのですが、そこは寺地さん、このままでは終わらせません。
    この章の終盤で、仲間の損得勘定なしの素朴な優しさに触れた彼が、大切なことに気づきそうになるシーンで不覚にもグッときてしまいました。
    “まさか三沢君(君づけに昇格)で目頭が熱くなるとは・・”と、彼も根が悪いヤツではなかったってことが解って良かったです。
    そして最終章の「日曜日ーーすべての働くひと」では、ガーデナー・山田さんの奥さん・照代さんが最高すぎてウルウルきてしまったり、ずっとしんどい人生だった清掃スタッフの八重子さんに訪れた、小さな奇跡に胸がいっぱいになったりと、“世の中、捨てたもんじゃないかも”と思わせてくれる素敵な内容でした。

    そういえば、最近遊園地(テーマパークにあらず)に行っていないなぁ・・この本を読んで、何だか遊園地に行きたくなっちゃいました~。

  • 大阪の遊園地の一週間を働いている人を各章の主人公にした構成。
    各章が曜日になっててラスト章が日曜日のライトアップイルミネーションで大円団(*´꒳`*)

    二階建のメリーゴーラウンドの装調も素敵です。

    寺地さんやっぱり良いセリフ出て来ますね〜

    「自分を幸せにできるのは自分だけやもん。
     幸せにするとかなんとか、ちょっと思い上がってる
     んちゃう?」

    私も久しぶりに遊園地に行きたくなりました(〃ω〃)

    • かなさん
      みんみんさん、こんばんは!
      フォローといいねをありがとうございます。
      こちらからもフォローさせていただきますので
      よろしくお願いします...
      みんみんさん、こんばんは!
      フォローといいねをありがとうございます。
      こちらからもフォローさせていただきますので
      よろしくお願いします。
      みんみんさんのことは、あちこちのコメント欄で
      お見かけしていたので嬉しいです(*^^*)

      私もこの作品読み終えて
      遊園地行きたいなぁ~って思いましたよ♪
      寺地はるなさん、私も大好きです!
      2023/12/22
    • みんみんさん
      かなさんありがと〜‹‹\(´ω` )/››
      ふざけたレビューですけどよろしくです♪
      かなさんありがと〜‹‹\(´ω` )/››
      ふざけたレビューですけどよろしくです♪
      2023/12/22
  • 明滅するような、でも確かなパワーをもらった!「それがわたしなので」ほんとに潔さがまぶしい言葉だ。悩み、僻み、思い込みでモヤモヤした心にストーンと落ちた。 「がんばってるやん」もマジカルワードだわ。

  • 大阪北部の蛍石市にある遊園地「ほたるいしマジカルランド」で働く人々が色々悩みを抱えながらも仕事を頑張る姿が日替わりで描かれる。それぞれが肩肘張って抱えていた重荷が小さなきっかけで軽くなる瞬間が温かくて良い。清掃員の篠塚さんの「おにぎり」が通じた所は染みる。自己評価と他の登場人物視点でとの違いが語られたり少しずつ人々が繋がっていくのも楽しい。名物社長の市子さんが冒頭突然入院するので遊園地が閉園する流れか?とちょっとどきどきしていたけどその状況でも従業員を想い、対応に精を出す姿は素敵だった。もっとエピソード欲しかったな。ところで菊人形あったり出身女優がイメージキャラクターになる遊園地という事で、想像するのは某兄さんがいる遊園地でよろしいですよね?

  • 寺地さんらしく肩の力を抜いて生きていきなさいとエールをもらえる本だった。名物社長の国村市子が率いる「ほたるいしマジカルランド」。市子は『なんのためにもならないものがごくあたりまえに存在する。存在することを許されている。それこそが豊かさだ』と断言している。コロナ禍当初の頃、繰返し、繰り返し叫ばれていた「不急不要以外は外出しないで下さい」を聴くたびに、疑問を持った。誰が不要不急じゃないを選別するのだろうか。新約聖書に「人はパンのみにて生くるものにあらず」とあるように、人間は物質だけではなく精神的にも満たされることを求めて生きているのにと・・・。
    繰り返される日常を淡々とやり過ごすコツは、あれこれ考えずに、今目の前の仕事をきちんとやりとげること。
    目から鱗!

  • 何かしらの悩みを抱える登場人物が、働く中で気づきを得て少しずつだけれど変化していく過程が良かった。人はいきなり変化するのでなく、少しずつ変化していくのだと感じた。そのキッカケはやはり人との関わりの中でしか得られない。仕事も人間関係も目の前にあるものから目を逸らさず、向き合っていこうと思う。結局それが前を向くための一番の近道。パートの八重子さんとバイトの三沢くんの回が特に好き。

  • 寺地はるなさんの長編小説。
    『夜が暗いとは限らない』と似た感じで、こちらもとても良かった!

    ◆あらすじ
    地方都市の遊園地『ほたるいしマジカルランド』で働く人々の群像劇。

    ◆目次
    ・月曜日 萩原紗英
    ・火曜日 村瀬草
    ・水曜日 篠塚八重子
    ・木曜日 山田勝賴
    ・金曜日 国村佐門
    ・土曜日 三沢星哉
    ・日曜日 すべての働くひと

    ◆感想
    ・月曜日 萩原紗英
    軽い気持ちで面接を受け、バイトでマジカルランドに入り、今は社員としてインフォメーションで働く紗英。幼い頃から母には、"パッとしない子"と評され、友達からは"紗英は真面目だから"と言われてきたが、物覚えがよく、仕事に対して誠実で、細かいことにもよく気づく紗英。香澄のことを客観視できるところ、落とし物のウィッシュリストを興味本位で覗いたりしないところ、蛍石西校(仮)に最後まで付き添う姿勢など、好感が持てた。

    ・火曜日 村瀬草 
    普段『パールのドールハウス』という人形が機械で動くだけのアトラクションを担当する村瀬は、プライベートでマジカルランドに来て、運悪くメンテナンス中で閉鎖された空間のトイレに閉じ込められてしまう。運動音痴で不器用で少し僻みっぽい性格でもあるけれど、メリーゴーランドへの愛が人一倍強いところが憎めない。好きなものがはっきりしているって眩しいね。再就職で、村瀬野働きぶりを佐門が正しく評価していてよかった。

    ・水曜日 篠塚八重子
    清掃係の八重子。モラハラ夫と離婚し、一人息子の大翔を幸せにできなかったことを悔やみながら生きている。八重子が育児に不安になり、志賀さんの誘いでネットワークビジネスに手を出し、転落していってしまったことの一端は夫にもあるのに、八重子が全てを失わなければならなかったというのはとても切ない。最後の、野上の店主の優しさが沁みた。

    ・木曜日 山田勝賴
    マジカルランドの植物を管理して42年を迎えた山田。部下の佐竹の無断欠勤の理由を聞く中で、血のつながらない娘 玲香との関係性を振り返る。

    ・金曜日 国村佐門
    マジカルランドの社長を母に持つ佐門。
    血の繋がらない佑は、自分が楽しいかどうかを基準に行動し、誰とでもすぐに打ち解けることができる性格。自分と比較して、ずっと遊園地の仕事に向いている彼に対して羨望と憎悪の感情を持っていた。高校時代に恋心を抱いていた木村幹との関係を回想しながら、恋人であるあおいと向き合う決心をする。
    "互いに知り得ない「これまで」以上のこれからを、たくさんのはじめてで彩っていこうと思った。"これすごく良かった。

    ・土曜日 三沢星哉
    資産家の祖父を持つ三沢は、家から近いのとネタになりそうという理由で、マジカルランドでバイトを始めて1年になる。担当は村瀬が憧れるメリーゴーランド『フローライト・スターダスト』。
    ある日、Twitterを通して気になっていた桜華がマジカルランドに現れるが、想像していた女性と違ったことにショックを受ける。
    メリットとか見返りとかを求めずに自分を気にかけてくれる人の存在って本当に大きいよね。

    ・日曜日 すべての働くひと
    寺地さんの作品で好きなのは、この最終章で群像劇の結末がしっかりと描かれるところ。山田の妻のように、自分の退職の日に、サイリウム振り回して、引退ライブや、お勤めご苦労様です、なんて陽気に言ってくれる人、最高すぎる。
    "ともに生きていくものに、重要な意味なんかなくていい。価値なんかなくていい。食べて寝て働いて。ただそれだけ繰り返して死んでいくなんてあんまりだから。なんのためにもならないものが、ごくあたりまえに存在する。 存在することを許されている。それこそが豊かさだ"この市子の捉え方、すてき。

  • 地方都市の遊園地「ほたるいしマジカルランド」を舞台に、そこで働く従業員たちの人間関係、心の葛藤を描いたお仕事小説。

    物語は月曜日から日曜日までの7つのパートからなり、曜日ごとに従業員が一人ずつクローズアップされる連作集となっている。さらに、通称「マジカルおばさん」、国村市子社長と、社長の若き友人である佑が全曜日に登場し、社長に送られてきた「働くのがつらいです」というメールの送り主を探すべく、従業員の様子を「偵察」する、というサブストーリーも展開される。

    月曜日、火曜日は若い従業員が主人公だったからか、葛藤を抱えながら「遊園地」という夢を提供する場所で働くお仕事小説、という感じで、うんうん、とうなずきながら読んだ。だが、それ以降の曜日の話は家族との関係性がストーリーのメインという感じで、遊園地ならではの話を期待していた自分にはちょっと物足りなさが残った。
    また、パート従業員から社長になったという市子社長自身や、次期「マジカルおねえさん」と噂されている女優木村幹についても、深掘りするのかと思いきやあっさり終了し、なんだか消化不良。続編は出ていないようだが、実は続編を予定していたのだろうか。

    ストーリー自体は物足りなさが残るが、「ほたるいしマジカルランド」のモデルとなったひらかたパークは、小さい頃に家族に何度も連れて行ってもらった思い入れの強い遊園地。菊人形やバラ園など、なつかしい風景がでてきたのがうれしかった。
    昔を思い出して無性に訪れたくなったのがこの本を読んだ収穫と言えるかもしれない。

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著者プロフィール

1977年佐賀県生まれ、大阪府在住。2014年『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。21年『水を縫う』で河合隼雄物語賞受賞、24年『ほたるいしマジカルランド』で大阪ほんま本大賞受賞。『大人は泣かないと思っていた』『カレーの時間』『ガラスの海を渡る舟』『こまどりたちが歌うなら』『いつか月夜』『雫』など著書多数。

「2025年 『そういえば最近』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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