- 本 ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591169452
作品紹介・あらすじ
<内容紹介>
二階建てのレトロな洋館に、ステンドグラスの嵌め込まれた観音開きの扉。ドアの両側には二つずつ背の高い格子窓。そこから見える満月のような照明と、おいしそうな香りが漂ってきたら間違いなし。そこが「うしろむき夕食店」だ。
“うしろむき”なんて名前だけど、出てくる料理とお酒は絶品揃い。きりりと白髪をまとめた女将の志満さんと、不幸体質の希乃香さんが元気に迎えてくれる。
お店の名物は「料理おみくじ」。
今宵の食事も人生も。いろいろ迷ってしまうお客さんに、意外な出会いを与えてくれると評判だが――。
プロフィール
冬森灯(ふゆもり・とも)
第1回おいしい文学賞にて最終候補。『縁結びカツサンド』にてデビュー。
感想・レビュー・書評
-
手にしたきっかけは、なんと言ってもこのおいしそうな表紙ですよね!エビフライがハート型なのも、ビールが添えられてるのもたまらないっ!( ^_^)/□☆□\(^_^ )
都心から私鉄で20分、最寄り駅から徒歩10分ほどの場所にある「うしろむき夕食店」…その素敵なお店の雰囲気、提供されるお料理とお酒、お料理のおみくじ、そして来店者を「おかえりなさい」と迎えてくれると評判のお店。ここを訪ねるお客さんとお店を営む志満さんと孫娘の希乃香ちゃんのストーリー。
こんなお店が近くにあったらいいなって、この手の作品読むと必ず思いますね…!おいしいお料理食べたあとってみんな笑顔になって、幸せな気持ちになって、よし明日からも頑張ろうって思えますもんね♪
作中の志満さんの『人生に失敗なんて、あるものですか。そのときどきでうまくいかないことがあっても、それは失敗じゃなく、めぐりあわせですよ。仮にうまくかないのなら、その場所はうまくいくための経由地なの。時間が経てば、それも必要な経験だったと思えます。アタシはね、ひとの未来はすべてしあわせにつながっていると信じていますよ。』この言葉、いいですよねぇ…!登場人物だけでなく、読んでいるこっちまで、ポジティブになれる作品だと思いました。 -
温かくて美味しそうなお話でした。
それぞれみんな、
いろいろ人生につまづいたり、
迷ったりした時に、美味しいご飯と温かい会話があれば、
少し進む道が見えたり前向きな気持ちになっていたりするものです。
この本のお料理は、本当に、
とても美味しそうで、出来たてのにおいが漂ってくる感じが食欲をそそります。
おみくじの言葉の後押しもみんなの気持ちをほんの少し温かく灯してくれて…。
登場人物も個性豊かで、魅力的な人ばかり。
隠れ家的なこういうお店に私も出会えたらいいなぁと、心ほんわかじんわり温まりました。
-
料理がとにかくおいしそうだった。
エビフライ、マカロニグラタン、ビーフシチュー、メンチカツ、ハンバーグ。
すぐ近くで料理が作られているかのように、読みながら、匂いまで感じた。
満腹のときに読んでもなお、お腹が空く作品だった。たべたい…。
5つの章に分かれてて、それぞれ悩みを抱える主人公がお店に辿り着き、最後には満足そうに乾杯して終わる物語。
もともとキリンビールとのタイアップとして書かれた作品だと巻末で紹介されていて、だからなのかと納得した。
「うしろむき夕食店」とは、前向き後ろ向きの後ろ向き、ではなくて、少し前の、古きよき時代を思い出すようなお店だからだという。後ろ向きというからてっきりマイナスなイメージを持っていたけど、明るい読後感だった。
各章の主人公が、ほかの章でも登場したりして、そのつながりもよかった。
前に読んだ、古内一絵さんのマカンマランシリーズと似てる。
どちらも美味しそうでほっとできて、どちらもすき。
マカンマランシリーズとか、あと青山美智子さんの作品が好きな人はこの作品も気に入ると思う。 -
都心から少し離れた場所の路地裏にある「夕食店シマ」。別名は「うしろむき夕食店」。そんな隠れ家的なこぢんまりしたレストランを舞台にしたヒューマンドラマ。
本編が「一の皿」から「五の皿」までの5話と、エピローグにあたる「おまけの小皿」の計6話からなる。
◇
店主は志満さんという高齢の女性。元芸者だけあって客あしらいが上手く、出てくる小料理もしゃれていて見事だ。
給仕を担当するのは、希乃香という20代の女性。志満さんの孫娘で明るく元気で店のムードメーカー的存在だ。
ひとときの安らぎを求め、今夜も悩みを抱えた人が引き寄せられるように店を訪れる。
* * * * *
路地裏のわかりにくい立地。
迷いつつもなんとか近くまで行くと猫が案内に立ってくれる。
気の利いたちょっとした料理やさり気ない店主のことばで、行き詰まりを感じていた客の気持ちがほぐれていく。
という設定で、古内一絵さんの『マカン・マラン』によく似た雰囲気です。各話で主人公が違い、その主人公が店での食事をきっかけにして悩みを乗り越えていくという展開も同様です。
全体的に悪人は登場せず、それぞれが互いに少しずつ思いやりながらうまく融和していきます。だから、読んでいて安心できます。
そして物語を動かす重要な小道具が、店のオススメである「料理おみくじ」。そこにはなにげないひと言と料理名が書いてあり、それを客が自分で解釈することで悩みから解放されていきます。
青山美智子さんの『猫のお告げは〜』にも使われていた手法で、なかなかうまいと思います。
気に入った話は第2話。こういう流れが大好き。それに第5話の収拾のつけ方も好みにぴったりでした。
最後に作品タイトルについて。
悩んだときは、自分の歩んできた道を振り返りましょう。これまでの自分ができてきた多くのこと。それを見返してみれば、悩みから抜け出す何かが見つかりますよ。
「うしろむき」は悪いことではありません。それは1日のなかでも大切なことなのです。
作品を貫くそんなテーマがよかった。常に前しか向かないというのはしんどいと思います。 -
自分がこういう本を好んで読むせいもあるが、内容がよくあるパターンで目新しさは全く無かった。
料理は美味しそう。登場人物も良い人達で、終わり方も申し分ないハッピーエンド。
安心安全人畜無害、といったところ。 -
うしろむき夕食店は人生に躓いたり挫けそうになった人々がそこのお食事を食べることで前向きになっていくという優しいお話でした。幸せというのは誰かから与えてもらうのではなく自分で作り出すものというメッセージが響く。
-
料理が上手な人は憧れる。
やはり美味しい物がある所に人は集まるのだ。
そこがまたなかなか探し出せない場所にあるっていうのも良い。
最後は全て収まる。みんなが幸せ。
っていうお話がやっぱり好きです。 -
『うしろむき…』などと題名がついているのてでどんな暗い話しが待ち受けているのかと思いきや、私の大好きなほんわかできるお話しでした。
出てくる料理の美味しそうなこと…。近所にあれば、すぐにでも行きたい。
お客様が喜ぶ顔を思い描きながらもてなす丁寧な接客。素敵ですね。
次回作が楽しみです! -
この店に通っておみくじ料理引きたい。出てくる料理とその絵が美味しそうでお腹が空く。人との繋がりが温かくて、読んでてほっこり。うしろむき、って悪い言葉と思ってたけど、そうじゃないな、私には私の進んできた道があるからそれを振り返るのも悪くないって思えた。
-
美味しそうなご飯と素敵な人たちに元気をもらえる作品。
あたたかく、幸せな雰囲気の本は大好き。
冬森灯の作品






おかえりなさいっ(*^^)v
この作品の表紙、たまらないですよねぇ~♪
ストーリーもなかなかいいんですよ!
よ...
おかえりなさいっ(*^^)v
この作品の表紙、たまらないですよねぇ~♪
ストーリーもなかなかいいんですよ!
よかったら、手にしてみてください。
コメントありがとうございます。