かがみの孤城 下 (ポプラ文庫 日本文学 422)

  • ポプラ社 (2021年3月5日発売)
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本 ・本 (367ページ) / ISBN・EAN: 9784591169728

作品紹介・あらすじ

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。
そこには“こころ”を含め、似た境遇の7人が集められていた。
なぜこの7人が、なぜこの場所に――
すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
本屋大賞受賞ほか、圧倒的支持を受け堂々8冠のベストセラー。

感想・レビュー・書評

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  • R4.11.18 読了。

     すごく感動した。何この展開、この伏線回収。下巻は一気読みでした。
    上巻は、いじめや現実世界から逃避したいなど、暗い話が多くて読むのを諦めかけたけど、最後まで読めて良かった。

    ・「たかが学校のことなのにね。」

    • マメムさん
      初コメです。上下巻の印象がガラッと変わって、下巻はハラハラドキドキですよね。年末の映画にも期待したいです。
      初コメです。上下巻の印象がガラッと変わって、下巻はハラハラドキドキですよね。年末の映画にも期待したいです。
      2022/11/19
    • きたごやたろうさん
      「いいね」ありがとうございます。

      この作品上下巻とオイラも読みました!
      とてもおもしろかったです♪
      「いいね」ありがとうございます。

      この作品上下巻とオイラも読みました!
      とてもおもしろかったです♪
      2025/05/30
  • これだけの人気作になるには作品の良さはもちろんだけれど 幅広い年齢層に受け入れられる事が必要です
    中高生へのプレゼント用なのかな、特製プレゼントBOXまで作られている
    そうですよね、一番読んでほしい読者層は中高生
    といってもさすが辻村さん、歳とった元中高生も充分引き込む文章力と構成力
    いじめそのものの表現よりも 彼らの再生へのアプローチと 本当の主人公を学校へ行きたくても行けなかった二人としたところにお話の深さがありました
    土瓶さんではないですが、〈下〉に入り各自の不登校までの状況の描写あたりで「冷たい校舎の時は止まる」と重なる雰囲気がありました
    10年の時間をかけて、思春期の機敏な心情をグレードアップされた作品でした

    • hibuさん
      私も引き込まれた元中高生のひとりです^_^
      私も引き込まれた元中高生のひとりです^_^
      2024/09/01
    • おびのりさん
      hibu様は、きっとお子さんたちに読ませていると想像します
      そしてhibu様は 中高生の頃 生徒会役員だったと思ってます
      hibu様は、きっとお子さんたちに読ませていると想像します
      そしてhibu様は 中高生の頃 生徒会役員だったと思ってます
      2024/09/02
    • hibuさん
      なんと!娘にプレゼントしました♪
      生徒会ではなく、PTAの役員はしましたね^_^
      なんと!娘にプレゼントしました♪
      生徒会ではなく、PTAの役員はしましたね^_^
      2024/09/03
  • 13歳は、1日で「おとなになる」ことがある。それは奇跡なんかじゃない。ちゃんと理由のあることだ。もちろん私は物凄く焦(じれ)ったかった。下巻でキチンと伏線回収はされるのだけど、半分くらいの伏線は私は気が付いていた。上巻でみんなどうして気がつかないのか、これも中学生だから未熟なんだろうか、等々思っていた。でも「気付きたくない」という気持ちが(どこにも書いてないけど)みんなの中にあったとしたなら、分かる気もする(リオンだけは自覚的に避けていた)。ずっと温めていた幾つかの仮説と、あの危機の場面と、その直前の東条美織との会話で、こころの中で一挙に点と点が繋がったのである。

    あの日が分水嶺だった。いつの間にかそこまで辿り着いていた、というわけだ。その日から、水は反対方向に流れ出す。

    中学生には良い読書体験かもしれない。

    この半世紀で、小学生の名札に名前や住所を書くことはなくなり、幼稚園児の集団登校はなくなり、車の送り迎えは当たり前になり、不登校は当たり前、イジメをどうやり過ごすのかは全ての子供が身につける技能になり、ランドセルはカラフルになって男と女の区別はなくなり、教師はPTA対策だけで深夜残業、精神疾患になり‥‥というような噂が私のもとに届く。みんなそれが当たり前という。それの何処が当たり前なんだろうか。私は理解しきれない。不登校の子どもも、だからではないけれども、理解しきれない。

    この半世紀で、ムラ社会たる昔ながらの共同体は壊され、日本で数人の被害体験は瞬く間に拡大共有されて、すべての日本人の共通課題になる社会が到来しているのかもしれない。もちろん、アンタには分からんよ。そういう声も聞こえる。アンタは、その数人になったときの痛みを経験するはずもないからな。そうなんだろうな。だから時々こういう小説でメンテナンスをしている。

  • この本は私の今まで読んできた中でもかなり上位に入るぐらいの面白かった本です。
    学校で居場所をなくし、閉じこもっていたこころはある日、家の鏡が輝きだしかがみの城へと招かれる。するとそこには中学生の男女7人とオオカミさまがいた。なんとここで1年間願いが叶う鍵探しをするという。ここまでが大雑把な内容です。初めて読んだ時はドキドキが止まりませんでした!はやく次のページに進めたいという気持ちで読んでいました。この本の推しポイント1つ目は色々な感情が色々な感覚を使って表されていることです。色々な感覚で表現されているのでしっかりと背景をイメージしやすくすんなりと物語に入れるところです。2つ目は思春期特有の悩みに共感できることです。さまざまな悩みを抱えた登場人物たちに思わず共感してしまいます。3つ目は伏線回収のすごさです。辻村さんは毎回伏線回収がえぐい!この本は最後の最後まで驚かされてあらゆる所に伏線があって面白いです。何度も読みたくなる理由はこれですね。やはり。
    という訳で老若男女みんな読むべき本です。

    • kulaさん
      周りで読書をまったくしない友人がいるとして、その子に少しずつ読書の素晴らしさ伝えるなら、やっぱり本作と成瀬から入らせる感じですかね?次はなん...
      周りで読書をまったくしない友人がいるとして、その子に少しずつ読書の素晴らしさ伝えるなら、やっぱり本作と成瀬から入らせる感じですかね?次はなんだろ…
      2025/06/14
  • 城の中で過ごす7人、昼のうちはその中で何をするのも自由。行っても行かなくても良いし、仲間と共に過ごしても、一人でいてもいいって解放された場所、まるでお城の中はフリースクールのようでした。
    そんな居心地のいい場所がずーと続かない理由もなんとなく理解できるんだろうな。
    少なくともシスコンのリオンは気づいていたはずで、すぐにでも願いも叶える事ができたと思うのに。
    他の子供達も少しづつ大人になる道を選んで時がすぎるのを待っていたそんな風にみえました。
    リアルな世界では、こころと仲直りしたいって思ってるいじめっ子の真田美織の都合のいい思惑は、こころにとっては不快であること。ここら辺の微妙な感覚がわかる大人とわからない大人が存在すること。
    聡明な東条萌との共感がなければ前に進むことできなかったと思うし、狼少女が予定してた7人の中学生の候補はこころじゃなくて東条萌だったんじゃないかって思っちゃった。
    ちょっとしたパワーバランスの変化で入れ替わったのかな?
    孤立することって避けたいし椅子取りゲームみたいな感覚で誰か一人堕ちてくれると願うそんな風潮が息づいてる社会っていやですね。
    実に奥の深い作品でした。

    • マメムさん
      初コメです。
      子どもの繊細さをいつの間にか忘れてしまう大人もいれば、自分の子ども時代の経験で物を言う大人も多いですけど、ちゃんと向き合うって...
      初コメです。
      子どもの繊細さをいつの間にか忘れてしまう大人もいれば、自分の子ども時代の経験で物を言う大人も多いですけど、ちゃんと向き合うって大事ですよね♪
      2023/11/12
    • つくねさん
      いろんなことを考えさせられる名作でした。
      みんないろんな出会いを通じて成長していけるといいですね。
      ウレシノとフウカが出会えるといいなっ...
      いろんなことを考えさせられる名作でした。
      みんないろんな出会いを通じて成長していけるといいですね。
      ウレシノとフウカが出会えるといいなって思いました。
      2023/11/12
  • 読み終わった後の興奮が凄かった。
    最初のあの2ページはここに繋がるのか!


    いじめられて辛い?皆んなが怖い?
    たかが学校じゃないか。
    闘う必要なんてないじゃないか。
    仲間もいる。

    私は大丈夫。

  •  私が五日ほどかかって上下巻読んでいる間に、横取りした小四の娘が二日で読了してしまった。そんなに速く読めるなら、普段からもっと字の本読めばいいのに。ファンタジーはめったに読まない私だが面白かった。この本は…義母から借りたもの。
     感想……ネタバレになるから細かいことは書かないけれど、一番ロマンチックだったことは、この世からいなくなってしまった人が全力でこの世にいる人のためにファンタジーな世界を作り出してくれたことだ(すみません。これ、究極のネタバレです)。このことは実は私には羨ましくて羨ましくて。羨ましくて羨ましくて。いえ、私にも実は会いに来てくれているのかもしれません。記憶にないだけで。だから、私はずっと前向きに生きていられるのかもしれません。

    • 土瓶さん
      Macomi55さん、こんばんは。
      これを二日で読める娘さん。凄いですね。集中力が高いのでしょうね。
      普段は字の本、ではなく絵の本(マン...
      Macomi55さん、こんばんは。
      これを二日で読める娘さん。凄いですね。集中力が高いのでしょうね。
      普段は字の本、ではなく絵の本(マンガ)なのかな(笑)?
       
      本棚を拝見すると、とても芸術性が高そうでビックリです。特にクラシック。
      そっち方面は門外漢ですが、フォローありがとうございました。
      よろしくおねがいします^^
       
      2022/05/14
    • Macomi55さん
      土瓶さん
      はじめまして。たくさんの「いいね」とコメントとフォローありがとうございました。
      土瓶さんはブクログの本棚の並びも「鏡の孤城」の上下...
      土瓶さん
      はじめまして。たくさんの「いいね」とコメントとフォローありがとうございました。
      土瓶さんはブクログの本棚の並びも「鏡の孤城」の上下を逆にされるなど、美意識を持たれているのですね。紙の本が好きな者としては本の硬さとか手に取ったときの感触が気になるのも良く
      分かります。
      娘は普段、You Tubeに毒されているので、字の本でも、漫画でもとにかく「紙の本」を読んでくれれば、私は嬉しいです。でもなかなか色んな本に食いついてくれないんですよね。気にいった本…「鏡の孤城」「ハリーポッターシリーズ」「鬼滅の刃」「のだめカンタービレ」などはもう、10週くらいしていると思いますが。この間「約束のネバーランド」全20巻をブックオフで買ってきたら
      1日で読み切られてしまいました。
      2022/05/14
  • 下巻は怒涛の展開でした。そしてnaonaonao16gさんのおっしゃるとおり圧巻のラスト!
    いやぁ…かがみの中に吸い込まれるように、物語に没頭させられました。面白い!

    しかし、感想が書きづらい。
    完璧に伏線回収もされているし、こころを含めた7人の成長物語として感動する。

    さすがは、本屋大賞受賞作、なのだ。

    ただ、ほかの方もレビューで書かれていたけど、真田美織がどうなったのか、個人的には気になった。
    真田美織の心の闇が何なのか?「言葉が通じない」で終わってしまったところのもやもやだけが残された。

    「言葉が通じないもの」とも共存していくこと、それが大人になるということではある。
    自分の言葉が通じる範囲を理解することは生きていく上で重要なことだからだ。
    そして、少しずつ、言葉を覚えて自分の世界を広げていく。それが成長ということだと思う。

    だけどなぁ、もう少し美織とぶつかってほしかったなぁ。

    それと、フリースクールの「心の教室」と喜多嶋先生、なんだか弱いんだよなぁ。もう少し活躍してほしかったな。

    とは、思った。

    • naonaonao16gさん
      スパークルで伝わってよかったです!
      まさにそんな感じの!
      通勤中に止まらず、電車の乗り換えの時にいろいろわかってくるシーンとぶち当たってしま...
      スパークルで伝わってよかったです!
      まさにそんな感じの!
      通勤中に止まらず、電車の乗り換えの時にいろいろわかってくるシーンとぶち当たってしまって、読むのも止められないし降りないといけないしでわたわたした記憶があります(笑)

      そうですね、美織についての描写はかなり抑えてましたね。
      辻村さんの「傲慢と善良」の文庫を待っているのですが、「かがみの孤城」がここ最近でしたし、しばらく先になりそうですねぇ…

      喜多嶋先生のアナザーストーリーみたいな短編とかが、文庫オリジナルで入ってたらよかったですね(笑)
      2021/03/28
    • たけさん
      naonaonao16gさん。
      僕も下巻はほぼ一日で読みましたよ。しかも日中は仕事。その日は仕事か「かがみの孤城」かだけの一日でした。

      喜...
      naonaonao16gさん。
      僕も下巻はほぼ一日で読みましたよ。しかも日中は仕事。その日は仕事か「かがみの孤城」かだけの一日でした。

      喜多嶋先生のアナザーストーリー、いいですね!登場人物たちのその後のストーリーを読んでみたいと思いました。
      2021/03/29
    • naonaonao16gさん
      こんにちは!

      それは日中もやきもきしたでしょう…(笑)
      仕事で何か失敗されてないといいな…

      登場人物のアナザーストーリーも面白そう!!
      ...
      こんにちは!

      それは日中もやきもきしたでしょう…(笑)
      仕事で何か失敗されてないといいな…

      登場人物のアナザーストーリーも面白そう!!
      辻村作品たくさんありますし、これからもいっぱい読んでいきたい作家さんです(^^)
      2021/03/29
  • 2018年本屋大賞受賞作の下巻。

    怒涛の伏線回収は見事でした。

    自分自身がこの7人の誰かだったら…っていう思いで読み進めると、心が折れそうになりました。

    さりとて、自分自身でしか物事は変えられない、でも必ず自分自身の居場所はあるし、手を差し伸べてくれる人も必ずいる。

    そう信じてやまない作品でした。

  • 大満足。気になりすぎて、上巻を読み終えた足でTSUTAYAに直行してしまった。そして、1日で読み終えてしまった。もっと、スローペースで楽しもうと思ったが、先が気になりすぎて。ちょっと、もったいなかったかな。

    下巻は、上巻と毛並みが変わり怒涛の展開。
    「怖がらせてごめんね」のセリフはグッときた。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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