かがみの孤城 下 (ポプラ文庫 つ 1-2)

著者 :
  • ポプラ社
4.51
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本棚登録 : 12786
感想 : 977
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591169728

作品紹介・あらすじ

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。
そこには“こころ”を含め、似た境遇の7人が集められていた。
なぜこの7人が、なぜこの場所に――
すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
本屋大賞受賞ほか、圧倒的支持を受け堂々8冠のベストセラー。

感想・レビュー・書評

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  • R4.11.18 読了。

     すごく感動した。何この展開、この伏線回収。下巻は一気読みでした。
    上巻は、いじめや現実世界から逃避したいなど、暗い話が多くて読むのを諦めかけたけど、最後まで読めて良かった。

    ・「たかが学校のことなのにね。」

    • マメムさん
      初コメです。上下巻の印象がガラッと変わって、下巻はハラハラドキドキですよね。年末の映画にも期待したいです。
      初コメです。上下巻の印象がガラッと変わって、下巻はハラハラドキドキですよね。年末の映画にも期待したいです。
      2022/11/19
  • 13歳は、1日で「おとなになる」ことがある。それは奇跡なんかじゃない。ちゃんと理由のあることだ。もちろん私は物凄く焦(じれ)ったかった。下巻でキチンと伏線回収はされるのだけど、半分くらいの伏線は私は気が付いていた。上巻でみんなどうして気がつかないのか、これも中学生だから未熟なんだろうか、等々思っていた。でも「気付きたくない」という気持ちが(どこにも書いてないけど)みんなの中にあったとしたなら、分かる気もする(リオンだけは自覚的に避けていた)。ずっと温めていた幾つかの仮説と、あの危機の場面と、その直前の東条美織との会話で、こころの中で一挙に点と点が繋がったのである。

    あの日が分水嶺だった。いつの間にかそこまで辿り着いていた、というわけだ。その日から、水は反対方向に流れ出す。

    中学生には良い読書体験かもしれない。

    この半世紀で、小学生の名札に名前や住所を書くことはなくなり、幼稚園児の集団登校はなくなり、車の送り迎えは当たり前になり、不登校は当たり前、イジメをどうやり過ごすのかは全ての子供が身につける技能になり、ランドセルはカラフルになって男と女の区別はなくなり、教師はPTA対策だけで深夜残業、精神疾患になり‥‥というような噂が私のもとに届く。みんなそれが当たり前という。それの何処が当たり前なんだろうか。私は理解しきれない。不登校の子どもも、だからではないけれども、理解しきれない。

    この半世紀で、ムラ社会たる昔ながらの共同体は壊され、日本で数人の被害体験は瞬く間に拡大共有されて、すべての日本人の共通課題になる社会が到来しているのかもしれない。もちろん、アンタには分からんよ。そういう声も聞こえる。アンタは、その数人になったときの痛みを経験するはずもないからな。そうなんだろうな。だから時々こういう小説でメンテナンスをしている。

  • 読み終わった後の興奮が凄かった。
    最初のあの2ページはここに繋がるのか!


    いじめられて辛い?皆んなが怖い?
    たかが学校じゃないか。
    闘う必要なんてないじゃないか。
    仲間もいる。

    私は大丈夫。

  • 城の中で過ごす7人、昼のうちはその中で何をするのも自由。行っても行かなくても良いし、仲間と共に過ごしても、一人でいてもいいって解放された場所、まるでお城の中はフリースクールのようでした。
    そんな居心地のいい場所がずーと続かない理由もなんとなく理解できるんだろうな。
    少なくともシスコンのリオンは気づいていたはずで、すぐにでも願いも叶える事ができたと思うのに。
    他の子供達も少しづつ大人になる道を選んで時がすぎるのを待っていたそんな風にみえました。
    リアルな世界では、こころと仲直りしたいって思ってるいじめっ子の真田美織の都合のいい思惑は、こころにとっては不快であること。ここら辺の微妙な感覚がわかる大人とわからない大人が存在すること。
    聡明な東条萌との共感がなければ前に進むことできなかったと思うし、狼少女が予定してた7人の中学生の候補はこころじゃなくて東条萌だったんじゃないかって思っちゃった。
    ちょっとしたパワーバランスの変化で入れ替わったのかな?
    孤立することって避けたいし椅子取りゲームみたいな感覚で誰か一人堕ちてくれると願うそんな風潮が息づいてる社会っていやですね。
    実に奥の深い作品でした。

    • マメムさん
      初コメです。
      子どもの繊細さをいつの間にか忘れてしまう大人もいれば、自分の子ども時代の経験で物を言う大人も多いですけど、ちゃんと向き合うって...
      初コメです。
      子どもの繊細さをいつの間にか忘れてしまう大人もいれば、自分の子ども時代の経験で物を言う大人も多いですけど、ちゃんと向き合うって大事ですよね♪
      2023/11/12
    • つくねさん
      いろんなことを考えさせられる名作でした。
      みんないろんな出会いを通じて成長していけるといいですね。
      ウレシノとフウカが出会えるといいなっ...
      いろんなことを考えさせられる名作でした。
      みんないろんな出会いを通じて成長していけるといいですね。
      ウレシノとフウカが出会えるといいなって思いました。
      2023/11/12
  •  私が五日ほどかかって上下巻読んでいる間に、横取りした小四の娘が二日で読了してしまった。そんなに速く読めるなら、普段からもっと字の本読めばいいのに。ファンタジーはめったに読まない私だが面白かった。この本は…義母から借りたもの。
     感想……ネタバレになるから細かいことは書かないけれど、一番ロマンチックだったことは、この世からいなくなってしまった人が全力でこの世にいる人のためにファンタジーな世界を作り出してくれたことだ(すみません。これ、究極のネタバレです)。このことは実は私には羨ましくて羨ましくて。羨ましくて羨ましくて。いえ、私にも実は会いに来てくれているのかもしれません。記憶にないだけで。だから、私はずっと前向きに生きていられるのかもしれません。

    • 土瓶さん
      Macomi55さん、こんばんは。
      これを二日で読める娘さん。凄いですね。集中力が高いのでしょうね。
      普段は字の本、ではなく絵の本(マン...
      Macomi55さん、こんばんは。
      これを二日で読める娘さん。凄いですね。集中力が高いのでしょうね。
      普段は字の本、ではなく絵の本(マンガ)なのかな(笑)?
       
      本棚を拝見すると、とても芸術性が高そうでビックリです。特にクラシック。
      そっち方面は門外漢ですが、フォローありがとうございました。
      よろしくおねがいします^^
       
      2022/05/14
    • Macomi55さん
      土瓶さん
      はじめまして。たくさんの「いいね」とコメントとフォローありがとうございました。
      土瓶さんはブクログの本棚の並びも「鏡の孤城」の上下...
      土瓶さん
      はじめまして。たくさんの「いいね」とコメントとフォローありがとうございました。
      土瓶さんはブクログの本棚の並びも「鏡の孤城」の上下を逆にされるなど、美意識を持たれているのですね。紙の本が好きな者としては本の硬さとか手に取ったときの感触が気になるのも良く
      分かります。
      娘は普段、You Tubeに毒されているので、字の本でも、漫画でもとにかく「紙の本」を読んでくれれば、私は嬉しいです。でもなかなか色んな本に食いついてくれないんですよね。気にいった本…「鏡の孤城」「ハリーポッターシリーズ」「鬼滅の刃」「のだめカンタービレ」などはもう、10週くらいしていると思いますが。この間「約束のネバーランド」全20巻をブックオフで買ってきたら
      1日で読み切られてしまいました。
      2022/05/14
  • 下巻は怒涛の展開でした。そしてnaonaonao16gさんのおっしゃるとおり圧巻のラスト!
    いやぁ…かがみの中に吸い込まれるように、物語に没頭させられました。面白い!

    しかし、感想が書きづらい。
    完璧に伏線回収もされているし、こころを含めた7人の成長物語として感動する。

    さすがは、本屋大賞受賞作、なのだ。

    ただ、ほかの方もレビューで書かれていたけど、真田美織がどうなったのか、個人的には気になった。
    真田美織の心の闇が何なのか?「言葉が通じない」で終わってしまったところのもやもやだけが残された。

    「言葉が通じないもの」とも共存していくこと、それが大人になるということではある。
    自分の言葉が通じる範囲を理解することは生きていく上で重要なことだからだ。
    そして、少しずつ、言葉を覚えて自分の世界を広げていく。それが成長ということだと思う。

    だけどなぁ、もう少し美織とぶつかってほしかったなぁ。

    それと、フリースクールの「心の教室」と喜多嶋先生、なんだか弱いんだよなぁ。もう少し活躍してほしかったな。

    とは、思った。

    • naonaonao16gさん
      スパークルで伝わってよかったです!
      まさにそんな感じの!
      通勤中に止まらず、電車の乗り換えの時にいろいろわかってくるシーンとぶち当たってしま...
      スパークルで伝わってよかったです!
      まさにそんな感じの!
      通勤中に止まらず、電車の乗り換えの時にいろいろわかってくるシーンとぶち当たってしまって、読むのも止められないし降りないといけないしでわたわたした記憶があります(笑)

      そうですね、美織についての描写はかなり抑えてましたね。
      辻村さんの「傲慢と善良」の文庫を待っているのですが、「かがみの孤城」がここ最近でしたし、しばらく先になりそうですねぇ…

      喜多嶋先生のアナザーストーリーみたいな短編とかが、文庫オリジナルで入ってたらよかったですね(笑)
      2021/03/28
    • たけさん
      naonaonao16gさん。
      僕も下巻はほぼ一日で読みましたよ。しかも日中は仕事。その日は仕事か「かがみの孤城」かだけの一日でした。

      喜...
      naonaonao16gさん。
      僕も下巻はほぼ一日で読みましたよ。しかも日中は仕事。その日は仕事か「かがみの孤城」かだけの一日でした。

      喜多嶋先生のアナザーストーリー、いいですね!登場人物たちのその後のストーリーを読んでみたいと思いました。
      2021/03/29
    • naonaonao16gさん
      こんにちは!

      それは日中もやきもきしたでしょう…(笑)
      仕事で何か失敗されてないといいな…

      登場人物のアナザーストーリーも面白そう!!
      ...
      こんにちは!

      それは日中もやきもきしたでしょう…(笑)
      仕事で何か失敗されてないといいな…

      登場人物のアナザーストーリーも面白そう!!
      辻村作品たくさんありますし、これからもいっぱい読んでいきたい作家さんです(^^)
      2021/03/29
  • 数々の賞を総なめにしている有名な本書。文庫版。
    帯には「堂々9冠」とあります。
    やっと手に取りました。

    辻村深月さんは
    「冷たい校舎の時は止まる」
    「ハケンアニメ」
    に続いて3作目の読書。
     
    主人公は、とあることから不登校になってしまった中学一年生の女の子。
    あるとき、彼女は自分の部屋で、不思議に光る鏡に触れて吸い込まれてしまいます。
    吸い込まれた先には不思議なお城があり、狼の面を被った少女に出迎えられ、主人公を含めた7人の中学生たちは、どんな願いでも叶う”鍵”を探すように言われる。
     
    どことなく「冷たい校舎の~」を連想させるお話し。
    なるほど良くできている。
    最後の数十ページはいろいろな伏線が回収され、次々に謎が解かれてゆくジェットコースター。
    うまいですね~。
    素敵な終わり方でした。
     
    ここからは内容以外のレビュー。
     
    文庫本を手に取った第一印象は「固っ!」
    パラパラめくるも、何故かめくりにくい?
    紙が固い? いや厚いのかな?
    手元に他のポプラ文庫さんの文庫本がないので比較できませんが、ポプラさんの仕様なのかなー、この紙。
    ストーリーよりもそっちが気になってしまった……。

    • りりうさん
      ひまわりめろんさん、MSさん、はじめまして。 
      土瓶さん、コメント失礼いたします。
      私の感想の上に土瓶さんのレビューがあったので、気になって...
      ひまわりめろんさん、MSさん、はじめまして。 
      土瓶さん、コメント失礼いたします。
      私の感想の上に土瓶さんのレビューがあったので、気になって読ませていただきました。紙質って分かるものなんですね。わたしは上下巻持っていますが、紙質……硬い……まだまだ未熟でわかりませんでした……(´・ω・`)まだまだお子ちゃまってことなのですね。実際そうなのですが。
      これからは、本を買うたびに確認します!
      2023/05/09
    • 土瓶さん
      さわわさん、こんばんは~^^
      紙質。特に気にならなければどうということもないですよ。
      ただ私が妙に違和感を感じたな~ってだけの話で。
      ...
      さわわさん、こんばんは~^^
      紙質。特に気にならなければどうということもないですよ。
      ただ私が妙に違和感を感じたな~ってだけの話で。
      これからも読書を楽しみましょう。
      よろしくで~す( ´∀`)bグッ!
      2023/05/09
    • ひまわりめろんさん
      さわわさん
      こんばんは!

      いろんなところにアンテナを張るっていうのも読書の楽しみ方のひとつ、かもしれませんね
      紙質であったり、表紙だったり...
      さわわさん
      こんばんは!

      いろんなところにアンテナを張るっていうのも読書の楽しみ方のひとつ、かもしれませんね
      紙質であったり、表紙だったり、タイトルだったり
      感じ方、楽しみ方は人それぞれですが、分からないことを分からないって認める素直さと分りたいって思う好奇心や探究心は読書を楽しむ上でとても大切なことだと思いますよ
      なのでそんな気持ちを持っているさわわさんは「読書を楽しめる人」です
      これからもたくさん本を読んで楽しんで下さいね
      2023/05/09
  • すごい作品。電車のなかで何度も涙がこぼれそうになった。

    こころちゃんと萌ちゃんが、ふとした再会から、お互いに思っていることをぽつぽつ話しはじめたところは、救われた。こんな友情の芽生え、なんか昔にあったかもなぁ。

    自分の居場所とか立ち位置、友達との関係性、ホント気になり出したら苦しくなることがいっぱいあったなー。
    娘もこんなことが少し気になりだしたみたいだし、心配、、。もう少ししたらこの本を薦めてみよう。

    結末は予想だにしない展開の連続。しっかり優しい気持ちにさせてくれました。読めたことに感謝。

  • 予想していた伏線は当たっていたが、ほんの一部でしかなかった。衝撃に次ぐ衝撃で、心の震えが止まらない。

    下巻はより引き込まれ、三月からは一気読み。それぞれが抱えていたものは苦しく、胸が締め付けられた。そして、気付けば築かれていた7人の絆と勇気に感動する。
    それで終わらず、オオカミさまの正体、さらに喜多嶋先生の正体が明かされて涙が溢れた。

    現実にはあり得ない設定でも、つながれる場所は沢山あってほしいし、目の前の声を聴ける人が必要だと痛感する。子供はもちろん大人にも。
    アニメ必ず見よう。さらに心に刻みたい。

    • Manideさん
      みんとあめさん、こんばんわ〜

      かがみの孤城、よかったですよね〜

      先日、テレビでもみました。好きな絵のタッチではなかったですが、それでも、...
      みんとあめさん、こんばんわ〜

      かがみの孤城、よかったですよね〜

      先日、テレビでもみました。好きな絵のタッチではなかったですが、それでも、やっぱり感動しました。

      いい作品ですよね(^^)
      2024/02/15
    • みんとあめさん
      Manideさん、アニメ録画したのですが、まだ見れていなくって。今週末、ゆっくり見たいと思います⭐︎
      Manideさん、アニメ録画したのですが、まだ見れていなくって。今週末、ゆっくり見たいと思います⭐︎
      2024/02/15
  • 前から話題になっていた本作をようやく読んだ。読む前の時点では、鏡の中の異次元世界の話とは荒唐無稽ではと思ったが、読み始めたら止まらなくなり、結局一気読みしてしまった。時空を超えた人と人の思いにじんときた。記憶を無くしてしまうのは切なくてたまらないが、誰も分かりようがないものの、現実世界でも似たようなことはひょっとして起こっているのかもしれないという気にさせられた。例えば、行ったことのない場所なのに親しみを感じたりだとか、自分の好きなものとか、現在関わっている周りの人たちとか、理由が説明できないことも多々あるが、もしかしたらどこかでつながっている/いたのかもしれない。頑張って学校に行ったこころとリオンは記憶を残したまま会えたようで良かった。辻村深月さんの長編小説は実は初読みだったが、すごい作家さんだなー他の作品もぜひ読んでみたい。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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