蛍と月の真ん中で

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 99
感想 : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591171707

作品紹介・あらすじ

息苦しい日常から逃げ出した
僕が出会ったのは
亡き父の愛した景色と、君だった。


『流星コーリング』で広島本大賞を受賞した著者による、
自分の居場所を求める若者たちの葛藤と足掻き、その先にある確かな一歩を描いた、
瑞々しい傑作青春小説。



あらすじ

何者にもなれていない自分を、恥ずかしがらなくていい。


小さな地方都市で写真店を営んでいた父の影響で、カメラマンを目指すようになった匠海。父の死後、母との関係性が悪くなった匠海は、逃げるように東京の写真専門学校に入学する。しかし、待っていたのは、学費と生活費を稼ぐだけで精一杯の毎日。これを乗り越えれば、きっと夢に近づける――。そう信じ込み、なんとか自分を奮い立たせていた匠海だが、ある出来事をきっかけに、大学を1年休学することを決める。
実家にも帰れず、衝動的に向かった先は長野県・辰野市――かつて父が蛍の写真を撮影した場所だった。なんの計画もなく訪れた匠海を出迎えてくれたのは、父が愛した美しい景色。そして、それぞれの事情で辰野に移住してきた人、訳あって辰野を離れらない人との出会いが、彼の心を変えていく――。

感想・レビュー・書評

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  • 【読んだきっかけ】
    河邉徹さんの小説5作目

    【心に残った要素】
    タイトル『蛍と月の真ん中で』と、カメラマンを目指す主人公·匠海の撮る写真。
    自然の刹那と一瞬の人の心を捉える。
    瞬間という儚さに温度を与えてゆく。じんわりする。温かい後味がたまらない。

    実在する地名を用いたり、辰野の人たちの細やかな描写があったりする今作は、これまでの作品と同じく人生の苦楽に揺らぐ人の心を描きながら、これまでになかった要素・視覚的な色彩がはっきりと描かれていてフィクション小説なのにドキュメンタリー映画を見ているかのようなリアリティがある。

    やりたいことよりも、やっておかしくないもの、たしかに。そうやって取捨選択している自分がいる気がした。

    大学生が東京から突然地方に移住?そんな作り話みたいな、と思うかもしれないけれど移りゆく季節の中に描かれる暮らしのグラデーションには違和感がない。
    特に印象的だった言葉は「灯」。

    【ここが好き!】
    夏の色、夏の光。冬の温度、冬の光。
    写真家としても活動する小説家だからこそ、ファインダーから見える世界、カメラで切り取った世界を文字に起こしたときの言葉に美しさがあると思う。

    明里ちゃんの宿いってみたいな~

    今作は音の描写が多くはなかったけれど〇〇のような声ってところが私好みでよかった!


    ──著者紹介──
    河邊徹(かわべ・とおる)
    1988年兵庫県生まれ。3ピースバンド・WEAVERのドラマーとして、2009年メジャーデビュー。バンドでは作詞を担当し、2018年に小説家デビュー。『流星コーリング』で第十回広島本大賞を受賞。その他の著書は『夢工場ラムレス』『アルヒのシンギュラリティ』『僕らは風に吹かれて』。

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著者プロフィール

1988年6月28日、兵庫県生まれ。ピアノ、ドラム、ベースの3ピースバンド・WEAVERのドラマーとして2009年10月にメジャーデビュー。バンドでは作詞を担当。2018年5月に小説家デビュー作となる『夢工場ラムレス』を刊行。2作目の『流星コーリング』が、第10回広島本大賞(小説部門)を受賞。2020年8月に3作目『アルヒのシンギュラリティ』を刊行。

「2021年 『僕らは風に吹かれて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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