わたしの美しい庭 (ポプラ文庫 な 16-1)

著者 :
  • ポプラ社
4.23
  • (481)
  • (519)
  • (171)
  • (12)
  • (6)
本棚登録 : 6617
感想 : 396
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591172063

作品紹介・あらすじ

マンションの屋上庭園の奥にある「縁切り神社」。
そこを訪れる<生きづらさ>を抱えた人たちと、「わたし」の物語。
本屋大賞受賞『流浪の月』の凪良ゆうが贈る、救いに満ちた感動作!

<内容紹介>
小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。
百音と統理は血がつながっていない。その生活を“変わっている”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。
三人が住むマンションの屋上。そこには小さな神社があり、統理が管理をしている。
地元の人からは『屋上神社』とか『縁切りさん』と気安く呼ばれていて、断ち物の神さまが祀られている。
悪癖、気鬱となる悪いご縁、すべてを断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるが――

<プロフィール>
凪良ゆう
2006年にBL作品にてデビューし、「美しい彼」シリーズなど作品多数。2020年『流浪の月』にて本屋大賞を受賞。2021年『滅びの前のシャングリラ』がキノベス!第1位。非BL作品の著作に『神さまのビオトープ』『すみれ荘ファミリア』など。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この本はブク友の くるたんさんに教えていただいたもの。
    凪良さん 3作品目。

    この本もよかったなぁ~。

    凪良さんの作品にはいろいろな人が登場する。
    別れた奥さんと新しい旦那さんが事故で急死。
    その子供を引き取って育てる(一緒に暮らす)元旦那。
    カミングアウトしたゲイ。
    高校時代に事故で彼を亡くし、それから一人でいる女性。
    その彼の弟。
    いろいろな人が一緒の時間をいきる。

    アパートの屋上には美しい庭、そして縁切りの神社。
    悪い縁を縁切り。
    でも、それは自分が信念を持ってはじめてかなう。

    世の中にはいろいろな人や考え方がある。
    そのことを理解し認め合わなければと思う。
    そう考えることで自分の人生も変わるような気がします。
    そのためにもいろいろな人の本を読みたいと思います。

    この本を紹介してくださった くるたんさん ありがとうございました。。

    メモ
    p65 孤独死

    p68 フリーサイズの恋

    p109 茨城のり子詩集
    たった一日っきりの
    稲妻のような真実を
    抱きしめて生き抜いている人もいますもの

    p160 周囲の期待なんてものは、一つクリアしたら次が出てくる。

    p180 かけた情けは巡り巡って自らに帰ってくる。

    p186 他人同士なんて死ぬほどめんどくさいことを繰り返すことでしかつながっていけない。

    p292 どんなに素晴しい主義主張も人の心を縛る権利はない。

    p294 できれば「僕たちは同じだから仲良くしよう」より、「僕たちは違うけれど認め合おう」の方を勧めたい。

    p297 手を取り合ってはいけない人なんていないし、誰とでも助け合えばいい。それは世界を豊かにするひとつの手段だと、少なくともぼくは思っています。

    • くるたんさん
      いるかさん♪こんにちは♪

      早速読んでいただき、素敵なレビューをありがとうございます〜♡

      こちらも響く言葉がいっぱい溢れていましたよね。
      ...
      いるかさん♪こんにちは♪

      早速読んでいただき、素敵なレビューをありがとうございます〜♡

      こちらも響く言葉がいっぱい溢れていましたよね。
      凪良さんはいつも"定義"って何⁇ってとっぱらってくれる気がします。
      自分が自分で居られることの大切さ、そして認め合う大切さが伝わりますね♪
      2022/10/27
    • いるかさん
      くるたんさん こんにちは。。。

      本当に良い本を紹介してくださり、感謝感謝です。

      自分が自分らしくいられること。
      でもアウティン...
      くるたんさん こんにちは。。。

      本当に良い本を紹介してくださり、感謝感謝です。

      自分が自分らしくいられること。
      でもアウティングで、命を亡くしてしまうことも。
      みんなが認めあえる世界。
      まだまだ時間がかかりそうですが、いろいろなことを知って成熟した世界になって欲しいですね。
      (多くのことを知っていることも大切ですが、自分の知らないことが世界中に沢山あることを知ることも大切だと思っています)

      この本が多くの人に読まれる意味は大きいと思います。
      本当 凪良さん すごいです。

      この本に出会えたのも くるたんさんのおかげです。
      本当にありがとうございました。。。
      2022/10/27
  • 凪良ゆうさんの小説は、おもしろくて内容がとても深いと改めて思った。

    悪い縁を切る神社とそこを訪れる人々の短編集。
    切りたいものは人それぞれで、世間体を気にせず自分が楽しんで暮らせたら、それでいいのかなと思えた。

    特に"兄の恋人"のうつ病になった"基"が、もう一度自分を愛せるようになるまでのストーリーはすばらしかった。

    複雑な家庭、身近な人の死、ゲイ、うつ病と多くのテーマがあるけど、読んで気持ちの楽になる作品でした。

  • 「ぼくたちは同じだから仲よくしよう」より「ぼくたちは違うけど認め合おう」のほうを勧めたい。

     学校での道徳の授業と、帰り道の友達の言葉を、百音から聞いたときの統理の言葉。他の人のちょっとした言葉にも一喜一憂してしまう自分にとって、本当の大人だなあと思えた。
    「思いやりとは自分がされて嫌なことを人にもしないことです。」
     確かにそうだ。でも、これは第一段階。
     本当にその人の気持ちが理解できているかはわからない。あくまでも自分の考えている「解釈」によるものなのだということ。そしてその「解釈」は世間一般の常識とされるような「解釈」が多い。
     ある人を理解しようと思うと、同じ考えに至らなければいけないような気がしていたけれど、「この人はこういうときにこんなことを考えているのだ」ということを知って、それを認めることなのかなと思った。
     無理に他の人の解釈に合わせようとせず、自分のペースでやっていけばいい。高校生の時亡くなった彼を思い続ける桃子さんみたいに。

     事実というのは存在しません。存在するのは解釈だけです。(ニーチェの言葉だったんですね)
     それでもどうしようもない気持ちはマンション屋上の神社で断ち切ってもらったり、路有のお店に行ったりできるといいなあ。

  • 著者の初読。

    とても良かった!!
    共感できる文章がめちゃくちゃ多い。
    自分だけじゃないんだって勇気つけられたり。
    だれかの『かいしゃく』じゃなくて、自分が決める事が大切。
    一言で言い表せないほど素敵だった、、これは再読必須になるだろうな^^

    この著者の他の本も早く読みたくなりました!

    統理くん、かっこいいなー。登場人物みんな好き(^-^)

  •  かねてから気になっていたものの、手つかずだった本書。書店でふと「期間限定秋カバー!」を見つけ、その美しさに魅了され、ジャケ買いしてしまいました。ミーハー(笑)! 最近、新装版等でこういうの増えた気がします…。
     マンションの屋上に『縁切りさん』と呼ばれる神社があり、様々な人が悪い縁を断ち切ってもらおうと、形代(かたしろ:人の形をした紙)に文言を書き、お祓い箱に入れるのだそうです。
     ここから先は、凪良さんの〝間違いない〟心に傷を抱えている人たちの救いの物語が展開されます。心にグッと刺さり、響く言葉が溢れています。
     読み手である私たちは、作品の質の高さに安心感を持つとともに、登場人物の心情に共感しながら最後は安堵し、またしても、読後は自らが救われたような感覚に陥りました。
     『汝、星のごとく』のように、強烈な〝魂の慟哭〟が描かれている訳でもなく(勿論、本書を卑下しているのではありません)、スラスラ読み進められました。この神社に一人静かに佇み、優しく癒されたいと思わせてくれる、温かな物語でした。

  • フォローしている皆さまの評価が高い本です。気になって読みました。

    だいたいのイメージは解説のとおりですが、
    (登場人物はこんな感じ)
    統理:屋上に縁切り神社があるマンションオーナで宮司。別れた奥さんが再婚後夫とともに亡くなり、その娘の百音を娘として引き取る。
    路有:屋台バーを営む彼氏に捨てられたゲイ。統理と同級生で同じマンションに住む。
    百音:両親が亡くなり血縁の無い統理と暮らすさばさばしている明るい小学5年生。
    桃子:高校時代に恋人である坂口くんを事故で亡くし20年以上引きずったままの独身で同じマンションに住む。
    基:坂口くんの弟で、働き過ぎて鬱になり、会社に行けなくなって実家に引きこもる。そして彼女とも別れてしまう。クリニックで兄の恋人の桃子と偶然会う。

    一番切なかったのが「あの稲妻」の桃子の章で、その中に茨木のり子の詩の歳月の抜粋があり、何か感じるものがありました。
    --------------------
    けれど歳月だけではないでしょう
    たった一日っきりの稲妻のような真実を
    抱きしめて生き抜いている人もいますもの
    --------------------

    この小説も読んでよかった。よかった。

  • とてもシンプルで優しい言葉選びなのに、ふとした瞬間に何度も心に刺さるように染み込む。

    そんなお話でした。

    ジェンダーだとか結婚だとか鬱だとか、普遍的で、だからこそ解決が難しい問題を抱えている人たちが出てきます。

    その問題ごと自分を抱きしめるようなラストがとても良かった。

    短編集でぜんぶ好きでしたが、桃ちゃんのお話がほぼ同年代なので一番刺さったかな。

    フリーサイズの恋、というものの解釈が面白かったです。
    『相手に期待せず依存しない。不測の事態が起きても自分でなんとかする。相手の状況に振り回されない、どんなサイズも受け止めるフリーサイズのシャツにお互いがなる恋』

    おぉっよくいわゆる自立したかっこいい大人の恋愛として描かれるやつだ〜

    と一瞬思ったけど、小学生の百音ちゃんに
    『お洋服に置き換えると、すぐパジャマにされそうな感じだね』

    って一刀両断されてて笑っちゃいました。

    たしかにそんな恋愛、存在意義としては小さいですもんね〜。


  • きれいな文章を書く方だなと思いながら、読ませていただきました。

    血のつながりのない親娘。その友人のゲイの男性。彼らの住むマンションの上には縁切り神社があり、美しい庭がある。

    その世界にはいろんな人がいて、当たり前のように生活をしている。

    傷ついたり、悩んだり、うれしかったり、辛かったり、生きるということは真に美しい。

    そう感じる作品だった。

  • 屋上に、縁切神社を祀り、手入れされた庭園を持つ賃貸マンション。そこに住まう、現代社会に生きづらさを持つ、神主でオーナーの統理や住民達。
    社会的・性的マイノリティの彼らは、違うけど認め合おうと思慮し、それが思いやりとする。そして、それでもダメな時は黙って通り過ぎる。そう、穏やかな分断も優しさとする。

    3話めの「ロンダリング」になると作者の巧さが発揮される。思い過ごしかもだけど、主人公であろう両親を亡くした百音、彼女の年齢設定からの佇まいは、ちょっとファンタジーですかね。
    BL原則「必ずハッピーエンド」から解放されながら、等身大の情けない男子達に別々のラストを与える。

    社会に相容れない部分に対する優しさと許容。
    読み手としても共感する表現が多い。
    自作も期待します。


  • この著者も、この作品も最近よく見かけるな~と思っていたところ、貸してもらえて、ラッキー!読書には貪欲です。

    こういう多様性を描いた小説が多くの人の共感を得るって単純に良いな~と思った。家族のあり方、ジェンダーのあり方、働き方・・・色々なことに多様性があっていい、と認識されつつある現代でも、「普通」という、「普通」って何よ!とツッコミたくなる概念で押しつぶされそうになっている人はたくさんいるし、こんなこと偉そうに言ってる私のどこかにも「普通」という概念が染み着いていると思う。だからこそ、こういった小説があると、押しつぶされそうになってる人には、少しでも安らぎを感じられるかもしれないし、無関係と思っていた人には、思考の良いきっかけになると思う。

    読み進みるほど、登場人物にも思い入れが生まれてくるし、とても読みやすかった。
    何よりよかったのは、所々、すごく印象的な素晴らしい言葉があったこと。

    とくに統理の言葉は印象的なものが多かった。
    そのひとつ。

    「理解できないならできないでしかたない。だったら黙って通り過ぎればいいんだ。なのにわざわざ声かけて、言い訳して、路有に許されることで自分たちが安心したいんだろう。けど良心の呵責はおまえらの荷物だよ。人を傷つけるなら、それくらいは自分で持て」

    高校生でこんなこと言える??
    理路整然と、ごもっともなことを、思いやりの心をもって言葉にできる統理がいかにこういう人間になったか、統理についてはよくわからず、最後までベールがかかったままの感じがしたことが残念だったけれど、統理の言葉はいちいち刺さった。(それとも、これ、何かの続き物で、他の本で統理のことがもっとよくわかるのかしら?)

    とにもかくにも読んでよかったと素直に思える小説だった。

全396件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

凪良ゆう(なぎら ゆう)
小説「花丸」冬の号『恋するエゴイスト』(白泉社)でデビュー。『雨降りvega』(イラスト:麻々原 絵里依)、『365+1』(イラスト:湖水 きよ)などの作品を手がける。主にボーイズラブ系で活動。
作品多数。主な作品に、『積木の恋』『未完成』『美しい彼』『ショートケーキの苺にはさわらないで』『おやすみなさい、また明日』『2119 9 29』『雨降りvega』など。
『悩ましい彼 美しい彼3』がBLアワード2020 BEST小説部門第1位を獲得。『流浪の月』が2020年本屋大賞の大賞を受賞。

凪良ゆうの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
朝井 リョウ
凪良 ゆう
伊吹 有喜
辻村 深月
町田 そのこ
辻村 深月
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×